クライアントの成功を考えた業務スタイル

貴社は、Amebaや各種ゲームなどに代表されるコンシューマ向けサービスや、企業向けのインターネット広告やソリューションを提供するサービスなど幅広いご活躍をされていますが、企業内にはどんな部門があるのですか?

毛利 : 弊社はサービスごとに事業部が分かれているのが特長で、私がいるインターネット広告事業、皆さんご存じのAmebaを擁するメディア事業、ゲーム事業などのほか、投資育成事業や新規事業などがあり、それぞれが担当領域を持っています。また、子会社を含む関連企業も多く、これらと連携することで、より効率的なサービスを提案しています。

私が所属するインターネット広告事業本部はクライアント様のプロモーション成功が最大のミッションで、社員全員が目標へ向けて働くというビジネススタイルを持っています。地方の代理店や組織を数えると約10拠点あり、それぞれ子会社や関連会社と連携していますから、数多い組織がクライアント単位でチームを組んでいる形になります。

一般的なソーシャルサービスでの業務使用は不安

これまで、どのようなコミュニケーションツールを使っていたのですか?

毛利 : 主にメールですね。広告の効果をリアルタイムにシステムで集計し、配信できるようにしています。ただ、メールの送信はリアルタイムにできても、「この広告はこうしましょう」、「では、もうちょっと情報をください」、といった 担当が提案をする必要がある時に、メールを使用すると非常に遅く感じます。

やりとりの回数も増えてしまいますよね。

毛利 : ちょっとのニュアンスを説明するのに数回やりとりすることもあります。最後にはスクリーンショットに赤丸を付けて送ることもあり、クライアント様にご理解いただく上で大切なことではありますが、効率に欠ける面がありました。広告事業本部の業務効率化を私自身のミッションとして与えられていることもあり、非常に悩ましいところでした。

例えばリアルタイムなコミュニケーションということで、各種ソーシャルサービスが手軽に使われるようになっていますね。プライベートなどで使用するには申し分ないと思います。しかし企業として導入するにはセキュリティに不安が残ります。 業務上、クライアント様の情報を扱うことも多いので、そういったクリティカルな情報が載せられないのはもちろんですが、それを抜いて会話をしても結局効率は上がらない。ちょうどとある有名なサービスのアカウント乗っ取り事件などが起き、業務での使用に不安が広がる中、話に出てきたのがチャットワークだったのです。

関連部署で人気だったチャットワーク

関連部署でお使いだったのですか。

毛利 : はい、サービスを開発する部署が使っていました。さっそく中身を見て、営業職が多い我々の事業部には使いやすそうだと直感しましたね。自分で使ってみた結果、「めちゃくちゃいい!」と実感しました。

特にチャットだと「いつもお世話になっております」「では、よろしくお願いします」といった日本式の定型文が不要なので、これだけでも効率が上がります。また、スマートフォンにも対応していますが、プロダクトが非常によく出来ていて、誰にでも使いこなせそうですよね。実際に外出時も、移動中にタスクを終わらせることができます。メールの頃は帰社してから、PCを立ち上げて、メーラーを起動するので、メールを打ち終わるまでに十数分はかかっていたでしょう。 コミュニケーションのレスポンス向上、業務効率化という面でも十分な効果が感じられました。

導入前に自分で試用した結果は「めちゃくちゃいい!」と毛利様。

企業文化に根付くかどうかは最初にかかっている

導入はどのような形で進んだのでしょう?

毛利 : チャットワークが気に入ったので、上司と話をしました。その結果、「これなら結構いけるのではないか」という判断が出たので、まずは部署内で導入してみようという話になりました。そもそも、弊社はサードパーティー製のツールをあまり採用しません。それは自分たちのビジネススタイルにフィットするものがあまりないという理由からです。営業管理やタスク管理のツールは自分たちで作ってきた会社ですが、 今回は役員を巻き込んでの導入でしたね。

導入の際、ご苦労された点はありましたか?

毛利 : 2015年4月ぐらいに導入が決まりましたが、最初は利用してもらえませんでしたね。そこで、まずは経営層から全メンバーがチャットワークを利用するよう指示を出してもらいました。そして、部長クラスをまとめたグループを作り、チャットワーク上で全員が100%使うように部長クラスにタスクを振りました。私が報告する各部門の使用率は経営層も確認できますので、確実に各部門の使用率が上がっていきました。

それに加えてオペレーションの担当者には、 広告効果をリアルタイムに把握し、対応策を逐一報告している業務プロセスを、チャットワークに流すように変更してもらいました。営業としてはこのデータが無いと動きようがないので、それまで腰が重かった人も、方法が変わったのだからやるしかないということで、使用率が100%になりました。最初の1ヶ月はありとあらゆる言い訳を聞きましたが(笑)、多少無理があっても推し進めました。

それは大変なご苦労ですね。どれぐらい期間がかかりましたか?

毛利 : 約2ヶ月ぐらいだったと思います。部門の人間としては約1,000名になりますが、全員が使うようになりましたね。基本的に各自の判断でツールを使わせたいので、特にルールで縛ることをせず、運用は自由度を持たせています。ただし、 クライアント単位でグループを作ること、これだけは大ききな仕組みとして徹底するように通達してあります。

ルールは少なくある程度自由に使ってもらっているのも普及を促進した一因。

大幅な業務時間削減を実現

チャットワーク運用後、変化はありましたか?

毛利 : 当初は浸透させるのに苦労しましたが、今では無いと社内的に困りますね。導入後の効果測定をするために事業本部内でアンケートを実施しましたが、チャットワークをフル活用していることが分かる結果でした。

面白いのは、 平均すると一人につき一日1.26時間の時間削減になっているという数値的データです。もちろん、アンケートベースの結果なので見込み値も入っていると思いますが、メールと比べてコミュニケーションのための時間が大きく効率化できていることが分かります。月にすれば3営業日分程度、これが約1,000名分ですので、 事業本部全体では月あたり約25,000時間以上効率化できたことになり、大きな成果だと思います。

実際の利用状況はいかがですか?

毛利 : コミュニケーションの活性化や、最初に狙っていた速度的な向上は、スレッドの回転数からみても成功しているといえます。クライアントビジネスですから、その分お客様と向き合う時間が増えたということに繋がっているわけです。他にもオペレーターは作業に没頭する時間が増えますし、こういう環境が作れたことは正解だったと感じています。

チャットワークの使われ方としてどのようなものが多いのでしょう?

毛利 : ほとんどがインターネット広告事業本部と連携する子会社、関連会社間でのやり取りですね。先ほども述べたとおり、クライアント単位でグループが作られているので、そのお客様を担当するスタッフがグループチャットでやりとりをし始め、プロジェクトが発生すれば仕事単位でさらに細分化されたグループを作る。プロジェクトが終わったら、次のプロジェクトへという感じで、どんどん回転していくイメージです。

関連子会社にもチャットワークを導入されたのですか?

毛利 : そうです。サイバーエージェントグループに所属している組織で、インターネット広告事業本部と連携するところには導入してもらっています。わたしたちと連携するなら、ぜひチャットワークで効率的にいきましょうと提案していましたからね。2015年内には、ほとんどの組織が導入したはずです。

この際 役に立ったのが、同じ組織内のアカウント同士は自動でコンタクトが繋がる機能です。この機能があるおかげで薦めることができ、導入後はすぐに利用が広がり、大変便利でした。

現在だと1,000名以上の参加者がいることになりますね。管理の面で気をつけていることはありますか?

毛利 : 新しいメンバーが入ってきた際のユーザー登録手順、そして解除する際の報告方法といった仕組みは作りましたが、それ以上の管理はあえて自由にやらせています。クライアントと向き合う仕事をするのがビジネススタイルなので、ある程度自由度がないと都合がつかない面も出てきてしまいますからね。

チャットワークによりコミュニケーション活性化と業務効率化を実現した毛利様。

チャットワークでさらなる業務効率化を目指す

今後、運用スタイルとして目指している姿はありますか?

毛利 : チャットワークもずいぶん浸透しているので、このツールを使った次の手も考えています。例えば、さらなる業務効率化として、わたしたちが現在使っている営業ツールとチャットワークをChatWork API経由で連携させる仕組みの構築がつい先日完了しました。 営業ツールが毎日自動で集計する広告の効果についてのレポートがあるので、これを毎朝、出社前の時間にチャットに自動投稿します。すると、出社後に受け取ってから分析をする従来の方法よりも、一段階仕事が早くできる。

他にも構想はありますが、弊社では人の能力に頼る部分と、テクノロジーで解決する部分を明確に分けています。チャットワークがインフラとして根付いたことで、利用価値の高い存在になっています。そのインフラの上で、テクノロジーで解決する手段をこれからもどんどん使い込んでいきたいですね。

最後に、チャットワークを検討している企業へ、一言アドバイスをお願いします。

毛利 : チャットワークは導入するまでは大変かも知れませんが、導入後は本当に簡単に根付いてくれるコミュニケーションツールだと思います。私の場合、導入初期で担当役員の協力が得られたことがプラスに働いたのだと考えています。やはり経営層がトップダウンという形ばかりでなく、自ら使うのだという姿勢を見せてくれたのが、早期導入となった大きな要因だと思います。自分たちだけで悩まず、上司ともよく相談してみるとよいと思います。