建設的とは?意味と使い方、建設的な話し合いをするポイントを解説
目次
「建設的」という言葉は、ビジネスシーンのみならず、日常生活でもよく聞く言葉です。
しかし、「建設的な意見」や「建設的な話し合い」などの言葉を聞いたことがあっても、意味がわからず、具体的にどのような状態なのかわからない人も多いかもしれません。
「建設的」はポジティブな様子を表す言葉のため、「建設的」であることはさまざまなメリットをもたらします。
「建設的」の意味と使い方、メリットと、建設的な話し合いをするポイントを解説します。
建設的とは
「建設的」とは、現状の物事をよりよいものに変えていこうとする様子や、よりよいものに変えていこうと積極的な態度で臨む様子を意味します。
よりよくするための前向きな様子を表すため、言動が有益であったり、場にプラスに働いたりします。
ビジネスシーンでは、「建設的な話し合い」「建設的な意見」「建設的な議論」「建設的な提案」のように、会議や打ち合わせなどで使われることが多いです。
合理的との違い
「合理的」とは、無駄がなく効率的である様子や、道理や論理にかなっている様子を意味します。
「建設的」には前向きさが含まれていますが、「合理的」にはポジティブな意味合いが含まれていない点に違いがあります。
生産的との違い
「生産的」とは、生産をもたらす様子を意味する言葉で、生産は人間が生活に必要なものをつくり出すことを指します。
「建設的」は、前向きで積極的な態度や姿勢を表す一方で、「生産的」はものがつくり出されることを表現しているため、意味合いの対象が異なるといえるでしょう。
建設的の使い方と例文
「建設的」は、さまざまな場面で使用することができますが、人の言動に対して使われる言葉です。
ポジティブな意味合いをもつ「建設的」は、「積極性」や「前向きさ」をもちながら、現状の改善に向けて取り組んでいる様子を表したいシーンで使用できます。
- 彼は問題解決に向けて建設的に取り組んでいる。
- 建設的な意見が多く出た会議だった。
- 彼女の発言はいつも建設的だ。
- 建設的な話し合いができてよかった。
建設的の類語・言い換え表現
ポジティブな意味合いをもつ言葉である「建設的」には、以下のような類語や言い換え表現があります。
- 前向き
- 積極的
- 発展的
- 協力的
それぞれの意味と「建設的」との違いを解説します。
前向き
「前向き」とは、物事の考え方が積極的であること、発展的であることを意味します。
「前向き」は、「挑戦する」「仕事を頑張る」などのポジティブな考えですが、「建設的」は現状をよりよくする具体的な行動や期日なども考えるため、目標に対する具体性が高いといえるでしょう。
積極的
「積極的」とは、物事を自らが進んでおこなう能動的な様子を意味します。
「積極的」は、興味や関心をもって物事に取り組む、反応することを指す一方で、「建設的」は現状の改善などを目指す姿勢である点に違いがあります。
発展的
「発展的」とは、物事が進展し広がっていく様子を意味する言葉です。
「発展的」は、現状がさらに上の段階に移ることを表しますが、「建設的」は、必要な事柄に対し、課題や問題を改善する意味合いで使われます。
協力的
「協力的」とは、力をあわせて努力することや、物事に取り組むことを意味します。
「協力的」は、ほかの人のために行動できる人を指す言葉で、人同士の関わりがありますが、「建設的」は必ずしも人同士の関わりのシーンで使うわけではありません。
建設的の対義語
「建設的」には以下のような対義語があります。
- 破壊的
- 否定的
- 不毛な
それぞれの対義語の意味と、ニュアンスの違いについて詳しく解説します。
破壊的
「破壊的」とは、物事を打ち壊そうとする様子を意味する言葉です。
「破壊的」は物事を壊そうとするのに対し、「建設的」は現状をよりよくしようとする意味合いのため、反対の意味をもちます。
否定的
「否定的」とは、物事を打ち消す様子や、認めない様子を意味します。
「否定的」は物事を認めず、進行させない意味合いがあるため、前向きに現状を変えていこうとする「建設的」と異なり、ネガティブな使われ方をします。
不毛な
「不毛」とは、土地がやせていて作物ができないことを表す言葉で、実りがないことや無駄なこと、意味のないことを意味します。
「不毛な話し合い」という表現もされる「不毛」は、「建設的」が有益であることを表すのに対し、マイナスな状態を表すといえるでしょう。
建設的な話し合いをするメリット
会議や打ち合わせなどで建設的な話し合いができると、さまざまなメリットをもたらします。
- 問題解決しやすい
- 関係性を強化できる
- 新たなアイデアが生まれやすい
- 自己成長につながる
建設的な話し合いをするメリットを解説します。
問題解決しやすい
建設的な話し合いをすると、問題解決しやすくなるというメリットがあります。
建設的な会話は、前向きかつ具体的に問題の解決に向けての意見を出し合うため、問題の本質を理解し、効果的な解決策を見つけやすいです。
関係性を強化できる
建設的な話し合いによって、従業員同士の関係性の強化につながります。
建設的な話し合いは、相手の意見を否定したり、雰囲気を壊したりするネガティブな要素がなく、お互いの意見を尊重し合えます。
相互理解が深まることで、従業員同士の信頼関係が構築されるため、モチベーションが向上し、生産性も高まるでしょう。
新たなアイデアが生まれやすい
建設的な話し合いは、前向きに意見を出し合えるため、従業員から多様な意見が出てくる可能性があります。
話し合いで出たさまざまな視点やアイデアを業務に取り入れることで、新しい発想や創造的な解決策が生まれやすくなることも、メリットのひとつです。
自己成長につながる
建設的な話し合いは、さまざまな相手の意見を傾聴し、理解を深められるため、自分の考えや価値観を見直す機会にもなり、自己成長が期待できます。
相手を否定する、言い争うというようなネガティブな話し合いは負の感情しか生みませんが、建設的な話し合いはお互いにとってプラスに働き、視野を広げることにつながります。
建設的に意見を伝えるための注意点
建設的に意見を伝えるには、いくつか注意したい点があります。
- 明確で具体的に伝える
- ポジティブな言葉を使う
- I(アイ)メッセージを使う
- 相手の立場や意見を尊重する
建設的に意見を伝えるためのポイントと注意点を解説します。
明確で具体的に伝える
意見は、明確で具体的に伝えましょう。
抽象的な表現で意見を伝えると、相手に正しく伝わらなかったり、誤解を招いたりする恐れがあります。
そのため、具体的な事例を交えながら、相手が理解しやすいように意識して意見を伝えることが求められます。
ポジティブな言葉を使う
相手の言動に対して、改善をうながしたい点や指摘したい点がある場合、ポジティブな言葉を使って伝えましょう。
たとえば、相手のつくった資料がわかりにくかった場合に、「読みにくい」「色使いが悪い」と否定するのではなく、「根拠が明確に示されていて課題はわかりました。改行やフォントの色を工夫すると、よりわかりやすくなると思いますよ」などと改善を提案する伝え方をすると、相手も嫌な気分にならず、意見を受け止めてくれる可能性があります。
I(アイ)メッセージを使う
I(アイ)メッセージとは、「私は」を主語にした伝え方を指します。
I(アイ)メッセージで物事を伝えると、「私の意見」として伝えたいことを伝えられるため、角が立ちにくくなります。
たとえば、相手の意見が客観性に欠けていた場合に、「客観性に乏しいです」と伝えるよりも、「私は○○さんの意見は客観的データが少ないと思います」と伝えたほうが、相手に「批判された」と思われにくいでしょう。
相手の立場や意見を尊重する
建設的に意見を伝えるには、相手の立場や意見を尊重し、まずは相手の意見を受け止めることが大切です。
最初から相手の意見を「でも」「しかし」などで否定すると、相手の気分を害し、良好な関係性の構築や実のある話し合いができなくなる恐れがあります。
そのため、相手の意見が自分の意見と異なっている場合でも、一度「そうなのですね」と受け止めましょう。
相手の意見を受け止めたうえで、「私は○○と思います」のように自分の意見を述べると、建設的に意見を伝えられます。
建設的な話し合いをするためのポイント
議論や意思決定をする場面では、建設的な話し合いが求められます。
やみくもに議論するのではなく、以下のようなポイントをおさえることで、有益な話し合いをおこなうことが可能となります。
- 目的を明確にする
- 発言しやすい雰囲気をつくる
- タイムマネジメントをおこなう
- 議論の内容を視覚化する
- フィードバックをおこなう
それぞれのポイントを確認し、実務に活かしていきましょう。
目的を明確にする
まずは、会議の目的を明確にします。
目的が明確でない場合、参加者はなにを話すべきかわからず、意見が出なかったり、本質と異なる意見が出たりして、有意義な時間にできない可能性が高いです。
解決したい事案や辿り着きたい答えを細かく設定し、参加者に提示することで、参加者は出すべき意見を理解できるため、建設的な話し合いの場となると考えられます。
発言しやすい雰囲気をつくる
話し合いの場を設けても、意見が出なければ問題改善につながりません。
会議などの話し合いの場では、誰もが気兼ねなく発言できる雰囲気づくりが重要なため、日常業務のなかで信頼関係を築いたり、他者の意見を受け止める姿勢で臨んだりすることが大切です。
お互いの意見を尊重できる雰囲気があれば、建設的な話し合いが実現するでしょう。
タイムマネジメントをおこなう
会議は、時間をかければいいというものではありません。
制限時間を設けずに話し合いをすると、集中力が落ち、場がだらけてしまう恐れがあります。
そのため、議題ごとに時間を設定し、参加者に提示しておいて、限られた時間のなかで建設的な話し合いをするという意識をもってもらいましょう。
議論の内容を視覚化する
議論の内容は、ホワイトボードやプレゼンテーションツールをもちいて視覚化すると、参加者へ明確に伝えられるため、方向性を一致させながら話し合いを進められます。
また、内容が視覚化されていれば、他者の意見から新たなアイデアが生まれたり、意見同士を合体させてよりよい改善策を出せたりすることも期待できます。
フィードバックをおこなう
会議での話し合いを終えたら、フィードバックをおこなって会議の満足度を上げます。
より建設的な話し合いができるように、今回の会議の改善点も共有することで、次回の会議の質向上を目指しましょう。
議事録を作成して会議の目的や内容、参加者、結論をまとめておくと、データとしても話し合いの様子を残せるため、データを蓄積して改善につなげることも可能です。
建設的なコミュニケーションに「Chatwork」
「建設的」とは、現状の物事をよりよいものに変えていこうとする積極的な態度や姿勢を意味する言葉で、類語には、「前向き」や「積極的」などがあります。
建設的な話し合いができると、信頼関係の構築につながったり、新たなアイデアが出やすかったりするメリットがあります。
相手に意図や感情が伝わりにくいオンラインコミュニケーションでは、自分の意見を適切に伝えられるように建設的なコミュニケーションが大切です。
ビジネスチャット「Chatwork」は、絵文字機能が豊富なため、建設的な話し合いをサポートする効果があります。
テキストメッセージでは誤解や認識相違が起きやすいですが、「Chatwork」は「ありがとう」「了解」「おめでとう」などの感情を表す絵文字機能があります。
自分の意見とともに絵文字で感情を表現すると、批判感や否定感が緩和され、肯定的に受け止めてもらえるでしょう。
また、チャット形式でメッセージを送れるため、気軽に意見を伝えやすく、新たなアイデアが多く生まれる可能性もあります。
建設的なコミュニケーションに、ビジネスチャット「Chatwork」の活用をぜひご検討ください。
Chatwork(チャットワーク)は多くの企業に導入いただいているビジネスチャットです。あらゆる業種・職種で働く方のコミュニケーション円滑化・業務の効率化をご支援しています。