スタートアップ企業とは?ベンチャー企業や中小企業との違いと成功ポイントを解説
目次
スタートアップとは、アメリカのIT関連企業が集中するシリコンバレーで生まれた言葉です。
日本では、社会に変革を起こし、人々の暮らしに役立つ商品やサービスの開発を短期間で目指す企業のことを、スタートアップ企業といいます。
スタートアップ企業は、中小企業やベンチャー企業と混同されがちですが、ポイントを押さえることで違いを判断できます。
スタートアップ企業を理解するためには、特徴を知ることが大切です。
スタートアップ企業の特徴と、中小企業やベンチャー企業との違いを解説します。
スタートアップとは
スタートアップとは、アメリカのIT関連企業が密集するシリコンバレーで生まれた言葉です。
スタートアップという言葉が生まれた当時は、IT関連事業が急成長しはじめた時期でした。
そして、多くの企業のなかで短期間に急成長する企業が現れ、その特徴から「スタートアップ企業」と呼ばれるようになりました。
当時の代表的なスタートアップ企業には、現在では世界でシェアされている大手ネット通信販売サービス、動画のサブスクリプションサービスなどの事業を展開する企業があります。
スタートアップ企業とは
日本でのスタートアップ企業とは、革新性を持って短期間に急成長を遂げる企業のことを指します。
具体的には、スタートアップ企業には以下の6つの特徴があります。
スタートアップ企業の特徴を見ていきましょう。
短期間で飛躍的な成長をする
スタートアップ企業は、ビジネスの目標達成までの期間を短期間に設定するのが特徴です。
そして短い期間で世界が変革するような事業をおこなおうとするため、急成長が求められます。
その結果、わずか数年で莫大な額の価値評価がつく企業もあります。
成長曲線がJカーブになっている
スタートアップ企業は、事業の成長過程を表す成長曲線が、最初はマイナスでプラスへと急上昇する曲線を描く「Jカーブ」になっているのが特徴です。
スタートアップ企業はよくスモールビジネスと混同されがちですが、成長曲線には明確な違いが表れています。
なおスモールビジネスの成長曲線は、最初にマイナスになることがほぼなく、緩やかな右肩上がりの曲線を描くのが特徴です。
革新性(イノベーション)がある
多くのスタートアップ企業は、社会に変革を起こす規模の商品やサービスを新たに開発することを目標にしています。
たとえば、ネット通信販売サービスが開発される前は、実店舗での買い物のほか、各店舗への電話注文、カタログから選んではがきで注文するなど、商品の選択肢が限られるなかで買い物をする必要があり、時間や手間もかかっていました。
しかし、ネット通信販売サービスが開発されたことで、注文できる商品の選択肢が大幅に広がり、インターネットの接続ができれば自宅など好きな場所で好きなときに注文でき、指定の時間と場所へ届けてもらえるようになりました。
これは当時、社会に大きな変革を起こしたでしょう。
このように、スタートアップ企業は広い範囲の人々が問題だと認識しながらも解決策が見つかっていない課題の解決に取り組むことで、社会に新たな価値を提供し、人々の役に立てるイノベーションを起こすことを目標にしています。
出資はベンチャーキャピタルから受ける企業が多数
スタートアップ企業は事業の前例や実績がない企業が多いため、金融機関からの融資が困難な場合がほとんどです。
そのため、起業の際はベンチャーキャピタルから出資を受ける企業が多数あります。
場合によっては、エンジェル投資家と呼ばれる個人の投資家から出資を受けることもあります。
なお、金融機関から融資を受けた場合は返済義務がありますが、ベンチャーキャピタルから資金調達をした場合は返済義務が生じません。
関係者は多くの場面でハイリスクハイリターン
スタートアップ企業が目標を達成したとき、従業員は持っている自社株を売却することで利益を得ることができ、ベンチャーキャピタルはキャピタルゲインで大きな利益を手にする可能性が大いにあります。
しかし、スタートアップ企業の事業は未知への挑戦になるため、失敗するリスクが高く、ハイリスクハイリターンといえるでしょう。
場合によっては、目標を達成できずに倒産する可能性もあり、従業員が失職するリスクや出資者が大きな損害を被るなどのリスクがともないます。
IT関連企業が多い傾向にある
インターネットが普及するにつれて、IT技術の活用が求められる場面が増えました。
そのためIT技術には急成長が求められ、結果として急成長の様子を表した言葉である「スタートアップ」が生まれました。
このような背景があることから、スタートアップ企業にはIT関連企業が多いです。
スタートアップ企業とベンチャー企業の違い
スタートアップ企業とベンチャー企業は、以下の2つの共通点があります。
- 新しい商品、サービス、事業を展開する
- 経営規模が小さい
そのためスタートアップ企業とベンチャー企業は同じ意味で捉えられることも多いですが、以下のように明確に異なる点が3つあります。
スタートアップ企業とベンチャー企業の違いを解説します。
目標達成までの期間
スタートアップ企業は、目標達成までの期間を「短期間」に設定しています。
これに対しベンチャー企業は、「中長期」での目標達成を目指していることから、スタートアップ企業とベンチャー企業には目標達成までの期間に違いがあります。
事業の目標が社会に変革を起こすか否か
多くのスタートアップ企業は、今までにない新しい商品やサービスの開発を目標にし、社会や人々の暮らしに変革(イノベーション)を起こすことを目指します。
それに対し、ベンチャー企業は、既存のビジネスモデルを基本とし、そのなかで新しい商品やサービスを提供することを目標に設定します。
そして既存のビジネスモデルで、さらなる発展を目指したり収益性を上げたりすることを目標とします。
企業が従業員として求める人材が異なる
スタートアップ企業は短期間での目標達成を目指すため、組織づくりも重要です。
事業の成功を最優先に考えられる経営者・責任者を筆頭に、従業員には育成せずに即戦力となる人材が求められます。
それに対し、ベンチャー企業は、中長期での目標達成を目指すため、即戦力になる人材のほか、入社後に成長の余地がある人材も採用します。
スタートアップ企業と中小企業(スモールビジネス)の違い
スタートアップ企業と中小企業には、資本金や従業員数の定義などの違いがあります。
スタートアップ企業と中小企業の2つの違いを解説します。
資本金と従業員数の定義の違い
中小企業は、中小企業基本法によって資本金や従業員の数が定められています。
なお、定義に該当する資本金、従業員の数は業種によって異なります。
一方、スタートアップ企業には資本金や従業員の数による定義がありません。
よってスタートアップ企業と中小企業を見わける際は、資本金や従業員の定義の有無がポイントになります。
成功の確率と目標達成までの期間
スタートアップ企業は目標達成までが短期間なのに対し、中小企業は目標達成までの期間を中長期に設定しています。
さらに、スタートアップ企業は未知の領域でビジネスをおこない、成功のためには大きな変化やハイリスクをあえて選択することもあるため、成功するかどうかの確率を測るのは非常に困難です。
一方で中小企業は、既存のビジネスモデルに沿って着実に成功へと近づいていくため、成功への確率をおおよそ測ることができます。
スタートアップ企業の成功のポイント
スタートアップ企業が事業を成功させるためには、資金調達と人材採用の面でポイントがあります。
スタートアップ企業を成功させるための2つのポイントを見ていきましょう。
資金調達
起業の際、資金調達はビジネス成功の鍵になりますが、スタートアップ企業も例外ではありません。
スタートアップ企業は金融機関からの融資が困難なため、ベンチャーキャピタルや個人の投資家から資金を調達する必要があります。
しかし、不透明な事業目標では、出資者を納得させるのは困難です。
そのため、事業が目指す変革やビジネスモデルを明確にし、出資してもらえるよう説得することが求められます。
また、創業期と成長期では必要となる資金の額が異なるため、時期によって必要となる資金を明確にし、企業戦略などの説得材料を用意できるかという点も、成功の鍵となります。
人材の採用
スタートアップ企業で事業を成功させるためには、必要となる分野の専門家を獲得する必要があります。
変革を起こすためには、専門分野の知識や経験が豊富で即戦力になる人材が必要不可欠だからです。
さらに、スタートアップ企業は小規模であるため、個人の負担や裁量が大きくなることから、やりがいや大きな仕事への挑戦に前向きになれるかという点や、主体性の有無なども重要になります。
また、経営者と従業員との距離が近いことから、コミュニケーションを充実させ、深い信頼関係を築くことも大切になるでしょう。
スタートアップ企業は短期間に急成長しイノベーションを起こす
スタートアップ企業は、社会に変革を起こし、人々の役に立つ商品やサービスの開発を目標にします。
目標達成までの期間は短期間に設定され、達成のためには飛躍的な成長が求められます。
なお、スタートアップ企業はスモールビジネスやベンチャー企業と混同されがちですが、明確な違いがあるため、見極める際は参考にしましょう。
そしてスタートアップ企業を成功させるためには、資金調達や必要となる分野の専門知識と経験が豊富な人材の採用も重要です。
さらに、円滑な関係性を築くためのコミュニケーションも重要になるでしょう。
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