「ご承知おきください」の意味とは?例文付きで正しい使い方や言い換え表現を解説
目次
相手に物事を依頼する際などに、「ご承知おきください」を使用した経験がある方は多いのではないでしょうか。
「ご承知おきください」を言葉として知っていても、意味を理解できていないという場合は、誤った使い方をしないためにも、正しい意味や使い方に関する理解が大切です。
「ご承知おきください」の意味や正しい使い方、言い換え表現を、例文付きで解説します。
「ご承知おきください」の意味
「ご承知おきください」は、「あらかじめ知っておいてください」や「理解してください」などの意味をもつ言葉です。
「ご承知おきください」は、「願いや要求を聞き入れること」を意味する「承知」と、「心をとどめる」という意味をもつ動詞「おく」の連用形「おき」に、相手を敬う表現である「ください」が組み合わさった言葉です。
耳にした経験はあっても、正しい使い方がわからない方も多いと思うので、いま一度、正しい使い方を確認していきましょう。
「ご承知おきください」の使い方と例文
「ご承知おきください」は、以下の2つのニュアンスで使われます。
- 相手の理解を承知したうえで、あらためて伝える場合
- 相手に理解してほしい場合
「ご承知おきください」の意味別の使い方を、例文付きで解説します。
「ご存知だと思いますが」のニュアンスで使う場合
「ご承知おきください」の「承知」には、「知ること」や「わかっていること」という意味があります。
そのため、相手が知っている内容をあらためて伝える、「ご存知だと思いますが」のニュアンスで使用できます。
- すでにご承知おきのこととは存じますが、次回の会議は×月×日です。
- ご承知おきのこととは存じますが、明日から3日間不在となります。
- ご承知おきの方も多いと存じますが、毎年開催していた社内イベントが中止となりました。
「理解してほしい」のニュアンスで使う場合
「ご承知おきください」は、相手に事情を理解してほしいときや、承諾してほしいときにも使用できます。
- 明日の会議ではひとりずつ発言してもらいます。予めご承知おきください。
- 10時にお客様がご来社されます。ご承知おきくださいませ。
- 着工前にお支払いが必要になりますこと、ご承知おきください。
「ご承知おきください」を使う際の注意点
「ご承知おきください」は、尊敬語のため、取引先や上司など、目上の人にも使用できます。
しかし、「ください」という表現に、上から目線な印象をうけたり、「承知」という言葉から、謙譲語だと捉える人もいるため、使用する際は注意が必要です。
「ご承知おきください」を使う際の注意点を解説します。
使用する相手には注意する
前述した通り、「ご承知おきください」は、目上の人にも使うことができる表現ですが、失礼だと捉えられる可能性もあるため、使用する相手には注意が必要です。
たとえば、相手によっては、「理解してください」のような言い方が失礼だと感じたり、「承知」という言葉がもつ謙譲語としての意味合いを考えて、「自分がへりくだるのか」と不快な感情を抱いたりする恐れがあります。
「ご承知おきください」を使用する際は、相手や場面をよく確認するようにしましょう。
添える言葉を工夫する
「ご承知おきください」を、取引先や上司に使う場合は、上から目線だと感じさせないように、柔らかい表現にすることが大切です。
たとえば、文頭に「どうぞ」をつけたり、文末に「ませ」を添えたりすると、柔らかい印象にすることができます。
また、「ください」のあとに、「ますよう」をつけ、「お願い申し上げます」を添えると、より丁寧な表現になり、目上の人にも使いやすいでしょう。
- どうぞご承知おきください
- ご承知おきくださいませ
- ご承知おきくださいますよう、お願い申し上げます
「ご承知おきください」の言い換え・類語表現
ビジネスシーンで円滑なコミュニケーションを実現するためには、時と場合に応じて、適切な表現を用いる必要があります。
今回は、「ご承知おきください」の言い換え・類語表現として、以下の4つの表現を紹介します。
- ご了承ください
- お含みおきください
- ご容赦ください
- ご認識ください
それぞれの意味と使い方を確認し、語彙を増やしておきましょう。
ご了承ください
「ご了承ください」は、「相手の申し出や事情を納得して、承知すること」を意味する「了承」を丁寧に表現した言葉です。
「ご了承ください」は、「ご承知おきください」と同様に、相手に理解してもらいたいときに使用できます。
- 当店の営業時間は夜8時までです。予めご了承ください。
- ただいま大変混みあっております。処理完了までにお時間がかかりますこと、ご了承ください。
お含みおきください
「お含みおきください」は、「心にとめる」や「考慮する」などを意味する「含みおく」の尊敬語で、相手に理解してほしいときや、心にとめておいてほしい物事を伝える際に使用します。
「お含みおきください」は、会話ではなく、主にメールや文書で使われる傾向にあります。
- 休業日の関係で、営業開始が週明けの月曜日になります。お含みおきください。
- 雨天の場合でも開催いたしますこと、お含みおきください。
ご容赦ください
「ご容赦ください」の「容赦」は、「不手際を許すこと」を意味します。
そのため、「ご容赦ください」は、お詫びの意味を込めながら、自分の落ち度を許してほしいと伝える際に適切な表現です。
- 当店の利用は予約制のため、予約なしでのご来店はご容赦ください。
- 本メールと行き違いですでに対応済みの場合は、何卒ご容赦ください。
ご認識ください
「ご認識ください」の「認識」は、「物事を認め知ること」や「物事の意義を正しく理解しようとする心の働き」を意味します。
「ご認識ください」は、「ご承知おきください」と同様に、相手に「理解してほしい」気持ちを伝える言葉ですが、あまり丁寧な表現ではありません。
上司や取引先など、目上の人に対しては、「ご承知おきください」や「ご了承ください」を用いるようにしましょう。
- 会議の日程は、×日に変更になりました。ご認識ください。
- AプランからBプランへの変更はできかねますこと、ご認識ください。
社内外の人とのビジネスコミュニケーションに「Chatwork」
「ご承知おきください」は、相手に「理解してください」「承諾してください」のような旨を伝える際に使える言葉です。
時と場合に応じて、不適切になるケースもあるため、円滑なコミュニケーションを実現するためにも、「ご了承ください」や「ご容赦ください」などの言い換え表現をあわせて覚えておくようにしましょう。
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