Slack導入前からChatworkを使っていた

DMM GAMESでは2017年8月よりグループ全体でSlackを導入したと伺いました。

坂本:はい。現在でもグループ全体でいうとSlackを使っています。私もグループ会社とのやり取りやプロジェクトによってはSlackを使っています。しかし、DMM GAMESとしてはChatworkを共通ツールにしています。

なぜDMM GAMESの社内ではChatworkなのでしょうか。

坂本:その理由の前にチャットツール導入の経緯をお話しましょう。私は2011年にDMM GAMESに入社したのですが、当時から弊社ではすでにメールではなくチャットが主要なコミュニケーションツールでした。ただし、ツールは各自バラバラで、私も最初はSkypeを使っていました。

ただ、Skypeではお互いにオンラインでないとファイル共有ができなかったり、やり取りするためには一度コンタクト申請をする必要があったりと不満点もありました。そこでDMM GAMESでは2012年ごろから私をはじめChatworkの無料版を使う人が増え始めたのです。

さらに2014年ごろからは、個別契約で有料版を使うスタッフも出てくるようになり、取引先や外部のクリエイターともChatworkでやり取りするようになりました。

社員の皆様が使いやすいツールを選んだ結果、Chatworkを使っていただいていたのですね。

坂本:そういった経緯がありましたので、DMM.comグループ全体としてSlackを導入することが決まったときには、DMM GAMESとしてはすでにChatworkが定着していたというわけです。

写真:インタビュー中の坂本様
「SlackとChatworkは設計思想が違い、設計思想にともない機能にも違いがある」と語る坂本様。

ChatworkのほうがUIが使いやすかった

とはいえグループとしてSlackの導入が決まった段階でDMM GAMESとしても切り替えは検討したのでしょうか。

坂本:ええ。Slackに切り替えようと試みましたが、SlackとChatworkで、機能や優位性が異なり、使い分けが必要なケースが出てきました。

それはなぜですか。

坂本:まず、先ほども申し上げたように外部の取引先や個人のクリエイターとのやり取りにChatworkを使用しており、それが定着していたことです。それをいきなり変更することはやはり難しいものがありました。

また、社内でもユーザーインターフェースの違いに戸惑う声が多く上がりました。Chatworkはユーザーインターフェースの細かいところが使いやすかったのです。タスク管理など、ChatworkでできていたことがSlackではできなかったりするので、切り替え作業が煩雑になってしまいました。

現在はグループ会社のやり取りや関連するプロジェクトなどはSlackを使いますが、チーム内でのコミュニケーションや外部とのやり取りはChatworkを使うといったように両方を使い分けています。

日本人にはChatworkのほうが合っている

ChatworkとSlackの違いはどういったところに感じますか。

坂本:概念といいますか、そもそもの設計思想がまったく異なっていると感じます。Slackは非常にオープンで、各機能もその思想がベースになっています。設定にもよるかもしれませんが、Slackはオープンなチャンネルがデフォルトです。

一方でChatworkはある程度、クローズド感があります。同じチャットツールではありますが、ベースになっている考え方が「オープン」か「クローズド」かの違いが機能面にも表れていると思います。

なるほど。そこは海外のツールか国産のツールかという違いもあるのかもしれませんね。

坂本:どちらがよい悪いではありませんが、個人的には日本人にはある程度クローズドなChatworkのほうが合っていると感じますね。たとえば何かを検索する際も、Slackはデフォルトではオープンになっているものすべてが引っかかるので、必要な情報にすぐにたどり着くことができないのです。

そもそもSlackの"オープンなグループチャット"というのは日本的な感覚からすると新しい概念です。日本人が昔から慣れている従来のコミュニケーションはChatworkのほうかもしれませんね。

IT業界などリテラシーが高い会社であればどちらでも問題ないかもしれませんが......。

坂本:慣れの問題といってしまえばそうなのですが、逆にいうとSlackは慣れる必要があるということです。非IT企業など、業界によっては大変かもしれませんね。

図:SlackとChatworkの比較

Chatworkなら導入時に決めるルールが少なくて済む

ほかにも違いを感じることはありますか。

坂本:機能面でも思想の違いを感じます。Slackは選択肢が多く、Chatworkはよい意味で選択肢が限られるので迷うことが少ないのです。エンジニアには連携機能が豊富なSlackが人気のようですが、ChatworkもAPI連携でカスタマイズができます。現に弊社の開発チームはChatworkを使っているわけですから。

そのほかには、Slackだと未読のグループチャットがせり上がって来ないのも戸惑った部分です。未読のスレッドをひとつにまとめたりピン留めしたりする機能はあるのですが、Chatworkのように未読があると一番上にせり上がってくるほうがわかりやすいと思いますね。

誰かに返信するのもChatworkの「TO」、「RE」の宛先指定が便利です。Slackは発言に対して返信するとスレッド化するのですが、スレッドにだけ返信すると埋もれがちなので、チャンネル全体に向けて投稿するかどうかも選ばなければなりません。

これも先ほどと同じ「多すぎる選択肢」問題で、どういう内容はスレッド内だけで返すか、どういう内容はチャンネル全体にも投稿するかを決めないといけません。

逆にChatworkは、導入時にルールを決めなくても自然と皆使えていました。

Chatworkを経験したらもうメールには戻れない

Chatworkの活用法についても教えてください。

坂本:グループチャットは細かく分けて作っています。社員全員のグループやゲームタイトル全体のグループ、職種別グループ、ゲームでイベントを開発する際にはプロジェクトのグループ、さらにそのイベントの職種別グループ......などです。

職種グループも「ディレクターとデザイン」とか「ディレクターとシステム」とか、「イラストチーム」「シナリオチーム」というふうに大変細かく分けています。ゲーム開発は飛び交う情報量が非常に多いので、こうしてグループチャットを作ることで情報を整理できるのです。

また、タスク機能や概要欄も便利ですね。タスクはちょっとしたものを自分で設定することが多いです。概要欄にはグループチャットの趣旨を書いておいたり、プロジェクトの参考リンクを書いておくことが多いですね。

貴社は以前からチャット文化だったということですが、まだまだ連絡ツールといえばメールだけという会社も多いです。

坂本:そうですよね。ただ、もうメールには戻れないなと思いますね。「お世話になっております」のような定型文を必要としない分、レスポンスは圧倒的にChatworkのほうが早いですし、スピード感がまるで違います。ゲーム開発はスピードが重要なので、Chatworkによる効率化が寄与する面は大きいです。全国にオフィスがあるので、拠点間コミュニケーションという意味でもChatworkは欠かせません。

仮にまだメールしか使っていないという会社に転職したとしたら、まずChatworkの導入を勧めると思いますよ。

ありがとうございました!