Chatworkを導入したのは電話と残業を減らすため

まずアービックグループについて教えてください。

川崎:当グループの創業は昭和37年です。現在は、相続対策や不動産売買・建設の「アービック建設」、賃貸不動産の仲介および管理をしている「アービック」に分かれており、ほかにも賃貸物件のサブリースや飲食業、高齢者施設の運営などをおこなっている会社に分かれます。

そのうちアービックはアパマンショップを7店舗出店し、管理部門と連携しながら賃貸アパート・マンションの入居斡旋・管理運営しています。

Chatworkを使おうと思ったきっかけは何だったのでしょうか。

橋本:電話を減らしたい、という意見があがったのがきっかけです。

アービックのスタッフ部門は自分たちの都合でアパマンショップの店舗に電話をかけてしまうのですが、忙しいときは全員がお客様応対中で誰も出られないこともあります。それで電話が鳴り続けてしまうとお客様にとっては不快ですし、仕方なく電話に応答すると、今度は目の前のお客様をないがしろにしてしまうことになります。

確かに、電話が鳴り続けると気になってしまいますね。

川崎:電話を減らしたいという以外にも、業務を効率化して働き方改革を進めるためにChatworkを使おうと思いました。

賃貸管理会社は労働集約的で、とにかくアナログな仕事が多く残業が当たり前です。何しろ、業界的にメインのツールはいまだに紙と電話とFAXですからね。弊社もChatworkを入れるまで会社から支給される携帯電話はフィーチャーフォン。まさに電話のための電話で、業務でスマートフォンを持つ必要性をまったく感じていませんでした。繁忙期ともなると毎日紙に埋もれ、夜遅くまで残業することも珍しくありません。

アナログな業務体制だったのですね。社員の平均年齢が高いのでしょうか。

川崎:アービックの平均年齢は31.5歳です。管理部門は、営業部門より若干高く、そのようなスタイルで仕事をしてきたため、あまり違和感を持っていなかったかもしれませんが、アパマンショップの店舗にいるメンバーは全員20代です。

このご時世にそんな働き方をしていたら、優秀な若手社員が退職してしまうのではないかと危機感を持っていました。何より、営業マンにはもっとプライベートを大事にしてほしい。

営業は、私が採用した子たちばかり。わが子のように可愛いし、絶対に幸せになってほしい!それなのに残業続きでプライベートを犠牲にしていては幸せになれるはずがないですよね。そこで業務効率化による働き方改革に取り組むことにしたのです。

いろいろとツールを調べる中で出会ったのがChatworkでした。株式会社武蔵野の小山社長の著書でChatworkを導入されているという事例を見て、これだ!と思いましたね。

写真:アービック社の業務に関する写真
(左)接客中、お部屋の候補を案内する営業担当。/(中央)アパマンショップ西船橋店など、市川市から総武線を沿線に展開する『住生活総合企業』の同社。/(右)退去後の物件にて室内チェックをおこなっている様子。

Chatworkで部下との距離が縮まった

どのように導入を進めていったのでしょうか。

川崎:まずは私の直属のアパマンショップ7店舗に導入してみたところ、狙いどおりの効果が表れました。あいさつが不要でいきなり用件が書ける気楽さや、どこでもタイムリーに確認できる利便性、そこからくるレスポンスの良さ!これは時短につながると確信し、スタッフ部門、そして当社すべてに導入することにしました。

それと同時にスマートフォンとiPadを全社員に支給し、勤怠管理にKING OF TIME、交通費などの経費精算に楽楽精算、マニュアル作成にTeachme Biz、年末調整には年末調整クラウド、RPAではWinActorなどを導入し、一気に改革を進めていきました。

非常に大きな改革ですね。

川崎:もちろん、私一人では無理です。システムに詳しいものが必要でしたので、グループ会社「アービックホールディングス」の橋本には、ずいぶん助けられました。結局は今年になって出向という形で橋本をヘッドハントしました。すべて橋本のおかげでスムーズに導入できましたね。

Chatworkを導入したことで良かった点は何でしょうか。

川崎:メールは、PCを立ち上げて机に向かっているという状態のときにしかやり取りができませんが、Chatworkはいつどこにいてもスマートフォンさえ持っていればやり取りができますので、レスポンスが非常によくなり、部下との距離がさらに近くなったと感じます。またグループ作りが簡単です。メールではTOが誰で、CCに誰を入れるか考えなくてはならないですし、CCに入った人には当事者意識が欠けます。しかし、Chatworkでは、グループに入った全員が当事者になります。

メールだと堅苦しくなりそうなことや、電話では伝えにくい「ありがとう」などの言葉も、Chatworkなら気軽に発信できるからか、部下とのやり取りが増えました。

たとえば、報告メールに対して「かしこまりました」だけでよい場面でも、メールだと「○○様 おつかれさまです」みたいにつけるのが慣習になってしまっています。Chatworkなら一言で返してもいいし、場合によっては絵文字ひとつでもOKですから気が楽ですよね。

橋本:当初の目的でもありましたが、電話の回数が減少しました。

店舗営業中は極力電話を控えてChatworkを使うようにしました。これまでもメールは使っていたのですが、いろいろなメールと一緒になって流れてしまうこともあり、既読率が低いという問題がありました。

Chatworkはプッシュ通知もあり、既読率が格段に上がりましたね。送るほうもメールと違ってChatworkなら絶対に見てもらえるという安心感があります。また、グループに後から入った人でも履歴が見返せるので、話し合っている内容をさかのぼって把握できるのもいいですね。

写真:インタビュー中の様子
取材では、同社で副社長執行役員を務める川崎 菜穂実様、IT戦略室 室長の橋本 和希様にお話を伺った。

退去から入居まで物件情報をリアルタイムに共有

普段の使い方について教えてください。

橋本:IT戦略室としては、まずヘルプデスクです。社内向けのセキュリティ情報の発信に使用しています。

不審なメール情報やそのほかのセキュリティ情報を全社員が入っているグループチャットで共有しているのですが、メールと違って既読率が高く、「このメール大丈夫?」といった問い合わせが増えました。社員のセキュリティ意識の向上につながっていると思います。また、APIを活用してkintoneやGmail、RPAツールのWinActorとChatworkを連携し、情報更新時の通知などに活用しています。

社内の業務効率化がだいぶ進みましたね。社外とはいかがでしょうか。

橋本:外部業者とのやり取りもChatworkを使うことが増えました。賃貸管理会社はオーナー様からお預かりしているアパート・マンションを常に稼働状態に保ち、満額の賃料をご送金することが使命です。賃貸ですから頻繁に退去・入居が繰り返されるのですが、その共有にChatworkが大いに役立っています。

たとえば、退去の連絡があると、それを受けたものがお部屋名のグループチャットを立ち上げます。そして退去日が確定すると、立会をする外部業者をグループに入れます。入居者との立会日時や、立会後の現場写真などをグループチャットで共有することにより、どんなところに修繕が必要なのかを全員が把握できるのです。さらに、修繕工事が終われば、その写真もグループチャットにアップします。

もちろん、最終的には弊社社員が出向いて完了検査をするのですが、グループチャットに写真が上がった段階で大まかな完了検査ができるのは便利です。

リフォーム工事が終われば次の入居者が入るわけですよね。そちらの情報もChatworkで共有するのでしょうか。

橋本:はい。申込みが入ればそれをグループチャットで共有します。入居日間近になると畳の表替えや鍵交換などをするのですが、その担当者を入れておくことで準備がスムーズにできるのです。

もちろん、管理や営業用の基幹システムは別に導入しています。ですが、そこにはすべての物件情報が入っているため、自分で調べに行かないといけません。Chatworkであれば、今動いている物件の情報を関係者全員がリアルタイムに把握できるのです。

川崎:取引先の方にメールをしなくてはならないとき、まずはChatworkを使っていないかな〜と思って検索します。けっこういらっしゃるんですよ。そのときはやったー!と喜びます。きっと先方も喜んでいると思いますよ。お互いやり取りが格段に楽になりますからね!

図:物件退去チャットの様子
物件退去チャットの例。退去から入居までのやり取りなど、今動いている物件の情報を関係者全員がリアルタイムに把握できる。

スムーズな導入のためには旗振り役とシステム管理者の両方が必要

Chatworkの導入を検討している企業へメッセージをお願いします。

橋本:Chatworkは情報共有が必要な人をグループに入れさえすれば、自動的に情報を共有することができます。情報の共有化があまりできていないと不安に感じるようでしたら、導入を検討してみてはいかがでしょうか。そのときには旗振り役とシステムを導入して管理できる人間の両方がいるとスムーズです。

川崎:Chatworkを導入したことで本当に働き方そのものが変わったという実感があります。まだまだ働き方改革は道半ばですけど、スタッフの帰る時間も確実に早くなったし、その時間でプライベートを充実させて幸せになってほしいです!