情報の見える化が経営を変える第一歩。事業成長とDXの起点になったChatwork

FAXと電話を中心に情報伝達を行っていたグランド印刷は業務の属人化や伝達ミスなどの課題に直面していました。2011年にChatworkを導入したことで、社内の連携が劇的に改善され、今では働き方改革・社員定着・DX推進の要として活用されています。

規模
1〜50名
業種
印刷・製造
目的・効果
情報共有の効率化

グランド印刷株式会社

北九州市に本社を置き、福岡県・東京都でデジタルプリント事業、サイン事業、段ボールディプレイ業などを行うグランド印刷株式会社。1969年にシルクスクリーン印刷で創業し、サイン事業、ダンボールプレイ事業、EC事業など時代のニーズに合わせて事業領域を拡大してきました。

代表取締役
小泊 勇志 様

  • 電話:FAX・紙伝票による煩雑な情報伝達
  • 注文変更や伝票の書き間違いによる対応、業務の停滞
  • 営業プロセスの属人化
  • 全社にChatworkを導入し情報を見える化
  • 各部署でルールを整備し運用を最適化
  • 基幹システムと連携し、各種自動通知などを実装
  • リアルタイムな情報共有が実現しミス・クレームも大幅削減
  • 情報の見える化と仕組み化が実現
  • 女性社員比率30%→75%超に、社員定着率も向上

課題

  • 電話:FAX・紙伝票による煩雑な情報伝達
  • 注文変更や伝票の書き間違いによる対応、業務の停滞
  • 営業プロセスの属人化

解決策

  • 全社にChatworkを導入し情報を見える化
  • 各部署でルールを整備し運用を最適化
  • 基幹システムと連携し、各種自動通知などを実装

効果

  • リアルタイムな情報共有が実現しミス・クレームも大幅削減
  • 情報の見える化と仕組み化が実現
  • 女性社員比率30%→75%超に、社員定着率も向上

東京進出とFAX依存がもたらした限界

まず、御社の事業内容を教えてください。

グランド印刷は、創業50年を超えるシルク印刷の会社です。デジタル印刷が主流となるなか、シルク印刷の技術を継承し続けており、現在はシルクスクリーン印刷事業をはじめ、サイン事業、ダンボールディスプレイ事業、EC事業などを展開しています。

Chatworkを導入いただくきっかけになった組織課題について教えてください。

Chatworkを導入する大きなきっかけとなったのは、2008年の東京支社開設でした。

当時はFAXと電話で受注し、複写式の伝票を使用して業務を進めていました。おおまかな流れとしては、受注したら伝票を手書きで記入し、関係部署へFAXやコピーを送るという具合です。しかし、数字の書き間違いや読み間違いが多く、変更があった際には再度伝票を書き直し、関係各所に伝達し直す......という事態がよく発生していたのです。
東京進出によって本社と他拠点のやり取りや業務が急増したことで伝票管理はより煩雑化しました。この時、"業務を効率化しなければ売り上げを伸ばすことができない"と危機感を感じました。
もう一つ、営業スタイルの属人化という課題がありました。情報がブラックボックス化し、担当者がいなくなったら業務が成り立たなくなってしまう。そのような状況を早急に改善する必要がありました。

「電話が鳴らない」静かなオフィスから始まったDX

Chatwork導入当初の様子を教えてください。

2011年にChatworkを導入したことで、FAXや電話によるやりとりはほとんどなくなり、情報伝達の効率が大幅に向上しました。情報伝達の漏れがなくなったことでミスやクレームも減り、Chatwork導入の効果をすぐに実感しました。

ただ、一つ違和感が残りました。それは、電話でのやりとりがなくなったことで、オフィスが一気にシーンとなってしまい、活気が失われたように感じられたのです。

また、これまで「上司から部下へ」という流れで行われた情報伝達が、Chatworkを導入したことによって情報が一斉に伝わるように。情報格差がなくなるというメリットである反面、組織論として「上司と部下」という関係が失われ、役職による社内統制が崩れてしまう恐れも感じていました。

この仕事のやり方は果たして良いのだろうか・・と悩んだ時期もありました。しかし、メリットとデメリットを天秤にかけた結果、便利なものは使うべきだと決断。コミュニケーションを維持しながらChatworkを活用する方法を試行錯誤し続けた結果、社内のITリテラシーが向上し、さらなる業務改善の手ごたえをつかむことができました。

現場ごとに最適化されたChatwork活用術

Chatworkの活用方法を教えてください。

現在は現場ごとにさまざまな活用がされています。

たとえば、製造部門と営業部門との間で行われる納期確認はChatworkを利用し、電話でのやり取りは極力なしに。また作業中はチャットに気付かない場合があるので、Chatworkに届いたテキストを音声にして工場内のスピーカーで流す仕組みを実装しています。そうすることで作業中でも必要なものにだけ対応できるようになり、効率的な業務進行が実現しています。

資材発注においては、各部署の担当者から営業事務担当者へタスクが振られ、基本的にそれを基に発注を行っています。お客様からFAXで発注書などが送られてくる場合もありますが、担当者と関係者に「TO」を付けてチャット上で連絡します。Webサイトから発注が来た際には、Gmailを介してChatworkで通知が届くようになっています。

そのほか、発注内容の確認などはこれまで電話で行っていましたが、それもチャットで行うことで聞き間違いがなくなりました。

納品が完了したら、基幹システムのステータスを変更することで納品完了通知が自動でチャットに通知され、発送一覧が一目でわかるようになっています。伝票処理や通知業務の自動化により顧客対応のスピードが大幅にアップしました。

営業・営業事務以外の部署ではどのように活用されていますか?

ネット販売事業部という部署では扱う案件数が多いため、それらをスプレッドシートにまとめています。シートに案件を入力するとチャットで製造部門へ自動通知され、回答できるタイミングでまとめて対応しています。ただイレギュラーの案件や急ぎの案件は単独でチャットで連絡するなどの工夫をしています。 さらに、バックオフィス業務においてもChatworkが活用されています。有給申請をGoogleフォームに入力すると、Googleカレンダーに登録されると同時にChatworkでも自動通知されるなどの仕組みを構築。全社員への連絡・依頼が効率化しました。

Chatwork導入初期、社内で混乱などはありましたか?

パソコンが苦手な社員もいたのですが、すぐに慣れて皆便利に使っています。最近では取引先の方もChatworkを利用するようになり、業務上のやりとりがChatworkで完結することが多くとても楽ですね。

初期は運用ルールを設定していなかったのですが、徐々に運用に関しての共通認識を共有していきました。たとえば、Chatworkでメッセージを送る際は、引継ぎなどもスムーズにできるよう、基本的にどのメッセージも個人宛ではなく、グループ全体へ共有することで業務全体の流れを把握できるようにしています。業務ごとにチャットグループが増えて煩雑化してしまうため、定期的にグループの整理も行っています。

DXで実現した働き方改革・人材定着・キャリアアップ

ChatworkでDXを進めたことによる変化を教えてください。

いかに業務効率を高められるかという点においてChatworkは非常に有効なツールだと思います。

そして、Chatworkを起点とし様々なツールとの連携などで業務効率が上がったことで、社員一人ひとりの意識も変わりました。利便性が伝わったことで、より良くしていこうという改善の意識を持つようになったと思います。社員からは、業務改善や時短のアイデアが豊富に出てきますし、実装スキルもどんどん上がっているため、私の知らないうちに改善が進んでいることも多くなりました。

働き方の面での変化はありましたか?

業務が効率化されたことによって働きやすさが向上し、人材の定着と成長が促されたと思います。

実は現在、弊社社員の70%は女性です。子育てや育児をしながら働いている方が多く、家庭の都合で仕事を休まなければならない場合は多々あるかと思います。Chatworkを活用することで、仕事を休んだ時にも業務状況を素早くキャッチアップできるようになりました。また、勤務中の社員からも"急ぎではないけれどちょっとした相談事をしたい"という時などに連絡をしやすくなりました。Chatworkならば自分のタイミングでメッセージを確認できますから、電話などでやり取りするよりも、お互い心理的負担が少ない点は大きなメリットです。

また、Chatworkやクラウドツールを活用した勤怠管理により、誰がいつ休んでも状況が分かる点も安心です。必要以上に仕事の心配をせずに休みを取れることで、子育て・介護と両立できる柔軟な職場環境になったと思います。

子育てや介護をしていても仕事を辞める必要性がなくなり、リモート勤務がしやすくなったことで、時短勤務やフリーランス従業員など働き方が多様化。加えて、社内でのスキルアップを支援するリスキリング施策により、事業責任者へのキャリアパスを実現。パートとして働いていた社員がリーダーに昇格するなど、多様なキャリアも実現しました。

グランド印刷で活躍する女性リーダーKさん、Tさん

ChatworkはDXの"入口"、成長の"起点"

どのように社内でのChatwork浸透を成功させましたか?

現在は、ほとんどのやり取りがチャットで完結しています。その際、「緊急なものはチャットだけで済ませない」など、その都度ルールを整理してきました。また、メッセージのやり取りだけでなく、既存の基幹システムと連携し、売上伝票のうち利益少ない伝票が担当者へ通知されるなど、独自の活用法を見出してきました。

このような仕組みの改善は従業員全員で行い、会社のカルチャーとして浸透させています。

会社がDXを進めようとすると、従業員は「自分の仕事がなくなるのではないか」という不安を抱く場合があります。ただ、DXは業務削減だけが目的ではありません。業務の効率化によって新たなビジネスを創出し、会社を成長させることが本当の目的だと考えています。

最後にChatwork導入を検討している企業へメッセージをお願いします。

会社側はDXの目的を明確にしたうえで「社員を信頼している」というスタンスを伝えることが大切です。そして、DXをすることで、働き方や給与アップなどのメリットが得られることを実感できる仕組みを構築することで、会社の成長につなげていけるのではないでしょうか。

私たちはDXをやってきたつもりはありません。企業の成長に向け、見える化、仕組み化、共有化、ルール化を促進するためにChatworkを導入しました。会社は何年もかけて変わっていくもの。そのためには、あくまでもテクニカル面よりも、いかに理念を大切にしているかが重要だと考えています。

ありがとうございました。
※記載の内容は取材時点の情報です。現在のChatworkの機能や料金プランとは異なる可能性がございますのでご了承ください。

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