業界的なデジタル化の遅れに危機感 情報共有を効率化しDXの足がかりに

障がい者就労事業開発クリエイティブエージェンシー、ひふみよ株式会社。デジタル化が遅れている業界の現状に危機感を抱いた同社は、創業時からChatworkを活用。生産性の向上に加え、ITに対する社員の抵抗感が減ったことでDXの推進にも効果が出ているといいます。

ひふみよ株式会社

障がい者就労事業開発を目的にデザインやブランディングを手がけるクリエイティブエージェンシー。就労継続支援ブランド「ひふみよベース」を運営する他、スパイスヌードル専門店、鹿児島のクラフトビール醸造所など、福祉をベースとした事業を展開している。(取材:2022年11月)

代表取締役
白澤繁樹 様

  • 紙と電話で仕事をする福祉業界の現状に危機感を抱いた
  • 福祉業界はITリテラシーが低く、デジタル化が進んでいなかった
  • 情報共有や通達を目的とした会議に時間が取られていた
  • 創業時からChatworkを導入し、すべての情報を集約
  • 使い方が簡単なChatworkでデジタル化への抵抗感をなくした
  • 情報共有や通達はChatworkで済ませて、クリエイティブな会議に集中
  • 情報共有が効率化され、無駄なコミュニケーションコストが削減
  • Google Workspaceなどデジタルツールの活用が進み、さらなるDXを推進
  • 会議時間が削減され、社員の生産性や業務効率が向上

課題

  • 紙と電話で仕事をする福祉業界の現状に危機感を抱いた
  • 福祉業界はITリテラシーが低く、デジタル化が進んでいなかった
  • 情報共有や通達を目的とした会議に時間が取られていた

解決策

  • 創業時からChatworkを導入し、すべての情報を集約
  • 使い方が簡単なChatworkでデジタル化への抵抗感をなくした
  • 情報共有や通達はChatworkで済ませて、クリエイティブな会議に集中

効果

  • 情報共有が効率化され、無駄なコミュニケーションコストが削減
  • Google Workspaceなどデジタルツールの活用が進み、さらなるDXを推進
  • 会議時間が削減され、社員の生産性や業務効率が向上

主な業務ツールは紙と電話――福祉業界の現状に危機感

まず、御社の事業について教えてください。

白澤:当社は障がい者就労事業開発を目的にデザインやブランディングを手がけるクリエイティブエージェンシーです。就労継続支援ブランド「ひふみよベース」を運営する他、スパイスヌードル専門店、鹿児島のクラフトビール醸造所など、福祉をベースとした事業を展開しています。

Chatwork導入のきっかけとなった組織課題は何だったのでしょうか。

白澤:私がひふみよを創業したのは2015年のことですが、そのときに驚いたのが福祉業界のITリテラシーの低さでした。今もまだリテラシーが高いとはいえませんが、当時はもっとアナログで、基本は紙ベースで仕事が行われていたのです。そのなかで、唯一使われていたアプリがプライベートチャットでした。

ただ、プライベートチャットは仕事用ではなく個人用のツールです。社員のアカウントを会社で管理するわけにもいきません。それなのに、個人情報を含むセンシティブ情報がやりとりされているわけです。業界外から見れば、いつ重大なインシデントが起きてもおかしくないと思われるような状況でした。

もう1つの業界的な課題は、情報共有の効率です。コミュニケーションの中心が電話や対面なので、何か情報を共有しようと思ったら時間を合わせる必要があるのです。そして、申し送り事項をメモして、それを別の人に伝えるのにまた呼び出して口頭で......とやっている。正直、ナンセンスだと思います。

大勢で集まって会議するとなると、さらに調整が大変ですよね。

白澤:そうですね。ただ、会議といっても2種類あると思っています。皆でアイデアを出し合うようなクリエイティブな会議については、オンラインにしろオフラインにしろしっかり時間を合わせて話し合うことが大切です。一方で、情報の共有や報告、通達のための会議はわざわざ集まる必要がありません。後者はデジタルツールで効率化するべきです。

プライベートチャットを使わず、情報共有をデジタル化で効率化する。これらの課題を組織設立の段階からしっかり解決していこうということで導入したのがChatworkでした。

ITリテラシーが高くない業界にChatworkは最適

他社のチャットツールと比較検討はされましたか。その中でChatworkを選んだ決め手は何だったのでしょうか。

白澤:実はひふみよを創業する以前、それこそ、まだChatworkアプリが公開される前からChatworkを使っていました。ですから、Chatworkを選ぶことに迷いはなかったです。同じく創業当時から導入しているGoogle Workspaceのチャット機能という選択肢もありましたが、Chatworkの方がインターフェースの使いやすさで優れていました。先ほど申し上げたように、福祉業界はITリテラシーが高くありません。その点で、マニュアルなど読まなくても使いやすいChatworkが最適だと判断しました。

Chatworkの導入について、社内外の反響はいかがでしたか。導入する際の懸念点などはありましたか。

白澤:正直、最初は浸透させるのに苦労しました。福祉業界はスタッフの年齢の幅が20代~70代まで幅広くいます。若手はデジタルツールに慣れていますが、年配のスタッフには未だにガラケーしか持っていないという人も少なくありません。ただ、当社は創業当時からITツールを駆使することは決めていましたから、年配スタッフにも採用時に「うちはスマートフォンでないと仕事ができません」と伝えて対応してもらいました。

もっとも、一度やり方を覚えさえすれば、スタッフはしっかりとChatworkを活用してくれます。福祉業界の人間は、ルールを守って仕事をすることには長けていますから。Chatworkは扱いが簡単なので、3回もレクチャーすれば何とかなります。

運用のルールなどはどのようにされていますか。

白澤:「すべての情報をチームで共有する」ことをルールとして徹底しています。逆にいえば、このルールがないとChatworkに情報が上がってこないこともあるのです。というのも、福祉業界はセクショナリズムが多い業界だからです。専門職と非専門職の間に壁があり、「この情報は専門職以外には伝える必要がない」と勝手に判断したりします。そのような事態を避けるために、とにかくすべての情報を、その日のうちに上げてほしい、というルールで運用しています。もちろん、セキュリティも重視していますが、そこはChatworkの強固なセキュリティを全面的に信頼しています。

検索性の高さとデータ保管の利便性がメリット

Chatworkの具体的な活用法についてお聞きします。どのようなグループチャットを作成されているのでしょうか。

白澤:全社向けのグループ、各事業所ごとのグループ、マネージャーなど役職レイヤー別の管理グループなど、役職や部門ごとにグループチャットを作成して使用しています。特に事業所ごとのグループチャットや役職別のグループチャットは非常に活発に動いていますね。

報告などは紙ではなく、すべてChatworkに統一しています。全社会議についても頻度を減らしました。先ほど申し上げたように、クリエイティブな会議は行いますが、通達や情報共有のための会議は必要なく、すべてChatworkに上げてもらえればいいので。クリエイティブな会議についても、議事録をPDFでアップしておけば参加できなかった人も簡単に確認できます。会議が少なくなれば、その分時間もできるので社員も楽になります。

また、Chatworkの活用で便利なのが検索とファイルの送信です。たとえば、利用者さんの情報でなにか知りたいことがあればChatworkを検索すると過去のやりとりがすぐに見つかりますし、その際に送信したファイルもそのまま残っています。Google Driveも使用していますが、普段から使用しているChatworkでそのまま探した方が早いんです。

社員に支給しているPCはChromebookで、WordやExcelなどはインストールされていません。かわりにGoogle Workspaceを使用するよう徹底していて、ローカルにはデータを保管させない方針です。つまり、日々の連絡はChatwork、すべてのデータはGoogle Drive、データのなかでも日々やりとりするものはChatworkという使い分けです。

Googleフォームとの連携で報告や依頼をオンラインで完結

すべてオンラインで完結させているのですね。

白澤:そうですね。極力、紙も使わないようにしています。たとえば、コロナ禍では福祉業界では勤務前の検温を行うように通達がありまして、記録簿を整備しているのですが、多くの事業所は紙に書いて提出していました。

しかし、検温の本来の目的は「体温を紙に書いて提出すること」ではなく、「体温を測って正しくリスクを把握する」ことです。ですので、媒体は何でも構わないのです。当社では検温結果を報告するためのGoogleフォームを用意しており、社員がフォームから報告すると、その結果がChatworkの専用グループチャットに入ってくるよう連携しています。

そのほかにも、シフトの変更依頼などもGoogleフォームを使ってオンラインで行っています。GoogleフォームとChatworkとの連携は便利で、いろいろと活用しています。

社外の方とChatworkでやりとりすることはありますか。

白澤:社外ともChatworkを使用しています。当社は福祉をベースとして様々な新規事業を立ち上げています。たとえば、飲食部門であれば業務用厨房機器メーカーや設備メーカー、内装デザインの会社など、いろいろな企業と取引しています。そうした取引先にもChatworkを使ってもらい、図面や見積もりのやりとりなどを行っています。

また、私は一般社団法人 全国介護事業者連盟 障害福祉事業部会の役員を務めていますが、その部会でもChatworkでやりとりをしています。

無駄なコミュニケーションコストが削減、業務効率も向上

Chatworkを導入した効果について教えてください。

白澤:数値化しているわけではありませんが、導入目的でもあった「無駄なコミュニケーションコストの削減」はできていると実感しています。一般的な会社には、よくオーバースペックな複合機が置いてありますよね。当社には複合機は一台もありません。あんなものがあるから紙からいつまでも離れられないのだと思います。

また、業務効率も向上しました。なんのトラブルもなければ、基本的に福祉事業所のベースの仕事って16時くらいには終えられるはずなんです。でも、ペーパーレス化ができず、デジタル化もされていないから、業務効率が落ちて19時とか20時とかになってしまうんです。

当社ではChatworkを日常的に使いこなすことで、社員のデジタル活用のハードルも下がっています。だからこそ、Google Workspaceなどのデジタルツールも導入できています。ChatworkがDXの入り口として機能していると感じています。

Chatworkは"明日からできるDX"

Chatworkの導入を検討されている企業へメッセージをお願いします。

白澤:誤解を恐れず申し上げると、Chatworkのようなツールを使っていない福祉介護事業者は危機感を持つべきだと思います。福祉介護業界は、少子高齢化の中でもっと重要になっていく業界です。だからこそ、若い人にどんどん業界へ入ってきてもらう必要があります。そのとき、若い人にとって魅力的な業界でなければならないはずです。一般的な水準のデジタル化すらなされていないと、若い人が入ったときに「この会社で働きたくない」と思われてしまうでしょう。当社も新卒を採用していますから、人材確保の面でもしっかりとDXを進めています。

そうしたデジタル化の第一歩としてChatworkは最適です。1アカウントから導入できて、使い方も簡単。セキュリティも強固なのでセンシティブ情報を扱うのにも安心です。情報を見える化して、社員がいつでもアクセスできるようにしましょう。Chatworkこそ、明日からできるDXです。

ありがとうございました。

※記載の内容は取材時点の情報です。現在のChatworkの機能や料金プランとは異なる可能性がございますのでご了承ください。