ソーシャルグッドの意味とは?注目される背景とメリットを事例付きで解説
目次
ソーシャルグッドとは、社会に対して良い影響を与える商品やサービスのことです。
具体的には、環境保護や健康増進、貧困や格差の解消など、社会全体に利益をもたらす活動全般を指し、現代社会においてはますます重要視されています。
企業がこうした活動に取り組み、社会的責任を果たすことで、社会からの信頼度を高め、長期的な成功につながることが期待できます。
本記事では、ソーシャルグッドが注目される背景やメリット、企業事例を解説します。
ソーシャルグッドの意味とは?
ソーシャルグッド(Social Good)とは、社会に対してポジティブな影響を与える商品やサービス、活動全般のことを指します。
たとえば、地球環境にやさしい製品の開発や販売、人権や社会的な平等を実現するための取り組みなどが該当します。
身近なところでは、子どもの教育プログラム向上や、障害者雇用の支援事業、公共交通機関の整備なども取り組みの一つといえるでしょう。
近年は、企業が自社の利益を追求するだけではなく、環境や人に考慮した商品を開発することが求められています。
ソーシャルグッドとSDGsについて
SDGs(Sustainable Development Goals)とは、持続可能な開発目標のことです。
SDGsでは、日本や世界の国を含めて、2030年までに達成すべき目標を17個掲げています。
具体的には、紛争や貧困、環境保護や教育などの内容があげられます。
SDGsでは国の機関や企業などを含めて、さまざまな視点から地球環境を守る活動を実施しています。
ソーシャルグッドとSDGsは、どちらも関わり合いがある内容として注目されています。
CSV・CRSとの違いについて
CSV(Creating Shared Value)とは「共有価値の創造」と呼ばれる経営方針のことです。
CSV(Corporate Social Responsibility)では、企業が事業活動を通して社会問題に関わることで、企業の利益につながると考えられています。
一方、CRSとは「企業の社会的責任」と呼ばれる経営方針のことです。
CRSでは、事業活動を続けるとともに、社会問題に関わる活動に取り組むことを指します。
CRSは、どちらかというと業務とは別の機会に、社会貢献の活動をおこなうというイメージが強いです。
CSVとCRSは、どちらも社会的な責任はあるものの、考え方に違いがあります。
CSVは、自社の利益と社会問題の解消を両立できるという考え方、CRSは自社の利益と社会問題の解消は別々だと考えられています。
ソーシャルグッドにおいては、自社の利益を踏まえつつ、社会問題の解消を図るという前提になるので、CSVの考え方に共通する部分があるといえそうです。
ソーシャルグッドが注目される背景
ソーシャルグッドは、SDGsの「持続可能な開発目標」が掲げられた背景から広まりました。
また、近年では、地球の気候変動や海面上昇などの影響から、環境に対する取り組みが注目されており、社会全体においては、環境や人権問題に対する若い世代の意識が高いという背景もあげられます。
社会的なニーズが高まっていることから、企業を含めてソーシャルグッドに関わる取り組みが注目されています。
ソーシャルグッドのメリット
近年、多くの企業が取り組むソーシャルグッドの活動ですが、企業にとっても多くのメリットがあります。
- 企業イメージや認知度が高まる
- 社会問題に関わることができる
- 従業員の満足度が高まる
- 新しいビジネスモデルに挑戦できる
それぞれの詳細を見ていきましょう。
企業イメージや認知度が高まる
ソーシャルグッドに取り組む企業は、クリーンなイメージが高まるので、顧客からの印象が良くなります。
自社の利益以外にも目を向けられる企業というイメージができるので、企業で働きたいという求職者を獲得できるかもしれません。
また、活動内容を通して企業を知る機会が生まれるなど、企業の認知度を高める効果が期待できます。
社会問題に関わることができる
企業の事業活動では、資金力や人脈を活かせるので、規模が大きい社会問題にも関われます。
個人では活動が難しい内容でも、企業としての信頼があれば、国内や海外に向けた活動をおこなうことも可能です。
また、SDGsの影響などもあり、これからの時代は、社会貢献ができる企業が注目されるでしょう。
未来のことを踏まえるためにも、早い段階から事業活動を通して、社会問題に関わる取り組みをおこなうことが大切です。
従業員の満足度が高まる
ソーシャルグッドに取り組むことで、従業員は「自分の仕事が社会に役立っている」という実感を持てるようになります。
企業で働く意義を見いだしやすくなり、従業員の満足度を高める取り組みにつながるでしょう。
また、仕事のやりがいを感じられて生産性を高められるなど、企業にとっても大きなメリットを得られるようになります。
新しいビジネスモデルに挑戦できる
ソーシャルグッドは、従来にはなかったビジネスモデルを生み出す機会につながります。
社会問題に関わる内容を踏まえて、新しい視点から商品の開発を検討することが可能です。
これまでの経験を活かしながら、新しい分野に挑戦することで、新しい取引先や顧客を得るチャンスも得られます。
ソーシャルグッドの注意点
ソーシャルグッドの取り組みは、どうしてもコストがかかってしまうというデメリットがあります。
たとえば、新しい商品やサービスを開発する過程では、人材や機材などを確保する必要が出てくるからです。
また、場合によっては、ソーシャルグッドの取り組みが炎上する可能性もあるでしょう。
理由としては、広告などの出し方によっては、顧客にソーシャルグッドのイメージと反する印象を与える可能性があるからです。
ソーシャルグッドの活動を実施するときは、客観的に見たときにどのようなイメージを抱かれるのかという視点を持つ必要があります。
ソーシャルグッドの事例
ソーシャルグッドの活動は、普段の企業活動を少し工夫することからでも始められます。
たとえば、既存の製品を製造する際に、環境に配慮した材料を選んだり、地元のサプライヤーを積極的に利用したりすることも一つの取り組みといえるでしょう。
実際に、ソーシャルグッドの活動に取り組んでいる企業の事例をいくつか紹介します。
デジタルスキルの普及への取り組み
あるIT企業では、デジタルスキルの普及と向上のために、さまざまな教育プログラムを支援しています。
たとえば、データ分析やAI活用などのスキルを学べるコースを提供し、スキルアップや就職・転職のサポートをおこなっています。
さらに、教育機関に無料もしくは低価格でデジタルツールを提供し、教育の質の向上にも取り組んでいるそうです。
女性起業家への支援
ある金融関連の企業では、女性起業家の支援を実施しています。
女性の起業家に対して、オンラインを通じたビジネス教育をおこなったり、資金提供の機会を提供したりしているそうです。
特に新興国の女性の教育機会を増やし、性差による不平等の解消や、経済的な自立をサポートしています。
ソーシャルグッドは環境を守る活動につながる
ソーシャルグッドをおこなうことで、地球の環境を守る取り組みにつながります。
また、企業のイメージや認知度を向上させられるメリットがあるでしょう。
SDGsの目標達成に向けた活動にもなるため、企業の事業活動でできることを検討してみてください。
ほかにも、ソーシャルグッドに関わるアイデアを共有するときは、ビジネスチャット「Chatwork」の活用もおすすめです。
グループチャットを使えば、ソーシャルグッドに関わる取り組みを社内に周知するときにも役立ちます。
情報共有を円滑に進める方法として、「Chatwork」をご活用ください。
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