予実管理とは?予実管理の目的や効率的な方法を解説
目次
日々の業務をおこなうなかで、設定している予算と実績が乖離した原因が分からず、困ったことがある人もいるのではないでしょうか。
予実管理をおこなうことで、予算と実績が乖離した際にも、迅速な原因究明や修正が可能になります。
予実管理の目的や効率的におこなう方法、予実管理のポイントを解説します。
予実管理とは
予実管理とは、自社の予算と実績を管理することです。
予算と実績を管理することにより、目標を達成するためにどれほどの予算が必要かを推定することが可能です。
また予実管理をおこなうことで、部署別の予算割り振りや金額設定を詳細に定めることも可能になるため、予算と実績が精密に分析されていれば経営改善も期待できます。
予実管理をおこなうことは、予算と実績に乖離が発生した際の原因究明にかかっていた時間の短縮にもつながります。
予実管理が必要な理由
予実管理をおこなうことで、自社の経営状況を詳細に把握することができます。
たとえば、予算と実績に乖離が出た場合にも、予実管理をおこなっていれば、乖離が発生した要因を状況と照らし合わせて原因を突き止めることができます。
一方で、予実管理をおこなっていなかった場合、予算と実績に乖離が発生した時期の特定に時間を要したり、原因の究明が困難になったりします。
予実管理をおこなうことは、迅速な原因究明だけでなく、自社の課題の発掘にもなるため、よりよい経営をしていくことにつながります。
予実管理をおこなう手順
予実管理は4つの手順でおこないましょう。
予算目標を設定する
まずは予算目標を設定します。
予実管理は、設定した予算目標に対して、実績を創出していくためにおこなうものです。
予算目標を設定する際には、高すぎる目標や低すぎる目標ではなく、適切な目標を設定することが大切です。
会社の経営実績や成長観点から、達成できる目標を設定するようにしましょう。
予算を設定する
予算目標を設定したあとは、より具体的な予算設定が必要になります。
部門によっては、実績が時期に左右される可能性もあるため、一定期間だけを参考にするのではなく、全体像を把握して予算を設定するようにしましょう。
また、設定した予算が自社の目標に沿っているかの確認もおこないましょう。
月次決算をおこなう
予実管理は、月次決算で内容を確認します。
予実管理を月次でおこなうことにより、予算と実績の乖離に早急に気がつくことができ、対応策を講じられます。
また、売上額が好調だったとしても、発生した経費が多い場合、実際に手元に残る利益は少なくなってしまう可能性があるため、月次決算で予算と実績を確認する際には、営業利益を重視するようにしましょう。
予算と実績の乖離を分析・修正する
月次決算で、予算と実績の乖離を発見した場合、乖離の原因を分析し修正する必要があります。
自社で実績を出しているサービスや、実績を出せていないサービスが浮き彫りになるため、それぞれのサービスの売り出し方法を修正するなどの対応をおこないます。
予実管理をおこなうときのポイント
予実管理をおこなう際には、次の5つのポイントに注意しましょう。
予算の設定は適切にする
予算の設定は適切におこないましょう。
予実管理は、予算目標を達成することを目的におこなうため、高すぎる予算目標を設定してしまうと、従業員の業務意欲の低下につながります。
一方で、低すぎる予算を設定した場合、従業員の実力を正しく認識していないと思われ、業務意欲を損なわせてしまう恐れがあります。
従業員が、業務へのモチベーションを維持したまま、達成を目指せる目標を設定することが重要です。
予算設定は部門ごとにおこなう
予算設定は部門ごとにおこないましょう。
部門ごとに予算設定をすることで、部門ごとの予算と実績の乖離がわかるため、改善策を具体的に講じやすくなります。
また、減価償却費などの固定費が生じる場合は、あらかじめ費用の設定もおこなうようにしましょう。
大きな売上を創出した場合でも、費用が高ければ赤字になる可能性があります。
あらかじめ必要費用を設定しておくことは、経営改善のための原因究明に役立ちます。
リアルタイムに分析する
予実管理は、リアルタイムの分析をおこなうようにしましょう。
予算と実績に限らず、問題が発生した際には、迅速に対処しないと取り返しがつかなくなったり、原因究明に時間がかかったりします。
予実管理は月次決算でおこないますが、リアルタイムに分析するためにも、週次や日次で分析をおこなうことが有用です。
数字ではなく原因を重視する
予実管理をおこなうと、予算と実績の差異を数字で確認できるようになります。
そのため、数字の差異が広がったり縮まったりすることに一喜一憂することがあるかもしれません。
予実管理の目的は、数字を見ることではなく、数字から課題を発掘し、改善のためのアクションを設定することです。
数字に差異が発生したら、変化に落ち込むのではなく、なぜ差異が発生したのかという原因究明に重きを置き、予実管理の目的を見失わないようにしましょう。
PDCAサイクルをおこなう
予実管理は、PDCAサイクルを回すことも重要です。
そして、振り返りを元に再度計画をおこない、PDCAのサイクルを回します。
PDCAサイクルを回すことは、実行した内容の振り返りや評価を定期的におこなうことになるため、課題の発見や、改善策の発見がしやすくなるメリットがあります。
予実管理の失敗例
予実管理は経営改善に役立ちますが、予実管理をしっかりとおこなわないと失敗する可能性もあります。
予実管理の失敗例を確認し、同じ失敗をしないように注意しましょう。
数字を気にしすぎてしまう
予実管理は、予算と実績を数字で管理します。
表れた数字が目標値に沿っていたり、実績を上げられたりすると満足してしまいそうですが、ただ満足するのではなく、なぜ上手く実績を上げられているのかを分析することが大切です。
一方で、実績が上げられていない場合は原因を究明する必要があります。
ただ数字にこだわるのではなく、数字が表れた原因や理由にこだわるようにしましょう。
システム導入時の入力ミス
予実管理は、従業員がExcelなどに直接入力する方法もありますが、予実管理システムで管理する方法もあります。
予実管理システムを導入した際に、現状の予実管理のデータ入力を誤ってしまうと、予実管理ステムでの管理が正確にできなくなってしまいます。
予実管理システムを導入した際には、テスト稼働や導入前のシステムの研修を必ずおこなうようにしましょう。
目標達成のために低い予算を設定する
目標達成することが目的になってしまい、低い予算を目標に設定し、正確な予実管理ができなくなる可能性があります。
予実管理の予算目標は、高すぎる目標や低すぎる目標ではなく、適切な目標を設定することが大切です。
低すぎる予算を設定した場合、簡単に目標達成できてしまい、企業が抱える課題を浮き彫りにできない恐れもあります。
予実管理は経営改善に役立たせることもできるため、予実管理をおこなう際は、なぜおこなうのかの目的を意識して設定するようにしましょう。
予実管理を効率化する方法
予実管理は、システムを導入せずにExcelなどで管理することも可能です。
予実管理を効率化する方法を3つ紹介します。
Excel
Excelで予実管理をおこなう際には、予算と実績を記載することはもちろんですが、予算と実績の差異や、商品・サービス名なども表にまとめましょう。
商品やサービスごとに予算と実績の乖離がわかるため、売れている商品や売上が芳しくない商品がわかり、改善策も講じやすくなります。
Excelは表の数字をグラフにまとめることもできるため、視覚的にも分かりやすくなります。
しかし、Excelはクラウド型のツールではないため、企業によっては共有しやすいGoogleスプレッドシートのほうが向いている場合もあります。
SFA
SFA(Sales Force Automation)は営業支援システムのことです。
営業支援システムは名前のとおり、業務の進捗管理や顧客管理などができるシステムです。
SFAの機能のひとつに予実管理も含まれています。
SFAの予実管理は、部署や顧客、商品などのさまざまな項目から、予算と実績を管理できるため、項目ごとの分析もしやすいです。
また、予実管理を入力することにより、ほかの必要な項目にも情報を反映することができます。
SFAは予算と実績だけでなく、業務全般を管理したい場合に利用しやすいシステムです。
予実管理システム
予実管理システムは、予算と実績を管理するだけでなく、得た情報の分析や、今後の業績予想もできるシステムです。
また、新たに予実管理システムを導入した際に、すでに利用していた既存の予実管理データを自動で読み込み、システムに反映できる場合もあります。
大きな企業の場合は、予実管理のデータも大量となり、Excelなどではデータが重く、処理に時間がかかるというデメリットが発生する可能性があります。
しかし、予実管理システムを利用することで、大量のデータの処理が可能になります。
処理速度が遅いことで支障が出ていた業務スピードを改善することができます。
予実管理を適切におこなうためにChatworkを活用
予実管理は、予算と実績を適切に管理し、乖離が発生した場合には原因究明をおこない、企業の経営改善につなげるという目的があります。
予算は部門ごとに設定したり、適切な数値を目標にしたりする必要があるため、部門間の情報共有が欠かせません。
部門間で情報共有を密におこなうためにも、ビジネスチャット「Chatwork」を活用することをおすすめします。
Chatworkは、個人チャットだけでなく、グループチャットも作成できるチャットツールです。
部門ごとにグループチャットを作成することで、問題が発生した際にすぐにチャットを送り、原因究明を図ることが可能になります。
また、予実管理の状況のデータをそれぞれの部門にチャットで送信することもできるため、データを印刷して紙で回覧する手間もかかりません。
予実管理を適切におこなうためにも、「Chatwork」の活用をぜひご検討ください。
Chatwork(チャットワーク)は多くの企業に導入いただいているビジネスチャットです。あらゆる業種・職種で働く方のコミュニケーション円滑化・業務の効率化をご支援しています。