介護・医療の情報ニーズに応える多様なサービスを展開

貴社では「高齢社会に適した情報インフラの構築」を理念に、医療や介護業界へ向けた多種多様なサービスを提供されていますね。

平野 : 現在の日本や海外では経済発展や高齢化に伴い、高齢社会は大きな市場として認知されるようになりました。高齢社会に関する情報、例えば介護や医療に関する情報は専門性が高いため、 情報ギャップが生まれやすいという特性をもっています。そこで当社では様々なビジネスモデルの情報サービスを開発・育成・運用し、高齢社会を取り巻く方々同士を情報を通して結び付けていきます。このようにして高齢社会に適した情報インフラを構築することで、例えば介護や医療業界で働く方や事業者の方、高齢者の方やそのご家族がイキイキと生活できる社会の実現を目指しています。

私が所属する介護経営支援事業部ではデイサービスや訪問介護など、介護事業所の運営をサポートするシステム「カイポケ経営支援サービス」を提供しています。2014年11月ごろから対面での営業やサポートを強化する目的でダイレクトセールスグループを立ち上げ、1年弱で札幌・東京・名古屋・大阪・福岡の5カ所に営業所を開設しました。現在は本社と営業所合計で100名ほどの従業員が携わっています。

ダイレクトセールスグループの立ち上げに集結したメンバーは全て女性。

1年で未経験者25名を新規採用し、営業所を5か所立ち上げる困難なミッション

営業所とはどのようにコミュニケーションを図っているのでしょうか?

平野 : チャットワークの導入以前は、基本的にメールを利用していました。しかしメールですと一連のやりとりにCCを入れることも多く、その中から過去のやりとりを追おうとしてもなかなか難しい部分もありました。グループができて1年で25人のメンバーが入社したのですが、 メールを使用して東京以外の営業所にいる未経験のメンバーに何かを教えるのは厳しいのが実情です。

我々のダイレクトセールスグループでは毎週月曜の朝に全営業所参加の会議を実施していますが、営業はどうしても直行直帰が多く、その場にいないことが多いのです。その結果、出席した人からの伝言になってしまって、 意図した内容がきちんと伝わらないケースもたびたび発生していました。

それに加えて多くのメンバーはさまざまなプロジェクトを兼務していますし、私自身もグループ長という立場上、社内からの業務が入ります。メールベースのコミュニケーションではどうしても手が回りきらず、こうした課題を解消するためにチャットによるコミュニケーションツールの導入を検討しはじめたのです。

全国5カ所の営業所を一体化させるチャットワーク運用。

毎日使えば、誰でも自然と使いこなせるUI

チャットワークを知ったきっかけを教えてください。

平野 : チャットワークは、もともと別部門のパートナー企業が導入しているという話を聞きました。そこで調べてみたところ、ちょうどいいツールだと考え、より円滑なコミュニケーションが必要な我々の部署で限定的に使い始めることにしました。

使ってみて、まずUIが素晴らしいと感じました。 本当に必要な機能だけに絞られているので直感的にすぐ使えましたし、添付ファイルのやり取りに使える データ容量も多くて感動しましたね。正直、慣れるのに時間がかかるだろうなと思ったのですが、皆だいたい1カ月くらいで相当使いこなせるようになりました。

私が管轄するダイレクトセールスグループでは、採用時に高いPCスキルを求めているわけではありませんし、介護の現場を外から改革したいという志のもと、ヘルパー職から転職してきてくれた人もいます。そのため、ほとんどPCを触ったことがないという人もいて、全く不安がなかったわけではありません。それでもチャットワークは毎日使っていれば自然と慣れていくようです。

導入の際、苦労された部分はありましたか?

平野 : 実際、苦労らしい苦労はほとんどありません。使い始めてから一週間くらいで、誰もが「メールより便利だ!」と気付いたため、すんなり乗り換えられました。「これを使わなきゃ!」ではなく「これを使ったほうが便利じゃないか」というようにメンバーの意識が変化していきました。

導入時の苦労について「ありません!」と力強く答えてくれた株式会社エス・エム・エス 介護経営支援事業部 ダイレクトセールスグループ グループ長 平野様。

同僚や上司・部下間のフランクな関係を実現

チャットワークを導入してから、どのような変化がありましたか?

平野 : 課題は全て解消できました。 直行・直帰が多くなりがちなメンバーとスムーズに情報共有できるようになりましたし、普段あまり顔を合わせないメンバーともチャットワークで接していると、気軽な雰囲気で話を進められるようになったのです。

なるべく対面でコミュニケーションを取るようにしているものの、メールで「お世話になっております」などの固いやり取りをしていると、実際に対面で話す際もその延長になってしまいがちでした。しかしチャットだとフランクな会話ができるので、 いざ対面で会ってもフランクに会話ができますね。

部下から「これやってください!」というタスクもたくさん届きます。口頭で言いにくい、メールだと固くなりすぎることでもチャットだと言いやすいようで、 上長にも意見を述べやすい環境だと思います。ほどよい軽さはチャットワークならではのバランスだと思います。また、わたしたちのグループは女性がほとんどなので、絵文字もよく使っていますね。ハートマーク付きで頼まれると、忙しい中でも断りにくいのですよ(笑)。

社内でミーティングをするにあたっても、当日その場で情報共有を始めると遅いためあらかじめグループを作って当日どういう話をするのかというアジェンダを事前に配信することで、 ミーティングまでに事前の情報共有ができるようになりました。当社では最終退社時間を19時30分としていて、それ以上の残業や仕事の持ち帰りはしないというルールがあります。そのような業務時間が限られた環境の中でも、チャットワークでの情報共有を通して時間を有効に活用できるようになりました。ほかにも「業務外」というスレッドも結構あって、飲み会や懇親会、同期の仲間などでもよく連絡を取っていますね。

活動の事例を共有しているチャット。非常に具体的に記載しており、他の拠点メンバーの参考になる。

営業先での迅速な回答や未経験者育成にも高い効果

社内でのコミュニケーションはずいぶん改善されたようですね。お客様と直に接する営業の現場ではいかがですか?

平野 : 各メンバーが日々試行錯誤しながらPDCAを回していますが、営業という業務はどうしても、良かったこと・悪かったことが個々のノウハウになりがちで、なかなか共有することができません。これについてはチャットワークに事例共有グループを作ることで「こういうトークをしたら良かった」「こういう資料を持っていったら良かった」など、具体的に効果のあった内容を共有できるようにしました。これによって、いわゆる ノウハウの属人化を防ぐと共に、 営業メンバー間の連帯感や意識向上などにも役立っているようです。

また、本社やシステムの人間も含めた質問グループチャットを作りました。これは訪問中に急な判断が必要になる場合や、分からない部分がある場合、持ち帰ってから後日回答するのではなく、チャットで質問をすることができる仕組みです。気付いた営業メンバーや本社の開発メンバーが、すぐに答えるようにしていますので、その場でお客様に回答することが可能になります。我々がサービスを提供している介護事業者は本当にどこも忙しく、アポイントを取っていても急な予定変更で1時間くらい待つことも珍しくありません。そんな中でご相談をいただき、次の機会に回答するのでは時間がかかりすぎてしまいますから、 顧客サービスの向上と時間の効率化の両方が果たせていますね。

営業のノウハウは、きちんと身につけないと意味がありません。自分が直面した内容は覚えていても、他人が直面した内容は聞き流す傾向にあるのです。本社の人間も、同じことを何度も聞かれたら効率が悪いですね。そこで定期的に質問と回答をまとめて FAQ形式でデータ化し、専用のチャットに記載しています。さらに、直近1カ月のうちに集まった質問を抜粋したテストを月末に実施しています。これは100点を取るまで続けるテストにしており、すべての内容にきちんと目を通してもらえるようにしました。

未経験者育成ではどのような効果を得られましたか?

平野 : 入社後すぐに必要なグループチャットに招待し、過去ログの見方を徹底して教えていきます。先輩に聞かないと何も分からない状態では、聞ける人がいないと知りたいことがあっても止まってしまいがちですが、未経験者が疑問に思うことは大抵過去ログに載っているものです。そこで答えを発見することで、 自発的に学習する流れが出来上がりました。そもそも我々のグループ自体が新しいので、先輩らしい先輩もいません。過去の履歴を読みながら各拠点の最新の動きも見て学習をすることができるため、 チャットツールが無い場合と比べて何倍も成長してもらえます。

当社のOJT研修は2週間で、すぐ現場に出るようになっていますが、質問ルームの「誰かが答えてくれる」という安心感は大きく、2カ月ほどで一人前になりますね。1年の間に5カ所も拠点を作り、未経験者をきちんと育成できたのはチャットワークのおかげです。

訪問先からの緊急問い合わせに対応しているチャット画面。

介護業界をはじめ、忙しい現場にこそチャットワーク導入を

チャットワークは介護業界の課題解決にも役立ちそうですか?

平野 : 我々が「カイポケ」を提供している介護事業所の皆様は、本当にお忙しい。高齢者の方々に目を向けていないと転倒や事故につながりかねない、命を預かる状況でPCに向かう時間もなかなかない。ITによる効率化が難しい現場にこそチャットワークが導入されていけば、さまざまな面で連携しやすくなりますから、ぜひ取り入れていただきたいです。

「カイポケ」では保険請求や求人など、経営マネジメント全般の負荷軽減を目指しています。これに加えてチャットワークを組織内でのコミュニケーションに活用すれば、さらに介護事業所の運営がしやすくなると感じます。

最後に、チャットワークを検討している企業へ、一言アドバイスをお願いします。

平野 : わたしたちがチャットワークの導入に成功したのは、私が「やるぞ!」と引っ張っていったのが大きいと思います。実は、前職でもチャットワークのようなサービス導入を検討したことはあったのですが、結局「慣れているから」という理由でメールに戻ってしまいました。トップダウンで導入していけば、あとは使いやすいツールですから心配無いと思います。

また 導入当初からしっかりとグループチャットを作り分け、どんどんメンバーを入れていったので、皆がそれぞれ 「自分が使うツールだ」という意識をしっかり持てたのも、成功した1つの要因だと感じています。まずは連絡事項の共有から始めてみても十分手ごたえを感じられると思いますよ。