部署間の情報共有が迅速化され、「あの人に聞かないとわからない」がなくなった

セミラックスや岩石・鉱物、新金属材料の切断機・研磨機・整形機を設計・製造・販売する株式会社マルトー。外出が多く、社員同士が顔を合わせる機会がなかった同社は、情報共有の徹底と迅速化を目的にChatworkを導入。経緯と活用方法、効果について伺いました。

規模
1〜50名
業種
製造・メーカー
目的・効果
情報共有の効率化 モバイル活用(外回りでも使える)

株式会社マルトー

昭和40年創業。丸東グループの1社。セラミックス(高温・構造材・機能性材料)、岩石・鉱物、新金属材料の切断機・研磨機・整形機を設計・製造・販売。加工実験室も無料で開放している。平成12年には理研・マルトー共同開発のELID研削加工技術で中小企業長官賞を受賞し高評価を得た。(取材:2022年06月)

製造技術部 課長
鎌田弘幸 様

  • 対面や電話が主な連絡手段であり、情報共有の速度に不満があった
  • 専門性が高い業務が多く、「あの人に聞かないとわからない」状況が多々発生
  • 外出先から情報を参照するのが大変だった
  • 必要なメンバーを入れたグループチャットを作成
  • 相談や依頼はChatworkで行うことを徹底
  • 製品ごとのグループチャットを作成し情報を集約
  • 一度の連絡で情報が行き渡るようになった
  • 相談や依頼への回答のために、作業の手を止めることがなくなった
  • 外出先でも検索を活用してすばやくほしい情報にアクセスできるようになった

課題

  • 対面や電話が主な連絡手段であり、情報共有の速度に不満があった
  • 専門性が高い業務が多く、「あの人に聞かないとわからない」状況が多々発生
  • 外出先から情報を参照するのが大変だった

解決策

  • 必要なメンバーを入れたグループチャットを作成
  • 相談や依頼はChatworkで行うことを徹底
  • 製品ごとのグループチャットを作成し情報を集約

効果

  • 一度の連絡で情報が行き渡るようになった
  • 相談や依頼への回答のために、作業の手を止めることがなくなった
  • 外出先でも検索を活用してすばやくほしい情報にアクセスできるようになった

複数の課題を解決するソリューションとして導入

まず、御社の事業について教えてください。

鎌田:マルトーは、セラミックス(高温・構造材・機能性材料)、岩石・鉱物、新金属材料の切断機・研磨機・整形機を設計・製造・販売する会社です。昭和40年に設立され、長年にわたり培った技術で特注機承り、受託加工など技術提供をしております。

Chatwork導入のきっかけとなった組織課題は何だったのでしょうか。

鎌田:いくつかの課題が背景にありました。まず、全社員への連絡網の構築です。特にコロナ禍で出社できなかったときに、その必要性を痛感しました。また、コロナ禍だけでなく、震災など有事の際の安否確認体制を構築する必要があると感じていました。震災になると電話はつながらないことが多いですからね。

加えて、部門や役職、プロジェクトごとの情報共有の徹底と迅速化、オフィスにとらわれないハイブリッドワークへの対応、ナレッジマネジメントによる情報集積なども進めており、これらを実現するツールとしてChatworkを導入しました。

技術力が高い切断機・研磨機・成形機など加工機械を扱う同社

「あの人に聞かないとわからない」をなくしたい

課題として"情報共有の徹底と迅速化"を挙げていらっしゃるということは、これまで情報共有に課題があったということでしょうか。

鎌田:そうですね。当社は大きく分けて、営業部、製造技術部、器材部という3つの部門から成り立っています。業務を円滑に進めるには部署を超えて連携し、情報を広く共有することが重要です。しかし、これまでは電話や会話による情報伝達がメインだったため、情報が担当者間で留まることが多かったのです。

私自身もそういった経験があります。私は製造技術部の課長を務めており、主に電気関係を担当しています。営業から電気関係の相談を受けることも多いのですが、そこで答えた内容が他の人にまでしっかり伝わっていないことが少なくありませんでした。営業担当者は外出していることが多いですし、製造技術担当者も作業するときは事務所にいませんから、なかなか全員がそろう機会は作れなかったのです。

問い合わせが続くと、製造技術部の方の手も止めてしまいますから、生産性も落ちてしまいそうですね。たとえば、「電気関係は鎌田さんに聞かないとわからない」となると、問い合わせもお一人に集中しそうですし。

鎌田:そうなんです。ですので、私としても「あの人に聞かないとわからない」という状況はできるだけなくしていきたいと考えていました。

Chatworkを使わないと仕事が進まない状況を作り、導入を促進

他社のビジネスチャットではなく、Chatworkを選んだ決め手は何だったのでしょうか。

鎌田:Chatworkに関しては、社長から名指しで「導入したい」という話が降りてきました。ですから、社長の判断ということになります。その上で、決め手になった点を挙げるなら、知名度が高く国産のツールであること。それから、操作がシンプルであることです。

Chatworkの導入にあたり、懸念や課題などはありましたか。

鎌田:導入時には、積極的に活用してくれるメンバーと、新しいものに対して使用をためらうメンバーがいました。そういったメンバーも含めてChatworkに移行してもらうには、Chatworkを使用しないと仕事が進まない環境や雰囲気を構築する必要があると考えました。

そこで、メールで送られてきた件に対してChatworkで返信するようにしたり、業務依頼はChatworkからでないと受け付けないようにするなど、強制的にChatworkを使わざるをえない状況をつくっていきました。その結果、Chatworkの活用も進んでいきました。

顧客や製品ごとにグループチャットを作成、検索性を高める

グループチャットの構成や主な利用者、どんなやりとりをされているのかなど、Chatworkの活用法についてお聞きします。

鎌田:Chatwork導入と活用については、主に私の方で「こんなふうに使っていこう」という具体的な方針を決めて進めていきました。

たとえば、マルトーの全社員が入っているグループチャット「【全社員】マルトー」では、全社的な通達や回覧などを行い、管理職に限定した情報共有はグループチャット「【全社】管理職」で行うなど、情報の共有範囲にあわせてグループチャットを分けています。

製品ごとにグループチャットを分けることで必要な情報が整理されて溜まっていく

鎌田:それ以外ですと、グループチャット「製品在庫管理表」には、製品在庫の表が入っています。製品在庫表は、少なくとも1週間に1回は更新されます。製品の在庫は常に動くので、営業が把握するために常に最新の情報を共有する必要があるからです。

「製品在庫数を知りたい場合は、ここを見ればいい」と決まっているのはわかりやすいですね。

鎌田:製品の取扱説明書も、製品ごとのグループチャットを作ってアップしてあります。営業が訪問先で必要になったときでも、Chatworkならすぐに確認できるのが便利です。

御社は製品数も多いですから、検索ですぐに出せるのはメリットも大きそうです。

鎌田:そして最後に、導入の背景でも申し上げた安否確認用のグループチャットです。スマホの位置情報の画面をスクショしてチャットに貼り付ければ、それだけで安否確認と現在地の確認ができます。災害時などは、その作業をタスクとしてメンバーに振るようにしています。そうすると、「タスクの完了=安否確認がとれた」ことになります。

震災など有事の際の安否確認にChatworkのタスク管理機能を利用

組織課題の解決に加えて、業務の進行状況を見える化する効果も

Chatworkを導入した効果を、どのように感じていますか。

鎌田:最初に申し上げた組織課題に関しては、狙い通りChatworkで解決できました。全社員への連絡網構築、有事の際の安否確認、情報共有の徹底と迅速化、ハイブリッドワークへの対応、ナレッジマネジメントなどが、Chatworkを導入したことで実現しました。

さらに、想定外のメリットだったのが、業務の進行状況の見える化です。私自身、以前は口頭やメールなどいろいろな手段でメンバーに指示を出していたので、途中で何をどれくらい頼んだのかわからなくなることがありました。

Chatworkに情報を集約し、タスク機能で管理することで、誰に何を依頼しているのかもわかりやすくなりましたし、口頭と違ってテキストで履歴が残るので他のメンバーへの情報共有も正確です。

このタスク機能が、私としてはChatworkでもっともよかった機能なんです。自分のタスクはもちろん、メンバーのタスクについても自分を一緒に登録することで、タスクの期限にも気づけますし、部下のフォローもしやすくなります。

導入すれば良いわけではなく、どう使うのかが重要

Chatworkの運用ルールに関してはいかがでしょうか。

鎌田:導入時に、Chatworkの位置づけや導入目的、適用範囲などを記載した運用規定をメンバーに配布したのですが、そのなかに運用ルールについても明記しました。ルールは、基本的にChatwork社さんからいただいたものをベースにアレンジしています。たとえば、

  • 「お疲れ様です」などの挨拶は不要であること
  • メッセージを受領したらリアクション機能で知らせること
  • 業務連絡については個別チャットを禁止して情報の見える化に努めること

などです。

自社で追加したルールは、グループチャット内で使用する文字に関する内容です。本文で使用する文字は全角/半角のどちらでも可としましたが、グループチャット名については漢字とひらがなを全角に、カタカナと英数字、記号を半角としています。グループチャット名だけ厳密に定めたのは、あとから検索する際、表記ゆれによる漏れを防ぐためです。

最後に、これからChatworkの導入を検討されている企業へメッセージをお願いします。

鎌田:当社では、Chatworkを導入したことで、情報共有と業務の進行状況の見える化が可能となりました。Chatworkのようなビジネスチャットは、導入すればそれでいいわけではありません。どのように使うかで効果が変わってきます。当社では、これからもより良い効果がでるような運用方法を模索していこうと考えています。それぞれの会社に合った運用方法で、Chatworkがなくてはならない最重要ツールになることを期待しています。

ありがとうございました。
※記載の内容は取材時点の情報です。現在のChatworkの機能や料金プランとは異なる可能性がございますのでご了承ください。