「忍びない」とは?意味やビジネスでの使い方を例文付きで解説

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「忍びない」とは?意味やビジネスでの使い方を例文付きで解説

目次

「忍びない」とは「耐えられない」「我慢できない」といった意味を持つ言葉で、同情や共感の気持ちを伝える際に使います。

ビジネスシーンでは、相手に対して厚かましい依頼をする際や、残念な報告をしなければならない際にも使うことが多い言葉です。

社員や取引先との会話で使うことが多いですが、公的な文書には不適切なため注意が必要です。

本記事では「忍びない」の意味や活用シーン、使い方について例文を用いて説明します。

「忍びない」の意味とは

「忍びない」とは、「耐えられない」「我慢できない」という意味を持つ言葉です。

一例として「忍びない」の前に「聞く」や「見る」といった言葉をつけて「〜するのは忍びない」のように使います。

物を手放さなければいけないことが耐え難く、心苦しい気持ちをあらわすときは、「捨てる」をつけて「捨てるのは忍びない」となります。

ビジネスシーンでは、同情や共感を示すほかに、無理な依頼やネガティブな事柄を伝えるときにも用いられます。

またクッション言葉としての使い方もあるため、さまざまなシーンで使われる言葉です。

「忍ぶ」と「偲ぶ」の違いとは

訓読みが同じである同訓異義語の「偲ぶ」との違いをお伝えします。

「忍ぶ」と「偲ぶ」は、同じ読み方をしますが、全く異なる意味を持つ言葉です。

「忍ぶ」は「我慢できない」「耐え難い」を意味することに対して、「偲ぶ」は「過去の事柄や遠い地にいる人、景色を懐かしむ」「思いを巡らせる」「美しさを賞賛する」などの意味があります。

例としては、「偲ぶ」は「故人を偲ぶ」「故郷を偲ぶ」のように使います。

「忍びない」と「申し訳ない」の違い

「忍びない」の意味と混同しやすい「申し訳ない」との違いを詳しく解説しましょう。

「忍びない」と「申し訳ない」の大きな違いは、「お詫びや反省の意味が込められているか」があげられます。

「忍びない」は無理なお願いやネガティブな事柄を伝えるときに用いられるため、相手への気遣いや遠慮の気持ちが込められています。

一方で「申し訳ない」は、相手への謝罪やお詫びの気持ちを伝えるときに用いられる言葉です。

そのため、反省や謝罪の際に「忍びない」を使うことは適していません。

「忍びない」と「申し訳ない」は、活用するシーンに違いがあるので注意しましょう。

「忍びない」の活用シーンとは

ビジネスシーンで「忍びない」を活用するときは、主に以下の4つのシーンで使います。

  • 同情や共感を示す
  • 無理な依頼をする
  • ネガティブなことを伝える
  • クッション言葉として使う

それぞれ例文をあげて解説します。

同情や共感を示す

話を聞いたり、状況を見たりした際に「耐え難い」といった気持ちを示したいケースで使います。

ビジネスシーンでは、人や状況についての気持ちを示すときに用いることが多いでしょう。

  • プロジェクトの現状は、見るに忍びない状況といえる

無理な依頼をする

「忍びない」は、「気が引ける」「心苦しい」ときにも用いられる言葉です。

例えば、無理なお願いをしなければいけないシーンで使います。

ビジネス上で困難な依頼をしなければいけないものの、相手に対して配慮や遠慮の気持ちがあるときに使用するのが適しています。

  • 急なお願いで忍びないのですが、ご協力いただけないでしょうか

ネガティブなことを伝えるシーン

自分自身に非があった訳ではないけれど、相手に対して期待外れや残念な報告をしなければいけないときに「忍びない」を使います。

「忍びない」を用いることで、相手に対して心苦しく、耐え難い気持ちを伝えることができます。

  • ご期待に添えず忍びないのですが、今回のプロジェクトは中止となりました

クッション言葉として使う

相手に対して厚かましい依頼や、好ましくないお願いをする際のクッション言葉としての使い方もあります。

クッション言葉として使う場合は、「恐縮ですが」「恐れ入ります」に近い意味として用いることが多いでしょう。

「忍びない」を使うことで、依頼する相手に心苦しさを感じつつも、お願いしていることが伝わります。

  • このようなお願いをすることは大変忍びないのですが、ご協力のほどお願い申し上げます

「忍びない」の使い方と例文

「忍びない」は、「〇〇は忍びない」「〇〇するに忍びない」のように前に言葉をつけたり、「忍びない〇〇」というように後ろに言葉をつけたりと、さまざまな使い方ができます。

  • 〇〇するに忍びない
  • 忍びない〇〇
  • 〇〇は忍びない

「忍びない」の使い方を例を用いて解説します。

〇〇するに忍びない

「〇〇するに忍びない」は、相手にとってネガティブなお願いをするときによく使われます。

「忍びない」を使うことで困難な依頼に対して、申し訳なさや心苦しさを感じていることが伝わるでしょう。

  • ご足労をおかけするのは忍びないのですが、当日よろしくお願いいたします
  • このような状況でお願いするのは大変忍びないのですが、お力添えをお願いいたします

忍びない〇〇

「忍びない」の後ろに言葉を加える「忍びない〇〇」は、耐え難く、苦しい心情や状況を示す場面で用いることが多いでしょう。

気持ちや状態を示す言葉をつけるのが、一般的です。

  • 今回のような散々な結果は、聞くに忍びない状況だ
  • プロジェクトの最終段階で異なる方向性の提案をしたことは、忍びない決断だった

〇〇は忍びない

文末に「忍びない」をつけることで、相手に対しての心情を示すことができます。

「忍びない」を使うことで、相手に向けた配慮や気遣いが伝わるでしょう。

  • 仕事で疲れ切っているところ、声をかけるのは忍びない
  • 事業がうまくいっていない段階で、依頼するのが忍びない

「忍びない」を使う際の注意点

ビジネスシーンで使用できる「忍びない」ですが、使う際には注意すべき点があります。

誤った使い方をしてしまうと相手に失礼な印象を与えかねません。

正しい使い方を理解することが大切です。

肉体的な痛みには使わない

「忍びない」は、「耐え難さ」や「心苦しさ」といった気持ちを伝えるときに用います。

「足が腫れ上がっていて痛い」「激しい腹痛がある」など、肉体的な痛みがあるときには使いません。

肉体的な痛みがあるときは「耐え難い」を使います。

「忍びない」は、心情に関して用いると覚えておきましょう。

公的な書類では使わない

「忍びない」は「気が引ける」「心苦しい」といった意味があるため、社内のほかに取引先の担当者に対して、ネガティブな事柄や依頼をするときにも用いられます。

しかし「忍びない」は個人的な感情を伝えるときに用いるのが一般的で、企業として公的な書類では使用しません。

公的な書類では「お詫び申し上げます」などの言葉を用いるようにしましょう。

「忍びない」の類語・言い換え表現

「忍びない」の類語や、言い換えできる表現としては、以下の5つがあげられます。

  • 心苦しい
  • 耐え難い
  • やるせない
  • やり切れない
  • 気の毒

例文とともにそれぞれの意味を見ていきましょう。

心苦しい

「心苦しい」とは、相手に対して申し訳ないと思うさまや、気遣うさまを意味する言葉です。

「忍びない」と同じく、相手を気遣いつつもお願いするときに用いることが多いでしょう。

また、自己都合により相手に対してネガティブな依頼をする際に使います。

  • こちらの都合で大変心苦しいのですが、資料の提出を明日に変更をお願いできればと存じます
  • 上司の期待に応えられず、心苦しい気持ちになる

耐え難い

「耐え難い」とは、我慢できず、辛抱できない様子を意味する言葉で、ネガティブな事柄や感情が強いときに使うことが多いでしょう。

前述したとおり「忍びない」は肉体的な痛みに関しては使わず、心情をあらわすときに用いられます。

一方で「耐え難い」は心情だけではなく肉体的な痛みについても使うため、どちらの状況でも使える点で違いがあります。

  • 炎天下での作業は、耐え難い暑さだった
  • 悲しみに打ちひしがれる姿をみることは耐え難い

やるせない

「やるせない」とは、為す術がなく、どうすることもできないさまや、気持ちに余裕がない様子、耐えられない様子を意味する言葉です。

避けようがない状況や無力感をあらわすときにも使います。

「忍びない」と同様に、気持ちや状況に共感する際に使うこともあります。

  • 努力した結果が出ないことは、とてもやるせない気持ちになる
  • 環境破壊の被害を目の当たりにしてから、人間の無責任さに対してやるせない思いに襲われている

やり切れない

「やり切れない」とは、最後まで成し遂げられないさまや、我慢できない、耐えられない様子をあらわす言葉です。

自分が置かれている状況や気持ちに関して使います。

  • 仕事量が膨大で、1週間ではとてもやり切れない
  • 思い通りのプレゼンができず、今もやり切れない気持ちでいっぱいだ

気の毒

「気の毒」とは、他者に迷惑をかけてしまい申し訳なく思う様子や、他人の不運や困難に同情して心苦しくなるさまをあらわす言葉です。

「忍びない」と同じく同情や心苦しさを示す点ではニュアンスが似ていますが、「気の毒」は相手に何かお願いする際には使いません。

「気の毒」を使った例文は、以下のとおりです。

  • 重要な書類が入ったカバンをなくしてしまい、彼が本当に気の毒だ
  • しばらく入院することが決まったと聞いて気の毒に思う

円滑なコミュニケーションに「Chatwork」

「忍びない」とは、同情や共感の気持ちを伝えるときに使うことが多く、「耐えられない」「我慢できない」という意味を持つ言葉です。

ビジネスシーンにおいては、相手に対して無理な依頼をする際や、遠慮する気持ちを示すときに使います。

社内や取引先の担当者など個人間で使うことが多いですが、企業としての公的な書類には適していないため注意しましょう。

社内だけでなく、社外ともスムーズにやり取りを進めるときは、メールや電話のほかにチャットツールを活用する企業が増えつつあります。

例えばビジネスチャット「Chatwork」であれば、個人やグループでのテキストベースでスピーディーにコミュニケーションを取ることが可能です。

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さらにビデオ通話機能を活用すれば、相手の顔を見ながら話すこともできます。

>Chatworkの通話機能(ビデオ/音声通話機能)に関する記事はこちら

数多くの機能を搭載しているので、相手に適した方法でコミュニケーションが取れるようになります。

社内外のコミュニケーションの質を高め、生産性を向上させたいときには「Chatwork」をご検討ください。

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Chatworkのお役立ちコラム編集部です。 ワークスタイルの変化にともなう、働き方の変化や組織のあり方をはじめ、ビジネスコミュニケーションの方法や業務効率化の手段について発信していきます。

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