企業のペーパーレス化のメリットとは?推進のポイントや企業事例を解説
目次
ペーパーレス・ペーパーレス化という言葉を耳にしたことがある方は多いでしょう。
ペーパーレス化が進めば、業務効率が改善するなどのメリットが得られますが、ペーパーレス化を推進しようと思っても、現作業からの切り替えの難しさや現場の心理的ハードルによってうまく進まないケースも少なくありません。
ペーパーレス化が必要な理由やペーパーレス化のメリット・デメリット、ペーパーレス化を推進するために重要なポイントなどについて解説します。
ペーパーレス化が必要な理由
ペーパーレス化が必要な理由は、主に業務効率の向上とコスト削減の効果を得るためです。
会議などで利用する書類や勤怠管理に用いる書類などをすべてペーパーレス化すれば、管理や閲覧・検索に必要な手間が省かれ、業務効率の改善にもつながります。
また、ペーパーレス化のコスト削減の観点では、用紙などの紙にかかるお金だけでなく、印刷機のメンテナンス費用や維持費用を減らすことができます。
紙の使用量を減らすことによって、保存や印刷代、文書廃棄のための費用も削減できるでしょう。
ペーパーレス化のメリット
実際に、ペーパーレス化を推進することによって得られるメリットを紹介します。
情報の検索が容易になる
紙で情報を管理している場合は、キャビネットやラックに収納された書類から必要な書類を探さなければなりません。
きちんとファイリング・ナンバリングされていたとしても、目的の書類を見つけるのに手間と時間がかかってしまうでしょう。
書類がペーパーレス化されてデータで管理されるようになれば、検索機能を利用して必要な書類や情報をすぐに見つけられます。
また、新しく情報を追加する際も、紙であれば指定の場所に指定の様式にして間違えないように入れなければなりませんが、データであれば容易におこなえます。
印刷コストを削減できる
紙の書類を作成するためには紙代はもちろんのこと、印刷に必要なトナー代・印刷機本体の購入やリース費用など、さまざまな費用が発生します。
社員数や印刷回数によっては、1日あたりの印刷コストも決して小さな金額ではないでしょう。
ペーパーレス化を推進することで書類の印刷コストを削減できれば、企業にとって大きなメリットになるはずです。
保管スペースが必要ない
書類によっては使用したあとにそのまま捨てることができず、保管しておかなければならないものもあります。
たとえば、会議で利用した書類は会議の内容を振り返るために取っておかなければなりませんし、領収書は法令で7年間の保管が義務付けられています。
会社によっては、書類を保管するために資料室を設けているケースもあるでしょう。
ペーパーレス化によって書類の保管スペースが必要なくなれば、オフィスの限られたスペースを有効活用できるのです。
セキュリティが強化される
紙の書類は社外に持ち出した際に紛失してしまうと情報漏洩につながりますし、災害などによって書類そのものがなくなってしまうと復元は困難です。
また、重要な内容の書類は閲覧制限を設けなければならないため、通常の書類とは別に鍵のかかったキャビネットに保管するなどの対策が必要になります。
ペーパーレス化によって書類が電子化されれば情報漏洩への対策にもなりますし、データのバックアップも容易です。
データへのアクセス制限や閲覧時のパスワードを設定すれば、書類にアクセスできる人の選別も簡単におこなえセキュリティや権限により制限をおこなえます。
ペーパーレス化の推進を妨げる要因
ペーパーレス化を適切におこなえば、企業は多くのメリットを得ることができますが、これまで紙でおこなってきたことをやめて移行するには、大きく変更しなければならないことも出てきます。
ペーパーレス化のデメリットと捉えられてしまう場合もある、ペーパーレス化推進を妨げる要因を見ていきましょう。
導入コストが高い
ペーパーレス化を推進するには、PCやタブレットといった電子機器が必須です。
一度導入してしまえばそのあとのコストは抑えられるものの、イニシャルコストの高さが導入を見送る要因になっているケースもあるでしょう。
紙で作成した書類をすべてデータ化するとなれば、時間的コストや人的コストも無視できません。
書類が見にくい場合がある
書類を閲覧する際に用いるPCやタブレットの画面サイズによっては、書類が見づらくなる可能性があります。
また、複数の書類を同時に確認する必要がある場合、紙の書類だと必要なものを机の上に広げて見比べることができます。
しかし、データ化された書類をひとつの画面に収めて見る場合、書類1枚あたりのサイズがどうしても小さくなってしまうため、見づらくなってしまうかもしれません。
書類が見にくいという理由で、データ化されたものとは別に紙の書類を用意しなければならないようでは、本末転倒です。
システム障害などの影響を受ける
ペーパーレス化でデータ化された書類はファイルサーバーなどで管理されるので、サーバーに障害が発生した場合などは、書類を閲覧できなくなってしまう可能性があります。
一時的に閲覧できなくなるだけであればまだよいのですが、障害の程度によっては、書類のデータそのものが失われてしまうかもしれません。
また、これまで紙でおこなってきた会社であればデジタル機器の知識がある社員がいないなどで、導入やトラブルのときに対応ができないということもあるでしょう。
ペーパーレス化推進のポイント
ずっと紙の書類をもちいてきて、いきなりペーパーレス化を導入しようと思っても、なかなかうまくいかないケースは多いでしょう。
ペーパーレス化を上手に推進させるために重要な3つのポイントを説明します。
経営層にペーパーレス化の必要性・重要性を認識してもらう
新しいシステムや制度を導入するうえでは、経営層や上層部の後押しは欠かせません。
ペーパーレス化を推進する目的、ペーパーレス化を推進することによるメリット、ペーパーレス化にかかるコストなどをしっかり提示したうえで説明をおこない、経営層に必要性や重要性を認識してもらいましょう。
一気にペーパーレス化するのではなく少しずつ進めていく
すべての部署でまとめてペーパーレス化を推進するのが難しい場合、まずは特定の部署やプロジェクトなどだけでペーパーレス化を実施してみるというのも、ひとつの方法です。
実際にペーパーレス化された状態で働いてみて、どのようなメリットがあったか、どのような改善点があったかなどを、メンバーから吸い上げて社内に広く周知しましょう。
社員がメリットを自分のものとして感じ、改善点が修正されていけば、全社的にペーパーレス化を導入する気運が自然と醸成されているはずです。
ツールを導入してペーパーレス化のハードルを下げる
ペーパーレス化を推進するためには、データ化された書類を確認できるPCやタブレット・スマートフォンなどのデバイスが必要不可欠です。
持ち運びの利便性や見やすさを考えると、タブレットが導入しやすいでしょう。
全社として進める場合は、クラウドストレージやペーパーレス会議システムの導入が、ペーパーレス化推進の一助となります。
ペーパーレス化の企業事例
ペーパーレス化に成功した事例として、株式会社鈴花商事と友愛病院の事例を紹介します。
株式会社鈴花商事:電話、FAX、書面での情報伝達はタイムラグが課題だった
創業115年、着物を中心に女性のファッションをトータルに扱う鈴花グループでは、業務日報を紙で提出していたところを、チャットへの書き込みに変更したそうです。
紙の報告書の場合、店舗で何があったかが関係者に伝わるまでに半日はかかっていたところが、瞬時に共有できるようになり、かつ、心理的なハードルが下がったことから、報告書の提出率も向上したそうです。
友愛病院:「回覧板に判子を押す情報共有」からの卒業を目指して
東京都足立区の友愛病院では、医療機関特有の悩みをIT化を推進することで解決しました。
会議時間は1時間から20分に短縮、その結果、レセプト(医療報酬明細書)業務の効率化や各種委員会の時間短縮に成功したそうです。
ペーパーレス化の導入には多くのメリットがある
ペーパーレス化が進めば、業務効率を改善したりセキュリティが強化されたりといったメリットが得られます。
また、ペーパーレス化を推進することで、社員のITリテラシーが高まるといった副次的な効果も期待できます。
経営層にペーパーレス化の必要性や重要性を認識してもらい、現場にはペーパーレス化に必要なツールを導入して、スムーズにペーパーレス化を推進できる土壌を作ることを目指しましょう。
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