ChatworkをはじめとするDX化でプライベートブランドの立上げにも成功
木村石鹸工業株式会社は創業から98年目の大阪にある石鹸メーカー。現社長の祥一郎氏は、2016年の社長就任と同時に会社のDX化とプライベートブランドの立上げで大成功をおさめています。Chatworkを使ったDXに成功した秘訣を伺いました。
創業から98年目の大阪にある石鹸メーカー。2016年に4代目木村祥一郎氏が社長に就任すると同時に会社のDX化とOEM中心のビジネスモデルからプライベートブランド販売への参入を実現。今さまざまなメディアからも取り上げられる注目の企業です。 (取材:2022年08月)
代表取締役社長
木村祥一郎 様
- 新規事業の立ち上げに伴い、扱う情報量が増える
- 工場や営業所が本社から離れていて、メールや電話でのやりとりでは不便
- ITに不慣れな社員も多く、新しい仕事の進め方からの脱却に不安
- ITが苦手な社員でも大量の情報を簡単に扱えるようChatworkを導入
- 勤務地が離れた従業員でも円滑にコミュニケーションが取れる体制を構築
- プロジェクトごとにグループを作り、プロジェクト進行ができる体制に
- Chatworkの導入で社員の情報処理速度があがり新規事業立ち上げに成功
- 遠距離でも円滑なコミュニケーションを実現し、生産性UP
- フラットな状態で情報共有でき、有機的組織の構築を実現
課題
- 新規事業の立ち上げに伴い、扱う情報量が増える
- 工場や営業所が本社から離れていて、メールや電話でのやりとりでは不便
- ITに不慣れな社員も多く、新しい仕事の進め方からの脱却に不安
解決策
- ITが苦手な社員でも大量の情報を簡単に扱えるようChatworkを導入
- 勤務地が離れた従業員でも円滑にコミュニケーションが取れる体制を構築
- プロジェクトごとにグループを作り、プロジェクト進行ができる体制に
効果
- Chatworkの導入で社員の情報処理速度があがり新規事業立ち上げに成功
- 遠距離でも円滑なコミュニケーションを実現し、生産性UP
- フラットな状態で情報共有でき、有機的組織の構築を実現
プライベートブランドを立上げるために、従来とは違うコミュニケーションのインフラが必要だった
- 貴社の事業内容について教えてください。
-
木村:当社は1924年に創業した大阪にある石鹸メーカーです。現在創業から98年目です。
創業からしばらくの間は化粧石鹸・固形洗濯石鹸・粉石鹸を製造しておりましたが、太平洋戦争がおきた1944年には原料不足により一度廃業し、1954年に業務用石鹸の製造を主軸とする「町の石鹸工場」として営業活動を再開しました。
1968年から銭湯向けの業務用の中心に浴場用洗剤を販売。全国の線で幅広く使われるようになりました。1994年以降は業務用で培ったノウハウを家庭用向けに応用。主に生協さん等にOEMで展開しています。
私は、2013年に家業を継ぐために木村石鹸に入りました。以降、自社ブランドを立上げてECストア経由で販売することに力を入れています。 - 長い歴史がおありで、さまざまなことに挑戦してきたのですね。そのような企業様がどんなきっかけでChatworkを利用することになったのでしょうか?
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木村:私は前職でIT関連企業に勤務していて、その時からChatworkのことを良く知っていました。
木村石鹸に戻って、自社ブランドを立上げる新規事業に挑戦しました。その事業推進のために、若い人を採用して、新しくマーケティング部門をつくったんです。そこでChatworkを実験的に導入してみました。
半年ぐらい利用してみて、メンバーも利便性を実感したので、全社に導入することにしました。
ITツールが苦手な社員でも仕事が回るツールとしてChatworkを全社に導入
- Chatworkを全社導入するにあたって、どのようなコミュニケーション上の問題が解決されることを期待されましたか?
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木村:実は、その時は特にコミュニケーションで不都合を感じていませんでした。
しかし、既存のコミュニケーション方法のままで事業が大きくなると、いずれ行き詰まることが予測できたので、新しいコミュニケーション方法の採用を検討していました。
当時は、OEM事業の売り上げが全体の65%あって、それも2社に依存する形でした。なので、煩雑にお客様とやりとりがされる訳でもなく、お客様との商談を記録に残すにも、後に履歴を確認するにも、それほど手間が発生しませんでした。
社内のコミュニケーションでは、直接会話するか電話を使うことがほとんどでしたし、それ以外では、社外とのやり取りのために一部の営業職や技術職のスタッフがメールを利用している程度でした。 - 新規事業が立ち上がるとコミュニケーション量が増えるので、新しいコミュニケーションの方法を模索されていたのでしょうか?
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木村:はい、そうです。
自社ブランドを起こすとなると、お客様の数も業務量も増えますし、連絡事項も複雑になります。また、業務で取り扱った情報を記録に残して後に確認しなければならなくもなります。
そのため、新しいコミュニケーションツールには、「ITツールが苦手な社員が大量の情報を取り扱うようになっても仕事が回る」。そして「コミュニケーションコストが低いこと」を期待していました。 - 実際に導入いただいていかがでしたか?
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木村:コミュニケーションが快適です。
工場が二拠点に拡大、東京オフィスの新規開設、コロナによるリモートワークの開始といったイベントが発生しましたが、これらは、チャットツールが社内に導入され、日常業務で利用されている状況があったからこそ 容易に乗り越えることができたと思っております。
お客様からの声を全社に共有し、その声を開発に反映することも
- Chatworkを社内に導入するにあたり、苦労した点があれば教えてください。
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木村:Chatworkを全社に導入する時に、「今のままで問題ないのに、なぜわざわざChatworkを使用しなければならないのか?」と抵抗する社員が何名かいて困りました。
中には「私は使いたくありません」とはっきりと拒絶する者もいました。そんな場合は、その社員と仲の良さそうな同僚からChatworkを使ってもらうように声をかけてもらったりもしました。
また、全社向け情報を流すためのグループチャットを構築したり、各部ごとで情報を共有するためのグループチャットの運営を推奨したりすることで、結果的に、皆がChatworkを使わないと業務に関わる情報が入手しづらい状況になりました。
このような経緯を経て、全社でChatworkを業務で使うようになるのが当たり前になりましたが、その状態になるのに1年くらいかかりました。 - Chatworkはどんな業務のやりとりで使っていますか?
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木村:業務用商品と消費者用商品とでグループチャットを分けて、それぞれで営業全般のやりとりをしています。
部署間連携にも使っています。例えば、受注管理をしている部門から営業部やマーケティング部に入金やサンプル手配に関して連絡をするような使い方です。
お客様からの声といったグループチャットがあります。ここでは、ECサイトに届くレビューや、直接届いたお客様からのメッセージなど、どんな些細なことでも共有するようにしています。
あとは、談話室です。誰でも何でも投稿してOKのグループなのですが、新商品から競合企業に関する情報などを交換することが多いです。
- 製造部や技術部でも利用していらっしゃいますか?
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木村:基本的に他の部署とやりとりが発生する部署では、全ての従業員に個人アカウントを作ってChatworkを業務に活用しています。
例えば、技術部だと、メインの仕事は商品を開発することですが、営業部からお客様の要望を聞いて開発に反映させたり、他の部に開発について相談が必要な時などにChatworkを活用しています。
また、製造部門では、営業部からの要請を受けて商品の包装仕様を決定する時や受発注に関する情報を交換する時にChatworkを使っております。 - このようにChatworkを使われてみてのご感想はいかがでしょうか?
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良くも悪くも非常に便利で、コミュニケーションコストが低く、部署間のやりとりが非常にスムーズで重宝しています。
個人的には、とにかく簡単にコミュニケーションがとれるので、本来は対面でコミュニケーションをとるべき状況でもChatworkを使ってしまうくらい使い倒しています。
有機的な組織運営を目指す企業にとって、Chatworkはなくてはならないインフラ
- Chatworkに対するご感想をお聞かせいただけますか?
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木村:Chatworkを実際に導入して、フラットな状態で情報共有ができる点が、当社の目指す企業運営と相性が良いことに気がつきました。
私は「自分達でどのようにすればパフォーマンスが向上するか」を個々の社員が自分で考えて行動できる自律型の有機的組織を運営したいと考えています。
メールだとどうしても、営業部 vs 技術部とか 製造部 vs 管理部のように依頼をする側とされる側で上下関係が出来てしまい、組織が硬直し、各従業員の動きが制限されてしまいがちになります。 - 具体的には、どういうことでしょうか?
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木村:例えば、当社の場合、プロジェクト単位でチームを組んでいるのですが、そのチームには管理部や営業部、製造部などさまざまな部員で構成されていて、このチーム内で業務が完結します。
従来のピラミッド型の仕組みだと、必ず部の中で決裁をとるプロセスが存在しますので、当社のようなチーム単位で業務を進める場合、個人に裁量が与えられないのでプロジェクトを進めるスピードが落ちてしまうのです。
それがChatworkを用いることで上下関係がなくフラットな状態でコミュニケーションを取ることができるようになりました。その結果、従業員各自の判断で業務が進められるようになり、プロジェクトが進むスピードがあがりました。
自身が理想とする有機的な組織運営には従業員が自立して行動できる環境が必要でしたが、それをChatworkがもたらしてくれたのです。 - 製造業の場合、レポートラインがしっかりしているようなイメージがあります。
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木村:そうですね。しっかりしていないとプロジェクトを進める上で問題が出てくるからだと思います。
そのレポートラインに従来はメールが使われていたのですが、メールだと宛先に選ばれた人しか情報を得ることができない閉ざされた環境で情報が共有されるのがネックでした。
一方でChatworkを使うと、グループチャットで情報を共有することになるので、関係者全員が情報を目にすることができる、オープンな環境で情報が共有される状態になります。
メールを使っていた当時なら、問題が発生すると都度、問題の当事者が所属する部門長の決裁を経た上で対処することになり時間がかかっていました。
しかし、現在は、関係者の中から問題を解決するのに最適な者が手をあげて対処することになり短時間で問題が解決しプロジェクト進行もスムーズになりました。
情報がオープンな状態で共有されて、プロジェクト進行がスムーズになるのを実現してくれたChatwork。今となってはChatworkなしの状態に戻ることは考えられません。 - 最後になりましたが、これからChatworkを使おうと思っている企業へ一言、お願いします。
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木村:当社にとって、Chatworkはなくてはならない「インフラ」のようなものです。
社内外のさまざまな情報の共有や業務プロセスでのやりとりにChatworkを積極的に活用しています。もし、Chatworkが浸透していなかったら、今のような拠点間をまたいだコミュニケーションや、社外のパートナーと協同、連携したプロジェクト運営は難しかったと思います。
このようなツールは、実際に皆が積極的に利用しはじめないと、何が便利なのか、何が良いのか、話を聞いてるだけではよく分からなかったりします。
最初は小さいグループやプロジェクトで無料版でもいいから使ってみて、利便性を実感できたら、全社に展開していくというような導入方法もありだと思います。
- 業種
- 利用規模
- 目的・効果