訪問営業とは?飛び込み営業の課題やオンラインへのシフト方法を解説
目次
これまでの日本での営業活動は基本的に、訪問営業を指すことが多く主流であったといえます。
しかし、新型コロナウイルス感染症の影響やテレワーク推進、多様な働き方の実現への動きが広まり、営業活動も考え直されてきています。
訪問営業をおこないにくい状況や顧客や取引先の企業活動の変化により、オンライン営業という営業スタイルに注目が集まるようになってきています。
訪問営業の課題や変化の必要性から、オンライン営業のメリットやオンライン営業をおこなうにあたっての注意点などを解説します。
訪問営業とは
訪問営業とはその名のとおり、実際に顧客のもとに訪問したうえでおこなう営業活動です。
事前にアポを取って、相手に時間を確保してもらったうえでおこなう営業もあれば、いわゆる「飛び込み営業」も含まれます。
営業スタイルは違えど、どちらも相手と直接対面しておこなう営業活動であることには変わりはありません。
訪問営業では、相手と直接顔を合わせて話をするので、こちらの問いかけや質問に対する相手のリアクションや、ちょっとした視線の動きなどから、相手の考えていることを把握しやすいのが大きなポイントです。
わざわざ時間を使って訪問することで、相手に誠実さや真面目さ・親切さなどを感じてもらいやすいというのも、メリットとして考えられており、いわゆる営業活動は訪問営業のことを指すぐらいに、多くの営業活動は訪問営業であったといえるでしょう。
訪問営業の課題
営業活動において重要な役割をもつ訪問営業ですが、新型コロナウイルス感染症の影響やテレワークの拡大によって対面での営業活動はおこないにくい状況です。
また、直接来られることで時間や人員を対応に割かなければならず手間ではあるので、訪問営業自体を望まない顧客も増えてきています。
さまざまな要因で、訪問営業をしにくい状況や訪問営業では効率が悪い場合もあるので、訪問営業自体の課題も考えていかなければなりません。
訪問営業は業務効率が悪い
訪問営業では実際に顧客の会社やオフィスに足を運ぶ必要があり、会社の場所によっては大半の時間を移動に取られてしまいます。
「1時間かけて顧客のところまで移動してきたけど、肝心の営業活動は10分で終わった」というような経験をしたことがある営業職の人は少なくないでしょう。
アポの取り方次第で、業務時間内の移動時間の割合を減らすことは可能ですが、基本的に営業活動は顧客ファーストで予定を立てなければなりません。
そのため、業務効率の悪さは訪問営業をおこなうのであれば、避けられない課題ともいえるでしょう。
テレワーク普及による働き方の変化
訪問営業は、営業をおこなう営業担当者と顧客の担当者の双方が対面で話し合えなければ成立しません。
しかし、コロナウイルスの影響によってテレワークが普及しはじめている現状では、出社せずに家で仕事をしている人が多数います。
出社している営業担当者が、いざ訪問営業をおこなおうと思っても、顧客の担当者がテレワークで在宅勤務をしているのであれば、結局のところ訪問営業は成立しません。
自社がテレワークをしていないからといって、訪問営業というスタイルを見直す必要がないわけではなく、関わる企業や社会でテレワークの導入が推奨され広がっている状況を考えれば、訪問営業というスタイル自体に課題があると考えなければいけない部分もあるでしょう。
オンライン営業は訪問せずにおこなう営業
訪問営業の課題の解決につながるのが、顧客のもとへ訪問せずにおこなえる「オンライン営業」です。
オンライン営業とは、Web会議システムやチャットツールなどを利用して、オンライン上でおこなう営業活動のことです。
日本では、新型コロナウイルス感染症の影響やテレワークの推奨などを背景に、働き方の変革によって注目を集めるようになりましたが、海外で営業活動のひとつの手法として広く定着しています。
訪問せずに営業をおこなうという意味では、テレアポ営業やメール営業はこれまで日本でも広くおこなわれてきました。
しかし、あくまでも訪問営業を並行しておこなうことを前提にした営業活動であり、顧客に対してのアプローチが電話やメールだけで完結するものではありませんでした。
オンライン営業では、営業活動の最初からクロージングまでのすべてをオンライン上でおこなうことが基本になり、この点がテレアポ営業やメール営業と大きく異なるといえるでしょう。
訪問営業にはないオンライン営業のメリット
オンライン営業には、訪問営業にはない多くのメリットがあります。
- 顧客開拓を効率化
- 移動コストの削減
- 在宅勤務中でも営業が可能
オンラインならではの営業で生まれるメリットについて、詳しく見ていきましょう。
顧客開拓を効率化できる
訪問営業ベースで新規顧客を開拓するための手段のひとつに、飛び込み営業があります。
ただ飛び込み営業の成功率は決して高いものではなく、うまくいかないことも多いでしょう。
1日に数十件飛び込み営業をしたところで、話を聞いてくれるところはひとつもない、数件しかないような状態は効率的な手法とはいえません。
そのため、紹介などを抜きにした新規顧客の開拓は非常に効率が悪くなりますし、訪問営業にはどうしても移動や距離の問題がついて回ります。
自社の商品やサービスに興味を持ってくれている顧客がいたとしても、先方のオフィスが「営業担当が訪問できる範囲」になければ、具体的な商談も進められません。
オンライン営業では、自社の商品・サービスに興味を持ってくれている相手に絞って営業活動をおこなうことができます。
やりとりはオンライン上でおこなうため、移動の必要もなく距離の問題も関係ないので、新規顧客の開拓を非常に効率的におこなうことができます。
移動コストの削減
オンライン営業では顧客のもとに訪問する必要がないので、移動にかかる金銭的・時間的なコストを削減できます。
金銭的コストをカットできれば会社の経費が減ることになりますし、時間的コストをカットできれば社員の生産性を上げることができます。
従来であれば、顧客を訪問するのは営業担当だけというのが基本でしたが、オンライン営業では営業担当だけでなく技術者やカスタマーサポートなどの別担当も同席しやすくなるので、商品やサービスの技術的な説明もおこないやすく、顧客の理解度や満足度の向上にもつながります。
在宅勤務でも営業が可能
オンライン営業であれば、在宅勤務中でも営業活動をおこなえるというのが、もっとも大きなメリットに感じられるかもしれません。
Web会議システムや、チャットツールなどを利用できれば、どこでも営業活動をおこなえるので、営業機会の損失を避けられます。
訪問の必要性がなく、事務作業や顧客データなどはオフィスにいなくてもデジタル化していれば、自宅でも利用や作業がおこなえます。
オンライン営業は、これまでのオフィスから外回りをしていくという営業のイメージを大きく変える方法です。
働く場所や取引先の場所に縛られずに、柔軟に営業活動がおこなえるオンライン営業は新しい営業スタイルとして取り入れる、定着させていくことが求められるでしょう。
オンライン営業を始める際の注意点
オンライン営業は、新しい働き方やIT化、デジタル化されていく社会や企業に非常にマッチする営業手法であることは間違いありません。
しかし、オンライン営業を始めるのであれば、以下の点に注意しなければなりません。
- ツールの選定と導入
- 営業プロセスにおける役割を明確化
それぞれのオンライン営業ならではの注意点について、詳しく説明します。
適切なツールの選定と導入が必要
オンライン営業をおこなうためには、必要なインフラを整えなければなりません。
オンライン営業のために必要なインフラとしては、Web会議システムやSFA、チャットツールなどが挙げられます。
Web会議システムはオンライン営業をおこなうために必須のインフラであり、これがなければオンライン営業はまずおこなえません。
これまでに社内の会議で利用していたというような会社であれば、準備も容易でしょう。
SFAはSales Force Automationの略で、「営業支援システム」などと呼ばれることが多いです。
顧客情報や営業の進捗状況などを社内で共有して、営業活動を可視化するためのシステムで、営業効率を高めることが可能です。
チャットツールは、ビデオ会議だけでは説明しきれなかった内容を顧客に対して説明したり、社内での情報共有をスピーディーに行ったりする際に重宝します。
資料を添付することが可能なので、オンライン営業外の時間でも営業活動をおこなうことができます。
営業プロセスにおける役割を明確化
オンライン営業を導入するといっても、既存の営業活動をすべてオンライン営業に切り替えるのではなく、部分的にオンライン営業に切り替えるケースが大半です。
そのため、オンライン営業と訪問営業は併用されることが多いですが、営業プロセスにおいて、オンライン営業と訪問営業はそれぞれどのような役割を担うのかを、明確にしておくことが重要です。
たとえば、オンライン営業はアポイントの取りやすさが強みとして考えられるので、主に新規顧客へのリーチを増やすためにおこなうなど使い分けも重要でしょう。
オンライン営業で興味を持ってもらえた顧客に対しては、訪問営業をおこなうことでニーズをしっかりと汲みとって、提案・クロージングにつなげるようにすれば、営業プロセスにおけるオンライン営業と訪問営業の住み分け・役割分担を明確にできます。
訪問営業だけではなくオンライン営業も取り入れよう
オンライン営業は、訪問営業が抱える「業務効率が悪い」「コロナ禍やテレワークの拡大で効果的ではない」という課題を解決する営業手法です。
顧客のもとを訪問する必要がないため、移動にかかる金銭的・時間的なコストを削減できますし、新規顧客の開拓も効率的におこなえます。
また、在宅でも営業活動が可能なことから、新しい働き方にも非常にマッチしているといえます。
オンライン営業をおこなうためにはインフラの整備が必要であり、ビデオ会議システムは欠かすことができません。
そのほかにも、顧客ニーズを細やかに汲みとったり社内でスピーディーに情報共有を行ったりするためには、ビジネスチャットの活用を検討してみましょう。
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