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最新刊『2022―これから10年、活躍できる人の条件』PHPビジネス新書

神田昌典さんが執筆した『2022―これから10年、活躍できる人の条件』(PHPビジネス新書)の内容は衝撃的。「あと10数年で、会社はなくなる」と予言。6章207頁「独立起業から、共立起業へ」では、「とにかく起業への壁が低くなっている。仕事はウェブでのやりとりで済んでしまうために、固定的な事務所はいらない。フリーエージェント同士が、プロジェクトごとにチームを組む方がスピーディーに進むから、社員を雇用する必要がない。」と著述。

代表的な著書

電子メールは衰退期に差しかかったツール

はじめに、チャットワーク導入以前の体制と、課題だったことを教えてください。

神田 : 昔は上場を目指していました。事業が拡大されるにつれ、公教育との関わりが非常に増えてきたために、神田の私企業からの脱却しなければならないと考えていたからです。組織が事業部制という形になっていて、その時のコミュニケーション方法は電子メールと会議でした。

うちみたいな会社というのは、社内であろうと社外であろうと、組織を縦割りにするとプロジェクトが動かなくなってしまいます。縦割り組織の中で電子メールを使っていると、その弊害が明らかになってきました。電子メールは組織図に当てはまった情報コミュニケーションをします。つまり「上から下へ」。事業部ごとの横のコミュニケーションがあまり得意ではありません。ピラミッド型の組織で使うと、電子メールは事後報告のためや、単なる情報共有のためのメディアでしかなくなっていきました。

これらの状況は、電子メールという媒体がライフサイクルの衰退期に差し掛かったところで起こり始めたような気がします。

プロジェクト単位で活動するためにチャットワークを導入

チャットワークをどのような目的で導入したのですか?

神田 : 先に述べた課題がある中でも、よりプロジェクトベースで仕事をすることができないかと考えたわけです。

電子メールだとプロジェクトをイメージするのが難しく、各プロジェクトがどう動いているのか図式化するのが難しいのです。一方チャットワークの場合は、パッと見たら プロジェクトがどう動いているのかひと目で分かります。どれだけのプロジェクトが動いているのか、そして動いているものと動いていないものの区別もできます。

チャットワークの作業画面。赤枠の部分がプロジェクトの一覧。稼働中のプロジェクトが常に上にくる。
チャットワークを導入した結果、どんなことが起こりましたか?

神田 : プロジェクトベースで仕事を進めやすくなりました。社内だろうが社外だろうが全然関係ない。大阪にいようが東京にいようが海外にいようが全く関係がない。チャットワークの画面上は、どこにいようが並列に並びます。その中で仕事を提供できる人がプロジェクトを進めるわけです。一方、チャットワークの導入に抵抗する人もいました。電子メールを導入する時もそうでしたし、ITに抵抗する人がいるのと同じです。

チャットワークの場合の特徴は、 チームワークで仕事ができないタイプの人が導入に抵抗したことです。彼らはプロジェクトに積極的に参加しなかったので、次第にやる気のある人だけで新しいプロジェクトを進めるようになりました。チャットワークは チームワークで仕事をするには非常に効率がいい。しかも、 やる気のある人が積極的に使う傾向がありました。

2012年2月に会社を解体しフリーエージェント制へ

フリーエージェント制導入の決め手を教えてください。

神田 : チャットワークを入れれば事務所スペースを持つ必要も、一つの固定的なエリアを持つ必要もなくなります。これまで固定費になっていたものが全て、直接収益を産みだすための費用に変わります。私はLINCs(社会的貢献性がある事業をボランティアでおこなう。ビジネススキルを磨くことが目的のプロジェクト。)という活動を社外の人達とチャットワークで進めたことで、このことに気づきました。

そこで私の会社でも在宅勤務を取入れようとすると人事課からNGが出ました。経理の帳簿付けなど時間管理をできる仕事は在宅でもOKだが、時間管理できないクオリティが問われるものや、企画・提案という作業は在宅NGという通達が労働基準監督署からあったからです。しかも仕事を家に持ち帰ってはいけない、残業もできるだけしないように、休日もできるだけ働かないようにという発想です。日本の会社は、仕事をしない社員を作る仕組みになっているのです。

一方、アメリカではIBMのような伝統産業であっても在宅就業率が40%を超えているそうです。公務員も積極的に在宅就業を取り入れています。しかし日本は逆行しています。これでは社員は経験を積めません。自分の足で立てない人を若い時から一所懸命に作っているのが日本の会社なのです。そういう仕組みをとっていれば、クリエイティブな仕事をする人がフリーエージェント化するのは仕方がないです。

2012年2月24日、会社解体を知らせるメールがALMACREATIONS社員の手で発行された。事業は全てフリーエージェント制のもと継続すること、社員は全員退職し、組織人・設備(事務所)を持たないスタイルへ転換すること、新時代の事業のあり方を模索すると"会社"ではなくこのスタイルになったことが記されている。
現在、どのような仕組みでフリーエージェントとつながっているのですか?

神田 : 今、フリーエージェントはどんどん増えており、メールで彼らとコミュニケーションできるかというとできないですよね。メールというのは、今では何のために使われているのかというと、基本的にはDM。郵便ポストがDMしか入らなくなったように、電子メールもDMが4割ぐらいです。その中で、コミュニケーションはFacebookやTwitterに移行していきました。Facebookグループは期限設定をするようなカルチャーじゃないですよね。ブレインストーミング・アイデア出しの状態じゃないかと思います。

それに対してチャットワークというのは、期限まで設定できます。だから 具体的なプロジェクトになればチャットワークに招待します。それに、実際に現金を生んでチームで何かやりましょうという場合には、納期・納品・タスク分けが関わってくるので、チャットワークじゃないと安心できません。

対面の方が良い仕事はどう進めているのですか?

神田 : クリエイティブな話をするために必要なミーティングは、1週間に1回、分野を変えて、専門分野の人達が集まって課題を整理します。翌週には進捗を確認します。また、年間計画やビジョンを生み出すような時は、社内にいてもしょうがないので、遠隔地に行って合宿したほうが良い。現実問題、本当に必要なのは週1日のミーティングです。後は、各自自宅でチャットワークを通じてやってもらい、緊急の連絡は携帯電話で取り合っています。

全国11都市・参加者5,000人の講演会をフリーエージェントチームが遂行

フリーエージェント制にして約2か月ですね。新体制での成果を教えてください。

神田 : 2012年2月から新体制になりました。その2月には全国11都市・参加者述べ5,000人の講演会をフリーエージェントチームで成功させました。新しいスタッフでやったのですが、滞りなく済みました。結果、事業に関わりのある人を集めてみると、社員の人数より多くなりました。

勘違いしてほしくないのですが、経営者の本分は雇用維持なのです。これは絶対、必要なことですから、安易にフリーエージェント化は薦められません。私の会社は、私自身が商品であったからこそ、可能になった例外的事例です。私という商品をサポートしてくれる人たちを、会社以外にも広げるのが、フリーエージェント制だったのです。その結果、元社員とはいまも折々仕事で関わりますし、さらに社員というカタチで雇用している時より、彼らのまわりの人たちも仕事に加わっていますから、ずっと多くの人達が事業に関わり始めています。つまり...結果として、さらなる雇用を創出できたわけです。

全国11都市・参加者5,000人のイベントを開催。その運営をフリーエージェントチームが遂行した。

チャットワークはフリーエージェント化するための必須ツール

フリーエージェント制を実践しての感想をお聞かせください。

神田 : 現在、すべての会社は新しい時代に向けて、破壊的創造をおこなう段階にきています。そのためには膨大な固定費を抱えたまま、硬直することは、船全体が沈んでしまいます。チャットワーク導入以前と今では、プロジェクトの進行スピードが明らかに違います。新しい事業を組み立てる時も素早く仕事を進行できるようになりました。チャットワークは、フリーエージェント化する社会のなかで、固定費を増やすことなく、フリーエージェントの方々とよりスムーズに、そして公平・公正に仕事することを促進してくれます。

固定費が少ない会社は、変化に対してものすごくスピーディーに動けます。 チャットワーク導入以前と今では、プロジェクトの進行スピードが明らかに違います。新しい事業を組み立てる時も素早く仕事を進行できるようになりました。

チャットワークの導入がフリーエージェント制導入にまで及ぶとは驚きでした。

神田 : チャットワークを入れたことで、 チームワークで仕事ができる人はこれまでより活躍できるようになりました。LINCsの活動を通じて、どこにいようが成果を上げられると分かりました。事務所や社員を持たないスタイルに変えて、変化に対してスピーディーに動けるようになりました。 チャットワークは、フリーエージェント化するための必須ツールです。