手紙営業(CXOレター)とは?営業で活用するメリットと書き方のポイントを解説

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手紙営業(CXOレター)とは?営業で活用するメリットと書き方のポイントを解説

目次

手紙営業(CXOレター)とは、顧客や見込み客に対して、手紙を送付してアプローチする営業手法です。

手紙は、企業の役員などの決裁者に直接届く可能性が高く、メールと比較して開封率が高いメリットがあるため、主に新規開拓営業の際におこないます。

デジタル化が進む現代においても、効果的なマーケティング手法のひとつとして活用されています。

本記事では、営業で手紙を活用する理由やメリット、手紙営業の活用ポイントを文例付きで解説します。

手紙営業とは

手紙営業とは、ターゲットに手紙を送付してアプローチする営業手法で、主に新規開拓営業を目的としておこないます。

テレアポやメールと比較して、決裁者に直接アプローチできる可能性が高く、他社と差別化しやすいという点が手紙営業のメリットです。

手紙は個別にカスタマイズできるため、受け取る側に対して特別感を与えます。

また、デジタルやオンラインマーケティングではなかなか出会えない方にも、直接アプローチしやすいといえます。

CXOレターとは

CXOレターは、大企業の役員や決裁権のあるキーマンなど、企業のなかでも最高責任者と呼ばれる人に対しておこなう手紙営業です。

CXOは「Chief X Officer」の頭文字を取った略称で、特定の職務に対する最高責任者を意味する言葉です。

「Chief」は組織の責任者、「Officer」は執行役を意味し、「X」にはそれぞれの役職に応じた文字が入ります。

たとえば、CEO(Chief Executive Officer)は最高経営責任者、CFO(Chief Financial Officer)は最高財務責任者を指します。

「手紙営業」というと、一般的には企業の責任者や決裁権を持つキーマンへの接触を目的とするため、CXOレターと同義であるといえます。

印刷DMとの違い

印刷DMとは、パンフレットやカタログ、ハガキなどの印刷物を、ダイレクトメールとして送付することを指します。

印刷DMはテンプレートを作成し、リストに基づき大量送付が可能なため、広範囲なアプローチに向いています。

しかし、広告やプロモーションと捉えられてしまう場合も多く、送り相手に結局読まれずに捨てられてしまう場合もあるでしょう。

一方で、手紙営業は手書きで作成するため、作成にはコストや時間もかかりますが、個々の送り先に合わせて文章を変え、相手に特別感を演出できます。

手紙営業は、特定の重要顧客や見込み客に対し、強くアピールしたい場合に向いています。

手紙営業のメリット

顧客や見込み客に対して、手紙を使ったアナログなアプローチをおこなう手紙営業ですが、メリットとして以下が挙げられます。

  • 決裁者に直接アプローチできる
  • 開封率が高い
  • 魅力や思いが伝わりやすい

手紙を営業で活用するメリットを詳しく解説します。

決裁者に直接アプローチできる

手紙営業では、企業の決裁者宛てに手紙を送るため、直接アプローチできます。

テレアポやDMなどのほかのアプローチ手法の場合、決裁者のない担当者とのアポを獲得するパターンが一般的です。

担当者が興味を持ったとしても、上司の承認を得なければ、決裁者まで情報が届かないでしょう。

決裁権を持つ人に直接アプローチできれば、契約や購入に至る確率も高くなります。

開封率が高い

手紙は物理的なかたちで存在するため、メールなどと比較して開封率が高い傾向があります。

大量に受信されるメールなどは埋もれてしまう場合が多いですが、手紙は目立ちやすいため、ほかと差別化ができます。

とくに、自分宛てとして送られてきた手紙は、受け取り手に特別感を与え、開封されやすくなります。

魅力や思いが伝わりやすい

手紙は比較的長文でも受け入れられやすく、商品やサービスの魅力や思いを十分に書くことができます。

また、手書きの文字により、込められた気持ちや思いも相手に伝えられるため、感情面でも訴えることが可能です。

手紙営業のデメリット

手紙営業は、受け取り手が「自分は特別だ」と感じ送り主への信頼度を高める効果がありますが、「コストや時間がかかる」「効果測定が難しい」などのデメリットもあります。

デメリットも把握したうえで、手紙営業を取り入れるかどうかを判断しましょう。

コストと時間がかかる

手紙営業では、メールに比べて印刷や郵送などの費用がかかります。

また、送る相手に合わせて文章や訴求内容を考え、ひとつひとつ手書きで作成していくため、作成までに時間や手間もかかります。

また、大量作成が難しいため、広範囲に向けたアプローチは難しいでしょう。

効果測定が難しい

手紙営業はデジタルマーケティングとは異なり、効果測定が難しいといわれています。

相手が手紙を開封したか、手紙を読んだかが把握できないためです。

手紙を送った数日後には、送り先にフォローの電話をしてみるのもおすすめです。

手紙営業を活用すべきシーンと文例

手紙営業は主に新規開拓営業で活用されますが、既存顧客に対してお礼の手紙を送るケースもあります。

アプローチ方法として手紙営業を活用すべきなのは、以下のような場面です。

  • 新規開拓営業
  • 初回訪問時のお礼
  • 訪問後のお礼
  • 成約後のお礼

それぞれのシーンに適した手紙について、文例を交えて紹介します。

新規開拓営業

新規開拓営業を目的として手紙を送付するときは、商品やサービスを知ってもらい、アポや商談に繋がるように関係性構築を意識して文面を作成しましょう。

以下のように、手紙を送付した経緯や商品・サービスについて簡潔に伝えたうえで、相手に警戒心を与えないように文面を考慮しましょう。

拝啓

時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。

突然のお手紙となり、申し訳ございません。
初めまして。株式会社△△△△の○○と申します。

貴社のWebサイトを拝見し、貴社が注力している事業の課題解決にお力添えできるのではないかと思い、ご連絡差し上げた次第です。

弊社では業務効率化をサポートする「○○」を展開しております。現在、導入社数xxx社以上の実績があり、導入いただいた企業では平均×%の業務効率が改善しています。

ご多忙のところ大変恐れ入りますが、一度直接お話をお伺いする機会をいただけないでしょうか。
×月×日(△曜日)××時頃に、弊社○○からお電話を差し上げます。
お電話の際に、詳しいお話をお伺いできればと存じます。

大変お忙しい中とは存じますが、貴社における課題解決の一助となれば幸いです。

何卒、よろしくお願い申し上げます。

敬具

初回訪問時のお礼

初めて訪問した後に、お礼の手紙を送付すると「今後も手厚くサポートしてくれる」という印象を与えられます。

手紙には、訪問時に話題にあがった内容を盛り込むのがおすすめです。

今後、信頼関係を強化したい企業に対して手紙を活用するとよいでしょう。

拝啓

平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

先日はお忙しい中、貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。

初めての訪問にも関わらず、心温まるご対応を賜り、重ねて感謝申し上げます。

今回の訪問を通じて、貴社の業務内容やご要望をより深く理解することができ、大変有意義な時間を過ごすことができました。

また、提案した○○に関しても、ご興味をお持ちいただけたこと、大変嬉しく存じます。

今後も貴社のご期待に沿えるよう、精一杯努力して参りますので、何かご不明な点や追加のご要望がございましたら、どうぞお気軽にお申し付けください。

改めまして、今回の機会をいただきましたことに深く感謝申し上げます。

貴社の益々のご発展をお祈りするとともに、今後とも末永いお付き合いを賜りますよう、格別のお引き立てを宜しくお願い申し上げます。

敬具

訪問後のお礼

訪問後にお礼の手紙を送付すると他社との差別化ができ、相手の印象にも残りやすくなります。

訪問時に話した内容を織り交ぜて、お礼の気持ちを伝えるとよいでしょう。

拝啓

平素より格別のご愛顧を賜り、心より御礼申し上げます。

先日はお忙しい中、貴重なお時間を頂戴し、誠にありがとうございました。

貴社の現在の取り組みや今後の展望、さらに具体的な課題やニーズについても詳しくお話しいただき、弊社としてどのようにお役に立てるかを再認識することができました。

特に○○についてのご意見やご提案は、今後のサービス向上に大変参考となりました。貴社のご期待に応えるべく、尽力いたします。

改めまして、今回の訪問の機会をいただきましたこと、深く感謝申し上げます。

貴社との連携をさらに強化し、共に成長していけることを心から願っております。何かご不明な点やご要望がございましたら、どうぞお気軽にお知らせください。

今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。

敬具

成約後のお礼

商品・サービスの成約後は、感謝の気持ちや今後の関係強化のために、お礼の手紙を送りましょう。

顧客と長く取引できるように、メールや電話だけではなく、手紙で気持ちを伝えると「今後も長く取引したい」「この人だったら任せられる」などの丁寧な印象を与えられます。

拝啓

時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。

この度は、弊社の製品をご契約いただき、誠にありがとうございます。

心より感謝申し上げます。

今後とも、貴社の事業に貢献できるよう、全力でサポートさせていただきます。

弊社製品○○のご活用に際して、何かご不明な点やご質問がございましたら、お気軽にご連絡ください。専門スタッフが迅速に対応させていただきます。

貴社のご発展に寄与できるよう、さらなる提案やサポートを提供させていただく所存です。

今後とも、末永くご愛顧賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

敬具

手紙営業の書き方のポイント

手紙営業では、手紙の文章で相手の心を掴み、商品やサービスに興味を持ってもらう必要があります。

営業の手紙を書くときに気をつけたい2つのポイントについて、詳しく解説します。

ビジネスレターの基本構成をまず理解する

営業の手紙を書くときは、まずは基本の構成を知っておきましょう。

ビジネスレターは、以下の構成で成り立っています。

  • 頭語
  • 時候の挨拶
  • 用件(本文)
  • 結語
  • 日付、宛名、差出人

まずは「拝啓」などの頭語から書きはじめ、時候の挨拶や要件をまとめ、「敬具」などの結語で締めます。

日付や宛名、差出人も忘れずに記載しましょう。

各構成の要素や注意点について、詳しく紹介します。

頭語と結語

ビジネスレターでは、「こんにちは」「ごめんください」にあたる頭語から書きはじめ、「さようなら」「失礼します」にあたる「結語」で手紙を結びます。

送付する相手や緊急性など、状況によって使う頭語と結語が変わります。

  • 一般的な手紙:拝啓・敬具、拝呈・拝具
  • 丁寧な手紙:謹啓・敬具、恭啓・謹言
  • 緊急の手紙:急啓・早々、急呈・敬具

頭語と結語は、組み合わせが決まっているので、相手に失礼がないように正しく使いましょう。

時候の挨拶

時候の挨拶とは、季節をあらわす言葉を使った挨拶で、季節によって相手の体調を気遣う意味があります。

以下のように「○○の候」を組み合わせて、季節の変わり目を表現します。

  • 春:陽春の候、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます
  • 夏:盛夏の候、ますますご発展のこととお喜び申し上げます
  • 秋:紅葉の候、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます
  • 冬:立冬の候、ますますご隆盛のこととお喜び申し上げます

用件(本文)

本文はなるべく短く要件を簡潔に伝えるように意識しましょう。

本文が長文だったり、分かりにくい文章だったりすると最後まで読まれない恐れがあります。

「相手は忙しい中で手紙に目を通す」という状況を意識して、商品やサービスについてはアピールするポイントを絞り、アポイントや商談などの用件は日付や時間、何を伝えたいかを簡潔にまとめておきましょう。

日付、宛名、差出人

「結語」の後に、以下のように日付と宛名、差出人を記載しておきます。

敬具

××××年××月××日

株式会社△△△△

○○○○(差出人氏名)

△△△△株式会社

○○○○様

手紙の基本的なマナーを守る

ビジネスレターを作成するときは、手紙の基本的なマナーを守りましょう。

マナーとして気をつけたいのが以下のポイントです。

  • 宛名の書き方
  • 使用する封筒は社名入りを避ける
  • 封筒の入れ方・折り方

営業の手紙を書くときにも、基本的な手紙のマナーをおさえましょう。

宛名の書き方

宛名は、手紙を受け取った相手が最初に目にするところです。

バランスよく配置して、丁寧に書きましょう。

縦書きの宛名の書き方のルールは以下のとおりです。

  • 切手を左上に貼る
  • 住所、会社名、所属部署、肩書き、氏名の順に記載する
  • 住所は郵便番号の位置から一文字下げて書きはじめる
  • 所属部署は会社名の一文字下げて書く、または行を変えて書く
  • 封締めは「〆」を書き、×にみえないように注意する

会社名や所属部署、役職などは略さずに、正式名称を書きます。

使用する封筒は社名入りを避ける

手紙営業では、社名入りの封筒を使わないようにしましょう。

社名入りの封筒は相手に営業の印象を与えてしまうため、開封する前に捨てられてしまう恐れがあるからです。

上品な印象を与える白無地の封筒を選ぶとよいでしょう。

ほかの手紙に埋もれないように、デザイン性のある封筒を選ぶのもおすすめです。

封筒の入れ方・折り方

和封筒に入れる場合は、折り手が少なく、手紙を開く手間がかからない「三つ折り」で入れます。

手紙を開けるときに、文章の書き出しがみえるように折るように心がけましょう。

文章が書いてある面を表として、下から3分の1のところを目安に折り上げます。

続いて、上から3分の1を目安に折り下げ、綺麗に畳めたら封筒に入れましょう。

営業の情報管理や顧客とのやりとりに「Chatwork」がおすすめ

手紙営業(CXOレター)は、ターゲットに手紙を送付してアプローチする営業手法で、新規開拓営業に適した方法と言えます。

決裁者に直接届く可能性が高く、メールと比較して開封率が高いメリットがある一方で、手書きでの作成では時間がかかり過ぎてしまい、リーチ数が少なくなってしまうデメリットがあります。

手紙営業とあわせて、顧客とのコミュニケーションで取り入れたいのがビジネスチャットです。

ビジネスチャット「Chatwork」では、テキストでのやり取りのほかに、音声やビデオでの通話も可能で、顧客とのコミュニケーションの幅が広がります。

>Chatworkの通話機能(ビデオ/音声通話機能)に関する記事はこちら

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