Chatwork✕RPA連携で業務効率化!「売上拡大と働き方改革」両立の秘訣とは

埼玉県所沢市を中心に地域密着型で不動産事業を展開するサンエイホーム。2013年の事業承継・経営陣の世代交代をきっかけにDXを推進。現在ではRPAを駆使して業務の自動化に取り組むなど、不動産業界におけるDX推進の成功例として語られるまでになりました。

株式会社サンエイホーム

所沢市を中心に地域密着型で40年以上の実績を持つ不動産会社。管理戸数約2000戸、入居率95%超、地域トップクラスのお問い合わせ数(加盟団体調べ)などを誇り、不動産売買・賃貸・管理・資産コンサルティングの分野で地域No.1を目指し、挑戦し続けている。(取材:2022年08月)

専務取締役
新井 克明 様

  • 主要な連絡手段が電話、FAX、メール、紙回覧で情報共有のスピードが遅かった
  • 残業が多く発生し定時で退社出来ず、なかなか有給休暇が取れない働き方だった
  • 営業職が物件の写真撮影やWeb掲載まで対応しており、非効率な状況であった
  • 電話・メール・紙を非推奨とし、連絡・情報共有手段をChatworkに集約
  • Chatworkで業務を見える化・効率化し、時間を有効活用できるように
  • RPAを導入しChatworkと連携することで業務の分業化と専任化を実現
  • 情報共有や社内外のメンバーで進めるタスクのスピード・生産性が大きく向上
  • 残業時間が減り、「働き方改革」とともに定時退社や有給休暇取得が当たり前に
  • 営業職が本来の業務である顧客接点拡大に注力できるようになり、売上も大幅増

課題

  • 主要な連絡手段が電話、FAX、メール、紙回覧で情報共有のスピードが遅かった
  • 残業が多く発生し定時で退社出来ず、なかなか有給休暇が取れない働き方だった
  • 営業職が物件の写真撮影やWeb掲載まで対応しており、非効率な状況であった

解決策

  • 電話・メール・紙を非推奨とし、連絡・情報共有手段をChatworkに集約
  • Chatworkで業務を見える化・効率化し、時間を有効活用できるように
  • RPAを導入しChatworkと連携することで業務の分業化と専任化を実現

効果

  • 情報共有や社内外のメンバーで進めるタスクのスピード・生産性が大きく向上
  • 残業時間が減り、「働き方改革」とともに定時退社や有給休暇取得が当たり前に
  • 営業職が本来の業務である顧客接点拡大に注力できるようになり、売上も大幅増

事業承継がDX推進のきっかけに

まず、貴社の事業について教えてください。

新井:当社は埼玉県所沢市を中心に地域密着型で40年以上の実績を持つ不動産会社です。管理戸数約2,000戸、入居率95%超、地域トップクラスのお問い合わせ数(加盟団体調べ)などを誇り、不動産売買・賃貸・管理・資産コンサルティングの分野で地域No.1を目指して挑戦し続けています。

Chatwork導入のきっかけは何だったのでしょうか。

新井:転換点となったのは、私が入社した2013年の事業承継です。創業者だった先代社長が会長に退き経営陣の世代交代が進んだことをきっかけに、トップダウンだった文鎮型組織を改め、DXを推進し始めました。不動産業界は当時まだまだアナログで、当社もそれまでは電話とFAXとメールがメインの連絡手段でした。メール確認だけでも、事務所に戻って自分のPCからでないと閲覧・送受信できない環境だったのです。そのため、様々な無駄や非効率な業務が発生していました。

小田:たしかに、以前は今とはまったく違う働き方でしたね。私は当時、営業職だったのですが、残業も多かったですし、連絡をするならまず電話でした。

新井:不動産業界は、電話が常に鳴って忙しくしている人が偉い、みたいな風潮がありますよね(笑)。でも、実は電話って、私は失礼なツールだと思っています。電話は一方的に相手の仕事の手を止め、思考や進めていたタスクを強制的にストップさせてしまいますからね。せっかく集中して仕事をしていても、電話がかかってくると元のタスクに戻る際にまたゼロから思考をやり直さなければなりません。Chatworkを導入してから、当社では社内の内線すら非推奨にしています。まずChatworkで相手にメッセージを投げ掛け、どうしても必要なときだけ電話あるいは内線をすればいいですから。

2013年の事業承継をきっかけに、一気にDXが進んだのですね。

新井:そうですね。私が入社した2013年の最初の仕事は、GoogleWorkspaceを導入して社内のデータをどこからでもアクセス出来るようクラウド化したことです。その後、ChatworkやRPA(※)を導入し、営業担当者が本来集中して取り組むべき顧客対応に専念できる環境を作りました。実は、不動産業界では営業担当者が物件の写真撮影や仕入れ、物件情報のWeb掲載まで担っていることが多いのです。これでは業務効率が上がりません。DX推進と同時にトップダウンだった文鎮型組織をピラミッド型の部門体系に再編し、分業化を推進しました。現在当社では、DX推進室のWEB戦略課が物件Web掲載などの集客業務を担っています。営業は営業に、集客はWEB戦略課に専任化することで、業務効率化を進め、生産性を最大化できるのです。

こうした分業化、専任化を行うには、徹底した情報共有が不可欠です。つまり、Chatworkを導入したからこそ、当社は分業化と専任化に成功できたといえます。

(※RPA:「Robotic Process Automation」ソフトウェアによってシナリオを作成し、従来"人"が繰り返し行う定型的な作業・業務を、人間に代わって自動化するツールのこと。サンエイホームでは自社養成によりDX推進室の社員がシナリオ作成可能な体制としている)

本取材では、専務取締役の新井様(左)とDX推進室の小田様(中央)、中村様(右)にお話を伺いました。

数あるチャットツールのなかで、もっとも使いやすくUIが優れていた

Chatworkの印象はいかがでしたか。

新井:数あるチャットツールのなかで、もっとも使いやすく、UIも優れていると思いました。特にリアクションボタンは「了解」「ありがとう」などを1クリックで伝えられて素晴らしいですね。当社では「TO」でチャットを受けた社員がリアクションボタンで応じることが当たり前になっています。経営側としても、全社に向けて発信したチャットにどれだけリアクションボタンがつくかで、チャットの内容が腹落ちしているかどうかわかるのが便利です。

最近だと、虚礼廃止の観点から「社内の年賀状を廃止してChatworkで挨拶しましょう」という提案を全社に投げたのですが、社員全員からすぐに「了解」「いいね」のリアクションがついて「待ち望まれていたんだな」ということがよくわかりました(笑)。他社チャットツールにあるような既読機能よりも、リアクション機能の方が、「しっかりと読んで理解した」というエビデンスになります。

中村:私が入社したとき、すでにChatworkは導入されていました。前職では社内でもメールで連絡することが多かったのですが、サンエイホームで初めてChatworkに触れて、とても使いやすいと思いました。

これまでのやり方を大きく変えることに、否定的な方はいなかったのでしょうか。

新井:最初は抵抗感を持つ人もいました。特に営業は、今まで使ってきた電話の方がいいと言う人も少なくありませんでした。ブレイクスルーのきっかけは、経営側がChatworkを使い続けるという確固たる意思を社内に示したことだと思います。そうやって経営側がChatworkを推奨し、会社の情報をChatworkで発信するようにしたことで、だんだんとChatworkのメリットが理解されていきました。全社で完全に着地・定着したのは、社内でもっともITに保守的な管理部が陥落(笑)したときですね。最後の砦であった管理部が使い始めたことで、「Chatworkを使わない方がよくない」というマインドに会社全体が切り替わりました。

社員が働く環境にも投資を行っており、店舗・オフィスはカフェのようなお洒落な雰囲気(左)/お客様ご案内用の車には同社のキャラクター「とこちゃん」も同乗(右)

全社通達や各種申請、RPAとの連携など幅広くChatworkを活用

御社ではChatworkをどのように活用されているのでしょうか。

新井:グループチャットについては、全社用、部門別、案件(プロジェクト)別、他社・社外との連絡用、RPAのシナリオ別に分けて作成しています。全社用のグループチャットでは全社的な通達や回覧などを発信しており、部門別のグループチャットでは部門内・部門間の共有事項やタスクの依頼・調整などを行っています。

また、シフト変更申請や有給休暇取得申請などもChatworkで行っています。一般的に有給休暇申請は承認者しか知らないということがよくあると思いますが、Chatworkで申請することで周囲にも休暇を申請したことが伝わりスケジュール共有されるのは便利ですね。

他には日報もChatworkに上げていますし、本社で電話を受けての伝言もペーパーレス化の観点からメモを廃止しているためChatworkで伝えています。以前は電話を転送していたこともあったのですが、外出中や打ち合わせ中だと出られないことも多いですし、メモだとデスクに戻るまで用件を確認出来ませんから、即時性の観点からもChatworkが確実です。

社外の方とも利用されているのでしょうか。

新井:社外とも使用しています。社外とのグループチャットは「○○(社名)×サンエイホーム」という命名ルールにしており、各種ベンダー企業とのやりとりを行っています。

その場合は、相手先の企業にChatworkをご提案されるのでしょうか。

新井:そうです。Chatworkは特に中小企業に強いツールですから、最近では「今後はChatworkでやりとりを進めていいですか?」と提案するのがデファクトスタンダードになっています。Chatworkでやりとりできれば、タスクが進むスピードも従来のメール・電話メインのやりとりと比較して3倍くらいになる実感があります。

御社ではRPAを導入されていますが、Chatworkと連携はされていますか。

新井:もちろん連携しています。たとえば、当社ではスプレッドシートで管理物件の空き室を管理をしていますが、入居申し込みが入ると、RPAが自動的に社内用スプレッドシートの空室情報を「申し込み済み・募集終了」に変更し、同時に自社サイトや不動産ポータルサイトの掲載情報も落としてくれる仕組みになっています。さらに、Chatworkと連携して、「申し込みが入りました」や「キャンセルが出ました」といった内容をグループチャットに通知するようにしています。こうした作業をもし人が行うなら、おそらく社員が常時2人くらいは必要でしょう。

導入以降、売上は毎年110%増を達成、物件反響(問い合わせ)数も1.5倍に

Chatworkを導入した効果はいかがでしょうか。

新井:RPAと連携して活用することにより、社員のリソースをいわゆる「作業」とされる非生産領域から「知的生産」にシフト出来るようになりました。たとえば、管理会社として大切な業務である物件オーナー様(大家様)への訪問・新規開拓などは、人でなければできないことです。そういった仕事を人が担当し、「作業」とされる自動化・効率化できる仕事(業務・タスク)は全てRPAに任せる方針です。

そうやって分業化と専任化を進めた結果、事業承継以降の売上は毎年110%増を達成。物件の反響数(お問い合わせ数)も1.5倍ほど増加するなど、右肩上がりで伸びています。

社員の働き方にも好影響が出ています。残業が減り、定時退社が当たり前の風土になるとともに、有給休暇の取得率も増えました。また、副次的な効果として、社員の文章力が上がりましたね(笑)。Chatworkを使うことで、物事を端的にテキストで伝える力が養われたのです。

これらの成果はChatworkのおかげです。本当に、Chatwork様々だと感謝しております。

ツールやハードへの投資を惜しまないことがDX成功のポイント

御社のようにDXを成功させるポイントはどこにあるのでしょうか。

新井:Chatworkの導入・検討という観点でいえば、本記事を読んで検討されている方は「まず無料版で使ってみる」こと、そして次の壁はChatworkのプランを有料版に変えるときでしょう。しかし、有料版の検討が進むということは前述したようなメリットが享受出来ている証しであり、そこで躊躇してはいけません。有料といっても、何百万・何千万円という初期投資をしなくていいのが、Chatworkのようなクラウドサービスの良さです。始めるのもやめるのも簡単ですから、まずやってみればいいのです。そして、経営者が本気で意思決定することが重要です。

Chatwork以外のDXでいえば、当社の場合はハードやシステムなどのネットワーク基盤に投資を惜しまないことにしています。どれだけDXを推進しても、ハードやシステムのスペックが低いと、パフォーマンスを最大化できません。

Chatworkの導入を検討されている企業へメッセージをお願いします。

新井:年配社員の方が使えるか不安に思うかもしれませんが、当社でも60代後半のシニア社員をはじめ、全社員がChatworkを使っています。仮に自分から情報発信できなくても、最初はチャットのやりとりを見て、リアクションができるくらいで十分です。大切なのは、必要な情報をすばやく共有することです。社内のセクショナリズムや、情報共有のスピードの遅さに悩んでいるなら、ぜひChatworkの導入をおすすめします。

ありがとうございました。
※記載の内容は取材時点の情報です。現在のChatworkの機能や料金プランとは異なる可能性がございますのでご了承ください。