社外の職人や業者にも浸透 建築現場での“ムリ・ムダ・ムラ”を解消
東京、目黒にて建設業を営む江中建設。多くの人が関わる建築現場ではコミュニケーションギャップがトラブルにつながってしまうことから、同社はChatworkを導入。社内だけでなく社外とも一緒に活用することでトラブルを防止、業務の円滑化を実現しています。
天保年間以来、目黒にて建設業を営む地場の工務店。古くは近隣の寺社仏閣も手掛けており、現在は新築注文住宅とリフォーム工事を主とした事業を展開。新築の注文住宅は設計事務所の案件とハウスメーカーからの受注案件で、設計にはほぼ関わらず、施工に特化している。(取材:2022年10月)
代表取締役社長
江中忠久 様
- 1つの現場に多くの職人や業者が関わるため、現場での情報伝達に抜け漏れが起きやすい
- ITに疎く慣れていない職人も多く、ツールの定着に懸念
- 他社のチャットサービスは使い勝手や既読機能に課題
- 社内外問わず、関係者を1つのグループチャットに集約して情報発信を行う
- Chatworkに「見る価値のある情報」を発信し続けた
- 誰にでも使いやすく、リアクション機能を備えたChatworkを導入
- 情報が必要な人に行き渡り、現場でのトラブルが減少した
- Chatworkの利用が定着し、情報共有が円滑化した
- ITに疎い人たちへもスムーズに浸透し、既読機能の課題も解決
課題
- 1つの現場に多くの職人や業者が関わるため、現場での情報伝達に抜け漏れが起きやすい
- ITに疎く慣れていない職人も多く、ツールの定着に懸念
- 他社のチャットサービスは使い勝手や既読機能に課題
解決策
- 社内外問わず、関係者を1つのグループチャットに集約して情報発信を行う
- Chatworkに「見る価値のある情報」を発信し続けた
- 誰にでも使いやすく、リアクション機能を備えたChatworkを導入
効果
- 情報が必要な人に行き渡り、現場でのトラブルが減少した
- Chatworkの利用が定着し、情報共有が円滑化した
- ITに疎い人たちへもスムーズに浸透し、既読機能の課題も解決
コミュニケーションギャップが現場のトラブルにつながっていた
- まず、御社の事業について教えてください。
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江中:当社は天保年間以来、目黒にて建設業を営んでおります。古くは近隣の寺社仏閣も手掛けましたが、現在は新築注文住宅とリフォーム工事を主とした地場の工務店です。新築の注文住宅は設計事務所の案件とハウスメーカーからの受注案件となっており、設計にはほぼ関わらず、施工に特化しております。
- Chatwork導入のきっかけとなった組織課題は何だったのでしょうか。
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江中:当社に限ったことではありませんが、建築業界の問題の多くはコミュニケーションギャップから生じるものです。現場は1社だけでは完結せず、様々な専門業者が携わるにも関わらず必要な情報が必要な人たちに行き渡っていないことで、様々な"ムリ・ムダ・ムラ"が発生してしまうのです。
たとえば、壁を塗るための職人さんが現場に来てみたら、塗るために必要な下地ができていなかったとか、お客様のご要望で壁の色を変えたはずだったのに、それが職人さんに伝わっていなくて違う色で塗ってしまったとか、そうしたトラブルの多くは情報共有の抜け漏れから起きるものです。
このようなコミュニケーションの課題を解決するためには、情報共有を行うための連絡ツールを統一し、情報管理を一元化する必要性を痛感していました。
そこでいろいろと調べたところ、Chatworkにたどり着きました。工務店でも使われているという導入事例を読み、実際に使っている方の意見を見て良さそうだと感じ、導入を決めました。
"既読はつかないがリアクションはできる"ことが大きなメリット
- 他社のチャットツールと比較検討はされましたか。その中でChatworkを選んだ決め手は何だったのでしょうか。
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江中:2つの他社サービスと比較検討しました。1つ目は海外のサービスということもあるのか、UIが少しとっつきにくいように感じました。機能面ももちろん重要ですが、誰もが簡単に使えることが何より大事です。職人さんには70代の人もいれば、若いがITに慣れていない人もいるわけですから。
2つ目のほうで気になったのは「既読」がつくことです。既読がつくと返信しなければならないということがプレッシャーになって、あえて見ないようにする人が出てくるのではないかと懸念しました。いわゆる"既読スルー"問題ですね。かといって、既読がまったくつかないと、今度は誰が見たのか、見ていないのかがわからなくなります。既読はつかないけれど、既読"的"な機能がほしい。そんな要望に応えてくれたのがChatworkのリアクション機能でした。
- 他にChatworkで良いと思われたことはありますか。
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江中:タスク機能や概要欄といった機能がとても便利だと感じました。外部の職人さんと仕事をする際は、スケジュール管理をする上で、どこまで催促するのかといった点に気をつかいます。露骨に催促すると、きつい言い方にとられることもあるからです。その点、Chatworkならタスクをつけるだけで双方向でのタスク管理が可能です。連絡ツールの中で、自然な形でタスク管理ができる点が魅力的でした。
また、検索性の高さもChatworkならではのメリットです。普段の仕事でも「前にこんな話したよね」とキーワードだけが浮かぶことがあります。そんなとき、キーワードでChatworkを検索すると、そのときのやりとりがすぐに見つかるのはとても便利です。特に別の担当者に伝えるときに役立ちますね。自分が関わった仕事は覚えているものですが、他の人の仕事についてはそうはいきませんから。
"Chatworkを使うメリット"を示し続けることで社外にも浸透
- Chatworkの導入について、社内外の反響はいかがでしたか。導入する際の懸念点などはありましたか。
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江中:Chatworkは一緒に仕事をする人たち全員で使わないと意味がないので、社外の協力業者さんが使ってくれるかは気になる点でした。もちろん、併せて社内での使用が定着するかどうかも懸念事項でした。
この点については、これからも不断の努力が必要だと考えています。具体的には、Chatworkが「使う価値のあるもの」であり続けるための努力です。Chatworkを見ることで最新の情報がわかる、必要なコミュニケーションがしっかりとれる。そのように多くのメリットがあることをわかっていただければ、自然と皆さんに使ってもらえると考え、情報の充実に努めています。たとえば、週に1度は現場の状況を写真でアップしたり、工程表については変化がなかったとしても、その旨を含めてアップしたりしています。
現場や職人グループごとにグループチャットを作成
- ここからは、Chatworkの具体的な活用法についてお聞きします。どのようなグループチャットを作成されているのでしょうか。
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江中:全社向け、部署、課題、現場、グループなどの分類でグループチャットを作成しています。全社向けは一斉連絡用で、通達や出勤状況、共用施設の状況等を発信しています。このとき、便利なのが概要欄の活用です。概要欄に他のサービスのURLなどを貼っておくことで、毎回URLを探すことなくアクセスできます。たとえば、会議室の予約ページへのショートカットなどです。
部署については、自社工事部門や総務部などのグループチャットがあり、部内の連絡や情報共有、各種依頼などのやりとりが行われています。また、週1で朝礼を行っているのですが、その準備を行うためのグループチャットも作成しています。
課題については、たとえば台風時の現場状況報告などがあります。建築は自然災害の影響を強く受けるので、情報共有が非常に重要なのです。
現場ごとのグループチャットでは、現場連絡や指示、工程表や現場写真、図面のやりとりなどを行っています。Office365のクラウドファイルへのショートカットを概要欄に貼ることで、よく参照するファイルが最新状況から流れてしまうこともありません。
グループとは、たとえば大工さんや基礎業者さんのグループです。伝達事項や安全関係の報告など、1つのグループで共有すれば職人さん全員に一気に周知できるのが便利です。
その他、ユニークなところでは、「グループチャットについての相談チャット」も設けています。Chatworkの使い方についてわからないことがあれば、何でも質問していただくためのグループチャットで、社外の職人さんも含め、全員に入っていただいています。このグループチャットのメンバーが、ある意味で当社の関係者リストとしても機能しています。
コミュニケーションギャップ解消で業務を効率化し、真の働き方改革へ
- Chatworkを導入した効果について教えてください。
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江中:社内業務の円滑化や働き方改革に貢献してくれていると感じています。特に働き方改革については誤解している企業も少なくないと思うのですが、単に制度をつくって社員に休暇を取らせたり、残業を禁止したりするだけでは意味がありません。無理に勤務時間を削減して業務がまわらなくなっては本末転倒です。そうではなく、業務を効率よくまわせる仕組みを構築し、"休める状況"をつくることが真の働き方改革であり、経営者がやるべきことだと思います。
建築業界は冒頭で申し上げたように、コミュニケーションギャップによる損失が生まれやすい業界です。つまり、コミュニケーションギャップをカバーできれば、それが業務の効率化につながり、働き方改革も実現できるのです。
- Chatworkの導入を検討されている企業へメッセージをお願いします。
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江中:Chatworkは機能がわかりやすく、とっつきやすいサービスだと思います。一見、シンプルに見えますが、概要欄などをうまく活用することで発展性も持たせられるのも長所です。本当に詳しい方ならAPI連携など高度な使い方もできますが、そこまでしなくても簡単に使えるのがいいですね。使用のハードルも低く、"使ってほしい人に使ってもらえる"ツールだと思いますよ。
- ありがとうございました。
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