「心許ない」の意味とは?正しい使い方を例文付きで解説
目次
「心許ない」は「不安に感じている気持ち」を伝えたいときに使える言葉です。
日常生活やビジネスシーンにおいて、依頼や誘いをやんわりと断りたいとき、不安感を表現したいような場面で使います。
別の表現にしたい場合は「気がかり」や「心細い」などに置き換えることも可能です。
また、反対の意味を持つ言葉として「心強い」「安心」などがあげられます。
本記事では、「心許ない」の意味と使い方、類語・言い換え表現、対義語を例文付きで解説します。
「心許ない」の意味とは?
「心許ない」は「頼りなくて不安な気持ち」という意味があります。
ほかにも「待ち遠しくてじれったい」「はっきりしない」という意味も含まれます。
読み方は「こころもとない」です。
「許」は「許(ゆる)す」や「きょ」と読む傾向にあるため「もと」と読むことは少ないかもしれません。
そのため、ビジネスで使う際は「心もとない」と表記するほうが読みやすくなります。
「心許ない」は多くの場合、何か気がかりなことがあり、不安な気持ちを感じている場面で使います。
「心許ない」の語源
「心許ない」の言葉は、平安時代から使われていたといわれています。
もとは「心もとなし」が由来で「枕草子」など、多くの古典文学にも出てくる言葉です。
この時代における「心許ない」は「待ち遠しくてじれったい」という意味で使われることが多かったようです。
「心許ない」の使い方と例文
「心許ない」は、主に「依頼・誘いを断りたいとき」「不安を表現したいとき」に使われます。
シーンごとの使い方について、例文とともに紹介します。
依頼・誘いを断りたいとき
「心許ない」を使うと、相手からの依頼や誘いを柔らかい表現で断ることができます。
特に目上の人から何か頼みごとをされたときに、はっきりとは断りづらいような場面で使えます。
- 私の実力では心許ないため、今回は辞退させてください
- 残念ですが、給料日の前で心許ないため、今回の飲み会には行けません
不安を表現したいとき
「心許ない」は、何か不安を感じることがある際に、相手に気持ちを伝える場面でも使えます。
不安は主観的なもの以外にも、客観的な不安を感じている場面で使うことが可能です。
- 私だけでは心許ないため、ぜひお力添えをいただけないでしょうか
- 新人だけでは心許ないので、私も同行してよろしいでしょうか
「心許ない」の類語・言い換え表現
「心許ない」には以下のような類語・言い換え表現がありますが、使用する場面やニュアンスに違いがあります。
- 気がかり
- 危なっかしい
- 心細い
- 不安
- おぼつかない
「心許ない」の類語・言い換え表現について、例文とともに見ていきましょう。
気がかり
「気がかり」には「どうなるかと不安で、心から離れないこと」という意味があります。
「心許ない」も不安な気持ちという意味が含まれますが、「気がかり」のほうは不安の対象が具体的という点で違います。
- どのような評価が下されるのかが気がかりだ
- 部下が体調を崩しがちなことが気がかりだ
危なっかしい
「危なっかしい」には「いかにも危ない感じがするさま」という意味があります。
相手の行動に対して、見ているこちらが緊張を感じるような場面で使います。
- クレームにつながりかねない対応で危なっかしい
- 新人に作業を任せるのは危なっかしい
心細い
「心細い」は「こころぼそい」と読み、「頼るものがなく不安」という意味があります。
どこか寂しい気持ちを感じている場面でも使えます。
「心許ない」と似たような意味があるものの、「心細い」のほうは主観的な不安を感じる際に使える言葉です。
一方で「心許ない」の場合、主観的と客観的な場面の両方に使えます。
- 部署異動になって日が浅いので心細い
- 私だけでは心細いので、一緒に来ていただくことは可能でしょうか
不安
「不安」には「気がかりで落ち着かないこと」という意味があります。
「心許ない」と意味が似ているため、言い換え表現として使えるでしょう。
- 先輩のサポートなしで対応できるか不安だ
- 対処を終えたものの、また同じことが起きないか不安が拭えない
おぼつかない
「おぼつかない」には「うまくいくかどうかが疑わしい」や「頼りない」という意味があります。
「おぼつかない」は、否定的な意味で使う言葉です。
「頼りない」という意味では「心許ない」に似ている部分もあるといえます。
- 今のままでは、目標の金額にはおぼつかない
- 状況がおぼつかないため、納期を延ばしてもらうように頼んだ
「心許ない」の対義語
「心許ない」には、以下のような対義語があります。
- 心強い
- 心配無用
- 安心
- 盤石
どれもポジティブな意味合いの言葉ですが、使うシーンや意味合いの強さが変わってきます。
それぞれの意味と例文を解説します。
心強い
「心強い」は「こころづよい」と読み、「頼りになるものがあり、安心できる」という意味があります。
「心許ない」は「頼りなくて不安な気持ち」という意味があるため、「心強い」とは反対の意味といえます。
目上の人に向けて使う場合は、相手に敬意を込めた伝え方をしましょう。
- 同僚が一緒に仕事を手伝ってくれるなら心強い
- 〇〇部長に来ていただけて大変心強いです
心配無用
「心配無用」には「心配する必要はない」という意味があります。
「しんぱいむよう」と読みます。
「心許ない」は不安や心配がある場面で使うため、「心配無用」は対義語として使えます。
- その件は対策済みなので心配無用だ
- 繁忙期に向けて人材を補填したため、人手不足については心配無用だ
安心
「安心」には「心が落ち着ている」という意味があります。
「心許ない」は「不安で落ち着かない」ときに使うため、対義語に当たるでしょう。
- スケジュールどおりに仕事が進んで安心した
- 〇〇さんに任せておけば安心だ
盤石
「盤石」には「重くて大きい岩」という意味があります。
また「固くて壊れにくく、びくともしないこと」という意味から、揺るぎない様子を表す際に使います。
読み方は「ばんじゃく」です。
- 対策のおかげで組織体制は盤石だ
- 優秀な人材を確保したことにより、盤石な体制を築けている
「心許ない」は不安がある場面で使おう
「心許ない」は「頼りなくて不安な気持ち」を感じている場面で使います。
別の表現にしたいときは「気がかり」や「不安」といった言葉を使いましょう。
ただ、ビジネスで「心許ない」を使うと、少し固い表現に聞こえるかもしれません。
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