「諸々」の意味とは?ビジネスでの使い方や言い換え表現を解説
目次
「諸々(もろもろ)」は、普段の会話のなかでも耳にすることの多い言葉です。
日常生活のなかで当たり前のように使っている表現だからこそ、詳しい意味や正しい使い方を改めて確認しておくとよいでしょう。
汎用的な表現ですが、相手やシーンによっては使わないほうがよいケースもあるため、注意が必要です。
本記事では「諸々」の意味や使い方、例文、使う際の注意点についてわかりやすく解説します。
また、覚えておきたい類語・言い換え表現もあわせて紹介します。
「諸々」の意味とは
「諸々」とは、数の多いものやさまざまな種類があるものを大まかに指し示す言葉です。
意味としては、「いろいろな」「さまざまな」などがあります。
読み方は「もろもろ」です。
「しょしょ」と読むのは間違いなので注意しましょう。
汎用性の高い言葉なので、ビジネスシーンでもよく聞く表現です。
「諸々」を使う際の注意点
ビジネスシーンや日常生活などで普段から耳にする「諸々」ですが、相手やシーンによっては使わないほうがよい場面もあります。
実際に使う際の注意点をご紹介します。
目上の相手に使う場合は敬語をつける
「諸々」を目上の相手に使う場合は、前後に敬語をつけて使用しましょう。
「諸々」という表現自体は、敬語ではないためです。
たとえば「諸々の事情についてご理解をいただき」など敬語とあわせて使いましょう。
また、「諸々」という表現は具体的な説明を省略するときに使う表現であり、相手によっては「説明するのを面倒臭がっているのではないか」「説明を省いてごまかそうとしているのではないか」といった印象を与えかねません。
目上の人に対して「諸々」を使うのは避けるのが無難です。
謝罪の場面では使わない
「諸々」は丁寧さに欠ける表現のため、謝罪の場面では使わないのがよいでしょう。
謝罪をするときには、なにに謝罪しているのか、なぜ謝罪するような事態になったのかなどの詳しい経緯を説明する必要があります。
「諸々」をつけて謝罪してしまうと、いい加減な印象があり、誠意が伝わりにくくなってしまいます。
簡潔に内容を伝える際には「諸々」を使うと便利ですが、謝罪する場合の表現としてはふさわしくありません。
さまざまな点で迷惑をかけてしまったときでも、「○○について、申し訳ございません」と謝罪の対象を明確にしましょう。
たとえば、「情報の共有がなされておらず、連絡が遅れてしまい申し訳ございません」など、具体的な内容と経緯を説明したうえで謝罪するのがおすすめです。
ビジネスにおける「諸々」の使い方と例文
「諸々」は汎用性も高いため、ビジネスシーンでは以下のような表現で多用されます。
- 諸々ありがとうございます
- 諸々よろしくお願いいたします
- 諸々承知いたしました
- 諸々の事情
- 諸々の手続き
ビジネスシーンにおける「諸々」の使い方を、例文とともに紹介します。
「諸々ありがとうございます」
「諸々」はお礼の気持ちを伝えたい場合に使うことが多くあります。
さまざまな点においてお礼の気持ちを伝えたいときに、「諸々ありがとうございます」という表現を使います。
- この度はプロジェクトの進行に当たって、諸々ありがとうございました。
- 会議前に資料の準備や部屋の予約など、諸々ありがとうございます。
「諸々ありがとうございます」のように感謝を伝える際にも、具体的な内容を添えるとより丁寧な印象になるでしょう。
なお、さまざまなものをもらったときに「資料や本など、諸々のものをいただきありがとうございます」といったかたちで「諸々」を使うケースもあります。
「諸々のもの」は、「さまざまなもの」「複数の品」という意味です。
ものの数や種類が多いときに、ひとつひとつ挙げるのではなく、まとめたほうが簡潔に伝えられます。
「諸々よろしくお願いいたします」
なにかを依頼するときにも、「諸々」は使えます。
あらゆることについて、幅広くお願いしたいことがあるとき「諸々よろしくお願いいたします」という表現を使います。
- 今回のトラブルの解決にあたって問題も多いのですが、諸々よろしくお願いいたします。
- しばらく先行きが不透明な状況ですが、諸々よろしくお願いいたします。
「諸々承知いたしました」
ものごとを理解したときや承認するときに「諸々承知いたしました」という表現を使うことがあります。
- 先日メールにてご相談をいただいた件について、諸々承知いたしました。
- 前回の会議でいただいた資料の内容について、諸々承知いたしました。
「諸々の事情」
「諸々の事情」という言葉も、ビジネスシーンで使うことが多い表現です。
詳しい事情を伝えたくないときなどに使用します。
- 今週末の会議については、諸々の事情により中止となりました。
- 先日提案のあった新しいプロジェクトについて、協議を進めていたものの諸々の事情で見送りになりそうだ。
「諸々の手続き」
なにかしらの手続きをするときに、さまざまな手順が発生することがあります。
その際にひとつひとつの手続きをまとめて「諸々の手続き」と表現すると簡潔になります。
- このあとにも諸々の手続きがあるのですが、別のものが担当しますので少々お待ちください。
- 諸々の手続きが終わったら、先方にメールで連絡をしよう。
「諸々」の類語・言い換え表現
「諸々」の類語・言い換え表現を紹介します。
- 色々
- 諸般
- 様々
- 種々
- 多種多様
類語・言い換え表現も覚えておくと、同じ言葉の繰り返しを避けられたり、相手や場所、タイミングに合わせて使い分けもできたりするなど、メリットがあるので把握しておきましょう。
「色々」
「色々(いろいろ)」とは、「異なる物事や状態の数が多いこと、そのさま」という意味です。
- このフォルダのなかには事務手続きで必要な手順や書類のひな型などの色々なデータが入っている。
- 今回の仕事は彼に任せているので、色々と口をはさむのではなく、まずは見守ってみようと思う。
「諸般」
「諸般(しょはん)」とは「色々なことがら」「ものごとのさまざまな方面」という意味です。
- 受付開始時刻ですが、諸般の事情により10時から9時へと前倒しにさせていただきます。
- 明日の会議で検討予定だった予算の件については、諸般の事情により後日改めて検討することとなりました。
「様々」
「様々(さまざま)」は、「ものごとのひとつひとつが同じではなく異なっていること」「多様であること」といった意味の言葉です。
ビジネスシーンでも使われることの多い表現であり、会話のなかでも使いやすいでしょう。
- 新商品についてのアンケートでは、消費者から様々な意見が寄せられている。
- 人材不足や物価高騰など様々な影響から、当初の予算ではまかないきれない可能性がある。
「種々」
「種々」には、「種類が多い様子」「種類が複数あること」といった意味があります。
多様な要素やことがらをまとめて指し示すときに使う言葉です。
読み方は「しゅしゅ」または「しゅじゅ」です。
あまり一般的ではありませんが「くさぐさ」という読み方もあります。
- 今回の業務提携はお互いの企業にとって、種々の利益をもたらすものになるだろう。
- このレストランでは季節に合わせた種々の食材を使った料理が期間限定で出されている。
「多種多様」
「多種多様(たしゅたよう)」とは、「種類、状態、性質などがさまざまであること」という意味です。
- 多種多様な商品があるため、少し遠いがいつもあの店に行っている。
- 多種多様なサンプルがあり、どれにしようか選ぶのが楽しかった。
円滑なコミュニケーションに「Chatwork」
「諸々」とは、「いろいろな」「さまざまな」という意味で、多様な種類があるものなどをひとまとめに表現する言葉です。
ビジネスシーンでも使うことが多く、意味や使い方はもちろん、ほかの類語・言い換え表現も合わせて覚えておくと、円滑なコミュニケーションに役立つでしょう。
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