総務と経理の兼任は可能?それぞれの仕事内容や兼任に向いている人の特徴、兼任のリスクと解決方法も紹介
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目次
総務と経理の兼任は、人件費削減や業務の効率化を目的としてしばしば見られる体制です。
しかし、1人で2つの部門の仕事内容を担うことには多大な負荷と専門的な知識が求められます。
このコラムでは、総務と経理それぞれの仕事内容や違いに加えて、兼任のメリットやリスク、兼任に向いている人の特徴などを解説します。
さらに、総務と経理の兼任で生じるリスクや課題を解消するための具体的な方法も紹介するため、ぜひ参考にしてください。
総務と経理の違い
総務と経理の兼任を考えるにあたり、まずは両者の違いを説明します。
1. 総務の役割
総務は、企業の活動全体を円滑に進める役割を担っています。
「総務と経理の兼任」という視点で考えると、総務の仕事内容は、経理以外のすべての管理業務を指すと言えるかもしれません。
具体的には、従業員が働きやすい環境を整備し、社内のさまざまな部署をサポートするための幅広い業務が含まれます。
総務の業務は定型的なものから突発的なものまであり、業務範囲も広いことが特徴です。
2. 経理の役割
経理は、企業のお金に関する記録・管理・報告を行う役割を担っています。
主な仕事内容として、お金の動きを正確に記録・計算し、財務諸表という形で外部および内部へ報告することが挙げられます。
法令や会計基準に基づいた正確な処理が求められ、ミスが許されない専門性の高い部門と言えます。
総務と比べると、経理の業務は期限が定められた定型業務(月次決算や年次決算など)が多いことが特徴です。
3. 業務の対象・目的の違い
総務は「人」「モノ」「環境」などを対象とし、主に社内全体の業務効率化を側面から支援します。
一方、経理は「カネ」を対象として過去の取引を正確に把握し、企業の財務状況を明らかにします。
このように、総務と経理の兼任を考える際には、扱う対象と目的が大きく異なることを理解しておく必要があります。
総務の役割・仕事内容・役立つ資格
総務は「縁の下の力持ち」とも呼ばれるように、その仕事内容は多岐にわたり、企業を円滑に運営するために不可欠な部門です。
ここでは、総務の役割や具体的な仕事内容、持っていると役立つ資格などを紹介します。
1. 総務の具体的な仕事内容
総務の仕事内容は、以下の表のようにさまざまな領域にわたります。
| 業務カテゴリ | 具体的な業務内容 |
|---|---|
| 施設・備品管理 |
オフィス設備の維持管理、修繕対応、備品の発注・管理、セキュリティ管理 |
| 文書・情報管理 |
社内規定やマニュアルの作成・管理、重要書類のファイリング、情報セキュリティに関する業務 |
| 行事・広報 |
株主総会や入社式、社内イベントの企画・運営、社内報の作成、対外的な窓口対応 |
| 人事・労務サポート |
採用補助、入退社手続き、勤怠管理、福利厚生に関する業務(人事と分離している場合) |
2. 総務に役立つ資格
総務の仕事内容は幅広い知識を必要としますが、専門資格を取得していると、業務の質を高めることにつながります。
特に、総務の知識を体系的に学べる総務と経理の兼任に役立つ資格として、ビジネス実務法務検定試験や衛生管理者などがあります。
経理の役割・仕事内容・役立つ資格
経理の仕事内容は、「企業の経済活動を記録し、その結果を明確にする」という、総務とは異なる専門性を持つものです。
ここでは、経理の役割や具体的な仕事内容、持っていると役立つ資格などを紹介します。
1. 経理の具体的な仕事内容
経理の仕事内容は、主に「日々の取引記録」「資金の管理」「報告書の作成」の三つに分けられます。
| 業務カテゴリ | 具体的な業務内容 |
|---|---|
| 日次業務 |
現金の出納管理、伝票の起票・仕訳、入出金管理、経費精算 |
| 月次業務 |
月次決算、売掛金・買掛金の管理、給与計算・支払い、社会保険料の計算 |
| 年次業務 |
年次決算書の作成、法人税・消費税などの税務申告、固定資産管理、監査対応 |
2. 経理に役立つ資格
経理の仕事内容を正確にこなすためには、会計の知識が不可欠です。
総務と経理の兼任者が専門性を高めるために取得するさまざまな資格の中でも、日商簿記検定や税理士資格は特に役立ちます。
簿記の知識は、日々の仕訳処理や決算書の読み方など、すべての経理業務の基礎となります。
総務と経理を兼任する目的や理由
総務と経理の兼任には、企業規模や経営状況に応じたさまざまな目的・理由があります。
特に中小企業では、経営戦略やリソース配分のために総務と経理を兼任せざるを得ないケースが多くみられます。
ここでは、総務と経理を兼任する主な目的や理由について紹介します。
1. 人件費の削減と効率化
総務と経理の兼任を行う企業にとって、最大の目的と言えるものです。
各部門に1人ずつ担当者を配置する代わりに、1人が両方の仕事内容を担当することで、人件費の抑制につながります。
特に、創業期や事業規模が小さい企業では、1人の社員が広範囲のバックオフィス業務を担うことが一般的です。
2. 閑散期の労働力活用
総務業務と経理業務には、それぞれ繁忙期と閑散期の違いがあります。
たとえば、経理は決算期が繁忙期ですが、総務は株主総会や年末調整の時期が忙しくなります。
繁忙期をずらすことで、総務と経理の兼任者が一方の閑散期にもう一方の業務を行うことができ、全体的な労働力の平準化につながります。
3. 経営層への情報伝達の迅速化
総務と経理の兼任を1人で行うことで、会社の「ヒト、モノ、カネ」に関する情報が一元化されます。
経営層が1人の担当者に問い合わせるだけで、労務状況(ヒト)や備品(モノ)、財務状況(カネ)などを把握できるため、情報伝達が迅速になり、意思決定のスピードアップにもつながるというメリットがあります。
4. 業務の相互理解の促進
総務と経理を兼任する場合、担当者は両部門の仕事内容や流れを深く理解することができます。
たとえば、経費精算のルール設定(総務)と実際の仕訳処理(経理)の関連性を把握することで、業務フロー全体の改善や効率化を推進しやすくなります。
総務と経理の兼任に向いている人の特徴
続いて、総務と経理の兼任に向いている人の特徴を紹介します。
1. マルチタスク処理能力と切り替えの早さ
総務と経理の兼任に向いている人の特徴として、異なる種類のタスクを同時に、または短時間で切り替えて処理できる能力が挙げられます。
たとえば、総務の突発的なトラブル対応から経理の集中力を要する仕訳作業へと、素早く頭を切り替える柔軟性が求められます。
2. 計画性と期限厳守の意識が高い
特に経理業務には、月次決算や支払日などの期限が厳格に定められています。
総務と経理の兼任者は、総務のさまざまなタスクをこなしながらも、経理の期限を絶対に守るという強い責任感と計画性が必要です。
自身の業務を細分化し、適切なスケジュールを立てられる人は、経理と総務の兼任に向いていると言えるでしょう。
3. コミュニケーション能力と調整力
総務の仕事内容には、社内外のさまざまな人との調整や折衝が含まれます。
そのため、高い経理能力を持っていても、コミュニケーション能力の低い人は総務との兼任には適しません。
総務と経理の兼任に向いている人は、全社員の要望を聞きつつ、会社のルール(経理的な観点も含む)を伝え、納得してもらうコミュニケーション能力・調整力が必要です。
4. 細かい作業への集中力と正確性
経理の仕事内容は、数字を扱う細かい作業が多く、高い正確性が求められます。
総務の業務と並行して経理の業務を行うには、数字の入力やチェックを実施する際の集中力や、精度の高い業務を行う能力が必要と言えるでしょう。
5. 知識習得への意欲が高い
総務では法律や労務の知識、経理では会計や税務の知識など、総務と経理の業務を行う上では常にさまざまな専門知識のアップデートが必要となります。
自発的に学習し、新しい法律や制度の違いを把握しようとする意欲が高い人は、総務と経理の兼任に向いていると考えられます。
総務と経理を兼任するメリット
続いて、総務と経理の兼任が企業にもたらす主なメリットを紹介します。
1. 経営資源の集中とコスト削減
総務と経理の兼任によってリソースを抑えることができるため、削減した人件費を事業拡大や研究開発といった他の重要な経営資源に投じることが可能になります。
特に資金力の限られた中小企業にとっては、総務と経理を兼任する大きなメリットと言えるでしょう。
2. 業務効率化の推進
総務と経理、両方の業務フローを把握している担当者がいれば、重複する作業や無駄な作業を見つけやすくなります。
そのため、経費精算プロセス(総務)と仕訳プロセス(経理)を一気通貫で見直し、双方の業務効率化を推進できるというメリットにつながります。
3. 組織内連携の円滑化
総務と経理の兼任によって、バックオフィス業務の窓口が集約されるため、他部署の従業員は誰に聞けばよいか迷うことがなくなります。
そのため、社内のさまざまな問題解決が迅速になり、組織内連携の円滑化にもつながります。
4. 担当者自身のスキルアップ
総務と経理の兼任は、労務、法務、会計、税務、IT管理など、非常に幅広いスキルを身につける機会になります。
そのため、1人のビジネスパーソンとして、市場価値の高いゼネラリストへ成長できるという点もメリットです。
総務と経理の兼任によるリスク
総務と経理の兼任はメリットがある一方で、さまざまなリスクを企業にもたらすおそれもあります。
ここでは、主なリスクについて紹介します。
1. 業務負荷の増大とミスの発生
総務と経理の仕事内容は非常に多岐にわたるため、総務と経理の兼任者に過度な業務負荷がかかります。
特に月末月初や決算期、株主総会の準備時期などが重なると、担当者は疲弊し、経理処理のミスや総務の対応漏れが発生するリスクが高まります。
ミスが発生すると、財務情報の信頼性低下や、法令遵守の違反につながるおそれもあります。
2. 業務の停滞と属人化
総務と経理の兼任者が1人であり、その人が病気や休暇で不在になると、すべてのバックオフィス業務が停止してしまうリスクがあります。
また、業務が1人に集中するため、仕事の手順や内容がブラックボックス化し、他の誰も実態を把握できない「属人化」が進行します。
さらに、担当者が退職した場合、業務の引き継ぎが困難になるというリスクもあります。
3. 内部牽制機能の欠如と不正リスク
総務と経理を同一人物が兼任することによって、経理の入出金、総務の物品購入の管理など、本来は相互にチェックし合うべき機能(内部牽制)が失われるおそれがあります。
お金や証憑の管理を1人で担うことになるため、横領や不正のリスクが高まる可能性もあります。
4. 専門性の低下
経理と総務の仕事内容はそれぞれに専門性が高く、さまざまな法律や制度の知識が必要です。
総務と経理の兼任者は、広い範囲を浅くカバーすることになりがちで、どちらの分野に関しても深い専門知識の習得が遅れるリスクがあります。
特に法改正などがあった場合、対応が遅れてしまうおそれがあります。
兼任によるリスクを回避するには?
総務と経理の兼任によるさまざまなリスクを回避するためには、担当者に依存しない仕組みづくりが求められます。
ここでは、リスク回避に有効な対策をいくつかご紹介します。
1. 優先順位の明確化と業務の棚卸し
総務と経理を兼任する場合、期限や重要度に応じて業務の優先順位を明確にすることが重要です。
経理の期限厳守の業務を最優先とし、総務の無駄な作業や重要度の低い作業は後回しにするなどの工夫が必要です。
定期的に業務を棚卸しし、時代に合わない非効率なルールや慣習を廃止することが、リスク回避につながる対策となります。
2. 業務の可視化とマニュアル整備
総務と経理の兼任者が行う仕事内容はすべて文書化し、マニュアルとして整備しましょう。
兼任者が不在の際でも、他の社員が最低限の業務を代行できるようになり、業務の停滞リスクを軽減できます。
業務が可視化されることで、不正リスクの早期発見にもつながります。
3. ITツールによる自動化と効率化
総務と経理の兼任者が手作業で行っているさまざまな定型業務を、ITツールで自動化することも有効です。
経費精算システムやクラウド会計ソフトを導入することで、データ入力や集計といった無駄な作業をなくし、兼任者の負荷を大幅に軽減することがリスク回避対策となります。
4. 内部牽制機能の代替
総務と経理を1人で兼任する体制では内部牽制機能がないため、支払い承認や銀行口座の管理などといった重要業務については、社長や役員が二重チェックを行うことも1つの方法です。
また、ITツールのアクセス権限を厳格に設定し、勝手に操作できないようにすることも不正リスクを減らす対策として効果的です。
5. アウトソーシングの活用
専門的な知識や多大な時間を要する仕事内容を外部の業者に委託することも、総務と経理の兼任の負荷を軽減できる対策です。
特に、給与計算や年末調整(総務・労務)、あるいは記帳代行(経理)など、専門性が高い部分を外部に委託することで、ミスのリスク回避と効率化を両立させることができます。
総務と経理の課題解決には『Chatwork 総務・経理アシスタント』の活用がおすすめ!
総務と経理の兼任によって生じる1人の担当者の過負荷、ミスのリスク、専門性の課題を解決するには、アウトソーシングサービスの活用が有効です。
特に、「Chatwork 総務アシスタント」「Chatwork 経理アシスタント」は、総務と経理の兼任体制を回避、または強力にサポートするサービスです。
専門的な仕事内容をプロに任せつつ、担当者の効率化を支援するさまざまなメリットを得ることができます。
Chatwork 総務アシスタントでできること
まず、Chatwork 総務アシスタントでできることを紹介します。
1. 労務管理のサポート
入社・退社時の手続き、社会保険や労働保険に関するさまざまな手続きなど、専門知識が必要でかつ時間のかかる労務関連の仕事内容を代行します。
これにより、総務と経理の兼任者は、頻繁に変わる法律や制度の違いを調べる無駄な作業から解放されます。
2. 備品・オフィス環境の管理サポート
オフィス備品の発注・管理、業者との連絡調整など、総務の仕事内容の中でもさまざまな突発的なタスクをサポートします。
ルーティン業務を委託することで、担当者がコア業務に集中できる時間を増やすことにつながります。
3. 文書・契約書管理の効率化
社内文書の作成サポートや、契約書の管理に関する業務を支援します。
文書管理のルールを整備し、電子化を促進することで、総務の仕事を削減し、効率化につなげるというメリットがあります。
Chatwork 経理アシスタントでできること
続いて、Chatwork 経理アシスタントでできることを紹介します。
1. 日々の記帳代行と仕訳処理
領収書や請求書などの証憑に基づき、日々の取引の仕訳・記帳を専門家が代行します。
担当者は煩雑なデータ入力から解放され、経理業務の効率化につながるメリットがあります。
2. 月次・年次決算業務のサポート
月次決算の集計や、年次決算書作成に関するさまざまなサポートを提供します。
期限の厳格な決算業務の一部を外部に委託することで、担当者にかかるプレッシャーを大きく軽減できます。
3. 支払い業務のサポート
請求書の内容確認、支払いリストの作成など、資金管理に関わる仕事内容を支援します。
プロが代行することによって支払いミスのリスクを減らし、企業の信用を守ることにもつながります。
まとめ
総務と経理の兼任は企業のコスト効率化に効果的ですが、担当者に負荷を与え、ミスや不正などのリスクを生み出します。
この課題を解決するためには、業務の棚卸しとIT化を進めるとともに、外部の力を借りるという対策も効果的です。
総務と経理の兼任に向いている人材の採用・育成も有効ですが、構造的な問題を解決することも重要です。
また、外部サービスの活用によって、総務と経理の兼任者が行う仕事内容から定型業務を切り離し、コア業務に集中できる環境を整えることもおすすめです。
