失敗しないホームページ更新外注ガイド|費用相場・依頼先選び・契約の注意点

目次
「うちのホームページ、なんだか古くなってきたな...」と感じていませんか?
ホームページの更新を外注したいけれど、費用はどれくらいかかるのか、どこに頼めば失敗しないのか、悩みは尽きないものです。
単に業者を探すだけでは、思わぬ失敗につながるかもしれません。
この記事では、ホームページ更新というプロジェクトを単なる「コスト」ではなく、事業を成長させる「戦略的投資」に変えるための具体的な方法を、費用相場から失敗しない業者の選び方まで、わかりやすく解説します。
なぜホームページ更新を外注するのか?目的と課題を明確にする重要性
ホームページ更新の外注を検討する多くの担当者が抱えるのは、「サイトが古くなった」「デザインが時代遅れだ」といった漠然とした不満です。
しかし、プロジェクトの失敗の多くは、この準備段階の曖昧さに起因します。
外注を単なる「丸投げ」ではなく、事業成長を加速させる「戦略的投資」と位置づけるためには、まず自社の目的と課題を徹底的に明確化することが不可欠です。
「サイトが古い」だけでは危険!具体的なビジネス目標(KPI)を設定しよう
「モダンなデザインにしてほしい」といった曖昧な要望は、業者との認識のズレを生み、プロジェクト失敗の典型的な原因となります。
成功するプロジェクトは、必ず具体的で測定可能なビジネス目標(KPI: Key Performance Indicator)に基づいています。
KPIを設定することで、初めて外注先に「何を達成してほしいのか」という成功の基準を共有でき、業者も単なる作業者ではなく、目標達成のためのパートナーとして機能できるのです。
以下に、サイトの目的別に具体的なKPI設定例を挙げます。
- リード獲得: 「サイト経由の問い合わせ件数を現在の月間10件から30件に増やす」
- 採用強化: 「採用サイトからの応募数を倍増させ、採用コストを20%削減する」
- 集客強化 (SEO): 「主要なサービス関連キーワードで検索結果の1ページ目に表示させ、自然検索からの流入数を6ヶ月で倍増させる」
- 売上向上 (ECサイト): 「ECサイトの購入完了率(CVR)を現在の1%から2%に改善する」
- ブランディング: 「サイトの直帰率を15%改善し、平均滞在時間を30秒伸ばす」
どこまで任せる?外注できる業務範囲(軽微な修正〜運用代行)
一口に「ホームページ更新」といっても、その業務内容は多岐にわたります。
自社の目的とリソースに合わせて、具体的にどの業務を外注するのかを明確に定義することが、無駄なコストを避け、費用対効果を最大化する鍵となります。
- スポット対応(軽微な修正・更新):テキストの修正や画像の差し替えなど、特定の不具合や誤記の修正を都度依頼する形式
- 定常的な更新管理:お知らせやブログ記事の追加、コンテンツの差し替えなど、継続的なメンテナンスを依頼する形式(サーバー・ドメインの保守を含む場合あり)
- 包括的な運用代行:コンテンツ企画、SEO対策、アクセス解析と改善提案、レポート作成まで含めた広範な委託形式
外注か内製か?判断を誤らないための3つの自己評価基準
多くの担当者が「自分で更新すべきか、外注すべきか」という点で揺れ動いています。
この葛藤に終止符を打ち、自信を持って外注という選択をするためには、自社の能力を客観的に評価することが不可欠です。
この自己評価は、単に作業を振り分けるためではありません。
企業の限りあるリソース(人材、時間、資金)をどこに投下すべきかという、きわめて戦略的な経営判断です。
この評価を怠ると、後になって「内製ならもっと安くできたはずだ」といった不満が社内から噴出し、プロジェクト失敗の要因となりかねません。
外注を成功させる第一歩は、「私たちの目標達成のためには、外部の専門家の力が必要だ」という確固たる社内合意を形成することなのです。
以下の3つの観点から自社を評価しましょう。
- 専門知識 (Expertise):最新のデザインやSEOに精通した人材が社内にいるか?
- 時間的リソース (Resources):専任Web担当者や十分な稼働時間を確保できるか?
- 品質とスピード (Quality & Speed):外注と同等以上の品質・スピードを担保できるか?
【料金体系別】ホームページ更新の外注費用相場をケース別に徹底解説
ホームページ更新の外注を検討するうえで、最大の関心事であり不安要素が「費用」です。
しかし、単に「最も安い業者」を探すことは成功への道ではありません。
価格の裏にある価値を理解し、「自社の目標達成に見合う適切な投資」をおこなうという視点が不可欠です。
スポット依頼と月額保守、どちらを選ぶべき?メリット・デメリット
料金体系は主に、都度依頼する「スポット依頼」と、毎月定額を支払う「月額保守」の2つに大別されます。
月額保守(リテイナー契約)
- 費用相場: 月額5,000円~50,000円以上。一般的なボリュームゾーンは月額10,000円~20,000円程度です。
- メリット: サーバー・ドメイン管理、セキュリティ対策、バックアップといった基本的な保守が含まれることが多く、安心感があります。依頼のたびに発生する見積もり取得や発注の手間を削減できるという無形の価値も大きいです。
- デメリット: 更新頻度がきわめて低い場合は割高になる可能性があります。また、「更新無制限」とうたっていても、新規ページの作成やデザイン変更といった大掛かりな作業は対象外であることがほとんどです。
スポット依頼
- 費用相場: テキストの軽微な修正で1ページあたり1,000円~3,000円、画像の差し替えで1枚3,000円前後など、作業内容ごとに料金が設定されます。
- メリット: 更新頻度が年に数回程度の場合、年間のトータルコストを抑えやすい選択肢です。
- デメリット: 依頼のたびに「要件をまとめて伝える」「見積もりを取る」「発注する」といった社内担当者の時間的コスト(隠れコスト)が発生します。また、緊急の対応が必要な場合にすぐに対応してもらえないリスクもともないます。
サイトの種類別・費用相場一覧(コーポレート、ECサイトなど)
ホームページの更新・リニューアル費用は、サイトの種類、規模、目的によって大きく変動します。
- コーポレートサイト: 一般的なリニューアル費用相場は40万円~200万円です。ある調査では平均費用が131.1万円というデータもあります。
- ECサイト: 商品カートや決済システムが絡むため高額になる傾向があります。小規模な改修でも100万円以上、カートシステムの変更や大規模なリニューアルでは100万円~1,000万円に達することもあります。
- オウンドメディア: テンプレートを用いた簡易なものであれば30万円~60万円、集客を本格的に目指すオリジナルデザインのサイトでは60万円~150万円以上が相場です。
- 採用サイト: シンプルな構成なら10万円程度から可能ですが、コンテンツを充実させた本格的なサイトでは40万円~200万円以上かかることもあります。
見積書の罠を見抜け!「一式」や「格安」に潜むリスクとは
複数の業者から提示された見積書は、単なる価格表ではありません。
それは、その業者の専門性、透明性、プロジェクト管理能力を測るためのリトマス試験紙です。
とくに注意すべきは、以下のような見積もりです。
- きわめて安い見積もり: サイト設計やテストといった重要な工程が省略されていたり、後から「追加作業」として次々と費用を請求される「マネーピット」の入り口であったりする危険性があります。
- 内訳が「一式」でまとめられた見積もり: 各工程にどれだけのコストがかかっているのかが不透明で、プロジェクト管理が杜撰である可能性を示唆します。
信頼できる業者の見積書は、各工程が詳細に記載され、その金額の根拠が明確です。
以下の表は、標準的な見積もりの内訳です。
この構造を理解することで、単に総額を比較するのではなく、各項目へのリソース配分が妥当かを評価し、業者と対等な立場で交渉を進めることができます。
項目 | 費用相場 | 概要 |
---|---|---|
ディレクション費 | プロジェクト総額の10%~30% | プロジェクト全体の進行管理、要件定義、品質管理など、司令塔としての役割を担う費用。 |
サイト設計費 | 20万円前後 | サイトマップ作成、ワイヤーフレーム設計など、サイトの骨格を作る最も重要な工程の一つ。 |
デザイン費 | トップページ: 5万円~13万円 下層ページ: 2万円~7万円/ページ |
サイトの「顔」となるデザイン。企業のブランドイメージを決定づける重要な要素。 |
コーディング費 | 1ページあたり8,000円~5万円 | デザインをブラウザで表示できるようにHTML/CSS等で実装する作業。レスポンシブ対応などが含まれる。 |
コンテンツ制作費 | 1記事あたり1万円~5万円以上 | サイトに掲載する記事や文章の執筆。専門性が高いほど高額になる。 |
サイト運用・管理費(月額) | 5,000円~5万円 | 公開後のサーバー・ドメイン管理、セキュリティ対策、バックアップ、軽微な更新作業など。 |
依頼先は3択!制作会社・フリーランス・オンラインアシスタントの比較
「誰に依頼するか」は外注における最も重要な戦略的決断の一つです。
主な選択肢は「制作会社」と「フリーランス」ですが、近年では両者のメリットを兼ね備えた「オンラインアシスタント」という選択肢も注目されています。
【安定・高品質】制作会社に依頼するメリット・デメリット
メリット: ディレクター、デザイナー、エンジニアといった専門家チームによる分業体制で、安定した品質が期待できます。
SEOやWeb広告など多様な専門家の知見を活用でき、組織として対応するため長期的なサポート体制も安心です。
デメリット: 人件費やオフィス賃料などの間接費がかかるため、費用は高額になります。
また、担当者を介したコミュニケーションになるため、意思決定に時間がかかったり、柔軟性に欠けたりする場合があります。
【低コスト・柔軟】フリーランスに依頼するメリット・デメリット
メリット: 間接費が少ないため、制作会社に比べて費用を大幅に抑えることが可能です。
制作者と直接やり取りできるため、コミュニケーションが迅速で、急な依頼にも柔軟に対応してもらいやすいです。
デメリット: 品質のばらつきが大きく、スキルに偏りがある場合も少なくありません。
また、個人で活動しているため、病気や事故でプロジェクトが停止するリスクや、突然連絡が取れなくなる「ゴースティング」、廃業といったリスクが制作会社に比べて高いといえます。
【第3の選択肢】オンラインアシスタント活用のすすめ
制作会社の「安定性」とフリーランスの「コストパフォーマンス」。
この二つの間で悩む企業にとって、「オンラインアシスタント」はきわめて有効な第3の選択肢となります。
これは、高コストな安定性か、低コストなリスクか、という二者択一のジレンマを解決するハイブリッドなモデルです。
オンラインアシスタントとは、Webサイトの更新やSNS運用、アクセス解析といったWeb関連業務に特化したアシスタントチームに、必要な業務を必要な分だけ依頼できるサービスです。
メリット:
・コストパフォーマンス: 正社員を雇用するよりも人件費を抑えながら、プロ品質のWeb施策を実現できます。
・専門性と多様性: チームで対応するため、サイト更新、SEO対策、コンテンツ制作、SNS運用など、幅広い専門スキルを活用できます。
フリーランスにありがちな個人のスキル偏りのリスクが低いのが特徴です。
・信頼性と継続性: 個人ではなく組織として業務を請け負うため、フリーランスに起こりがちな「ゴースティング」や「単一障害点」といったリスクを回避し、安定した運用が可能です。
こんな企業におすすめ:
・「Web専任の担当者はいないが、定期的な情報発信やサイト更新はおこないたい」
・「制作会社に丸ごと依頼するほどの予算はないが、フリーランス個人に任せるのは不安」
・「日々の細かな更新作業から担当者を解放し、本来のコア業務に集中させたい」
日々の更新業務から戦略的なWebマーケティングのサポートまで、柔軟に対応できるサービスは、多くの企業にとって強力な味方となるでしょう。
ホームページ更新で絶対に失敗しない!優良な外注先の見極め方
価格やセールストークに惑わされず、本質的に信頼できるパートナーを見抜くためには、いくつかの重要な評価基準があります。
実績は「数」より「質」で見る!確認すべき3つのポイント
ポートフォリオに並んだ有名企業のロゴに惑わされてはいけません。
重要なのは、その実績が自社にとってどれだけ参考になるかです。
・業界・事業規模の近さ: 自社の業界や事業規模に近い実績があるかを確認しましょう。
業界特有の課題やユーザー層を理解している可能性が高いです。
・課題解決のプロセス: 「どのような課題を抱えていたクライアントに対して」「どのような施策で解決し」「どのようなビジネス上の成果が出たのか」を具体的に質問します。
ストーリーで語れる実績こそが本物です。
・担当範囲の明確化: そのプロジェクトで業者が具体的にどの範囲を担当したのか(デザインのみか、戦略立案からかなど)を明らかにすることが重要です。
コミュニケーション能力を試す質問とレスポンスの重要性
プロジェクトの成否は、技術力以上にコミュニケーションの質に左右されるといっても過言ではありません。
・レスポンスの速さと丁寧さ: 問い合わせへの返信は迅速か、言葉遣いは丁寧か、といった基本的な姿勢は信頼の土台となります。
・説明の分かりやすさ: 専門用語を多用せず、こちらのビジネスを理解しようと努め、分かりやすい言葉で説明してくれるかを確認しましょう。
・質問の質: 優れたパートナーは、技術的な仕様の話ばかりでなく、「今回の更新で、最終的にどのようなビジネス目標を達成したいですか?」といった、こちらの事業の根幹に関わる質問をしてきます。
相手の自社サイトは最高の判断材料
提案してきた業者の自社サイトは、その実力を示す最高のポートフォリオです。
自社のサイトに手をかけていない業者が、クライアントのサイトに情熱を注ぐとは考えにくいでしょう。
・デザインは魅力的で、ユーザーにとって使いやすい構造になっているか?
・ブログやお知らせなど、コンテンツは定期的に更新されているか?
・ページの表示速度は速いか?スマートフォンでの表示は最適化されているか?
これらの点を厳しくチェックすることで、その業者の実力や仕事に対する姿勢が見えてきます。
あなたの会社の資産を守る「契約」の知識|著作権とドメインの注意点
外注における失敗の中で最も深刻なのが、自社のデジタル資産のコントロールを失う「人質シンドローム」です。
これを防ぐためには、契約書に潜むリスクを理解し、自社の権利を守る知識で武装することが不可欠です。
制作物の著作権は誰のもの?契約書で必ず確認すべき譲渡条項
まず、大原則として「制作代金を全額支払ったからといって、制作物の著作権が自動的に自社に移るわけではない」という事実を理解する必要があります。
契約書に定めがなければ、著作権は制作者(受注者)に残るのが基本です。
契約書では、以下の3点を必ず確認してください。
・著作権の譲渡: 「納品物の著作権(著作権法第27条および第28条に定める権利を含む)は、報酬の完済をもって甲(発注者)に譲渡される」という一文があるか。
とくに「第27条(翻案権等)」「第28条(二次的著作物の利用権)」を含めることが、将来の自由な改変のためにきわめて重要です。
・著作者人格権の不行使: 「乙(受注者)は甲および甲が指定する第三者に対し、著作者人格権を行使しない」という条項があるか。
これがないと、制作者の意に反する改変ができないといった事態になりかねません。
・納品物の定義: サイトを構成するソースコード一式や、デザインの元データ(Adobe IllustratorやPhotoshopのファイルなど)が納品物に含まれているか、明確に記載されているかを確認しましょう。
ドメイン・サーバーは自社名義か?「人質」状態を避ける方法
悪質なケースでは、業者が自社名義でドメインやサーバーを契約してしまうことがあります。
この場合、業者との関係が悪化したり、業者が倒産したりすると、サイトのURL(ドメイン)そのものを失うという壊滅的なリスクを負います。
対策: 契約前に、ドメインとサーバーの契約名義をどちらにするか必ず確認し、原則として自社名義で契約・管理することを強く推奨します。
所有者の確認方法: 現在のドメイン所有者情報は、WHOIS検索サービス(例えば、.jpドメインならJPRSのWHOIS、.comドメインならICANN Lookupなど)で誰でも確認できます。
不安な場合は一度調べてみましょう。
契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)とは?公開後のトラブルに備える
サイト公開後に、プログラムのバグや表示崩れといった不具合が発見されることは珍しくありません。
その際の修正責任の所在を明確にするのが「契約不適合責任」に関する条項です。
契約書に「納品後3ヶ月(あるいは6ヶ月)以内に発見された本件制作物の契約不適合については、乙(受注者)の責任と負担において無償で修補する」といった内容が明記されているかを確認しましょう。
これにより、公開後の予期せぬ修正費用を回避できます。
まとめ:ホームページ更新を「コスト」から「戦略的投資」へ
ホームページ更新の外注は、多くの企業にとって複雑で不安のともなうプロジェクトです。
しかし、そのプロセスを正しく理解し、主体的に進めることで、単なる「コスト」を事業成長を加速させる「戦略的投資」に変えることができます。
本記事で解説した要点を振り返りましょう。
・目的の明確化: まずは具体的なイメージやKPI設定を行いましょう。
・適正な予算把握: 費用相場を理解し、価格の裏にある価値を見極め、自社の目標達成に見合った投資をおこないましょう。
・最適なパートナー選定: 自社の体制やリスク許容度に応じて、制作会社、フリーランス、そして両者の利点を併せ持つオンラインアシスタントといった選択肢を賢く比較検討することが重要です。
・リスク管理: 優良な業者を見極める目を養い、契約書の重要ポイントを押さえることで、将来のトラブルから自社の資産を守りましょう。
信頼できるパートナーと戦略的な関係を築き、ホームページが事業成長の基盤となるよう育て上げてください。
日々の細かな更新作業から解放され、より戦略的な業務に集中したい、でも制作会社に依頼するほどの予算はない、といった悩みには「Chatwork アシスタント」が力になります。
プロのWebチームに必要な業務を必要な分だけ依頼できるため、コストを抑えながら安定したサイト運用を実現します。
まずはサービス内容について気軽に相談してみてはいかがでしょうか。