IT化に使える補助金・給付金にはどんなものがある?

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業務効率化
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IT化に使える補助金・給付金にはどんなものがある?

目次

中小企業がIT化を進める際には、補助金や給付金について、申請できるものがないかを確認しましょう。

補助金には種類があり、給付額や受給の条件などはさまざまです。

条件をクリアしている企業でも、待っていれば自然に会社の口座にお金を振り込んでもらえるわけではありません。

自社にはどの補助金・給付金が利用できるのかをしっかり確認し、申請手続きを行いましょう。

中小企業の経営者の方が知っておくべき、IT化に利用できる補助金・給付金について解説いたします。

IT化に使える補助金・給付金は3種類

中小企業がIT化を進める際に利用できる主な補助金・給付金は、次の3種類です。

  • IT導入補助金
  • ものづくり補助金
  • 小規模事業者持続化補助金〈コロナ特別対応型〉

各補助金・給付金について詳しく見ていきましょう。

IT化に使える補助金・給付金:IT導入補助金

IT導入補助金は、業務効率改善や売上げアップなどを目的としたITツールを導入するために、必要な経費を補助してくれる制度です。

IT化に必要なソフトウェア費や、導入関連費を補助してくれます。

IT導入補助金には、A型・B型・C型(特別枠)の3つの申請区分があります。[※1][※2]

A型

補助対象者 中小企業・小規模事業者
補助対象経費 ソフトウェア費、導入関連費等
補助金額 30万円〜150万円 
補助率 1/2以下

B型

補助対象者 中小企業・小規模事業者
補助対象 ソフトウェア費、導入関連費等
補助金額 150万円〜450万円
補助率 1/2以下

C型(特別枠)

補助対象者 中小企業・小規模事業者
また、17の要件すべてに該当する者[※2]
補助対象経費 ソフトウェア費、導入関連費、ハードウェアレンタル費
補助金額 30万円〜450万円
補助率 2/3以内(C類型-1)
3/4以内(C類型-2)

自社のニーズに合ったITツールを把握し、導入のために必要な経費を算出したら、どの申請枠が当てはまるのか検討しましょう。

IT化に使える補助金・給付金:ものづくり補助金

ものづくり補助金は、生産性向上を目的とした設備投資や、新型コロナウイルスの影響を乗り越えるための投資に対して補助金を受けられる制度です。

補助率は、原則として1/2までです。
補助金額の上限は、一般型1,000万円、グローバル展開型3,000万円です。

投資の内容が新型コロナウイルス感染症の影響を乗り越えるための前向きな投資であれば、補助率が2/3または3/4まで引き上げられます。[※3]

また、新型コロナウイルス感染症との関連性を証明できれば、宣伝広告費用や販促費といった営業上の経費も補助の対象となります。

「事業再開枠」を利用すれば、消毒やマスクの準備にかかった費用など、感染拡大予防のための費用については、上限50万円を補助してもらえます。

IT化に使える補助金・給付金:小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金〈コロナ特別対応型〉は、新型コロナウイルスの影響を乗り越えるための対策を行う小規模事業者に対し、販路開拓などの費用の2/3を補助する制度で補助上限額は100万円になります。

また、補助対象には3つの類型があります。

  • 類型A:サプライチェーンの毀損への対応
  • 類型B:非対面型ビジネスモデルへの転換
  • 類型C:テレワーク環境の整備

類型Bと類型Cについては、投資の水準が一定以上であれば、補助率を3/4に引き上げてもらえる場合もあります。[※4]

 

また、業界横断的なコロナウイルス感染防止対策を行う場合には、オプションとして「事業再開枠」を利用ができ、上限50万円、総補助額50%までの補助が受けられます。

詳細は、その都度、公募要領を確認してみましょう。

IT化の補助金・給付金の対象範囲

IT化のための補助金・給付金の対象範囲をご紹介いたします。

具体的な利用条件は補助金によって違うため、個別に内容を確認するようにしましょう。

また、こちらでご紹介している補助金は、2021年の募集スケジュールに関して、まだ発表されていないものばかりなので、公募の締め切りに合わせて準備するためには、募集スケジュールが発表されていないか、定期的に確認しておきましょう。(2021年1月現在)

IT導入補助金:ソフトウェア費と導入関連費など

IT導入補助金の対象範囲は、IT導入のために必要なソフトウェア費と導入関連費などです。[※1][※2]

ソフトウェアは、どのソフトウェアでもよいわけではなく、IT導入支援事業者として登録・採択されたサービスが対象です。

下記の業務プロセスに関連し、生産性の向上やテレワークなどの業務改善に寄与するソフトウェアが補助対象です。

  • 顧客対応・販売支援
  • 決済・債権債務・資金回収管理
  • 調達・供給・在庫・物流
  • 業種固有プロセス
  • 会計・財務・資産・経営
  • 総務・人事・給与・労務・教育訓練・テレワーク基盤

また、ソフトウェア導入に伴う「オプションツール」や、導入コンサルティングなどの「役務」も補助対象とみなされます。[※5]

ものづくり補助金:経営革新のための設備投資など

ものづくり補助金の対象範囲は、新商品開発費用、新たな生産方式の導入費用など、多岐に渡ります。
具体的には、機械装置・システム構築費や運搬費などの経費が対象です。[※6]

一般型とグローバル型に分類され、それぞれの上限額が異なります。

一般型は上限1,000万円、グローバル展開型は上限3,000万円です。

3~5年の事業計画を策定し、次の要件を満たすことで補助金の対象となります。

  • 事業者の付加価値額が年率3%以上増加
  • 給与支払総額が年率1.5%以上増加
  • 地域別最低賃金+30円以上の水準

審査は、「技術面」「事業化面」「政策面」の3つの項目で行われます。成長性や賃上げなどが加点項目とされます。

小規模事業者持続化補助金〈コロナ特別対応型〉:販路開拓費など

小規模事業者持続化補助金〈コロナ特別対応型〉の給付対象は、コロナ対策を行う小規模事業者が行う具体的な対策です。次の3つに分類されます。[※7]

  1. サプライチェーンの毀損への対応
  2. 非対面型ビジネスモデルへの転換
  3. テレワーク環境の整備

具体的には、「コロナの影響による生産体制強化のための設備投資」「無人対応のための設備投資」「WEB会議システムの導入」などの費用です。

また、「事業再開枠」として、新型コロナ感染拡大予防のために行う感染防止対策のための費用も対象となります。
具体的には、「消毒設備の導入」「マスク・フェイスシールドの導入」「クリーニングの外注」などの費用です。

IT化に利用できる補助金・給付金の申請方法

ご紹介したIT化に利用できる補助金は、インターネットを利用した電子申請が可能です。

「gBizID」というサイトのgBizIDプライムアカウントを取得後、電子申請します。
gBizIDとは、複数の行政サービスを1つのアカウントで利用できる認証システムのことです。[※8]

IT導入補助金

gBizプライムアカウント取得後、gBizIDにログインし、申請マイページ上で交付申請情報を入力・申請します。

ものづくり補助金

gBizプライムアカウント取得後、ものづくり補助金総合サイトの電子申請システムのページにログインし、申請します。[※9]

小規模事業者持続化補助金〈コロナ特別対応型〉

gBizプライムアカウント取得後、「jGrants(Jグランツ)」で電子申請します。[※10]

jGrants(Jグランツ)とは、経済産業省が運営する補助金の電子申請システムです。[※11]

また、小規模事業者持続化補助金〈コロナ特別対応型〉の公式HPから必要書類をダウンロード・印刷し、窓口に郵送する方法もあります。[※12]

IT化の補助金・給付金を選ぶポイント

どの補助金や給付金を選ぶべきか悩んでいる場合は、自社の課題解決に適したIT化のため、何が必要なのかを明確にしましょう。

たとえば、業務効率化のための自動化・効率化ツールを導入するなら、「IT導入補助金」が利用できます。

新サービス開発や、生産プロセス改善のための設備投資であれば、「ものづくり補助金」を検討しましょう。

小規模事業者の方が、新型コロナウイルス感染症を乗り越えるため、非対面型ビジネスモデルに必要な投資や、テレワーク環境の整備を考えているなら、小規模事業者持続化補助金〈コロナ特別対応型〉を申請しましょう。

IT化は補助金・給付金を活用して進めよう

中小企業や小規模事業者も、IT化を進めて業務効率をアップさせる必要があります。

IT化にはそれなりのコストがかかります。補助金や給付金を上手に使って、自社の出費を減らしましょう。

補助金や給付金を利用すれば、最小限の負担で自社のIT化を進められます。

ご紹介した補助金や給付金は、公募制であるため、準備が遅れると、次回の公募を待つしかなくなってしまいます。

公募スケジュールが発表されたら、締め切りをチェックし、早めの準備を心がけましょう。

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[※1]一般社団法人サービスデザイン推進協議会/IT導入補助金/事業概要/事業概要通常枠(A、B型)
https://www.it-hojo.jp/overview/

[※2]一般社団法人サービスデザイン推進協議会/IT導入補助金 特別枠(C型)
https://www.it-hojo.jp/tokubetsuwaku/

[※3]中小機構/「ものづくり・商業・サービス補助金」がさらに使いやすくなりました[pdf]
https://seisansei.smrj.go.jp/pdf/0101.pdf

[※4]全国商工会連合会/小規模事業者持続化補助金<コロナ特別対応型>
https://www.shokokai.or.jp/jizokuka_t/

[※5]一般社団法人サービスデザイン推進協議会/ITツールの登録申請/登録可能なITツールとは
https://www.it-hojo.jp/vendor/tool-registration.html

[※6]全国中小企業団体中央会/ものづくり・商業・サービス補助金[pdf]
https://portal.monodukuri-hojo.jp/common/bunsho/ippan/5th/gaiyou_201222.pdf

[※7]全国商工会連合会/小規模事業者持続化補助金〈コロナ特別対応型〉【公募要領】 [pdf]
https://www.shokokai.or.jp/jizokuka_t/doc/%E5%85%AC%E5%8B%9F%E8%A6%81%E9%A0%98(%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E7%89%B9%E5%88%A5%E5%AF%BE%E5%BF%9C%E5%9E%8B).pdf?12

[※8]gBizID
https://gbiz-id.go.jp/top/

[※9]全国中小企業団体中央会/ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金/ログイン
https://www.r1mono-denshi.jp/login.aspx?ReturnUrl=%2f

[※10]j日本商工会議所/小規模事業者持続化補助金コロナ特別対応型/電子申請について
https://r2corona.jizokukahojokin.info/corona/index.php/sinsei-2-2/

[※11]jGrants
https://www.jgrants-portal.go.jp/

[※12]日本商工会議所/小規模事業者持続化補助金コロナ特別対応型/申請書式ダウンロード
https://r2corona.jizokukahojokin.info/corona/index.php/sinsei/

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