フリーミアムとは?メリット・デメリットを成功事例を用いて解説

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フリーミアムとは?メリット・デメリットを成功事例を用いて解説

目次

無料でサービスを利用開始できるため、導入の心理的ハードルが低く、新規顧客も獲得しやすいビジネスモデルに「フリーミアム」があります。

フリーミアムを利用して収益をつくるためには、顧客心理をうまく活用し、誘導することが重要です。

フリーミアムの4つのビジネスモデルや、メリット・デメリット、運用のポイントについて解説します。

フリーミアムとは

フリーミアムとは、基本機能を無料で提供し、より高度な機能やサービスについては有料で提供することで、利益を生み出すビジネスモデルのことです。

顧客は、基本機能をもつ無料サービスから利用をはじめることができるため、導入の心理的ハードルが低いことが特徴です。

また、フリーミアムは、無料でサービスを利用している顧客が、より機能的に使いたいと自然に思いやすい設計になっているため、有料サービスへ移行する顧客を獲得しやすいことも特徴としてあげられます。

 

サブスクリプションとの違い

フリーミアムとサブスクリプションの違いは、料金の支払いが発生するタイミングにあります。

サブスクリプションとは、月や年単位など、一定の期間に対して金額を払うことにより、サービスを自由に利用できる仕組みのことです。

サブスクリプションは、定められた期間に対して料金を払う仕組みのため、サービスを利用するすべての顧客が、料金を支払う必要があります。

一方で、フリーミアムは、基本機能の料金は無料、より高度なサービスを利用する場合のみ、金額が発生する仕組みのため、支払いが発生するのは一部のユーザーのみです。

 

無料トライアルとの違い

フリーミアムと無料トライアルの違いは、無料で利用できる期間に限りがあるかどうかです。

無料トライアルとは、本来は有料サービスであるものを、お試しとして、一定期間無料で利用できる仕組みのことです。

そのため、無料トライアルの期間が終了すれば、サービスは有料になるため、使い続けるかどうかは、顧客の意思にゆだねられます。

一方で、フリーミアムは、基本的機能を無料で提供する仕組みのため、追加で有料機能を利用しない限りは、サービスを使いつづけても料金は発生しません。

フリーミアムの4つのビジネスモデル

フリーミアムの4つのビジネスモデルについて解説します。

 

機能追加・制限解除型

フリーミアムのビジネスモデルのひとつとして、「機能追加・制限解除型」があります。

機能追加は、その名のとおり、無料で利用できる基本機能に加えて、より高度な機能を有料で追加するものです。

制限解除型とは、無料プランで表示されている広告を非表示にできる機能や、制限されている機能を解除して利用できるようにするものです。

このビジネスモデルは、顧客に対して、追加機能の魅力や、制限を解除することのメリットを、うまく伝えられるかで、有料サービスの移行率に大きな差が出ることが特徴です。

このビジネスモデルの例として、下記があげられます。

  • 音楽再生アプリで、再生時間の制限が解除される
  • アプリを起動するたびに表示される広告を非表示にする
 

容量追加型

追加料金を支払うと、サービス内の容量が追加できるビジネスモデルを、「容量追加型」といいます。

無料で利用できる分の容量が上限に達した場合でも、同じサービスを継続して利用したいと思った場合、顧客は容量追加の課金をすることを見こした課金モデルです。

このビジネスモデルの例として、下記があげられます。

  • 写真保存アプリで、保存可能な枚数が増える
  • ゲームアプリで、所持できるアイテムの数が増える
 

会員限定型

有料会員しか利用できないサービスを提供するビジネスモデルを「会員限定型」といいます。

有料会員になれば、金額以上の情報やサービスが得られると感じてもらうことが、顧客をとりこむポイントです。

このビジネスモデルは、ファンクラブや、情報公開サイトなどで広く活用されています。

  • 著名人のファンクラブで、会員限定のイベントをひらく
  • オンラインサロンで、会員限定のコンテンツの配信や、メンバー同士の会合をおこなう
 

都度課金型

基本機能の無料サービスを利用しながら、必要に応じて、追加機能やサービスに都度課金をするビジネスモデルを、「都度課金型」といいます。

利用したい場合のみ、金額が発生するビジネスモデルのため、頻繁に利用しない顧客にとっては、うれしいサービスといえるでしょう。

このビジネスモデルの例として、下記があげられます。

  • メッセージを送りあうアプリで、絵文字を課金して購入する
  • 情報提供サービスで、興味のあるコンテンツを課金して購入する

フリーミアムのメリット

フリーミアムのメリットを見ていきましょう。

 

新規ユーザーを獲得しやすい

無料で利用できるため、新規ユーザーを獲得しやすいというメリットがあります。

無料サービスを気に入ったユーザーが、追加機能や容量を購入するため、有料機能のリピート率が高く、支払いに対する満足度が高いことも特徴です。

一度獲得したユーザーは、長期的な顧客になることが多いです。

 

口コミで広がりやすい

基本サービスを無料で利用できるため、利用する人の母数が増えやすく、そのぶん口コミが広がりやすいというメリットがあります。

また、口コミの場合、サービスのリアルな評判がわかるため、サービスがよいものであれば、利用者が急増するでしょう。

利用者が増えれば、収益化できる確率も高まるため、口コミは重要な販路といえます。

 

購入ハードルを下げられる

無料で利用してから、有料化できるため、購入ハードルが低いというメリットもあります。

無料で使い勝手がよいとわかったら、さらに便利に利用するために、有料サービスにしたいと思うユーザーは多いでしょう。

フリーミアムのデメリット

フリーミアムのデメリットについて解説します。

 

利益を出すまでに時間がかかる

利益を創出するまでに時間がかかるというデメリットがあります。

フリーミアムで利益を出すためには、まず無料のサービスに満足してもらう必要があり、さらにそこから有料に移行してもらう必要があります。

また、無料で利用できる機能の範囲を広くしすぎてしまうと、顧客が無料機能で満足してしまい、収益化できない可能性も考えられます。

フリーミアムを活用する際は、あらかじめ、無料サービスから有料サービスに誘導するための時間や、フェーズの計画を立てて、実現性を高くしておくことが大切です。

 

事業によって向き不向きがある

製造業や商社など、事業によってはフリーミアムのビジネスモデルが適していない場合もあります。

「なんらかの物」に対して価値がつく製品には、物自体に価値があるため、商品の基本的な機能を無料で利用してもらうと、利益率が出にくくなる危険性があります。

一方、Web系商材(ソフトウェア、メディアなど)は、物質ではないため、機能制限や追加サービスをつけることで、利益を出すことができるでしょう。

フリーミアムを活用する際は、有料サービスへの転換は可能か、有料化するメリットをつくれるかなどを検討したうえで、導入するようにしましょう。

 

運用難易度が高い

フリーミアムは、運用難易度が高いことも、デメリットといえるでしょう。

フリーミアムで利益を創出するためには、無料サービスから有料サービスに移行してもらう必要があるため、企業には、顧客を有料サービスに誘導するマーケティング力が求められます。

フリーミアムを導入する際は、サービスの質はもちろん、マーケティング力や顧客心理の把握といったスキルも必須になります。

フリーミアムを成功させるポイント

フリーミアムを成功させるためのポイントは、「無料サービスの適切な範囲限定」と「有料版の無料トライアル実施」にあります。

フリーミアムは、無料サービスから有料サービスに顧客を移行させることで、利益が出るビジネスモデルのため、無料サービスを過剰に提供してしまうと、無料の機能のみで満足されてしまう可能性があります。

利益を創出するためには、基本的な機能は使えるけれど、効率的な利用をする場合は物足りないと感じてもらえるように、無料サービスの範囲を、適切に設定する必要があります。

適切な範囲を見極めるために、顧客のサービス使用状況を分析し、どの機能をよく使っているかや、使用時間が長いかなどの情報を解析します。

解析した情報をもとに、サービスのなかで、顧客が魅力を感じるポイントや、なくなったら困るポイントを有料化できるかを検討していきましょう。

また、「有料版の無料トライアル実施」に関しては、期間の縛りをつけたうえで、有料版のサービスすべてを無料で解放し、利用させる方法です。

有料版の使い勝手のよさを体感してもらうことで、有料版に移行させやすくなる効果があります。

フリーミアムの成功事例

フリーミアムの成功事例を解説します。

 

アプリゲーム制作企業

ゲームアプリを開発する企業では、都度課金型のビジネスモデルを活用して、継続的な収益獲得に成功しています。

この企業が提供するゲームは、課金しなくても、最後まで無料でゲームを進めることが可能です。

しかし、課金することで、強いアイテムやモンスターを手にいれることができ、より早くゲームを進められたり、強い相手と戦ったりすることができます。

無料で提供するコンテンツの充実さと面白さに夢中になる顧客が増え、スムーズに課金させることに成功した例です。

 

料理レシピ投稿・検索サービス運営企業

さまざまな料理のレシピが掲載されていて、誰でもレシピを投稿できる料理サイトの運営企業では、会員限定型のビジネスモデルを構築することで、収益化に成功しました。

有料会員になれば、人気料理や、調理時間での検索など、さまざまな絞り込み検索が可能となります。

また、有料会員限定で、専門家による料理レシピを参照できるようにすることで、健康面に気を配るユーザーの獲得にも成功しています。

料理の幅が広がり、献立を考えるのが楽になるというメリットから、有料コンテンツの顧客満足度も高いです。[※1]

 

ラジオサービス運営企業

ラジオサービス運営企業がとりくむ、ラジオ回線を提供しているアプリでは、制限解除型のビジネスモデルを活用しています。

無料サービスの場合、聴くことができるのは居住地域のラジオのみですが、有料版に課金すれば、全国すべてのラジオを聴けるようになります。

一般的なラジオは、居住地域以外の回線を聴くことは困難であるため、一定地域でしか放送されない番組や、さまざまな番組を聴きたい人は、使用満足度が高いと考えられます。

フリーミアムのメリットを理解したうえで活用しましょう

フリーミアムの実施は、新規顧客の開拓を狙っている企業にとっては、効果的なビジネスモデルでしょう。

活用する際は、収益化までに時間がかかることや、運営難易度が高いことなど、注意すべきデメリットも検討したうえで、導入しましょう。

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※本記事は、2022年7月時点の情報をもとに作成しています。


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