ITリテラシーが低い危険性とは?ITリテラシーが低い原因と改善方法
目次
スマートフォン・タブレット・PCなどのデバイスの使用が当たり前になり業務においても求められる中で、個人や企業でも「IT」に触れる機会が増え、ITリテラシーの重要性が高まってきています。
企業内で、ITリテラシーを高めておくと、業務の効率化や生産性の向上につながり、企業に利益をもたらします。
しかし、IT化が進んでいない、ITリテラシーが低い状態であるとITの活用どころか、リスクも高まってしまいます。
ITリテラシーが低い原因、ITリテラシーが低いことによる危険性を解説し、さらに企業内でITリテラシーを改善する方法をご紹介します。
ITリテラシーが低い状態とは
ITリテラシーが低い状態とは、次の3つのリテラシーが低い状態が当てはまります。
- 正しい情報を見極める「情報リテラシー」
- コンピューターの知識や技術に関する「コンピューターリテラシー」
- インターネットの使用上のモラルに関する「インターネットリテラシー」
つまり、通信・ネットワーク・セキュリティを生活の中で利用する上で、さまざまな情報を効果的に発見、獲得、精査、使用、運用できていない状態ということです。
ITリテラシーが低い原因
ITリテラシーが低い原因は、さまざまな原因が考えられます。
ITリテラシーの低さを改善するには、どのような原因でITリテラシーが低い状態になっているかを見極める必要性があります。
デジタルデバイドの加速
まずは、格差を生み出しているデジタルデバイドの影響です。
デジタルデバイドとは、PCやスマートフォンといった情報通信デバイスによって恩恵を受けられる人と、そうでない人との間に広がる格差のことを意味します。
地方・高年齢層・低所得者層はインターネットに触れる機会が少なく、都市部・若者・高所得者とのデジタルデバイドが加速していることが、ITリテラシーが低くなる原因となっています。
インターネットは都市型メディアであり、居住する都市の規模の大きさ、世帯主の年齢、世帯年収の格差が広がり、結果として、デジタルデバイドの加速につながっているのが現状です。
IT教育の欠如
日本全体におけるIT教育の欠如も要因と考えられます。
2020年から小学校でプログラミングが必須科目になりITリテラシー教育が始まりましたが、それ以前に小学校を卒業した人たちはIT教育が欠如しており、ITリテラシーが低い原因となっています。
また、総務省が発表した「2018年度 青少年のインターネット・リテラシー指標等に係る調査結果」[※1] によると、「ネット上の危険・脅威なサイトへのフィルタリングを知らない」または「使いたいアプリなどを利用できなくなる邪魔者」と考えている高校生が20%以上いるのが現状です。
このように、ITリテラシー教育が十分におこなわれていないため、ITリテラシーが低い人が高校生以上でも一定数存在しています。
IT人材の不足
ITの知識を持ち専門としている人が少なく、不足していることは企業全体のITリテラシーが低下する原因になります。
企業をデジタル化すると、サイバー攻撃やSNSのトラブルなど、ITを利用する上でさまざまな問題が起こります。
そのIT問題を解決する人材が不足しているためデジタル化が進まないのが現状です。
また、IT知識のある人材がいないために、ITリテラシーが低い社員への教育や指導もできない状態であることも原因と考えられるでしょう。
企業そのもののアナログ体質
企業そのものがアナログではそこで働く従業員のITリテラシーは低いままになります。
「企業の昔からの習わしで手書き」、「平均年齢が高いからデジタル化は難しい」、「そもそも社長がアナログだから」などという理由で会社自体がITリテラシーという難問から逃げているアナログ体質の企業もあります。
この場合は、IT活用やデジタル化をする考えそのものがない可能性もあり、ITリテラシーを必要と考えていないかもしれません。
ITリテラシーが低いことによる危険性
ITリテラシーが低い状態でいると、どのような危険性があるのでしょうか。
インターネット社会で問題となっている点や、リスク管理など、多方面にトラブルを抱えてしまう可能性があります。
ネットの情報を信用しすぎてしまう
ITリテラシーが低いと、検索で出てきた情報を信じ、誤った知識を得てしまう可能性があります。
スマートフォンやタブレットが普及し、わからないことや知りたいことを簡単に検索できるようになりましたが、インターネット上には間違った情報や、根拠のない情報などが数多くあります。
正しい情報と誤った情報を選別できないと、「デマやフェイクニュースに惑わされる」、「個人情報の流出」、「詐欺被害」といったトラブルを生み出してしまいます。
企業の機密情報の流出を招く可能性がある
ITリテラシーが低いことによる危険性は、一般生活だけでなく、ビジネスにもおよびます。
たとえば、普段使用しているメールやSNSから、企業の機密情報を流出させてしまう危険性が潜んでいます。
大手企業でも情報流出がニュースとなっているケースが多く、日常的にインターネットのリスクやセキュリティ面に注意することが大切です。
社内のデジタル化が進まない
社内のデジタル化が進まないと、オペレーションの効率低下だけではなく、セキュリティやコンプライアンスに関する重大なトラブルを招く恐れもあります。
「デジタル化を受け入れようとしない」、「使ってみようと思わない消極的な姿勢」が、社内のデジタル化が進まない原因です。
もちろん、デジタル化は、費用がかかることや、従業員への教育に手間がかかるなど、必ずしもメリットだけではありません。
しかし、ITリテラシーが低いリスクを避けるためにも、デジタル化に踏み出す努力が重要です。
ITリテラシーが低い状態を改善するには
企業内でITリテラシーが低い状態を改善する方法についてご紹介します。
インターネットに潜むリスクを最小限に抑えるために、企業でどのような活動をおこなえばよいか参考にしてみてください。
ITリテラシー教育の実施
新しいシステムを導入したタイミングでの教育・研修、役職や部署ごとの教育、コンプライアンス教育などさまざまなITに関連する教育を実施してみましょう。
また、従業員のレベルに合わせて、eラーニングを活用できます。
ITは日々進化し、サイバー攻撃などの悪質な行為も手法を変えて繰り返おこなわれるので、常に最新の動向をチェックするようにし、定期的な研修が大切です。
IT資格取得の推奨
基本的なIT資格には「ITパスポート」「情報セキュリティマネジメント試験」「IC3」やPCスキルや知識を問う複数の検定があります。
これらの資格取得を企業でサポートするとITリテラシーの向上につながります。
また、資格取得手当や奨励金を出すことで、社員のモチベーションを保つためにも有効です。
企業内で工夫をし、従業員がITに興味・関心をもたせられる環境づくりを進めましょう。
ITリテラシーが低いのは改善できる
ITリテラシーが低いままにしておくのは、企業にとっては得策とはいえないでしょう。
さまざまなリスクが高まることもそうですが、デジタル化への遅れや課題につながってしまう可能性もあるからです。
しかし、ITリテラシーが低い状態は改善可能ですし、ITリテラシーをあまり必要とせずに使うことができるITツールやサービスもあります。
ITリテラシーの向上を目指すとともに、ITリテラシーが低い社員でも使いこなせるようなツールを導入することも効果的です。
まずは、着手しやすい部分からITリテラシーの向上につながる取り組みを始めましょう。
Chatwork(チャットワーク)は多くの企業に導入いただいているビジネスチャットです。あらゆる業種・職種で働く方のコミュニケーション円滑化・業務の効率化をご支援しています。
[※1]出典:総務省 「2018年度 青少年のインターネット・リテラシー指標等に係る調査結果」の公表 https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban08_03000292.html