モンスタークレーマーとは?モンスタークレーマーの対応策と事例を解説
目次
モンスタークレーマーとは、不当や理不尽な理由でクレームをつける人のことをいいます。
モンスタークレーマーの存在は、国が対策のガイドラインを作成するほど問題となっています。
モンスタークレーマーに出会った場合に備えて、企業で対策を練っておくことが重要です。
モンスタークレーマーの対応で注意することや、事例について見ていきましょう。
モンスタークレーマーとは
モンスタークレーマーとは、組織の従業員に対して必要以上に不当に責めたり、金品を要求し脅したりする顧客のことをいいます。
クレームは、ホワイトゾーン、グレーゾーン、ブラックゾーンの三つに分けられます。
- ホワイトゾーン:正当で根拠のあるクレーム
- グレーゾーン:悪質なクレームかどうかの見極めがつきにくいもの
- ブラックゾーン:金品の請求など不当な要求をするクレーム
モンスタークレーマーは、ホワイトゾーンからグレーゾーン、ブラックゾーンに変化することがあり、一見すると分かりにくいのが特徴です。
モンスタークレーマーの特徴
モンスタークレーマーの事例や特徴について見ていきましょう。
大声で怒鳴る
モンスタークレーマーは、従業員に大声で怒鳴る特徴があります。
通常のクレームをおこなう際は、改善点を述べ策を求めるのが妥当でしょう。
しかし、必要以上に大声で怒鳴ると、従業員のみならず状況によってはほかのお客様も不快な気持ちになってしまいます。
脅す
モンスタークレーマーは、従業員を脅すような言動や態度をとり、理不尽な理由で金品を要求することがあります。
はじめはホワイトゾーンのクレームから始まり、徐々に店側や従業員を脅すような言葉が出てきたら、モンスタークレーマーであると判断してよいでしょう。
不当に責める
モンスタークレーマーは、従業員を不当に責めることがあります。
なぜこのような対応をしたのか、店側の管理に問題があるのではないかなど、従業員はさまざまな点で責められることがあるでしょう。
気になった点のみにクレームをつけるのは、通常のクレームとみなし、事項と関係ない点を持ち出して不当に責めるのは、モンスタークレーマーであると判断してください。
モンスタークレーマーの対応で注意すること
モンスタークレーマーの対応で注意すべき点について解説していきます。
出会ったらすぐにほかの従業員に報告する
モンスタークレーマーに出会ったら、すぐにほかの従業員に報告をしてください。
そして、企業としてどのような対応をするべきか上長に指示を仰ぎましょう。
また、どのような経緯で起こったかなどを覚えておく場合にも、一人でなく複数人でモンスタークレーマーとの対応をおこなってください。
クレーマーの言いなりにならない
従業員はモンスタークレーマーに不当な要求をされても、言いなりになってはいけません。
モンスタークレーマーの勢いや強い口調に圧倒されると、要求を飲みそうになることもあるでしょう。
しかし、一度要求を飲むと、さらに理不尽な要求をしてくることもあるので注意が必要です。
モンスタークレーマーに出会ったら、ほかの従業員に相談し、客観的な立場で不当な要求ではないか判断することをおこなってください。
事実確認をおこなう
モンスタークレーマーに出会ったら事実確認をおこないましょう。
モンスタークレーマーは、気持ちが高揚していることが多いため、述べている事実が誇張されていることがあるでしょう。
まずは、ひとつひとつの状況を確認し、述べていることが事実かどうかを確認してください。
事実と異なっていた場合、社内で事項を確認し適切な対応をおこないましょう。
クレームの内容は社内で細かく共有する
クレームの内容は社内で細かく共有をしてください。
また、従業員側の対応の仕方や、話の終着点なども細かく確認するようにしましょう。
どのような会話をしたのかを詳細に共有できると、再度同じようなモンスタークレーマーに出会った場合に、企業側での対策を立てやすくなります。
モンスタークレーマーの企業の対応策
モンスタークレーマーに対してできる企業の対応策を見ていきましょう。
従業員を一人で対応させないようにする
モンスタークレーマーに出会った場合は、従業員を一人で対応させないようにしましょう。
従業員を一人にさせると、モンスタークレーマー側の態度や言動が大きくなる場合があります。
また、従業員が複数人いることで個々の心理的負担が軽くなるというメリットがあります。
研修を実施しマニュアル整備をおこなう
モンスタークレーマーに出会った際の対応方法についてマニュアルを整備しましょう。
マニュアルだけでなく、従業員にモンスタークレーマーと出会ったときの対処方法について、研修などをおこなうのも効果的です。
従業員のストレスケアをおこなう
モンスタークレーマーに対応するとき、従業員には精神的に大きな負担がかかるため、従業員のストレスケアをおこなってください。
具体的には、セルフケアの方法を教えたり、モンスタークレーマーに出会ったときに相談ができる専門の窓口があったりするといいでしょう。
不当な要求は警察に頼る
モンスタークレーマーは、不当な理由をつけて金品を請求することもあります。
不要な要求は、店側で対応せず、警察に頼ることで適切な処置をおこなってください。
警察に相談することで、今後の予防策となり、同一人物が犯行することを防げるでしょう。
モンスタークレーマーによる事件の実例
モンスタークレーマーによる事件の実例を見ていきましょう。
顧客と対面での接客が多い小売業界の例を紹介します。
鮮魚市場での例
接客態度のクレームから始まり、従業員の解雇を要求した事例です。
鮮魚売り場で「焼き魚用があるか」との問いに、「鍋用でも焼き魚用になります」と答えたが、その接客態度が横柄と取られて苦情となった。
売場責任者がお詫びして「担当者を再教育します」と説明したが、従業員の解雇を要求してきた。[※1]
クレジットカードの申し込みの例
仕事の遂行についてのクレームから、謝罪文書の要求に発展しました。
男性客がクレジットカードの申込をして、指定された時間にカードを取りに来たが、手続き漏れで作成されていなかった。
再度手続きをしてカードを発行したが「仕事の仕方がいい加減だ」と怒り、謝罪と原因説明の文書をだせと要求された。[※1]
モンスタークレーマーは企業全体で対策を
モンスタークレーマーは近年重要な問題となっており、国で対策をとるべき課題となっています。
企業でも対応を徹底しておこない、事前に防げるようにしていきましょう。
モンスタークレーマーのようなトラブルにあった場合、細かい情報共有をして今後の対策を練ることが大切です。
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[※1]出典:厚生労働省「スーパーマーケット業界におけるカスタマーハラスメントの実態及び対応事例について」
https://www.mhlw.go.jp/content/11921000/000770524.pdf
※本記事は、2023年3月時点の情報をもとに作成しています。