医療機関特有の悩みをIT化とチャットワークで解決

水野先生は熱心にIT化に取り組んでいらっしゃいますね。

水野 : はい。友愛病院には、数年前までインターネット環境がありませんでした。そこで、

  • 院内LANを引く
  • パソコンのセキュリティ整備をする
  • レセプト専用のパソコンを6台置く
  • iPadを導入する

など積極的にIT化を進めました。現在、役職者などからIT端末を配布し始めています。

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iPadは画面に触れるだけで操作できる簡単さから60代の事務次長も使っている。彼女はチャットワークも使いこなしている。
病院特有の悩みをチャットワークが解決したと聞いたのですが?

水野 : 病院では全員の予定がぴたりと合うことはありません。夜勤明けのナースは翌日休みを取る、休憩時間も順番に取る、皆が常に違う業務をおこなっているのが当たり前です。ナースがよく入れ替わることも病院共通の悩みです。

この状況でも、 チャットワークがあれば、同じ情報を1回の作業で関係者に共有することができますし、会議に欠席しても手が空いた時間に報告資料を確認できるようになりました。今では

  • 「レセプトに記載する病状詳記」
  • 「委員会の議題や議事録の共有」
  • 「技術指導ビデオ」

などについて チャットワークで連絡し合い、成果を実感しています。

レセプトの返戻予防と作成時間削減の仕組みが完成

レセプトに記載する病状詳記とありますが、チャットワークをどのように役立てているのですか?

水野 : 月初に集中するレセプト(医療報酬明細書)を、素早く作成することと、返戻の予防に役立てています。

具体的なやり方を教えてください。

水野 : 過去に書いた病状詳記を、チャットワークの「病状詳記、記録コーナー」に入れておきます。 同じような症例があった場合、症例名で検索し過去の記録の中から見つけ出します。これを参考にして記載します。この取り組みが時短につながっています。

過去の病状詳記をチャットワークにストックすることは、返戻予防にもなるのですか?

水野 : はい。病状詳記は、治療のため医療費が比較的高額となり病状を理解してもらうために書くので、時間がかかります。過去に承認された同じ症例の病状詳記を参考にすれば、時間も短縮できますし、返戻される確率もぐっと下がります。医師同士はもちろん、レセプトを担当する事務スタッフとも 情報共有できる点も気に入っています。この使い方には効果を実感しています。

コラム:レセプトは病院経営の要

水野 : レセプト(医療報酬明細書)とは、実際にかかった医療費のうち、患者負担分を引いた金額を、国の保険者に請求する明細書。保険者は、レセプトに間違いがないかチェックしてから医療費を病院に支払う。

返戻とは、レセプトの記述内容に間違いや意図不明の処置がある場合、書類が差し戻されることを言う。返戻されたら、病院はレセプトを書き直して再請求するか、既に使った医療費を負担することになる。

返戻は病院経営の大きな負担となる。そこで、返戻を防止するために医師は処置や投薬をおこなった理由(病状詳記)を詳細にレセプトに記述する。必要とはいえ、この業務は医師にとっては大きな負担である。また返戻されないためには、事務スタッフのスキルも重要。必要知識を共有するためにもチャットワークは役に立つ。

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安全管理委員会の会議時間は、1時間から20分に短縮

委員会の議題や議事録の共有について教えてください。

水野 : 病院では、厚生労働省から義務付けられている「委員会」と呼ばれる会議がいくつもあります。当院では、安全管理委員会・臨床検査適正化委員会・輸血療法委員会・感染コントロール委員会などをおこなっています。

特に、安全管理委員会は、 これまで1時間かかっていた会議時間を20分に短縮できました。

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委員会にはIT端末持参で参加する。会議はチャットワークを利用しながら進行する。報告書もアップされる。これが欠席したスタッフのフォローにもなっている。
どうして委員会の時間を1/3に短縮できたのですか?

水野 : 会議の初めにしていた「報告に使う時間」をカットできたからです。これまでの委員会では、時間の半分以上が報告に使われていました。まず現状報告や議題の確認があり、議論、決定という流れです。

一方 チャットワーク導入後は、「安全管理委員会グループ」で会議の議題や報告を先に共有しておきます。関係者は、手が空く時間が違っても、各自都合の良い時間に確認しておけます。この結果、 会議では初めから議論できるようになり、結論も早く出るようになりました。

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チャットワークの導入で、委員会の時間は1/3に短縮した。

「技術指導マニュアル」を共有する取り組みがスタート

技術指導ビデオの共有について教えてください。

水野 : 常に新しいスタッフを迎え入れているため、指導が必要なことが多く、時間を取られることが悩みでした。これを 動画で教えることができれば、何回も指導する必要が無く、学ぶ側も分かりやすいと思い「特殊マスクの装着方法」といったコンテンツを準備し始めました。始めたばかりの取り組みですが、動画で学べることにスタッフから驚きの声が上がっており、手ごたえを感じています。

「回覧板に判子を押す情報共有」からの卒業を目指して

今後のチャットワーク活用予定をお聞かせください。

水野 : まずは、「主任会」を活性化したいです。これまでは月に1回しか主任の意見を聞けなかったのですが、 「主任グループ」を作り、日々意見を言えるようにしました。まだ遠慮がちの発言ですが、確実に議論がスピードアップしましたし、アイデアを出し合える貴重な場になりつつあります。

次に、 「スタッフ間のコミュニケーション」にも使いたいです。近くの美味しいお店など、スタッフ全員に役立つ情報を共有できればと思います。

最後に、 ペーパーレスの病院になることです。今は役職者だけがチャットワークを使っています。これをスタッフ全員に広げたいです。役職者以外は今も 「回覧板に読んだら判子を押す情報共有」をしています。回覧板から卒業して、ペーパーレス化を進めます。

チャットワークへの今後の期待をお願いします。

水野 : 医療機関も電子カルテやオーダリング・システムを始めとしてIT化が進んでいる最中ですので、 チャットワークの活躍できる場も非常に多いと思います。 使えば使うほどに良さを実感しています。取引業者さんにも勧めています。 良いツールを良い価格で利用でき満足しています。