45人で月130時間以上の業務効率化に成功 人間関係の構築にも役立った

介護業界は人手不足が課題であり、生産性の向上が急務となっています。八千代病院の運営をおこなう社会医療法人財団新和会では、介護事業部にChatworkを導入し、効率的な情報共有を実現。業務時間の大幅な効率化と、人間関係の構築に効果が出ているといいます。

規模
1〜50名
業種
医療・介護・福祉
目的・効果
業務効率化 情報共有の効率化

社会医療法人 財団新和会

明治33年(1900年)に開業し、地域の医療を支えてきた八千代病院を運営する社会医療法人 財団新和会。近隣病院と協力した2次救急を積極的におこない、急性期病棟だけではなく回復期リハビリテーション病棟、地域包括ケア病棟、療養病棟を整備。さらに、在宅部門や健診センターの拡充、老人保健施設の新規加入をおこなうなど、救急・急性期医療から在宅支援までを一貫してサポートしている。(取材:2024年1月)

介護事業部 統括課長
小久保 充 様

  • 電話連絡はつながらないことも多く、全事業所への一斉連絡も難しかった
  • 介護業界の人手不足は深刻であり、業務効率化による生産性向上が必須だった
  • 離職防止のためにも、職場の良好な人間関係を維持することが必要だった
  • Chatworkを導入し、いつでも全体に向けて情報発信できるようにした
  • Chatworkの導入により、情報共有の効率化を図った
  • Chatworkを活用してスタッフ間の気軽なコミュニケーションを促進
  • いつでもどこでも情報を伝達でき、全体への一斉連絡も可能に
  • 45人の業務時間が合計で月に130時間以上も短縮し、業務効率化を実現
  • スタッフ間のコミュニケーションがこれまで以上に活性化

課題

  • 電話連絡はつながらないことも多く、全事業所への一斉連絡も難しかった
  • 介護業界の人手不足は深刻であり、業務効率化による生産性向上が必須だった
  • 離職防止のためにも、職場の良好な人間関係を維持することが必要だった

解決策

  • Chatworkを導入し、いつでも全体に向けて情報発信できるようにした
  • Chatworkの導入により、情報共有の効率化を図った
  • Chatworkを活用してスタッフ間の気軽なコミュニケーションを促進

効果

  • いつでもどこでも情報を伝達でき、全体への一斉連絡も可能に
  • 45人の業務時間が合計で月に130時間以上も短縮し、業務効率化を実現
  • スタッフ間のコミュニケーションがこれまで以上に活性化

拠点間コミュニケーションと人手不足への対応が急務

まず、御社の事業について教えてください。

小久保さん:社会医療法人財団新和会には、医療保険事業をおこなう八千代病院と介護保険事業をおこなう介護事業部があります。介護事業では、介護施設として介護老人保健施設、訪問系サービスとして訪問看護や訪問リハ、訪問介護、訪問栄養を運営しています。また、居宅介護支援事業所を2ヶ所、地域包括支援センターを2ヶ所運営しております。病気になった急性期から回復期、そして自宅でリハビリなどをおこなう生活期に至るまで、一連の流れをすべて支援できる体制が整っている点が当法人の特徴といえます。

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Chatworkを導入いただいたきっかけについて教えてください。

小久保さん:私は4年ほど前に介護事業全体を取りまとめる立場になったのですが、その際に感じた課題が「拠点間のコミュニケーション」でした。当法人の介護事業所は4つの拠点に分散して事業を展開しており、所長全員に通達する場合、当時は各拠点にそれぞれ電話をかけて伝える必要がありました。全員忙しい身ですから電話がつながらないことが多く、場所が離れているので訪問するのも現実的ではありません。そうした非効率なやり方を改めたいと思ったのが理由の1つです。

また、介護職員の人材不足が深刻化するなかで、ICTを活用したツールの導入により職員同士のコミュニケーション促進を図りたいという想いもありました。介護事業には様々なサービスがありますが、コミュニケーションを円滑化することで相互理解が深まるとともに業務効率が上がり、利用者さんにより最適な支援ができるようになるのではと考えたからです。

メールは使われていなかったのでしょうか。

小久保さん:メールも使ってはいました。ただ、すぐに返信がくることは少なかったです。おそらく携帯でメールを見ることがなく、PCを開く必要があるからだと思います。また、メールは定型文を入れる文化があり、それが返信のハードルを上げる要因です。もっとスピーディーにやりとりするには、携帯で簡単に確認できて、定型文なしにいきなり本題に入れるチャットのような気軽なツールが必要だと感じていました。

そうなると、Chatwork導入以前はテキストによる情報共有は簡単ではなかったのですね。

小久保さん:そうですね。電話がメインで、あとは月に1回取りまとめる報告書で情報共有を図っていました。拠点・事業所間の情報共有が密とはいえず、多種多様なサービスを展開する法人としての強み(たとえば「緊密な連携による利用者の迅速な受け入れ」や「より利用者に適したサービスの提供」など)も発揮しきれていなかったと思います。

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介護事業部でのオンライン会議のご様子

既読機能のないChatworkは相手にプレッシャーを与えない

他にもチャットツールがあるなかで、Chatworkを選んだ理由を教えてください。

小久保さん:他社のビジネスチャットと比較しましたが、既読がつかないことからChatworkを選びました。というのも、既読がついてしまうと「読んだのに返事が来ないじゃないか」とイライラしたり、既読をつけた方は「既読がついたから早く返信しないと」と焦ったりする、いわゆる「既読スルー」問題が発生する可能性があるからです。お互いにプレッシャーがかかってしまうことは避けたかったので、士気を下げないという点でChatworkがいいだろうと判断しました。どうしてもすぐに返信がほしいときは、タスク機能を使って対応しています。また、もともと私が介護事業部に異動する前、八千代病院にいたときにChatworkを使っていたという点も大きかったです。

Chatworkの導入にあたって、懸念点はありましたか。

小久保さん:やはりセキュリティ面は懸念点でした。業種の特性上、利用者の方の個人情報をやりとりする機会が多いからです。たとえば、利用者様の個人名が入っているようなファイルをChatworkにアップしてしまうと、場合によっては自宅のPCでそのファイルをDLできてしまいます。そして最悪のケースですが、自宅のPCがコンピュータウイルスに感染してしまい、知らないうちにそのファイルが流出するといった事態もゼロとはいえません。

この点については、「自宅ではファイルをダウンロードしない」「氏名の一部を伏せ字にして個人を特定できない形で使用する」といったルールで対応しています。介護事業部内で個人情報保護に関する研修会を実施するとともに、Chatwork利用時のルールを徹底しています。

Chatworkを組織に定着させるために工夫したことがあれば教えてください。

小久保さん:まずは各拠点の所長に活用イメージを伝え、そこから現場に落とし込んでいきました。具体的には、月に一度所長が集まる機会があるので、そこで「Chatworkを活用することで生産性が上がる」というメリットを伝えつつ、トライアル利用を通して現場からの意見も吸い上げながら定着を図りました。

介護従事者は平均年齢が高く、50代60代の多い職場です。LINEなどのSNSに疎い人が多いなかでChatworkを導入したわけですから、最初は抵抗感を覚える人もいました。ただ、実際にChatworkを使ってその便利さを体感してもらったこと、そしてChatworkでどれくらい業務効率が上がったのかを数字でしっかり見せていったことで、抵抗感も薄れていったようです。

運用ルールなどは設定されていますか。

小久保さん:先ほど申し上げた個人情報管理の部分と、休日は見なくていいということは伝えています。それ以外は特に細かいルールは定めていません。

一斉連絡や同類部署への連絡を効率化

Chatworkをどのように活用しているか、教えていただけますか。

小久保さん:まずグループチャットについては、全体、事業所、役職、役割等で分けて活用しています。また、全体用のグループチャットでも、たとえば「緊急連絡網」や「災害時緊急用」、「研修動画共有」など専用のグループを設けて運用しています。

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緊急時や訓練の際に利用するためのグループチャット
基本方針やハザードマップ情報、日頃からできる心構えなどを定期的に発信している

また、事業所については事業所単体でのグループチャット以外に「同類事業所」というグループチャットがあります。たとえば「訪問看護」と「訪問リハ」のように連携を取りながら業務にあたる事業所は日頃から情報共有や議論をおこなうので、そのためのグループチャットを作っているわけです。

「役割」グループチャットとは何でしょうか。

小久保さん:たとえば各拠点の中にも事業所が3つくらい入っているので、その拠点内の事業所の職員だけで組んでいるグループや、車両管理のためのグループ、事業所のセキュリティに関するグループなど、それぞれの役割について情報共有するためのチャットです。

Chatworkではどのようなやりとりをされていますか。

小久保さん:基本的には、利用者さんに関連する情報共有と各所長との連絡が多いです。他にはたとえば、休みを取る際に「この日に休暇を取りたいのですが、他の人と予定が重なっていませんか?」と確認するなど、事業所やチーム全体で共有・確認した方がいい内容についてやりとりしています。あとは、わざわざ会議や打ち合わせするほどではないけれど、ちょっと伝えたいというような情報を送っておくこともあります。

見ていて「面白い利用法だな」と思ったことがあります。うちの事業所の1つの近くに踏切があるのですが、踏切が電車の事故で開かなくなったことがあり、その情報がChatworkのおかげでリアルタイムに共有できました。もしChatworkがなければ踏切の状況を知ったスタッフが事業所に電話して伝えて、そこから全員に電話連絡をして...となりますが、わざわざそこまでして知らせる情報でもありません。天候情報などもそうですが、「知ることができると助かるけれど電話するほどでもない」という情報はたくさんあります

訪問サービスなどで複数の利用者さんのお宅をまわるスタッフにとって、安全かつスムーズに業務を遂行するためにこうした情報は意外と重要で、Chatworkでの迅速な情報共有に助けられている面もあるようです。

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介護事業部の責任者が集まるグループチャットでは、BCP対策に関する情報共有や
人材確保の戦略についての意見交換などが活発におこなわれている

45人で月130時間以上の業務を効率化

Chatworkの導入効果について教えてください。

小久保さん:業務効率が格段に上がりました。電話ほどコミュニケーションのハードルが高くなく、メールのようにかしこまることもないので、ポンポンと気軽にやりとりができます。それが文化として定着し、通常のコミュニケーションになったことが大きいですね。"報連相"も圧倒的に楽になりました。実際、導入後にとったアンケートでも「Chatworkの導入で業務効率が向上した」と回答したスタッフは95%に達しています。

また、もう1つの導入理由だったスタッフ同士のコミュニケーションについても「Chatworkを活用することで気軽にコミュニケーションがとれる関係性が構築できている」と回答したスタッフは約80%もいました。

具体的には次のような声が上がっています。

  • スケジュール変更や依頼が迅速にできた。文字で残るので、見返しができる
  • 他事業所の所長等に時間を気にすることなく連絡することが可能となった
  • 伝えたいことが一斉連絡できる
  • 電話応答なくても連絡が取れ、連絡忘れの心配がなくなった
  • 個人でタスク管理機能を活用することで業務漏れが減少した

Chatworkの導入により削減できたコストはありますか。

小久保さん:Chatworkを活用により、業務時間の効率化につながりました。アンケートによると、業務時間の短縮が「月に5時間以上」が約30%、「月1〜5時間未満」が約35%、「月1時間未満」が約25%と、全体の90%以上に業務時間の短縮効果が見られます。この数字から計算すると、45人のメンバーの業務時間が合計で月に130時間以上も短縮できていることになります。

Chatworkの導入を検討している企業へメッセージをお願いします。

小久保さん:特に介護業界の訪問サービス等は、出先での仕事の効率がとても重要になります。いつでもどこでも相手の状況を気にせずに連絡できることで、お互いに相談し合える関係性も構築できます。ぜひ有効活用していただきたいです。

ありがとうございました。
※記載の内容は取材時点の情報です。現在のChatworkの機能や料金プランとは異なる可能性がございますのでご了承ください。