「遜色ない」は失礼?意味やビジネスでの使い方を例文付きで解説

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「遜色ない」は失礼?意味やビジネスでの使い方を例文付きで解説

目次

「遜色ない」とは、ほかのものと比べても劣っておらず、価値や品質が同じだということを表す言葉です。

たとえば、「このホテルのサービスは五つ星ホテルと遜色ないほど素晴らしい」というように使い、比較対象が高い基準を持っていても、それに負けないくらい優れていることを強調します。

しかし相手に失礼にあたる言葉ではないか、ビジネスで使うときに迷う方も多いのではないでしょうか。

本記事では、「遜色ない」の意味やビジネスでの使い方について例文を用いて解説します。

「遜色ない」の意味とは

「遜色ない」とは、「そんしょくない」と読み、物や人などの対象と比較して劣っていない様子、負けていないことを意味する言葉です。

そもそも「遜色」とは、ほかと比べて劣っている様子や見劣りすることを意味する言葉です。

見劣りを意味する「遜色」に「ない」を付けて打ち消すことで、「劣っていない」「ほかに負けていない」といった肯定的な意味を持つ言葉に変化します。

そのため、対象と比較して見劣りしておらず、品質が同じ程度のときに用います。

「遜色ない」は失礼?

ビジネスにおいて「遜色ない」という言葉が相手に対して失礼にあたらないか、使う際に迷う方も多いのではないでしょうか。

前述したとおり「遜色ない」は、見劣りや劣っている様子を表す「遜色」に「ない」を付けて否定しているため、肯定的な言葉として使うことができます。

そのため、「遜色ない」を使うことは相手に対して失礼にあたりません。

明らかに品質が高く、評価が高いものと比較するときに用いることで、ポジティブな意味として受け止めることができます。

ただし「遜色ない」は、ほかと比較して品質などが同等程度のときに使う言葉のため、使う相手やシーンには注意が必要です。

「遜色ない」を使う際の注意点

ビジネスにおいて「遜色ない」を使う際に注意したいのが、以下3つの点です。

  • 格下のものと比較する際は使わない
  • 明らかに優れている場合は使わない
  • 使う相手やシーンに注意する

「遜色ない」を用いるときに気をつけたいポイントをお伝えします。

格下のものと比較する際は使わない

「遜色ない」は、比較対象に見劣りしない、負けていない様子を意味する言葉です。

そのため、格下のものと比較する際に使ってしまうと、相手に対して失礼にあたります。

たとえば、食事に招待されたときに「このレストランのサービスは、ファストフード店と遜色ないですね」と伝えてしまうと、レストランを手配した相手の気分を害してしまう可能性が高いでしょう。

格下と捉えられるものとは、比較しないように注意が必要です。

明らかに優れている場合は使わない

「遜色ない」は、比較対象と質が同等程度のときに用いる言葉です。

比較対象が明らかに優れている場合には、使わないように気をつける必要があります。

歴然の差があるにもかかわらず使ってしまうと、相手が見下されていると受け止めてしまう恐れがあるからです。

「遜色ない」は肯定的な言葉ではありますが、誰が見ても明らかにクオリティが高く、優れているときは使わないようにしましょう。

使う相手やシーンに注意する

「遜色ない」を使うことは相手に対して失礼にはあたりません。

一方で、使う相手やシーンによっては相手の気分を害してしまう可能性があります。

前述したとおり、「遜色ない」は比較対象と品質が同じ程度のときに使う言葉のため、明らかに勝っているものや、目上の人に対して使ってしまうと相手が見下されていると感じてしまったり、皮肉として受け止められてしまったりするので留意しておきましょう。

「遜色ない」の使い方と例文

実際に「遜色ない」の使い方について、例文を用いて紹介します。

「遜色ない」を使った例文は、以下のとおりです。

  • 彼女の写真は、プロの写真家が撮影したものに遜色ない美しさを持っている。
  • 彼は新入社員だが、ベテラン社員と比べても遜色ない仕事ぶりを見せている。
  • この陶芸作品は、伝統工芸品と比べても遜色ない素晴らしさがある。
  • 地方の大学であっても、東京の大学と遜色ない教育を受けることができる。
  • 国産車は、欧米車と比べても遜色ない性能を持っている。
  • 格安スマートフォンでも、高価なモデルと遜色ない機能性を備えている。
  • 彼が作った模造品は、本物と遜色ないほど精巧に作られている。
  • 新人作家の新作小説は、ベストセラー作家の作品に遜色ないほどの面白さがある。
  • 弟子の作品は、師匠と比べても遜色ない出来栄えだ。

「遜色ない」は、上記のように「~と比べて」「~と比較して」といった言い回しとあわせて使うことが多いでしょう。

「遜色ない」の類語・言い換え表現

「遜色ない」の類語で言い換え表現として使える言葉を紹介します。

  • 引けを取らない
  • 見劣りしない
  • 互角
  • 匹敵する
  • 大差ない

それぞれの言葉の意味について、例文を用いて解説します。

「引けを取らない」

「引けを取らない」とは、ほかと比較して見劣りせず、負けていない、互角であることを意味する言葉です。

負ける、劣ることを意味する「引けを取る」に「ない」を付けて打ち消しているため、「遜色ない」と同様に肯定的な言葉として使われます。

  • 新商品は、他社商品と比べても引けを取らない品質を誇っている
  • 彼女の料理の腕前は、プロの料理人と引けを取らない

「見劣りしない」

「見劣りしない」とは、対象となる物や人と比較しても劣って見えない、予想よりも負けていない状態を表す言葉です。

他方よりも劣って見える「見劣る」に「しない」を付けて打ち消しているので、何かを褒めるときに使うことができます。

  • 彼女は入社して間もないが、ベテラン社員と比べても見劣りしない仕事ぶりを見せている
  • 彼のスキルは専門家と見劣りしないレベルに達していて、独学で習得したと思えないほどだ

「互角」

「互角」とは、2つの物や人を比較したときに同等程度の力を持っていて、優越の差がないことを意味する言葉です。

実力やスキル、意見、勝負事などを比較し、双方に差がないときに「互角」を用います。

  • この新製品は、機能性や性能面では競合他社の製品と互角と言えるだろう
  • 今回の試合は両チーム共に互角の戦いを繰り広げ、最後まで勝敗が分からない熱戦となった

「匹敵する」

「匹敵する」とは、双方を比べたときに同等程度の価値や能力を持っている、肩を並べる状態を表す言葉です。

能力や価値のほかに、規模や作品、実力などの差がないときに使います。

  • 彼女の語学力は、ネイティブスピーカーに匹敵するレベルに達している
  • 低予算で制作された映画だが、大作映画に匹敵する高いクオリティを誇っている

「大差ない」

「大差ない」とは、目立った違いがなく、大きく異なる点がないことを意味する言葉です。

2つの物や人などを比較したときに大きな違いが見られず、同じように見えるときに用います。

  • A社とB社の商品価格は大差ないため、どちらを選んでも費用面で損することはないでしょう
  • 電車とバスの所要時間は大差ないので、利便性が高い方を選ぶと良いでしょう

「遜色ない」の対義語

「遜色ない」の対義語としては、以下の言葉があげられます。

  • 引けを取る
  • 見劣りする
  • 及ばない
  • 変わり映えしない

「遜色ない」と間違えて使わないように、意味を正しく理解しておきましょう。

「引けを取る」

「引けを取る」とは、劣っている、負けていることを意味する言葉です。

対象となる物や人と比べて劣っていて、肩身が狭いときに使います。

  • 自社で展開しているサービスは、価格面で見ると他社に引けを取っている
  • 都市部に比べると地方は交通の便が悪く、引けを取ってしまっている

「見劣りする」

「見劣りする」とは、ほかの物や人を比べたときに劣っている様子を表す言葉です。

双方を比較したときに、予想していたよりも実力や能力、成果、見た目などが劣っていたときに用います。

  • 彼の提案は、ほかの提案と比べて具体性が欠けていて見劣りしていた
  • この自社製品は、同価格の他社製品に比べて見劣りするほど品質が悪かった

「及ばない」

「及ばない」とは、力がなく、かなわないことを表す言葉です。

物事がある域に達している状態や、力が行き届いている状態を意味する「及ぶ」に「ない」を付けて打ち消しているため、実力や能力が達していないときに使います。

  • 今回のプレゼンテーションは、クライアントの期待に及ばなかった
  • 今年の収穫量は、昨年には及ばないことが予測されている

「変わり映えしない」

「変わり映えしない」とは、以前と比べて変化した様子がなく、目立って良くなっていない様子を表す言葉です。

交換などにより状態が良くなったことを意味する「変わり映え」に「しない」を付けて打ち消しているため、変化させたものの状態が良くならず、変わらなかったときに使います。

「マンネリ」や「退屈」などと同様に、否定的な意味として用いられることが多いでしょう。

  • 新製品のプロモーションは、新しさが欠けて変わり映えしない
  • 商品改良を何度も試みたものの、変わり映えせず問題が解決されなかった

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「遜色ない」は、ほかと比較して見劣りしないことや、同等程度の品質を表すときに使います。

肯定的な言葉として用いることができますが、ビジネスにおいては比較対象の格が明らかに下だと思われるときや、目上の人に対しては使うことは避けましょう。

使うシーンや相手によっては、失礼にあたり不快感を持たれてしまう可能性があるからです。

社内社外問わず、認識違いや伝達漏れを防ぎ、コミュニケーションを円滑に行うときは、内容が相手に正しく伝わるような手段を取ることが欠かせません。

最近では、メールや電話とあわせてチャットツールを活用する企業が増えています。

たとえば、ビジネスチャット「Chatwork」では、個人間だけではなく、部署やプロジェクトチームごとにグループを作成して、テキストベースでコミュニケーションを取ることが可能です。

ほかにもビデオ通話機能も搭載しているため、顔を見ながらコミュニケーションを取るといった使い方もできます。

>Chatworkの通話機能(ビデオ/音声通話機能)に関する記事はこちら

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