自分たちで営業して「飯を食っている」インディーズバンド

Yellow Studsは無所属ですが、メジャーレーベルに頼らない理由があるのでしょうか?

野村 : 頼らないというよりは、メジャーレーベルとご縁がなかったという感じです。メジャーデビューするチャンスが何度も現れては消えていった経験や、メジャーとの契約が終わってそのまま解散してしまうバンドを何組も見てきたので「音楽を続けていくためには自分たちでお金を稼がないと!」と、歳を重ねるにつれ強く実感しました。

Yellow Studs、5人組のインディーズバンド
ライブには日本全国からファンが集まる
楽曲『さえずり』(YouTubeで視聴可能)

仕事の依頼をもらった時に、メンバー5人の意見を簡単に調整したい

どのような目的でチャットワークを使いはじめましたか?

野村 : 仕事の依頼をもらった時に、 メンバー5人の意見を簡単に調整できるかもしれないと思いチャットワークを使い始めました。PCを持っていても活かしていないメンバーが多かったので、まずチャットワークのiPhoneアプリを全員に入れてもらうことに。PCに比べて スマートフォンなら普段よく使っている分、なじみがあるようですぐに使い方をマスターできたようです。使っていくうちに無料プランで使えるグループチャット14個では足りなくなり、ビジネスプランへのアップグレードを決めました。1年間で2万円ですが、それ以上の価値を十分に発揮してくれています。

チャットワークのiPhoneアプリを入れて5人で利用を開始した。

メールでは逃していた「仕事のチャンス」をキャッチ可能に

仕事依頼に関する意見調整は、以前はどう進めていたのですか?

野村 : Yellow Studsのスタッフ3人とメンバー5人の計8人でメールを使っていましたが、 情報が整理できず当時は本当に混乱していました。メールでは過去のやり取りをさかのぼるのが困難で、すぐに「あの話、どこまで進んだ?」という状態になっていました。何の仕事でもそうですが、レスを早く返さないと交渉が進みません。しかし皆バイトが忙しく、「この日程空いていますか?」「ギャランティいくらでやりますか?」などの希望条件をまとめるのに一苦労で、依頼人への返信が遅くなりがちでした。

チャットワークで仕事依頼の意見調整はどうなりましたか?

野村 : イベント(案件)ごとにグループチャットを作って情報を共有するので、スケジュールや場所を簡単に共有できるようになりました。iPhoneアプリがあるので、 バイトの合間にも返信でき、すぐに依頼人にYES/NOを答えられるようになりました。1カ月に8本ぐらいお誘いが来ると「あのイベント大阪?群馬?どっち?」という感じで、場所も把握できない状態だったものが、全員が希望を出して多数決まで取れるようになりました。

また、バンドマンはバイト中などの理由でメールの返信を忘れることが多いものです。どんな理由であれ返事を出さないと悪名がついて、例え有名なバンドでもイベントに呼ばれなくなります。 チャットワークで簡単にイベント内容を把握でき、意見を出し合えるようになったことで、こうした機会損失もなくなりました。

仕事依頼について意見調整をしているグループチャット

『キリン氷結』CM音源。3日で納品できたのはチャットワークのおかげ

仕事依頼の調整の他にチャットワークを活用していますか?

野村 : 「曲作り」や「営業活動」にも使っています。

最近のお仕事では「KIRIN氷結のCM」がありますね。

野村 : この仕事ではチャットワークがとても役立ちました。氷結の依頼は、3日間でちゃんとした音質のデモ音源を数パターン作ってほしいという納期のキツイものでした。依頼が来たその日にしたことは、

  • 音楽ソフトのCubaseで8パターンの音源を考えること
  • 氷結楽曲専用のグループチャットを作り、そこにオーディオファイルをアップしてメンバーに共有すること
  • 共有した曲についてチャット上で話し合って2つに絞ること
  • 選んだ2曲を各自が練習すること
でした。2日目はスタジオで2曲を練習し、3日目はレコーディングをおこないました。

チャットワークがなかったら最初の1日がつぶれていたでしょう。1時間でも大事な時間だったので、1日目に 自宅にいながらアイデアを固められたことは大きいですね。

「曲作り」では、音源ファイルの共有と意見交換にグループチャットを使っているということですね。

野村 : はい。この方法はSoundCloud(音楽用クラウドサービス)や 他のサービスを使うよりも早く曲を仕上げることができます。曲作りのスピードが上がりました。

今回実践したのは、 それぞれのパートの音源を各自が作ってグループチャットにアップし、それをエンジニアが合体させて曲にする方法です。合体させた曲もチャットワークに上げ、意見を出し合いながら完成させます。家で録音できないドラムとベースはだめですが、ピアノ・ギター・仮歌は可能です。デモ音源のように音質のクオリティを求められないものをこの方法で作っています。

ヴォーカル&ピアノ担当の野村さんは、自宅の設備で仮歌やピアノを録音しチャットワークにアップしている。集まらなくても曲作りを進めることができる。

営業をメンバーで分担し、テレビやラジオにPR

「営業活動」でのチャットワーク活用法についても詳しく教えてください。

野村 : 僕らは自分でテレビ局やラジオ局にも営業します。営業の作戦を立てて、決まった施策の担当割り当てをおこないます。たとえば、CD発売の時は全国のCDショップさんに資料を送ってから電話をします。テレアポですね。ポスター貼りも分担していて、貼ってくれたお店をエクセルでリスト化しています。こういった 営業の担当割り・進捗の報告・営業先リストの共有などを営業専用のグループチャットでおこなっています。

チャットワークはマネージャー。メンバーの活動を管理できるツール

バンドのマネジメントを自らおこない、お金を稼ぐことで音楽活動を続けていこうとしているのですね。

野村 : そうですね。僕がブレーンというか、リーダーみたいな感じですね。2014年に僕がアルバイトをやめて、すべての時間をバンドのために使うようになりました。バンドのお金から月給をとり、バンドの売上を上げるための活動をするのです。全員がバイトをしていたらバンドからの収入は増やせません。アルバムを発売して入ったお金をメンバーでわけるのではなく、それを宣伝に使ってもっとお金を稼げるようにしていきたいと思っています。

このような 自力で飯を食うための活動ができるのはチャットワークのおかげです。どういうことかというと、メールの時は皆に営業リストを渡してもちゃんと活用できませんでした。「忙しい」、「混乱する」などが理由でした。今は、 チャットワークで進捗を見て「ちゃんとやっているな~。」と僕がチェックできます。途中で止まっていても「おい、止まっているぞ!」と言いやすいです。結果、いろいろなアイデアを実行できるようになりました。

インディーズバンドが自力で飯を食うためのインフラ

最後にメッセージをお願いします。

野村 : バンドマンにとってメジャーレーベルから話が来ることだけが成功でしょうか。契約が終わって解散するより自力で稼いで音楽を続けたい。それには「自分たちのお客さんがどう思っていて、何を欲していて、自分たちは何をやりたいのか。」それを追求できるのがインディーズです。

実際、 チャットワークを使い始めてからはバンドの収入が増えています。だから僕がアルバイトを辞めてマネジメントをすることにしました。世の中に「仕事が来ないかな?」と待っているだけの会社はないと思っています。営業して仕事を取ってくるはずです。だからインディーズバンドも仕事を取りに行ってお金を稼げばいいと思います。

チャットワークはインディーズバンドが自力で飯を食うためのインフラです!