1日60件もあった社内から社長への電話連絡がほぼゼロになり業務が効率化

東京・四谷に精肉店を構える並木商店。以前は社内から社長への電話連絡だけで1日60件もあり、業務効率が落ちる課題を抱えていたといいます。Chatworkにコミュニケーションを集約した結果、電話件数は激減。ノウハウの蓄積や確認作業の効率化などさまざまな効果が生まれています。

有限会社並木商店

1949年に食肉製品の小売業として創業し、70年以上にわたり信頼と実績を築いてきた有限会社並木商店。東京都四谷に本社を構え、国産および輸入の食肉・食鳥製品を取り扱う卸売部門と、和牛や国産食肉類を提供する小売部門を展開。主要取引先には学校・病院・幼保育園・社員食堂・飲食店・食品工場などがあり、東京都、埼玉、神奈川等のエリアに日配で配送している。並木様は3代目として、地域に根ざしたサービスを提供し続けている。(取材:2024年11月)

代表取締役
並木 建造 様

  • 仕事用のメールアドレスが複数あり、確認や返信が大変だった
  • 社内の電話連絡が多く、折り返しの繰り返しで1日60件に達することも
  • 営業時間外の発注を以前は留守番電話で受けて対応していた
  • 連絡をなるべくChatworkに集約するようにした
  • 社内の連絡を極力Chatworkでおこなうことにした
  • お客様にもChatworkをご案内してやりとりをおこなうようにした
  • 複数あるメールアドレスをいちいちチェックする必要がなくなった
  • 1日60件あった電話が2件程度まで激減した
  • 発注の電話を削減でき、留守番電話対応もしなくてよくなった

課題

  • 仕事用のメールアドレスが複数あり、確認や返信が大変だった
  • 社内の電話連絡が多く、折り返しの繰り返しで1日60件に達することも
  • 営業時間外の発注を以前は留守番電話で受けて対応していた

解決策

  • 連絡をなるべくChatworkに集約するようにした
  • 社内の連絡を極力Chatworkでおこなうことにした
  • お客様にもChatworkをご案内してやりとりをおこなうようにした

効果

  • 複数あるメールアドレスをいちいちチェックする必要がなくなった
  • 1日60件あった電話が2件程度まで激減した
  • 発注の電話を削減でき、留守番電話対応もしなくてよくなった

メールを使うこと自体が嫌になっていた

まず、貴社の事業について教えてください。

並木さん:都心にある四谷という場所に工場と精肉店を構えており、私が3代目となります。精肉加工した食肉原料を、学校・病院・幼保育園・社員食堂・飲食店・食品工場などへ日配でお届けしています。卸販売がメインですが、小売もやっていますので、並木精肉店にお越しいただければご購入いただくことも可能です。

Chatworkを導入いただいたきっかけについて教えてください。

並木さん:きっかけは取引先から「Chatworkって知ってる?」と言われたことでした。おそらく2014年くらいのころだったと思います。当時、個人用のチャットツールは使っていたもののビジネスチャットのことは知らなくて、仕事で使うならメールしかないと思っていました。取引先としては、関係各所とのやりとりをChatworkに統一したいと考えていたみたいです。

当時のChatworkに対する並木さんの印象はいかがでしたか。

並木さん:言われたときは「ちょっと面倒そうだな」と(笑)。ただ、お得意先からのご依頼でしたし、その場でインストールして使い始めたんです。そうしたら「これは便利だぞ」と思いました。

どういったところが便利だと思われましたか。

並木さん:私は仕事用のメールアドレスを4つ持っているのですが、それだけあるとメールをチェックして返信するのがすごく大変なんですよね。迷惑メールもたくさん受信するため、メールシステムのセキュリティを強化したところ、今度はお客さんからのメールが迷惑メールフォルダに入るようになってしまったりして......。

"メールあるある"ですね。

並木さん:そうやってメールが嫌になっていたところだったので、Chatworkはすごく良いなと思いました。迷惑メールも受信しないし、4つあるメールアドレスをそれぞれチェックする必要もありません

img_namiki_capture01.jpg

Chatworkは良い意味でシンプルだから現場のスタッフにも受け入れられた

そこから自社にも導入されたわけですね。ほかにもビジネスチャットはありますが、そのままChatworkを使い続けたのはなぜでしょう。

並木さん:Chatworkを使い続ける大きな理由は、「既読」機能がないことです。個人用チャットツールはもちろん、個人用SNSでも既読にするとアイコンがついて相手にわかりますよね。Chatworkはそれすらないのが良かったです。

後からやろうと思っているタスクの依頼などに既読をつけたままスルーしていると、相手には「既読スルー」だと思われてしまうこともあります。それが嫌で、だんだんチャットを見なくなってしまう。未読のチャットがたまっていくと、さらに嫌になってしまう。Chatworkであれば、もし既読したことを示したければ、リアクション機能を使えば良いですよね。

リアクション機能により「既読をつけるかつけないか」をある意味、自分自身で選べるというわけですね。

並木さん:それから、Chatworkを社内に展開した理由はもう1つあります。当時の弊社は社内連絡の電話が多すぎるという課題を抱えていたのです。当時は営業をする人間が私しかいなくて、日中はずっと外出していました。私が回るのは都内なので、移動手段は基本的に電車です。そうなると、移動中は会社からの電話に出られないのです。駅に着いて電車から降りて、電話を折り返すじゃないですか。すると「誰が電話したかわかりません」みたいに言われるのです(笑)。

当社は、肉の加工をおこなう現場と事務仕事をおこなう事務所の2つ拠点があり、どちらにも電話が置いてあります。現場から私に電話が入ることもあるのですが、電話番号はひとつなので、社外からかけ直すと必ず事務所につながります。当然、事務所の社員は現場の誰が私に電話をかけたかわからないですから、「確認して折り返します」とか「確認したけれど誰だかわかりませんでした」となります。それで私が電車に乗ると、また電話がくるんですよ!もうコントみたいですよね(笑)。そんなことが続いていて、私の1日の着信回数は60件くらいになっていました

それは並木さんにとっても社員の方にとっても、ストレスですね。

並木さん:そういった課題もあり、電話の代わりになるならと考えて、Chatworkの導入を決意しました。

会社にChatworkを導入するにあたり、懸念や不安はありましたか。

並木さん:現場にChatworkが定着するかどうかは心配でした。実は、以前に勤怠管理システムを導入したことがあります。当時はタイムカードだったので、とある会社のサービスを導入してシステム化を試みたのです。しかし、当時の弊社にはその仕組み自体がオーバースペックすぎて、使いこなせなかった。そういった状況だったので、Chatworkも果たして定着するだろうかと懸念していました。

また、精肉店という点も不安な要素でした。現場の社員は手袋をして作業しています。濡れた手袋でそのままデバイスを触ると壊れてしまうおそれがあります。そうはいっても、いちいち手袋を外してスマートフォンやタブレットを使ってくれるだろうかと疑問を持っていました。

実際はどうだったのでしょうか。

並木さん:問題なく定着できました。使い勝手に関しては、Chatworkが良い意味でシンプルなシステムだったのが良かったです。もし、高機能だけどその分使い勝手が複雑ということになると、現場の社員は使ってくれなかったでしょう。

また、加工現場で使ってもらえるかという点については運用でカバーできました。現場にPCを2台置いて、Chatworkを開いた状態にしておき、現場スタッフは基本的には流れてくる情報を見るだけという使い方にしたのです。スマートフォンやタブレットについては仮に壊れてもかまわないくらいの安いデバイスを購入して、Wi-Fiだけで運用するという方法を採用しました。汚してもいいし、壊れたら買い直すから気にせず使ってください、と。

たしかにChatworkは重くないので、デバイスのスペックが高くなくてもスムーズに使えますね。

並木さん:また、現場への浸透については私が信頼している社員が活躍してくれました。「せっかくなんだから、思い切ってコミュニケーションをChatworkに集約しよう」と旗を振ってくれて、いろいろな設定をしたり社内を巻き込んだりして導入を推進してくれたのです。

Chatworkの活用ルールなどは決められましたか。

並木さん:いいえ、ルールは特に設けていませんでした。社員には「なんでもいいから発信してみよう」ということを呼びかけ、発信に対するハードルを下げることを心がけました。たとえば特定の相手宛にメッセージを送るときは「TO」をつけますよね。でも、それを強制することはしませんでした。弊社くらいの規模の組織だと、別にTOがなくても誰に送られたチャットなのかはわかりますから。

社員の本来の仕事はチャットではないんです。現場の社員は肉の加工が仕事だし、事務員は事務作業が仕事です。Chatworkの使い方をいちいち気にしていたら本末転倒ですからね。

備忘録グループチャットに現場のノウハウを蓄積

Chatworkの活用方法について教えてください。

並木さん:社内では全体グループチャット、受注グループチャット、クレーム共有用グループチャットをつくってそれぞれの情報をやりとりしています。社外とは士業やパートナー企業とのやりとりをChatworkでおこなっています。

外部の方には並木さんから「Chatworkを使いましょう」というご提案を?

並木さん:そうですね。うちは連絡手段をChatworkに集約したいので使ってほしいと伝えると、導入してくださるところがほとんどです。ただ、普段使っていないツールだと結局リアクションが遅くなったりするので、そこはケースバイケースで違うツールに切り替えることもあります。すべてのコミュニケーションをChatworkに一本化できれば理想的だなとは思っています。

社内用のグループチャットでは普段どのようなやりとりをされているのでしょうか。

並木さん:受注グループチャットには、お客様から入った受注情報を流しています。クレーム用のグループチャットは配達員が配達先で受けたクレームを入れるグループチャット。全体グループチャットは私の予定を書き込んだり、発注やクレーム以外の情報を書き込んだりするグループチャットです。どこに流すか迷ったらとりあえずここに書き込む、という使い方をしています。

現場でいえば、備忘録用のグループチャットがあります。お肉の在庫状況や、お客様によって異なる肉の切り方のノウハウなどをひたすらアップするだけのグループチャットです。そこについては、写真や動画にお客様の名前をつけてアップしてもらうというルールを決めて運用しています。こうしておくと、あとから検索して情報を探しやすいんですよね。

img_namiki_capture02.jpg
発注関連のやりとりをおこなうチャット
タスク管理機能を使うことで、抜け漏れが激減したという

1日60件あった電話が激減、受発注システムと組み合わせることで留守番電話対応もなくなった

Chatworkを導入してどのような効果がありましたか。

並木さん:電話が一気に減りました。具体的に数字を記録しているわけではないので体感値ですが、私でいうと1日に60件くらいあった電話がほとんどなくなりました。かかってきても2件くらいでしょうか。これは昔だったら電話でかかってきたんだろうなと思うことがChatworkに集約できている効果です。

それは大きな変化ですね!

並木さん:また、弊社は今、15時以降は電話が鳴らないようにしており、留守番電話対応なども一切おこなっていません。飲食店などのお客様は営業後に発注いただくこともあるのですが、以前は留守番電話で対応していました。しかし、現在は電話の代わりに、スマートフォンから使える受発注システムをご案内しています。Chatworkの導入・活用がうまくいったことで、こういったシステムの導入もスムーズにできたのかもしれません

仕事のやり方そのものも変わったのですね。

並木さん:確認作業などもChatworkのおかげで楽になったと感じます。たとえば、グループチャットの概要欄にスプレッドシートのURLを貼り付けておいて、売り上げや商品一覧などをRPAで夜間にアップされるようにしているんです。そうすると、グループチャットの概要欄から最新の情報が簡単に確認できて、かなり効率アップにつながったと感じています。

また、タスク管理機能も便利ですね。TODOやスケジュール管理は別のシステムを使っているのですが、ちょっとしたタスクについてはChatworkのタスク管理機能が使いやすいです。

最後にChatworkの導入を検討している企業へメッセージをお願いします。

並木さん:試しに使ってみてほしいと思いますね。無料プランでもかなり使えますし、有料にしたってそんなにコストは高くありません。とにかくまずは無料から始めてみることをおすすめします。

ありがとうございました。
※記載の内容は取材時点の情報です。現在のChatworkの機能や料金プランとは異なる可能性がございますのでご了承ください。