部下の指導・育成方法のコツとは?部下の叱り方やポイントをタイプ別に解説
目次
長く会社に勤めていると、部下と一緒に仕事をする機会が増えてきます。
部下ができた際の悩みになりやすいのが、部下への指導方法や育成方法です。
部下への指導方法や育成方法を誤ってしまうと、人間関係の構築が困難になったり、信頼関係が築けなくなったりする恐れがあります。
部下の成長をうながしながら、良好な関係を築くことにつながる、部下の指導方法や育成方法のポイントを解説します。
部下の「指導」と「叱る」の違い
部下に対する「指導」とは、部下をある目的に向かって導くことです。
たとえば、営業目標を達成することや、プレゼンテーションを成功させることなどの目標に対して「指導」をおこないます。
一方で、部下を「叱る」ことは、部下の不適切な言動や行動に対し注意することです。
たとえば、顧客との約束の時間に遅れることや、提出書類の期限を厳守しないことなどに対し、「叱る」ことをします。
「指導」と「叱る」は、いずれも部下のためを考えておこないますが、「指導」は目標を前提に教え導くことが目的なのに対して、「叱る」は部下の言動の改善を目的としています。
部下の指導で意識すること
部下の指導をする際に、意識すべきことが6つあります。
誤って指導をした場合、部下との信頼関係が崩壊してしまう恐れがあるため、意識して指導することを心がけましょう。
部下の話を傾聴する
部下の話に耳を傾けることが大切です。
上司のなかには、部下から相談などがあった際、部下の話を遮り、自身の経験や知識を披露し、自身と同じやり方を強要する人がいます。
しかし、せっかく相談した部下に対して、話を遮り、同じやり方を強要してしまった場合、部下のモチベーション低下を招いたり、パワハラだと感じさせたりする恐れがあります。
まずは部下の話に耳を傾け、自身の意見を押し付けるのではなく、ひとつの提案として伝えることを心がけましょう。
部下の意見や考えを尊重する
部下が意見や考えを発したときに、最初から否定する上司がいます。
部下が一生懸命考えて発した意見を最初から否定してしまっては、部下は考える気力をなくしてしまう恐れがあります。
上司は、部下の意見や考えを尊重し、まずは部下の意見や考えを受け入れることを心がけましょう。
リスクのある意見や考えの場合でも、上司がリスクマネジメントをし、部下の挑戦のサポートをおこなうことで、失敗した場合も部下は失敗から学び成長する機会を得ることができます。
部下に思考させる
上司は、部下に思考させ、成長の機会を与えましょう。
なかには、自分でやったほうが早いからと部下の仕事を待たずに自ら仕事をこなしてしまう人がいます。
しかし、上司が部下の仕事を奪ってしまっては、部下はいつまでも成長の機会を得ることができず、成長意欲も削がれてしまう可能性があります。
部下の仕事は部下に任せ、部下の成長を見守りながら必要に応じたサポートをするようにしましょう。
部下を具体的に褒める
部下を褒めるときには、具体的に褒めるようにしましょう。
たとえば、会議で意見を発言した部下がいた場合、意見したことを褒めるだけでなく、意見の内容や、意見に対する会議参加者の反応をふまえて、具体的に褒めるようにしましょう。
上司が部下を具体的に褒めることで、部下は、上司が自分のことをしっかりと見ていてくれているという安心感を抱きます。
そうすることで、仕事に対するモチベーションアップや、自分なりの意見や行動をしやすくなるというメリットがあります。
間違えたら部下に謝罪する
上司も人間のため、間違いや失敗をすることがあります。
上司自身が間違いを犯した場合は、部下に素直に謝罪するようにしましょう。
上司がミスをして謝らない場合、部下は上司に対して不信感を抱き、信頼関係が崩壊する恐れがあります。
上司は部下との信頼関係を維持するためにも、言い訳に聞こえないよう簡潔に、素直に謝りましょう。
部下の業務のフィードバックをおこなう
上司は、部下の業務のフィードバックをおこなうようにしましょう。
たとえば、部下の営業活動に上司が同行したとします。
部下が主体となり営業をおこない、成約までつながった場合、上司がフィードバックをおこなわないと、部下は客観的な振り返りをすることができません。
上司が部下の営業方法で良かった点や改善したほうがいい点などをフィードバックすることで、部下の自信につながったり、次の仕事に活かしたりできるというメリットがあります。
部下の特徴に合わせた指導法
部下ひとり一人の特徴に合わせた指導法を採用することで、より最適に部下の指導をおこなうことができます。
特徴を4つに分類し、それぞれに最適な指導法を解説します。
仲間意識が強い部下
チームやグループ、担当部署などにおいて、仲間意識が強い部下の場合は、仲間と協力して目標達成を目指させる指導法が最適です。
目標が達成できなかった場合でも、仲間と共に業務をおこなえたことに満足感を得られるため、モチベーションにつながりやすいです。
単独での業務ではなく、チーム単位での業務を任せることが最適な指導法となります。
好きなことで意欲向上する部下
自分の好きなことで意欲向上する部下には、意欲がある業務を任せることが最適です。
自分が好きな業務を任されているため、大きな成果を生み出す可能性があります。
また、現時点では好きな業務ではなくても、興味をもった業務を任せることで、結果的に好きになったり得意分野になったりする可能性があります。
ライバル意識が強い部下
部下のなかには、同僚に対しライバル意識を強く持つ部下もいます。
ライバル意識が強い部下の場合は、ライバルとなる相手を近くに置き、常に意識させることが有用でしょう。
ライバルを常に意識させることで、ライバルより活躍したいという意欲が恒常的にうまれ、結果的に成果につながる可能性があります。
また、ライバルに勝つ体験をすることは、今後のモチベーション向上にもつながります。
目標があることで意欲向上する部下
目標があることで意欲向上する部下の場合は、達成が少し難しく感じるような目標を設定することが有用です。
難しい目標ほど達成しようという意欲が高まるため、部下の成長にもつながります。
評価の方法は、目標達成できたかの結果だけではなく、目標への取り組み方やプロセスも評価するようにしましょう。
部下を叱るときに意識すること
部下を叱るときは、相手のことを考えることが大切です。
「叱る」と似た言葉に「怒る」という言葉がありますが、「怒る」は、自分の抱いた不満や不快などの感情を相手にぶつけることを指します。
自分の感情をぶつける「怒る」ではなく、部下の言動の改善を考えて「叱る」ことができるように、次の7つの項目を心がけましょう。
人目がないところで叱る
部下を叱るときは、人目がないところを選びましょう。
ほかの同僚や上司がいるところで部下を叱ると、部下は羞恥心を抱き、叱る言葉が耳に入らない可能性があります。
また、周囲の目があることを気にし、叱っている上司に対して、怒りや恨みの感情を抱く可能性もあります。
部下の気持ちを考え、叱る際は人目がないところで叱るように心がけましょう。
具体的に示して叱る
部下を叱る際には、なぜ叱っているのか内容を具体的に示すようにしましょう。
具体的に伝えず叱るだけでは、部下は何が悪かったのか改善することができません。
部下との信頼関係を維持するためにも、具体的な内容を示して叱るようにしましょう。
短時間で叱る
部下を叱るときは、短時間で終わらせることを意識しましょう。
長時間叱ることで、部下の集中力が途切れ、叱った内容が正しく伝わらない恐れがあります。
「叱る」と「怒る」は違うことを念頭に置き、簡潔に、短時間で叱ることを心がけましょう。
人格否定や他人と比較をせず叱る
部下を叱る際に、注意する内容に関係のない部下のプライベートの話を出したり、同僚と比較したりする上司がいます。
部下の人格否定や他者との比較をすることは、仕事のモチベーション低下につながり、仕事全般への意欲に影響を及ぼす可能性があります。
人格否定や他人との比較はおこなわないように心がけましょう。
部下の話を聞く
部下を叱る際には、上司が一方的に話すのではなく、部下の話も聞くようにしましょう。
部下が話を切り出したときには、言い訳と決めつけて言葉を遮るのではなく、部下の話に耳を傾けましょう。
部下の話に耳を傾けることで、部下も上司の話をしっかり聞こうという気持ちになります。
また、部下が話す内容によっては、業務配分や職場環境の見直しが必要になる可能性もあります。
職場環境や業務の改善につながる可能性があるため、部下の話に耳を傾けることを意識しましょう。
部下にフォローの言葉をかける
叱られた部下は、叱られてしまったことに対しマイナスな感情を抱きやすいです。
叱られた当日やその後の数日間は、マイナスな感情を引きずる可能性があります。
部下がマイナスな感情を長く引きずらないためにも、叱ったあとはフォローの言葉をかけるようにしましょう。
部下のマイナスの感情をプラスに変え、仕事に対する意欲を向上させることも上司の重要な役割です。
相手に合わせた叱り方
部下とはいえ、相手が必ずしも年下だとは限りません。
また、性別や職歴の違いもあります。
相手に合わせた叱り方を意識することで、部下との信頼関係を崩さず、改善をうながすことができます。
新人への叱り方
新人を叱る際は、叱り方に注意が必要です。
お互いの性格などをよく知らないなかで、新人の言動を非難してしまうと、新人は自分のことを理解していない上司が、一方的に叱っていると受けとる可能性があります。
そうすると、部下は上司に対して悪印象を抱き、今後の信頼関係の構築が難しくなる恐れがあります。
新人に対しては、非難するのではなく、なぜ注意しているのかを具体的に伝えることを心がけましょう。
年長者・先輩への叱り方
年長者や先輩に注意することは心理的に難しいですが、叱る際は、上司の意見として伝える必要があります。
その際には、上司である自分のほうが立場が上だからと、相手を下に見るような叱り方はしないように注意しましょう。
人として敬意ある対応を心がける必要があります。
まずは部下との信頼関係を構築しよう
部下を指導する際は、部下の意見や考えを尊重したり、話を傾聴したりすることで、部下を成長に導くことができます。
また、相手に感情をぶつける「怒る」と、相手のことを考える「叱る」の違いを理解することで、部下を正しく叱ることができるでしょう。
部下を叱る際には、部下との信頼関係が構築されていれば、部下は上司の言葉に耳を傾けるようになります。
部下との信頼関係の構築に、ビジネスチャット「Chatwork」をご活用ください。
「Chatwork」はチャット形式で相手とコミュニケーションがとれるため、メールや電話よりも、相手と気軽にやりとりができます。
部下とチャットでつながっていれば、部下に悩みの有無などを気軽に聞くことができ、困っている様子であればアドバイスやヒントを送ることもできます。
絵文字の活用もできるため、感情などの共有もしやすいでしょう。
「Chatwork」を通じて、ぜひ部下との信頼関係を構築してください。
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