メールからチャットへの移行とメールとチャットの使い分けとは?
目次
テレワークの普及をはじめとする働き方改革や新しい働き方の広がりにより、企業で使われるコミュニケーションツールは大きく変化しています。
多くの企業のコミュニケーションや情報共有手段として利用が増えているのが、ビジネスチャットです。
これまで、業務用のコミュニケーションツールといえばメールが主流でしたので、ビジネスチャット自体は知っていてもメールからチャットへ移行することに抵抗のある方も多いでしょう。
ビジネスチャットの特徴やメリットを解説し、ビジネスチャットを導入しようとした場合やメールとの違い、使い分け方を紹介します。
ビジネスチャットとは
ビジネスチャットとは、ビジネスでの利用を想定して開発されたチャットツールです。
プライベート向けのチャットツールはすでに一般的ですが、ビジネスシーンで使える機能がついている点や、管理者によるアカウント管理でセキュリティに配慮ができる点で違いがあります。
日本におけるビジネスチャットの利用率
2018年に総務省が、ビジネスチャットツールをはじめとするビジネスICTツール(テレビ会議や社内SNS、電子決済など)に関する調査[※1]を実施しています。
調査結果によると、日本においてチャット(インスタントメッセンジャー)の導入率は23.7%で、アメリカの67.4%、イギリスの55.9%と比較すると、低水準であるようです。
また、ビジネスチャット以外のビジネスICTツールに関しても、導入または積極的な利用はされていません。
一方で、同調査で注目すべき点は、ICTツールを利用している回答者は、利用していない回答者に比べて、「とても働きやすい」「やや働きやすい」と答えた割合が高い点です。
導入が進んでいないものの、ビジネスチャットを含むICTツールは、働きやすい職場づくりの役に立っているといえるでしょう。
メールからチャットへ移行するメリット
ビジネスチャットは、ICTツールの中でも、比較的簡単に導入ができるツールです。
ビジネスチャットを導入し、社内のコミュニケーションや情報共有手段をメールからチャットへ移行することで得られるメリットを紹介します。
会話の内容が整理しやすい
ビジネスチャットは、その名のとおりチャット形式でコミュニケーションができるツールです。
メールとは異なり会話に近いやりとりが可能になり、その内容は、相手ごとにタイムラインに表示されます。
一方メールでは、基本的にすべてのメッセージがひとつの受信ボックスに届くので、さまざまな相手からのメッセージを整理するためには、細かなフォルダ分けが必要です。
会話を相手ごとにまとめて整理しやすいという点は、メールと比較したチャットの大きな利点です。
複数人とのやりとりが簡単にできる
メールでのやりとりは、基本的には一対一になり、複数人に送信する際は、ひとつひとつの宛先をCCやBCCに入れる作業に手間がかかります。
また、メールの場合は確認や入力の抜け漏れや誤送信のリスクも高いです。
ビジネスチャットでは、あらかじめ参加者を設定しているグループチャットの中でやりとりをするので、宛先を入力する必要がありません。
メールに比べて手間や誤送信のリスクが少なく気軽に利用できる面がビジネスチャットにはあります。
簡潔な文章でやりとりできる
メールでのやりとりでは、「いつもお世話になっております」などの挨拶や、署名など、いくつもの定型句や形式的なマナーが必要であるとされています。
ビジネスチャットでは、短文でのやりとりが基本であり、定型句や形式的なマナーは必要とされていません。
そのため簡潔なメッセージのやりとりを気軽かつスピーディーにおこなうことができるのです。
情報漏洩リスクが低い
メールでは、一度発信をするとその内容を修正することはできません。万一重大な機密情報を発信してしまった場合も、その情報を消去することができず、訂正メールを追って配信する対応ができるのみです。
ビジネスチャットは、一度発信した内容をあとから直接修正したり取消することが可能ですし、限られたメンバーや相手とのやりとりになるので、見知らぬ人に情報が行く可能性は極めて低くなります。
コミュニケーションが活性化しやすい
ビジネスチャットでは簡潔なやりとりができるだけでなく、万一の誤送信の場合にも対応がしやすいという特長があります。
そのため、発信に必要な心理的ハードルもメールと比較すると低く、結果としてビジネスチャットを使用する組織では、コミュニケーションが活性化することを期待できます。
さらに、ビジネスチャットでは定型文が必要ないことから、表現が堅苦しくなりすぎず、くだけた言い回しや絵文字が使いやすいといわれています。
メールでは伝わらない感情を表現できることから、人間関係を円滑にする効果も期待できます。
メールとチャットの使い分け
ビジネスチャットはメールと比較しメリットが多いといえますが、これまで利用してきたメールからチャットへの完全移行をするのは不安という方も多いでしょう。
メールとチャットは形式のまったく異なるツールですので、いきなり完全移行することを検討するよりも、それぞれの特徴を活かして、ビジネスチャットとメールを使いわけるのも効果的です。
ただし、ビジネスチャットを導入した際、使い分けのルールをしっかり社内で共有しておかなければ、社内のコミュニケーションが混乱する可能性があります。
メールとチャットを使いわける3つのポイントを紹介しますので参考にしてください。
相手によるメールとチャットの使い分け
社内でのやりとりはチャット
社内の従業員同士のやりとりは、基本的にかしこまった対応をする必要がありません。
そのため気軽でスムーズなやりとりができるビジネスチャットの利用が向いています。
社外とのやりとりはメール
社外のお客様には、気軽なコミュニケーションよりも、かしこまった対応を求められる場合が多くあります。
そのため、かしこまったやりとりが原則のメールが向いています。
しかし、社外の取引先でも自社と同じビジネスチャットを使用している場合は、チャットを活用するケースも増えています。
相手からの指示や双方の合意委があった場合やスムーズなやりとりを優先させる場合はチャットを利用することを検討してください。
連絡の頻度や緊急性による使い分け
高頻度・高緊急性はチャット
細かい確認や質問が高頻度で生じる場合や緊急性の高いやりとりは、ビジネスチャットを利用することがおすすめです。
メールと比べ手間や心理的ハードルが低いため、相手からすぐに返事をもらえることが期待できます。
連絡に頻度が少ない場合や急がない連絡はメール
メールは特別な場合をのぞき、受け手が都合のいいタイミングで返信をしていいと考えられています。
そのため、連絡の頻度が少ない場合や、返事を急がない用件を伝える場合には向いているといえます。
目的による使い分け
双方向の情報共有はチャット
チャットは双方向の情報共有に向いているため、障害やトラブルが発生した場合など、作業と並行しながらの対応が必要な場面では大いに活躍します。
スムーズなやりとりができるため、よりスピーディにトラブルの解決ができるでしょう。
一方向の情報共有はメール
返信を必要としない全体へのお知らせや、双方向のやりとりが発生することを期待しない情報共有などはメールでも対応することができます。
人数による使い分け
複数人とのやりとりの場合はチャット
複数人とのやりとりにはビジネスチャットが向いています。
メールと比較すると宛先設定の手間だけではなく、宛先の抜け漏れリスクを減らすことが可能です。
一対一でのやりとりの場合はメール
一対一でのやりとりは、メールでもビジネスチャットでもどちらでも可能です。
しかし、導入したばかりの間は、一対一のやりとりは継続してメールで対応するのもよいでしょう。
メール以外のコミュニケーションツールとの使い分けについても知りたい方は、以下の記事をご参考ください。
メールからチャットへ移行ならChatwork
ビジネスで使われるコミュニケーションツールは、メールからビジネスチャットへ置き換えられつつあります。
ビジネスチャットは導入メリットの大きなICTツールのひとつですが、いきなりメールからチャットへの完全移行することには抵抗もあるでしょう。
メールとチャットは性質の異なるツールであるため、いきなり移行するのではなく、まずは少しずつ置き換えることを検討してみてはいかがでしょうか。
ビジネスチャットの中でもChatworkは、特に導入企業の多いことで知られているツールです。
シンプルで誰にでも使いやすく、組織への導入が容易であるなどの特長があるChatworkをぜひお試しください。
Chatwork(チャットワーク)は多くの企業に導入いただいているビジネスチャットです。あらゆる業種・職種で働く方のコミュニケーション円滑化・業務の効率化をご支援しています。
[※1]出典:総務省 平成30年版情報通信白書 特集「人口減少時代のICTによる持続的成長」第2章 第4節 ICTによる多様な人材の労働参加促進
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/pdf/n4400000.pdf