クリニック間のコミュニケーションをとるためにチャットワークを導入

白岡先生が運営する診療所「医療法人社団ナイズ」でチャットワークを使おうと思ったきっかけを教えてください。

白岡:キャップスクリニックは小児科・内科を中心とする診療所で、江戸川区に2ヶ所、渋谷区、葛飾区、千代田区の5ヶ所で多拠点運営をしています。非常勤も含めて医師の数は120名以上にもなりますし、3ヶ所目の拠点を作った頃から私自身も忙しくなり、各拠点を回れなくなりました。

拠点が1つなら現場で顔を合わせることができますが、多拠点だとそうもいきません。クリニック間でどうコミュニケーションをとるのかが大きな課題になってきたのです。

経営母体が同じでも運営は独立しており、各拠点間のコミュニケーションをあまり必要としていないクリニックもありますよね。

白岡:そうですね。ただ、どのクリニックにいっても同じレベルの診療が受けられるというのが当クリニックの特徴です。そのためには各拠点で密に連携し、全体の治療方針などをつねにすりあわせていく必要があるのです。そのためにはチャットワークのようなカジュアルなコミュニケーションツールが必須でした。

メールへの不満から新しいツールを検討

それまで使っていたコミュニケーションツールは何だったのでしょうか。

白岡:メールでした。ただ、メールですと返信までに時間的なタイムラグがあったり、ファイルを添付しても、どこにいったのかわからなくなるといった不満がありました。

チャットワークの他に導入を検討したツールはありますか。

白岡:LINEで業務連絡をしてみたこともありましたが、少しカジュアルすぎましたね。プライベートのアカウントとも共用になってしまいますし、もう少し仕事向けのツールが望ましかったです。

「全拠点でチャットワークを活用したことで、コミュニケーションのスピードが速くなった」と語る白岡様。

ITに慣れていない医療業界でもスムーズに浸透

チャットワーク導入時のスタッフみんなの反応はいかがでしたか。

白岡:そこが一番の懸念点でした。というのも、医療業界の方はITリテラシーがあまり高くないことが多く、こうしたツールにも慣れていないのです。導入しても馴染むかわかりませんでしたし、説明にかなり時間をとられるのではないかという不安もありました。

実際、最初は「なんだこりゃ」という反応で、「TO」機能をどう使うのかもわからないし、どういう書き方をすればいいかもわからないという感じでした。

ただ、慣れるとチャットの感覚が浸透したようで、今では「TO」機能やタスク管理機能も使いこなしています。スタッフ自身が便利さを実感できたおかげで、思ったよりもスムーズに導入できたと思います。

医師のシフト表を共有して効率が2倍に

チャットワークをどのように使っていらっしゃるのでしょうか。

白岡:導入して最初に作ったグループチャットは、経営メンバーのチャット、拠点ごとのチャット、職種ごとのチャット、リーダー同士のチャットなどでしたが、今では委員会やトラブルシューティング用、レセプト業務用など細かくチャットができており、全部で50〜60くらいはあります。

中には使わなくなったチャットもありますが、消さずに放置しています。アクティブなチャットは「TO」がついて上がってくるので、それで十分だと思います。

医療業界として特徴的なのは、外部の非常勤医師にもアカウントを作成いただいて、全体の医師シフト表をグループ内で共有していることでしょうか。

シフト表を共有するメリットはありましたか。

白岡:当クリニックにはたくさんの医師がいますが、中には単発で入っていただいたり、非常勤で週1だけ入っていただいている方もいます。これまでですと、メールでシフト表を共有していたのですが、CCにすべての医師の方を入れるわけにもいきません。そもそも入っていただくのは難しいだろうなという方にはお送りしていなかったのです。

タイミング的に入っていただくのが難しいだろうと思われる方に、毎回メールでシフト表をお送りするのも気が引けますよね。

白岡:そうなんです。しかし、そうした方でも、もしかすると入っていただけることもあるわけですから、共有できた方がいいのは間違いないのです。メールからチャットワークにしたことで、気兼ねなく全体に共有できるようになりました。

実際、このやり方にしたことで、「時間があるので入れますよ」と予想外の方から提案をいただくことも増えましたね。

シフトが埋まるまでの時間も短縮できそうですね。

白岡:ええ。体感的に半分くらいに短縮されたと思います。

トラブルシューティングを共有してノウハウを蓄積

その他に特徴的な使い方はありますか。

白岡:トラブルシューティングをチャットワークで共有しています。何かトラブルが起きたり、症例などで困ったことがあった場合、各拠点から事例をトラブルシューティング用グループチャットに上げてもらっているのです。

これをトラブルシューティング委員会がチャットワーク上で議論し、解決策をまとめてノウハウとして蓄積していくのです。チャットワークでしたら過去のやりとりをさかのぼったり検索したりするのも簡単です。

チャットワークでコミュニケーション不足が解消

チャットワークを使い始めてよかったことは何でしょうか。

白岡:当初の課題だったクリニック間のコミュニケーション不足が解消されたことです。メールよりもリアルタイム性が高く、文面も形式張ることがなくなって、気軽に色々な相談ができるようになりました。

チャットワークだと絵文字が使えるのもいいですね。感情がやりとりできているなと感じます。

メールをメインで使っていたときも、もっと何でも書いてほしいと言っていたのですが、そうはいってもみんなやっぱり構えてしまうんですよね。メールのお作法が染み付いてしまっているんだと思います。

ツールを変えることは、そうしたお作法から脱却することにもつながったわけですね。

白岡:今、当クリニックに勤めている世代は20〜30代が多いです。スマホやLINEが染み付いている世代なので、スマホ文化がそのまま出せるのもチャットワークだからこそだと思いますね。医療機関にいると、メールで誰かとやりとりすることってあまりないんですよ。そういう意味でもチャットの方が馴染むのだと思います。

コミュニケーションがスムーズに、よりカジュアルになることで、スタッフ同士の関係性も深まり、業務効率が格段に上がったとのこと。

運用ルールは顔写真を載せること、患者様の個人情報を載せないこと

運用のルールなどはありますか。

白岡:アイコンには必ず顔写真を載せることにしています。多拠点ですとスタッフによっては会ったことのない人も出てくるので、顔と名前が一緒に確認できるのは便利ですね。それから、患者様の個人情報はチャットワークに書き込まないというルールを設けています。他にはあまり細かいルールは決めていません。

チャットワークを運用する上で問題はありましたか。

白岡:大きな問題はありませんが、やはり文字でのやりとりをポンポンと進めていくため、ニュアンスによる誤解などが生まれた事例はありました。言葉だとちゃんと伝わることでも、そのまま文字にするとキツく聞こえてしまうこともありますよね。

そういう場合は表現の仕方についてアドバイスをしています。今ではスタッフのコミュニケーションスキルも上がってきました。

チャットワークをこれから使おうと考えている企業へメッセージをお願いします。

白岡:医療は正確性を求められる世界なので、コミュニケーションは特に重要です。ツールを使うことでコミュニケーションが円滑になるなら、積極的に導入すべきだと思います。