電話を減らし離職原因の1つを解消 データ経営にも効果あり

熊本県を中心にタピオカスムージードリンクチェーン「タピキング」を展開するプライスレス。電話の多さが社員の不満につながり、離職原因の1つにもなっていたという同社はChatworkを導入。電話が激減した他、データ経営の加速にも効果が出ているといいます。

規模
1〜50名
業種
サービス
目的・効果
情報共有の効率化 メール・電話の削減

有限会社プライスレス

2005年から熊本県を中心にタピオカ入りスムージードリンクのチェーン店「タピキング」を展開。熊本ではソウルフードと言われるほどの人気を誇り、現在は熊本以外にも福岡、鹿児島、大分、愛媛、京都にも展開している。(取材:2022年11月)

総務
緒方安希子 様

  • スタッフからの質問・相談の電話が社員に集中し、離職要因の1つになっていた
  • 電話やプライベートチャットによる1対1のやりとりが多く、情報共有が難しかった
  • 以前から進めていたデータ経営をさらに加速させたいと考えていた
  • 現場からの質問や相談をChatworkで行うようにした
  • Chatworkでもダイレクトチャットを禁止しグループで情報共有
  • ルッカースタジオとChatworkを連携して活用
  • 社員に電話が集中することがなくなり、離職要因の1つが改善
  • 1対1のやりとりが減り、情報共有が円滑化
  • Chatworkを「情報の目次」として活用することでデータ活用が促進

課題

  • スタッフからの質問・相談の電話が社員に集中し、離職要因の1つになっていた
  • 電話やプライベートチャットによる1対1のやりとりが多く、情報共有が難しかった
  • 以前から進めていたデータ経営をさらに加速させたいと考えていた

解決策

  • 現場からの質問や相談をChatworkで行うようにした
  • Chatworkでもダイレクトチャットを禁止しグループで情報共有
  • ルッカースタジオとChatworkを連携して活用

効果

  • 社員に電話が集中することがなくなり、離職要因の1つが改善
  • 1対1のやりとりが減り、情報共有が円滑化
  • Chatworkを「情報の目次」として活用することでデータ活用が促進

現場からの電話が社員に集中、不満が蓄積され離職につながることも

まず、御社の事業について教えてください。

緒方:近年のタピオカブームのはるか前となる2005年から、熊本県を中心にタピオカ入りスムージードリンクのチェーン店「タピキング」を展開しています。タピオカ店と見られがちですが、当店はスムージ店として差別化しており、熊本ではソウルフードと言われるほどの人気です。現在は熊本以外にも福岡、鹿児島、大分、愛媛、京都にも展開しています。

Chatwork導入のきっかけとなった組織課題は何だったのでしょうか。

緒方:Chatworkを導入する前は、業務の連絡が基本的に電話で行われていました。シフト制の職場なので、店は営業していても社員スタッフが休みのこともあります。しかし、現場のスタッフはそんなことはお構いなしに、何か困ったことや質問があるとすぐ社員に電話をかけてしまうのです。かける側にとっては1回か2回の電話だったとしても、かけられる側の社員にとっては1日に何十回も電話が集中することになります。多いときは着信数が50件を超えるような日もありました。これが社員にとって大きな不満要因であり、離職原因の1つにもなっていました。

また、電話は1対1のコミュニケーションになってしまうので、情報が他のスタッフに共有されていないことも多く、「聞いてない」が多発していました。そもそも、当時は現場のスタッフに「情報を全体に共有しよう」という意識が薄かったのです。

トップダウンで粘り強く呼びかけ、Chatworkの利用を促進

他社のチャットツールと比較検討はされましたか。その中でChatworkを選んだ決め手は何だったのでしょうか。

緒方:もともと私がデジタルに強いこともあり、早くからSkypeなどのツールは導入していました。ただ、SkypeはWebミーティングがメインのツールであり、付属しているチャット機能は決して使いやすいものではありませんでした。

そこで違うツールを探したところ、Chatworkに出会いました。当時はまだChatworkの知名度も低く、現場でも「よくわからない新しいツール」という感覚で、抵抗感もあったようです。現場スタッフが主に使っているのはプライベートチャットと電話だったので、まずはその意識を変える必要がありました。

どのように働きかけをされたのでしょうか。

緒方:トップダウンで半ば強制的に導入を進めました。そうしないと利用が進まないくらい、プライベートチャットと電話が定着してしまっていたからです。「Chatworkでやりとりをしてください」「何かあったらChatworkを見てください」「現場スタッフからプライベートチャットで質問がきても返信はChatworkでしてください」と、粘り強くChatworkの利用を推進しました。現在はChatworkがかなり浸透しています。

ルッカースタジオと連携し「情報の目次」として活用

ここからは、Chatworkの具体的な活用法についてお聞きします。

緒方:案件ごとにグループチャットを作成しており、1対1のダイレクトチャットは極力使用しないように指導しています。Chatworkの本来の導入目的は、「情報の共有を自分の空いた時間でやる」ことです。1対1で使ってしまうと、プライベートチャットと同じ感覚になってしまい、社員が休日も対応しなければならない現象が再発してしまうからです。

その上で、Chatworkの使い方を一言で説明するなら「情報の目次」です。データそのものをChatworkに上げるのではなく、ルッカースタジオなど外部のツールに集約したデータへの入り口として使っている感覚です。

具体的には、どのようなグループチャットを作成されているのでしょうか。

緒方:たとえば、「ルッカースタジオアンケート」グループは、ルッカースタジオと連携してお客様アンケートの結果を流しています。お客様が記入してくださったご意見やご要望、満足度などをGoogleフォームで入力し、スプレッドシートに蓄積。スプレッドシートとChatworkをAPI連携して、必要な情報だけを抽出しています。

同様に「日報」でもGoogleフォームを活用しています。スタッフがアンケートフォームから日報を入力すると、その内容がスプレッドシートに送られ、APIでChatworkに飛んでくるという流れです。Chatworkを見れば、他の人がどんなふうに日報を書いているかがわかる仕組みです。

この他にも、アルバイトスタッフの人時生産性をルッカースタジオで管理しています。その中で人時生産性の高いスタッフは、「人時生産性」グループで名前を出して称賛しています。皆が見ているグループチャットで褒めることで、スタッフのモチベーションアップにつながるのです。

ルッカースタジオとの連携をフル活用されているのですね。

緒方:そうですね。当社はデータ経営を心がけていて、どの店舗でなんの商品がどれくらい売れたのかや、廃棄の金額、個々人の売上など、すべてをデータで管理しています。その中でスタッフに共有すべきデータだけChatworkと連携し、表示させているという使い方です。

店舗を超えたやりとりでノウハウの共有も

他にはどのようなグループチャットの活用法がありますか。

緒方:たとえば、各店舗の「環境整備 改善」グループでは、店舗における日々の改善活動を共有するようにしています。備品の配置変更など、ちょっとした改善が多いのですが、なかには他店舗のメンバーにとって参考になる改善点が見つかることもあります。Chatworkなら写真つきで投稿できるので、改善内容がわかりやすいのもメリットですね。

まさに"1対多"の情報共有ならではの利点が生まれていますね。

緒方:他にも、シフトの変更を共有するグループチャットや、各店舗の発注依頼を管理するグループチャット、お客様からのクレームを報告・共有するグループチャット、備品の破損報告を行うグループチャットなど、様々な情報をグループチャットに分類してやりとりしています。

また、「相談・質問コーナー」は、現場スタッフが質問・相談を書き込んで、それに他の人が回答するためのグループチャットです。このグループチャットのおかげで、以前のように社員に質問が集中してしまうことがなくなりました。

社外の方とも利用されているのでしょうか。

緒方:チラシなどを制作いただいている印刷会社とのやりとりに利用しています。業務をお願いする際は、タスク機能を使って先方のタスク管理も行います。先方はこちらから割り振られたタスクをこなしていけばよく、お互いにミスもなくなるので助かっています。

電話の回数を減らし、離職防止にも寄与

Chatworkを導入した効果について教えてください。

緒方:まず、社員の離職原因の1つだった電話の回数を大幅に減らせたことです。もちろん、それだけで離職をゼロにできるわけではありませんが、少なくとも大きな要因を1つ潰せたのは大きな効果だといえます。

また、それに伴って、社員に支給していた携帯電話も廃止しました。携帯電話を支給したままだと、電話やプライベートチャットを辞めないですからね。電話代も負担していたので、その分のコスト削減にもつながっています。

そもそも電話は出られないことも多く、折り返しなどが発生するとさらに手間がかかってしまいます。電話をなくせたということは、そうした不通時の時間分の工程も削減できたことになります。非常に大きな効果が出ていると思います。

Chatworkの導入を検討されている企業へメッセージをお願いします。

緒方:飲食はデジタル化が遅れている業界です。だからこそ、新しいデジタルツールを導入する際は、経営者が先頭に立って導入を進めなければ定着しません。昔のやり方を禁止するなどして気合を入れて取り組まなければ、結局元の木阿弥になってしまう恐れもあります。Chatworkは飲食店でも役立つツールですが、スタッフがメリットを実感できるまでは徹底的に使わせていく必要があります。その点はぜひ意識して使ってみてください。

飲食店業務をフロントとバックヤードに分類するなら、Chatworkは特にバックヤードのデジタル化、効率化にとても効果的なツールです。バックヤードを効率化することで、人件費などの削減にもつながるでしょう。

ありがとうございました。
※記載の内容は取材時点の情報です。現在のChatworkの機能や料金プランとは異なる可能性がございますのでご了承ください。