「ご指導ご鞭撻」とは?意味や活用シーン、正しい使い方を例文付きで解説
目次
ビジネスシーンで「ご指導ご鞭撻」という言葉を使ったことはありますか。
「ご指導ご鞭撻」は、「厳しくてもいいので、未熟な自分に教え、導いてください」という意味をもつ言葉です。
円滑なコミュニケーションを実現するためにも、正しい意味や使い方、注意点を解説します。
「ご指導ご鞭撻」の意味とは
「ご指導ご鞭撻(ごしどうごべんたつ)」は、「厳しくてもいいので、未熟な自分に教え、導いてください」という意味をもつ言葉です。
「ある目的や方向に向かって教え導くこと」という意味をもつ「ご指導」と、「強い励ましを込めて厳しく指導すること」という意味をもつ「ご鞭撻」のふたつの言葉が組み合わさった言葉です。
「鞭撻」は、「こらしめる」「鞭打つ」という意味がある言葉ですが、丁寧な表現にした場合、強い励ましを込めて厳しく指導することという意味になります。
「ご指導ご鞭撻」の活用シーン
「ご指導ご鞭撻」は、相手の指導を求める言葉のため、ビジネスシーンでは、入社時や部署異動先での挨拶、取引先への挨拶、上司への年賀状などで活用されます。
ビジネスシーン以外では、結婚式のスピーチでも活用されることがあります。
「ご指導ご鞭撻」の使い方と例文
「ご指導ご鞭撻」の使い方を、4つのシーン別に解説します。
- 部署異動のあいさつ
- 新しい取引先へのあいさつ
- 上司への年賀状
- 結婚式でのスピーチ
例文とあわせて、シーン別の使い方を確認していきましょう。
部署異動のあいさつ
社内の部署異動があった際には、異動先の業務が未経験であったり、不慣れだったりすることがあるでしょう。
その際に、直接、またはメールで、「ご指導ご鞭撻」を使ってあいさつをすると、はやく業務に慣れたい思いや意欲を伝えることができます。
- 本日からお世話になります○○です。総務の業務は初めてなので、ご迷惑をおかけすることもあるかと思いますが、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
新しい取引先へのあいさつ
「ご指導ご鞭撻」は、新しい取引先へのあいさつとしてもよく使われます。
- 担当させていただく○○と申します。至らぬ点もあるかと思いますが、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
上司への年賀状
上司は、自分を教え、導いてくれる立場の人です。
そのため、上司への年賀状にも、「ご指導ご鞭撻」の表現を使うことができます。
- 昨年は大変お世話になりました。本年も変わらぬご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
結婚式でのスピーチ
「ご指導ご鞭撻」は、結婚式での新郎新婦のスピーチや、親族のスピーチでも使われます。
- ふたりで幸せな家庭をつくってまいりますので、今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします。
- 新郎新婦のふたりに、今後ともご指導ご鞭撻をいただきますよう、お願い申し上げます。
「ご指導ご鞭撻」を使用する際の注意点
「ご指導ご鞭撻」を使用する際は、ミスコミュニケーションを防ぐためにも、いくつかの注意点を踏まえておく必要があります。
「ご指導ご鞭撻」を適切に使えるように、使用する際の注意点を把握しておきましょう。
具体的な意見やアドバイスが欲しい際には使わない
「ご指導ご鞭撻」は、中長期的に教え導くことをお願いする言葉のため、具体的な意見やアドバイスが欲しいときに使うと違和感がある表現です。
たとえば、「書類を作成しましたので、修正箇所がありましたらご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします」と使うことは誤りです。
「書類を作成しましたので、修正箇所がありましたらご指摘をお願いいたします」と表現すると、スムーズなやりとりができるでしょう。
自分を主語にしない
「ご指導ご鞭撻」は、自分が受け身の場合に使われる表現のため、自分を主語にしないよう注意しましょう。
たとえば、「わたしは、あなたに早く一人前になってほしいから、ご指導ご鞭撻します」という使い方は誤りです。
厳しく指導することを相手に伝えたい場合は、「わたしは、あなたに早く一人前になってほしいから、厳しく教えていきます」などと表現しましょう。
関わりがなくなる人に対しては使わない
「ご指導ご鞭撻」は、今後の関わりがなくなる人に対しては使わない表現です。
「ご指導ご鞭撻」は、指導や教えを乞うことを意味するため、部署異動する人や退職する人など、関わりがなくなる人に対して使うと、相手は違和感を覚えるでしょう。
前述したように、「ご指導ご鞭撻」は、中長期的に教え導くことをお願いする表現のため、今後も関わりが続く人に対して使うようにしましょう。
「ご指導ご鞭撻」に添える言葉
「ご指導ご鞭撻」を使う際には、前後に言葉を添えると、より気持ちを伝えやすくなります。
「ご指導ご鞭撻」の前に添える言葉の例は、下記のとおりです。
- これからも
- なにとぞ
- 引き続き
- 今後とも
- どうぞ
- どうか
「ご指導ご鞭撻」の後ろに添える言葉には、以下のようなものがあります。
- のほどよろしくお願いいたします
- いただけますと幸いです
- よろしくお願い申し上げます
- よろしくお願いいたします
- 賜りますようお願い申し上げます
「ご指導ご鞭撻」の類語・言い換え表現
「ご指導ご鞭撻」は、やや固い印象を与える言葉のため、シーンや相手に応じて、類語や言い換え表現も活用することをおすすめします。
本記事では、類語・言い換え表現として、3つの言葉を紹介します。
- ご教授
- ご教示
- ご指南
それぞれの言葉の意味と使い方を確認していきましょう。
ご教授
「ご教授(きょうじゅ)」は、教え授けることを意味する言葉で、学問や専門的な知識・スキルを教えてもらいたい場合に適切な表現です。
「ご教授」は、後述する「ご教示」と混同しやすい言葉のため、意味を理解して使いわけるようにしましょう。
- 本日は○○についてご教授いただき、ありがとうございました。
ご教示
「ご教示(きょうじ)」は、教え示してもらうことを意味する言葉で、自分が知らないことなどを教えてもらいたいときに使う表現です。
「ご教示」は、「ご教授」よりも幅広い目的で教えを乞いたいときに適切な表現です。
- この業務のやり方についてご教示いただけますでしょうか。
ご指南
「ご指南(しなん)」は、教え導くことを意味する言葉で、武術や芸能を教えてもらう際に適切な表現です。
「ご指南」は、教えてもらう範囲が限られているため、使うシーンには注意が必要です。
- 剣道歴が長い○○課長に、剣道のご指南いただきたいと思います。
「ご指導ご鞭撻」を「Chatwork」でも活用
「ご指導ご鞭撻」は、「厳しくても教えてほしい」「指導してほしい」という意味をもつ言葉で、入社時のあいさつや部署異動先でのあいさつなど、ビジネスシーンを中心に、さまざまなシーンで使われる表現です。
「ご指導ご鞭撻」をお願いする気持ちは、相手に直接伝えても、メールなどの文章で伝えても失礼ではないため、ビジネスチャット「Chatwork」もぜひご活用ください。
ビジネスチャット「Chatwork」は、チャット形式でメッセージを送れるコミュニケーションツールで、社内外の人とコンタクトをとれるため、あいさつ時に「ご指導ご鞭撻」を活用してメッセージを送ることもできます。[注]
「Chatwork」は、過去のやりとりを参照することもできるため、異動先の部署や引き継いだ取引先とのやりとりなどを、見返すことも可能です。
ビジネスシーンのコミュニケーション円滑化に「Chatwork」を、ぜひご活用ください。
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