二段階認証の仕組みとは?設定のメリットや二要素認証との違い・注意点を解説

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二段階認証の仕組みとは?設定のメリットや二要素認証との違い・注意点を解説

目次

近年、さまざまなWebサービスで見聞きする二段階認証ですが、意味や目的がわからなかったり、手間を感じたりして、導入していない企業も多いかもしれません。

二段階認証は、セキュリティ対策強化などのメリットがあるため、セキュリティ対策が必要なWebサービスには導入を検討することをおすすめします。

二段階認証の仕組みや二要素認証との違い、導入するメリットデメリットと注意点を解説します。

二段階認証とは

二段階認証とは、Webサービスへのログインや登録内容の変更時に、本人以外からのアクセスを防ぐため二回にわけて本人確認を求めることです。

二段階認証をおこなうことで、他者からの不正アクセスを防げる可能性が高まり、セキュリティの向上につながります。

 

二段階認証の仕組み

二段階認証は、WebサービスのアカウントIDやパスワードを入力し、もう一度本人確認をおこなって認証する仕組みです。

アカウントIDとパスワードの再入力を求められたり、事前に設定しておいた、本人しか知らない「秘密の質問」に答えたりする認証があります。

ほかには、金融機関の利用時などに配布されるワンタイムパスワードのトークンや、携帯電話に送られてくるSMSなどの本人所有の物品が要素の認証や、指紋や顔などの生体認証があります。

 

二段階認証と二要素認証の違い

二段階認証は、本人確認を二段階おこなうことを指すため、認証方法は問いません。

しかし、二要素認証は、一段階目はIDとパスワード、二段階目は生体認証のように、認証方法の要素を変更しておこなうことを指します。

二要素認証も二段階で認証をおこなうため、二段階認証のなかに二要素認証が含まれることになります。

二段階認証を導入する重要性

インターネットが幅広く普及している現代において、二段階認証を導入することは重要です。

二段階認証を導入する重要性について解説します。

 

不正アクセス防止でセキュリティ対策

二段階認証を導入せず、IDとパスワードのみなど、一段階での認証の場合、パスワードなどを推測され不正アクセスされる恐れがあります。

総務省の資料によると、令和3年に発生した不正アクセスの認知件数は1516件、そのうち1492件が一般企業への不正アクセスでした。

不正アクセスされた場合、企業の機密情報を盗まれたり、不正送金されたりして損害を被る恐れがあるため、二段階認証を導入し被害を未然に防ぐことが重要です。[※1]

 

社会的信用を損なわないことにつながる

企業は多くの顧客情報をあつかっている場合が多いため、不正アクセスにより顧客情報を盗まれ、悪用される恐れがあります。

脆弱なセキュリティ対策により顧客情報が漏洩してしまうと、社会からの心象が悪くなり社会的信用を損なってしまうため、二段階認証の導入は検討すべきでしょう。

二段階認証の種類

二段階認証にあるさまざまな種類を解説します。

 

メール・音声通話

メールに認証コードが送られてきたり、着信でコードが伝えられたりする二段階認証の方法です。

メールの受信や着信のため、二段階認証コード発行にかかるコストがかからないでしょう。

 

SMS

SMSを利用して発行した認証コードは、Webサービスに登録されている携帯番号宛に送られてくるため、携帯電話を持っている人のみがコードを確認できます。

SMS二段階認証の場合、携帯電話が本人の所有物のため、不正アクセス者に突破される恐れは低いでしょう。

 

アプリ

二段階認証をおこなうためのアプリもあります。

IDとパスワードで一段階目の本人確認をしたあと、アプリを起動し表示されている認証コードを指定箇所に入力したり、二次元バーコードを読みとったりして、二段階認証をおこないます。

 

トークン

トークンとは、金融機関利用時などに配布される、ワンタイムパスワードを発行するデバイスのことです。

デバイスのボタンを押して表示されたワンタイムパスワードを、指定箇所に入力することで二段階認証をおこないます。

トークンの形態にもよりますが、導入コストがかかります。

 

USB

USBメモリ型の二段階認証用のデバイスで、事前にWebサービスと連携しておくことで二段階認証をおこなえます。

USBポートに差すだけでなく、Bluetoothを利用したり、スマートフォンの場合はかざしたりして認証できます。

USBもトークンと同様、導入コストがかかります。

二段階認証を導入するメリット

二段階認証を導入するメリットを解説します。

 

ハッキングやなりすましを防げる

二段階認証を導入することで、本人確認が二段階にわたっておこなわれます。

そのため、不正アクセス者に一段階目のIDとパスワード認証を突破された場合でも、二段階目の認証でブロックできる可能性が高いです。

二段階認証の方法はSMSやトークン、指紋や顔の生体認証などさまざまなため、セキュリティレベルにあわせて二段階認証の種類を使いわけるといいでしょう。

 

パスワードの複雑さを緩和できる

二段階認証を導入していない場合、不正アクセスをされないために一段階目の認証であるパスワードを複雑にしておく必要があります。

しかし、Webサービスは多数あるため、複雑なパスワードを複数記憶しておくことは容易ではなく、メモに残した場合は紛失の恐れがあるため管理が難しいでしょう。

二段階認証を導入することで、一段階目の認証突破で不正アクセスされなくなるため、パスワードの複雑さを緩和でき、メモも不要となることでセキュリティ対策につながります。

二段階認証を導入するデメリット

二段階認証を導入するデメリットを解説します。

 

コスト・手間がかかる

導入する二段階認証の種類によってはコストがかかるため、二段階認証の導入を検討しているWebサービスのセキュリティ対策レベルにより、二段階認証の種類を見極めるといいでしょう。

また、二段階認証は、携帯電話やトークンなどをもちいて二段階で本人確認をおこなうため、Webサービスにアクセスするまでに手間がかかります。

二段階認証の手間により社員の業務効率が悪くならないために、利用しているWebサービスに二段階認証の導入が必要か否かを、事前に検討することが大切です。

 

二段階認証をおこなえない恐れがある

二段階認証は、本人所有の携帯電話に認証コードが送られてきたり、トークンでコードを発行したりしておこなうため、携帯電話を家に忘れるなどして手元にない場合は、二段階認証をおこなえない恐れがあります。

また、トークンやUSBを鍵付きのデスクなどで保管している場合は、鍵の破損によってデスクを開けられず、二段階認証を迅速におこなえないリスクもあるでしょう。

二段階認証を導入した際の注意点

二段階認証の導入によりセキュリティは向上しますが、万全になったわけではありません。

二段階認証を導入した際の注意点を把握し、より強固なセキュリティ対策を心がけましょう。

 

紛失に気をつける

二段階認証のなかには、SMSやトークンなど、本人の所有物により認証する方法があるため、必要なデバイスを紛失した場合、認証をおこなえなくなる恐れがあります。

二段階認証をおこなえない場合、登録情報をリセットする必要があり手間がかかるため、紛失しないようにデバイスの管理を徹底することが重要です。

また、デバイスの紛失リスクに備えて、二段階認証の方法を複数設定しておくことも効果的でしょう。

 

フィッシング詐欺やウイルスに気をつける

二段階認証は、不正アクセスによるハッキングやなりすましの防止につながりますが、フィッシング詐欺やウイルスの防止はできないため、注意が必要です。

怪しいURLはクリックしない、ウイルス対策ソフトを導入するなど、不正アクセス以外のセキュリティ対策も十分におこなうことが、サイバー攻撃から自社を守ることにつながります。

二段階認証でセキュリティを強化しよう

二段階認証は、IDとパスワードの入力という一段階の本人確認ではなく、SMSやトークン、指紋などをもちいて二段階に本人確認をし、セキュリティを強化する方法のことです。

二段階認証は不正アクセスを防止し、企業情報や顧客情報を守ることにつながるというメリットがあります。

一方で、デバイスがないと二段階認証をおこなえなかったり、手間が生じたりというデメリットもあるため、セキュリティ対策レベルの観点から、二段階認証を導入するWebサービスを見極める必要があるでしょう。

必要なセキュリティ対策は二段階認証の導入で徹底的に実施し、企業と顧客をサイバー攻撃から守りましょう。

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[※1]出典:総務省「不正アクセス行為の発生状況」
https://www.soumu.go.jp/main_content/000807446.pdf
※本記事は、2022年7月時点の情報をもとに作成しています。


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