情報共有の円滑化でギスギスした職場環境を解消、新人教育にも効果

家庭用レギュラーコーヒーの製造・販売の他、カフェの運営も行う藤田珈琲。同社は、2010年に工場を新設したところ、物理的に拠点が離れたことにより、組織内コミュニケーションが不足。ギスギスした雰囲気が生まれ、ビジネスにも悪影響を及ぼしていたといいます。

規模
51〜100名
業種
流通・卸売・小売
目的・効果
支店・店舗との連携 人材の育成

藤田珈琲株式会社

1963年、大阪四ツ橋で開業した喫茶店「イーグル150」から事業を開始。現在は家庭用レギュラーコーヒーの製造・販売を中心に事業を展開しており、2020年11月には、カフェ「藤田珈琲 ~the ROASTERY Lab.」を東大阪市に新規オープン。時代のニーズを捉え、柔軟に変化しつつも、喫茶店時代の「こだわり抜いたコーヒーを丁寧に提供すること」 「家族のために励むこと」を大切にしている。(取材:2022年08月)

代表取締役
藤田 悟 様

  • 拠点が離れたことでコミュニケーションが不足し、社内の雰囲気が悪化
  • 社長が各拠点を訪れた際、相談事で1日が潰れてしまうことも
  • 経営者や他部門のマネージャーの考えを伝える手段がなかった
  • Chatworkでコミュニケーション量を増やし、情報共有を円滑に
  • 訪問前に事前にChatworkで情報を共有
  • 各拠点の朝礼動画をChatworkにアップして組織全体に共有
  • 拠点間のコミュニケーションがスムーズになり、社内の雰囲気も改善
  • Chatworkの情報をベースに話ができるため、相談への対応がスピーディーに
  • 経営者やマネージャーの考えを伝えやすくなり、新人教育にも好影響

課題

  • 拠点が離れたことでコミュニケーションが不足し、社内の雰囲気が悪化
  • 社長が各拠点を訪れた際、相談事で1日が潰れてしまうことも
  • 経営者や他部門のマネージャーの考えを伝える手段がなかった

解決策

  • Chatworkでコミュニケーション量を増やし、情報共有を円滑に
  • 訪問前に事前にChatworkで情報を共有
  • 各拠点の朝礼動画をChatworkにアップして組織全体に共有

効果

  • 拠点間のコミュニケーションがスムーズになり、社内の雰囲気も改善
  • Chatworkの情報をベースに話ができるため、相談への対応がスピーディーに
  • 経営者やマネージャーの考えを伝えやすくなり、新人教育にも好影響

遠方の工場設立をきっかけに組織内がギスギスし始めた

まず、御社の事業について教えてください。

藤田:当社の歴史は、1963年に大阪四ツ橋で開業した喫茶店「イーグル150」から始まりました。創業者の藤田孟が「戦争で田舎に疎開した両親を再び大阪に呼び戻したい」という一心で事業を始め、その後は時代のニーズを捉えながら柔軟に事業を変化させていきました。現在は、家庭用レギュラーコーヒーの製造・販売を中心に事業を展開しており、2010年には奈良県に工場を設立。2019年に私が事業承継し代表に就任。2020年11月には、カフェ「藤田珈琲 ~the ROASTERY Lab.」を新規オープンしました。現在、東大阪の他に奈良県に工場を構え、東京には営業所を設けています。

2013年からChatworkをご導入いただいていますが、導入のきっかけとなった組織課題は何だったのでしょうか。

藤田:きっかけは、2010年の奈良工場設立です。工場を奈良に集約した頃から、拠点間のコミュニケーションがうまくいかなくなってしまいました。奈良工場はとても立派で、働きやすい環境が整っているにも関わらず、組織内にギスギスした雰囲気が生まれていたのです。

コミュニケーションの課題はビジネスにも悪影響を及ぼします。たとえば、仕入れの内容がうまく共有されていないと、在庫を抱えてしまって、倉庫代が余計にかかってしまったりします。また、社内の雰囲気がよくないと精神的にもストレスが増え、生産性も落ちてしまいます。

その原因は何だったのでしょうか。

藤田:経営陣や営業と工場の現場メンバーの間に、物理的な距離が空いてしまったことだと思います。当社はそれまで、本店、インターネット事業、工場などの各拠点が東大阪にまとまっており、何かあればすぐに集まって相談できる距離感で仕事をしていました。

ところが、工場が奈良に集約されたため、何かあっても気軽に顔を合わせて相談できなくなってしまいました。これは情報共有の面で非常に大きな課題だったと思います。

時代や価値観が変わっても「人々の生活に寄り添う」コーヒーを提供し続けることを理念に掲げている同社

一方通行ではなく、双方向のコミュニケーションを目指してChatworkを導入

対策はされましたか。

藤田:なるべく社内全体に情報を共有するため、メーリングリストを作って、情報を流すようにしました。ただ、もともとそのようなツールを活用したコミュニケーションに慣れていないこともあってか、情報発信が一方通行になってしまっていました。現場のメンバーもメールを受け取って見てはいるのでしょうけれど、反応が返ってくるわけでもなく、何を思っているのかは相変わらずわからないままだったのです。もっと双方向のコミュニケーションを活性化し、お互いに情報を発信・共有できる環境を作る必要があると感じていました。

そんな折、外部の業務提携先の方からChatworkを教えてもらいました。その人に「私とのコミュニケーションはChatworkでお願いします」と言われたので、しばらく使ってみたところ、「これは便利だぞ」と感じて自社にも導入を進めることにしたのです。

現場メンバーの皆さんはデジタルに慣れていなかったそうですが、導入にあたり懸念点はありませんでしたか。

藤田:表立って嫌がられたわけではないですが、無関心な人や「メールでよくないですか?」という意見は出ました。直接話したり電話したりする方が早いのに、なぜわざわざ文字にするんですか、とも言われました。情報発信に慣れていないと、自分の考えを履歴が残る形で発信することに抵抗があるのかもしれません。

この点は、まだ完璧に解決したわけではありませんが、以前のようにメールやメーリングリストで情報共有していた頃に比べると、コミュニケーション量は増加しており、抱えていた課題の解決に寄与してくれていると感じています。

朝礼動画を共有することで、経営者やマネージャーの想いを伝える

Chatworkをどのように活用しているのか教えてください。

藤田:グループチャットについては、全社員、役職、部門、案件ごとに分けています。たとえば、電話やメール、来客に対する対応について全社に共有する「電話対応/メール対応/来客対応」や、幹部層と私だけが入っており人事や経営会議などについて共有する「マネージャー」。Amazonにおける出庫情報などをやりとりする「FBA管理」、会社全体の稼働率や生産性改善に関しての情報を共有する「稼働率・生産率カイゼン」、フリーダイヤルからの問い合わせにどのように対応したのか詳細を報告する「フリーダイヤルの問い合わせ」、お客様からいただいた声を共有する「品質管理」などがあります。

御社は新卒採用ページで「企業は人なり」という言葉を掲げ、「この業界にとっても人材の確保、育成は、大きなテーマではないかと思います。近年の社会においては、技術、技能継承が問題とされています。」といったメッセージを発信されています。御社も2019年に事業承継を行われたそうですが、人材確保や技術継承についてChatworkが役立つ場面はありますか。

藤田:人材の観点でいうと、「人材から人財へ」というグループチャットを作成しており、そこに「朝礼動画」をアップしています。朝礼動画といってもオンライン会議で集まるのではなく、各拠点で対面で行われている朝礼を撮影したものです。私は曜日ごとに各拠点の朝礼に参加しており、その際に動画を撮影してChatworkにアップしているのです。

朝礼の内容は、当社のルールブックである経営計画書の読み合わせを行い、マネージャーがメンバーに対してレビューするというものです。私が参加している場合は、さらにそれを私がレビューして、その内容を動画にしています。

この朝礼動画により、他部門のマネージャーや経営者の発言、考えなどに触れる機会を持てます。特にカフェ事業についてはメンバーの入れ替わりが多く、新人さんには必ず朝礼動画を見てもらうことにしています。

Chatworkのおかげで時間の有効活用ができるようになった

Chatworkを導入した効果について、感じていらっしゃるところを教えてください。

藤田:Chatworkを導入したことで、よりよい時間の使い方ができるようになったと感じています。たとえば、先ほど申し上げたように、私は毎日各拠点を訪問しているのですが、その際に現場のメンバーやマネージャーから様々な相談を受けます。もし、Chatworkがなければ、事前に情報を得ることができないため、相談に時間を取られて1日が終わってしまっていたでしょう。Chatworkがあることで、事前にベースとなる情報を仕入れられるので、相談内容に対してすばやく的確に対処できるのです。

また、Chatworkは過去のログが見られる点がメリットです。たとえば、新しくプロジェクトに加わってくれたメンバーがいたとして、その人が過去のログをちゃんとチェックしてくれるかどうかで、仕事に対するモチベーションが図れます。

私も過去の自分の発言を検索して、引用リンクで再度紹介することがあります。そうすると、メンバーにも「社長が昔から言っているのだから、大切なことなんだな」とわかってもらえるのです。

最後に、Chatworkの導入を検討されている企業へメッセージをお願いします。

藤田:Chatworkはコミュニケーションの手段というよりも、クローズドな社内SNSに近いものだと感じています。Chatworkに蓄積された情報は、やがて会社の資産として役立つでしょう。操作も簡単ですし、使ってみればすぐに馴染むことができます。テキストなので検索して情報を引き出すことも簡単です。まずは組織のリーダーがたくさん発信することが大事です。そうすれば、自然とチーム全体の業務スピードが上がっていくことでしょう。

ありがとうございました。
※記載の内容は取材時点の情報です。現在のChatworkの機能や料金プランとは異なる可能性がございますのでご了承ください。