「GTD」とは?GTDを活用したタスク管理方法と手順を解説
目次
「GTD」とは、タスクやプロジェクトを整理し管理する仕組みのことです。
仕事では日々新しいタスクが追加されていくため「うまくタスクを整理できていない」と感じることも少なくありません。
タスク管理がうまくいかないと、頭の片隅にタスクが溜まり、仕事のストレスが増える原因になります。
GTDの活用でタスクの一元管理が可能となるため、やるべきことが明確になりストレスが軽減できるといった効果が期待できます。
本記事では、GTDを活用したタスク管理方法と手順、メリットを解説します。
「GTD」とは
GTD(Getting Things Done)とは、タスクやプロジェクトを整理・管理する仕組みのことです。
「Getting Things Done」には「物事をやりとげる」という意味があります。
GTDは、アメリカのコンサルタントであるデビッド・アレン氏が提唱したもので、仕事では、頭の中に抱えているタスクを見える化して整理する必要があります。
GTDを活用することで、効率よくタスクを管理できて業務の生産性を高められます。
「GTD」の活用シーン
GTDは仕事やプライベートを含めて、さまざまなタスクを整理したいときに役立ちます。
たとえば、仕事中は以下のような内容が頭に思い浮かぶことがあります。
- 今日中に終わらせる必要があるもの
- スケジュールの調整が必要なもの
- 時間が空いたときに調べたいもの
これらの業務を効率的に処理していくために、タスクの整理から優先順位付けをおこない、常に頭を整理して、やるべきタスクへ集中できる環境作りが大切です。
GTDは個人で終わらせる必要がある内容から、プロジェクト全体で終わらせる必要があるものまで、幅広い内容に利用できます。
生産性が低下する原因
効率よくタスクを管理できていないと、仕事のパフォーマンスや生産性が下がります。
そもそも生産性が下がる理由には、以下のような原因があるといわれています。
情報のオーバーフロー | 業務や情報の処理が追い付いていない状態のこと |
---|---|
初動の遅れ | 業務を実行する段階で段取りを考えてしまい、最初の行動が遅れること |
集中の欠如 | 目の前のことに集中できず、ほかのタスクや作業について考えること |
上記のような状態を解消するためにも、GTDを活用することが重要です。
「GTD」を活用する5つのステップ
GTDでは以下の流れで、タスクの整理や管理を進めます。
- ステップ(1):収集
- ステップ(2):処理
- ステップ(3):整理
- ステップ(4):レビュー
- ステップ(5):実行
GTDを活用する5つのステップを見ていきましょう。
ステップ(1):収集
まずは、頭の中にあるタスクを見える化していきます。
以下のようなさまざまな観点でタスクを洗い出し、紙にすべてのタスクを書き出します。
- 毎日のルーティン作業
- 仕事以外の当番、事務作業
- 仕事に関わるアイデア、企画内容
- 空き時間にやろうとしていたこと
PCやスマートフォンのメモ帳やカレンダー、音声記録ツールや手帳など、ツールは何でも構いません。
書き出すことで、同時に頭の中を整理することができます。
上記以外にも、仕事に関わるタスクやプライベートのタスクまで、洗いざらい書き出しましょう。
タスクはすべて書き出す
GTDでは、どんな些細な内容でもタスクとして書き出すことが重要視されます。
- 未来にやりたいこと
- 少し気になっていること
- 現在はやるべきではないこと
上記のような内容で、何か思い浮かぶ内容があれば、何でも書き出しましょう。
タスクの洗い出しは、GTDの精度を高められます。
GTDでは、インボックスと呼ばれる場所にタスクを保存していきます。
アナログで管理する場合は、紙のファイリングやトレーなどを使います。
デジタルで管理するならPCやシステムを使って、インボックスを管理しましょう。
ステップ(2):処理
ステップ(1)で把握したタスクについて、分類していきます。
分類するときの基準は、以下のとおりです。
- 緊急度、優先度の高い内容かどうか
- 自分でやるか、または他人に任せるか
- 今やるほうがよいのか、あとでやるほうがよいのか
重要度と緊急度で分ける
タスクを分類するときは「重要度」と「緊急度」で分けていきます。
1.重要かつ緊急 | 締め切りが近く、すぐに取りかかる必要があるもの |
---|---|
2.重要だが緊急でない | 仕事の勉強など、今やる必要はないが必ずやる必要があるもの |
3.重要でないが緊急 | ルーティンワークなど、緊急性がなく必ずやる必要があるもの |
4.重要ではなく緊急でない | 調べものやプライベートのことなど、できればやりたいもの |
GTDにおいては、特に(1)と(2)を優先的にこなしていきます。
上記において、2分以内に終わるものはその場で片付けましょう。
(4)のタスクに関しては、ほかのタスクに集中するためにも廃棄します。
ステップ(3):整理
ステップ(2)で分類したタスクについて、実際に行動できるように整理します。
ステージごとに分ける
それぞれのタスクについて、ビジネスとプライベートの内容ごとに分けていきます。
たとえば「(1)重要かつ緊急」の内容に、「仕事:請求書の振り込みをおこなう」と「プライベート:チケットの料金を支払う」がある場合、それぞれ分けておくとやるべきことを整理できます。
仕事においては、さらに「顧客」「プロジェクト」など、内容ごとにわかりやすく分類しておくのもおすすめです。
優先順位を決めて落とし込む
優先順位の高いものから、番号を振って整理していきます。
それぞれのタスクの締め切りについては、カレンダーやToDoリストに書き出すか、リマインダーをかけてまとめます。
優先順位を決めて設定すると、タスクの抜けや漏れを防ぐ効果があります。
ステップ(4):レビュー
インボックスにまとめられたタスクは更新されていきます。
すでに完了したタスク、未完了のタスクなど、定期的に見直していく必要があります。
それぞれのタスクの重要度や緊急度、優先順位が変わっていくことも考えられます。
また、もう必要ないというタスクがあれば消去しましょう。
ステップ(5):実行
優先順位の高いタスクを中心に、処理を実行していきましょう。
GTDでタスクを整理したおかげで、一目で取りかかるべき内容を把握できます。
「GTD」のメリット
GTDの活用は、さまざまな恩恵を受けられます。
- ストレスを緩和できる
- タスクを一元管理できる
- スピード感が高まる
GTDを利用するメリットについて詳細を見ていきましょう。
ストレスを緩和できる
GTDを活用すると頭の中を整理できるため、常にタスクに追われているといった状況を回避できます。
目の前のことに集中できるようになるので、精神的なストレスも緩和され、仕事の生産性向上も見込めます。
タスクを一元管理できる
すべてのタスクをGTDに集約すると、タスクの一元管理ができます。
さまざまなタスク管理ツールの併用が減るので、仕事の抜け漏れを防げるようになります。
また、企業全体やチーム内でGTDに関わるシステムを使用すれば、従業員の仕事の状況を把握しやすくなるでしょう。
スピード感が高まる
GTDの活用は、行動すべきことが明確になるので、タスクを処理するまでのスピード感が高まります。
何をどのように行動すればよいのかが明確になると、目の前の作業に集中できるようになります。
だらだらと仕事を続けてしまう状況を減らしやすくなり、従業員のモチベーションを高める効果も期待できるでしょう。
「GTD」を活用する際の注意点
GTDはタスクの処理を効率化できるものの、使うときに注意すべき点もあります。
まずはGTDを整理するのに、慣れないうちは時間がかかるかもしれません。
また、続けてタスクに取り組むと疲れてしまう場合もあります。
集中力が切れたら途中で休憩を挟むなど、適度に休みをとるように心がけましょう。
ほかにも、すべてのタスクをやり切る必要はないので、必要に応じて臨機応変に行動するようにしてください。
「GTD」を成功させるためのポイント
GTDによるタスク管理を成功させるためのポイントを見ていきましょう。
ツールはひとつに絞る
GTDを活用するときは、ツールを分散させないようにしましょう。
ひとつにまとめておくことで、タスクを確認するときにかかる時間を短縮できます。
また、情報の抜け漏れを防げるため、タスク管理に関わるミスやトラブルを予防できます。
タスクはなくならないことを意識する
タスクは日々新しい内容が追加されるため、なくなることはありません。
「タスクをすべて終わらせないといけない」と思う必要はないので、ある程度はタスクがあるという状態への慣れも必要です。
GTDの活用に「Chatwork」がおすすめ
GTDの活用は、効率よくタスクを管理できます。
物事の優先順位を把握できるため、どのような作業に取りかかればよいのかが明確になります。
従業員のストレスを緩和する方法にもつながるため、業務の生産性を高められます。
企業内でとりいれる際は、一元管理ができるタスク管理のツールを導入しましょう。
また、GTDを導入するときは、ビジネスチャット「Chatwork」の活用もおすすめです。
「Chatwork」では、グループやプロジェクトごとにタスクや締め切り日時を設定できます。
情報の抜け漏れを防ぐ効果もあるので、仕事に関わる情報を整理したいときは、「Chatwork」をご活用ください。
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