獣医学知識や治療方法を、院内で標準化するための最も良いツールです

関内どうぶつクリニックでは、シフト勤務で会えないスタッフとの情報共有を目的にチャットワークを導入した。すると獣医・看護師の技術や意識が向上したり、遠隔医療をおこなえるようになったという。これらの成果について詳しく伺った。

関内どうぶつクリニック

関内どうぶつクリニックは、通常診療と先進医療の両方をおこなっている横浜市の動物病院。先進医療では「腫瘍に対する免疫療法」・「アレルギー性皮膚炎の減感作療法」に取り組んでいて、動物にとって優しい治療法であることが特徴。一般的な癌治療・アレルギー性皮膚炎の治療は、抗癌剤や飲み薬のステロイドを用いるため、副作用が大きく動物が苦しい思いをする。この現状を変えることができる治療法として同医院では先進医療を積極的におこなっている。(取材:2013年9月)

院長
牛草貴博 様

動物病院にとって機能と価格がちょうど良い情報共有ツール

Chatwork導入のきっかけを教えてください

牛草 : スタッフ同士の情報共有が難しく、情報共有ツールが何かしら必要と思っていました。当医院はシフト勤務なので、スタッフ全員が揃うのは週に2日しかありません。その中で情報共有が非常に難しいと感じていました。当時は、情報共有を本人の努力任せで、情報が伝わっている人といない人がいました。紙媒体も使っていましたが、見る人も見ない人もいて共有漏れがありました。これが何かのトラブルにつながることもしばしばありました。

最初はFacebookメッセンジャーを使っていましたが、オープンSNSなのでセキュリティ面で不安があることと、プライベートと仕事を分けにくいという難点があり、代替となるクローズドツールを探していました。そんな時FacebookでChatworkを知り、いくつかのツールと比較して決めました。

横浜市の動物病院。アレルギーと癌の先進医療を受けられることが特徴。
情報共有ツールを比較した結果Chatworkを選んだ理由を教えてください

牛草 : Chatworkは、必要としている機能のクオリティがすべて80点以上であり、また動物病院という業態にとって調度良い価格だったので選びました。特に「ビデオ通話/音声通話機能」が付いている点は重要でした。というのも、他院の先生との勉強会に使いたいと考えていたからです。他のツールは、品質がいまいちか、動物病院にとって高すぎる値段でした。

ほとんどの動物病院は獣医が1〜2人でやっています。うちはスタッフ12人で大きい方ですが、それでもビデオ通話に初期費用30万円もかかるような高額サービスには手が出ません。かといって無料サービスには問い合わせもできず、サービスが中止になる可能性もあり、ためらいがありました。ビジネス用として提供されているChatworkはちょうどいい価格でした。

関内どうぶつクリニック、iPhoneアプリのChatwork画面。
Chatwork導入後は、情報共有が困難な問題はどうなりましたか?

牛草 : Chatworkを使うことで「強制的に情報を見る・書き込む環境」を作ることができ、情報のシェアがとても簡単になりました。

「iPhoneで撮影し画像で情報共有」する立ち仕事の人のための必殺技

動きながらの勤務である病院で、どのようにChatworkに情報を入力しているのですか?

牛草 : 動きながらの仕事が中心で、PCを使っての作業はほぼ無理です。その代わりうちの病院では全員がiPhoneを持っています。スマートフォンにはカメラがあるので写真で何でも記録でます。たとえば、手書きメモをカメラで撮り、それをタスク機能に登録することもあります。「とりあえず事象をばん!」と残せるので、後で文章にするにはそれを見ればいいです。一瞬で記録を残せるのは大きいです。われわれはとても短い間で記録を残さないといけません。これが簡単にできるのがChatworkです。

iPhoneで写真を撮りグループチャットにアップ。写真で記録を残している。

入院患者の情報をグループチャットで共有。経過をスタッフ全員が把握

グループチャットの活用方法とその効果について教えてください。

牛草 :グループチャット活用は動物病院ならではだと思います。

入院患者の情報共有

担当医が動物の名前でグループチャットを作成します。すべての職員と共有し、起きたことを写真とテキストで入れていきます。たとえば、治療方針・処置内容・検査の結果です。また、入院タグ(薬を飲んだか・うんちやおしっこをしたか)の情報は写真でアップします。

若いドクターの治療に対しアドバイスできますし、担当医不在時でも飼い主にグループチャットを見せることで、起きていることを説明できます。また、担当ドクターから担当看護師に処置内容のタスクを入れると、処置がいつされたか全員に明確になります。

入院患者のグループチャット

難治症例の共有

牛草 : 難治症例を集めるグループチャットを作りドクターが共有しています。このグループ内で、若いドクターに処置方法をアドバイスします。「こういう流れで、こういう結果が出た」という治療の流れを残しています。

記録を残すことでデータベースになると思っています。「この病気は最初にこういう症状があり、このぐらいの時間でどうなり、このような処置をするとこうなる」という情報が時系列に残っていきます。若いドクターが症例に直面した時に、過去の流れを検索して見ることができます。

難治症例用のグループチャット

遠隔治療、他院との連携

牛草 : 長崎のアレルギー患者の遠隔治療をおこなっています。長崎にアレルギーの先進医療を受けられる病院がなく、横浜には通えないという事情の飼い主さんがいます。地元で協力してくれる動物病院を探し、獣医と飼い主さんが入った3者のグループチャットを作り、治療に対する連携をとっています。飼い主・長崎の先生・われわれが患者の状態をリアルタイムに共有して治療を進めています。

遠方と連携をとるのに非常に便利です。普通は犬を連れて行きますが、それに近い形で診察できます。ビデオ通話/音声通話・画面共有ができるので高い精度でおこなえます。

遠隔治療用のグループチャット。飼い主が犬の症状を伝えている。

院内プロジェクト

牛草 : 飼い主さんに出すはがきの出し方・在庫の管理法・診察にかかわらないことをやり取りするためのグループチャットを作成しています。たとえばホームページのリニューアルでは、デザイナー・担当者・院長が入っているグループチャットを作成しています。院長は、Chatworkを見るだけでデザイナーと担当者とのやり取りを常に把握できる状態です。何かあれば指示もできます。担当者とデザイナーもビデオ通話/音声通話で打合せができるので訪問不要です。

他院との勉強会

ビデオ通話/音声通話+画面共有で勉強会をおこなっています。業態が小さいので、勉強会のために時間と場所を指定して集まるとロスが大きいです。勉強のために病院を早く閉めたり、スタッフが欠けたり、そういうコストをかけておこなうようなことを、画面共有もできるChatworkは、上手くできると思います。

フード在庫を減らすためのグループチャット。診療以外のプロジェクトもChatworkでおこなう。

情報共有によりスタッフの意識が向上。ストレスは激減

Chatwork導入による全体的な変化について教えてください

牛草 : 一番の変化は、グループチャットに事象を記録する行動を通じて、看護師の意識が大きく変わったことです。たとえば、これまでは「どんなうんこをしたのか」と担当の人に聞いても答えは「ええと...」という具合で不明瞭でした。一方、入院患者のグループチャットに入院タグを入力するようになってからは、記録対象を意識して見るようになり、聞いた時には「こんなうんちでした」と写真を見ることなく即答できるようになりました。記録を通じて、もう一歩先まで考えることができるようになったということです。

iPhoneの写真で入院タグを残している。記録を通じて看護師の意識が向上。

ドクターが院内すべての患者情報を共有できるように

牛草 : ドクターの患者に対する向き合い方が変わりました。これまでは自分の患者さんの情報以外は共有できていませんでしたから、A先生しか知らないということばかりでした。これが以前に比べると半減しています。

「タスク機能」で依頼したことが遂行されるように

牛草 : 診察や手術があると、誰かに仕事を依頼しても「忘れてしまう」・「期日が過ぎてしまう」・「依頼したほうが依頼したことを忘れてしまう」ということが起こっていました。タスク機能によって期限に対する意識が大きく変わりました。

マニュアルをiPhoneで全員が持ち歩いている状態に

牛草 : これまではマニュアルを紙媒体で作っていました。しかし、紙媒体はどこかに行ってしまいますし、時間が経つと今の状況にそぐわないこともあります。これを、Chatworkにマニュアルを集約して全員がマニュアルを持ち歩いているのと同じ状態にしました。やり方は、マニュアル用のグループチャットを作りマニュアルをPDFで保存します。改変用のワードファイルは担当のマイチャットに入れてあり、担当者だけが修正できるようにしています。何かがあった時には探すことなくマニュアルにアクセスできますし、変更がある時にデータを探すこともありません。

記録を残す習慣がつき、学会発表時に写真を使えるように

牛草 : 難治症例のグループチャットにより記録を残す習慣が身につきました。学会で発表したり論文を書く時に「あの症例の写真を撮っておけば良かった!」と思うことが多かったのですが、それが減りました。常に写真を撮る機器を身につけているので、撮っておけるのです。

グループチャットで診察や処置情報を連絡することで、誰もが院内すべての入院患者の情報を共有できるようになった。

すべての人が情報を共有できることでストレスが減った

牛草 :「これ聞いてないよ!」が激減しました。何かについて聞いたり報告をする時間も要らなくなりました。以前は頻繁に「ほうれんそう!」と言っていましたが、Chatworkではグループチャットを通じてみんなに伝わるので「ほうれんそう」のために時間を取られなくなりました。Chatworkは、シフトで動いている中で会わない人に対し、一度の労力ですべての人に伝えることができ、これまでの情報伝達と比べて浮いた時間と手間を他のことに使えるようになります。これまで情報共有のための時間と手間が苦でしたが、そのストレスが減りました。

Chatworkを使う様子。一度の労力ですべての人に伝えることができるのでストレスが減った。

獣医学的知識・治療方法などの標準化に寄与するツール

最後に、動物病院関係者の方にメッセージをお願いします

牛草 : Chatworkは獣医学的知識・治療方法などの標準化に寄与するツールです。当医院では、院内でこれらを標準化しているところですが、将来的には獣医学全体に応用できるものだと感じています。このツールを使えば、他の病院と連携し、ストレスフリーで個人情報という点でも安全に遠隔治療をおこなえます。この方法は獣医学全体でスタンダード化できます。みんな使ったら良いと思うので、Chatworkについていろいろな場所で話しています。

ITはとっつきにくいという方も多いですが、私は大好きです。失敗したらやめればいい。そういう意味でもChatworkはちょうどいいコスト感です。試してみてください。

※記載の内容は取材時点の情報です。現在のChatworkの機能や料金プランとは異なる可能性がございますのでご了承ください。