カルチャーフィットとは?採用面接に活用するメリット・見極める方法を解説

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カルチャーフィットとは?採用面接に活用するメリット・見極める方法を解説

目次

カルチャーフィットは、自社の文化に合う人材を見つけるときに重要な手法のひとつです。

従業員が早期離職すると、企業にとっては採用コストがかかるデメリットがあります。

事前にどのくらい価値観が一致するのかを判断できれば、入社後のミスマッチを防ぎやすくなるでしょう。

採用面接にカルチャーフィットを活用するメリットと見極める方法を解説します。

カルチャーフィットとは?

カルチャーフィットとは、企業の文化(カルチャー)にどのくらい価値観が一致する(フィット)のかを見極める指標です。

人材採用の手法として活用されており、採用のミスマッチによる早期離職を防ぐ効果が期待できます。

カルチャーフィットする人材は、従業員同士の価値観が一致しやすいため、チームワークを発揮して働きやすいメリットがあります。

カルチャーフィット切りについて

カルチャーフィット切りとは、採用選考において、企業独自の文化に合わない人材を不採用にすることを指します。

企業の文化に馴染めないと、仕事に対する姿勢や価値観が合わないと感じてしまい、早期離職が起きるリスクが高くなります。

企業と従業員の両方にとって、早期離職は避けたいポイントになるので、担当者は採用選考時にカルチャーフィットを見極めることが重要です。

スキルフィットとの違い

スキルフィットとは、企業が求めるスキルと一致する人材を見極めるときに使う指標です。

一方、カルチャーフィットは、企業の文化に馴染めるかを見極める指標という違いがあります。

自社の文化に対する理解と、求めるスキルの両方を持ち合わせた人材を採用することで、従業員が長期的に活躍できる職場づくりを目指せます。

カルチャーフィットが必要な背景

なぜカルチャーフィットが求められるのか、背景について解説します。

早期離職の予防

企業の文化に合わないことが理由で、早期離職につながることがあります。

厚生労働省の調査によると、令和2年度の就職後3年以内の離職率は、新規大卒就職者で約31.2%という結果でした。

企業の文化に馴染める人材を採用することは、従業員を定着化させるためにも重要です。[※1]

働き方の多様化

昨今では、新型コロナウイルス感染症の影響で、リモートワークが普及している傾向にあります。

遠方にいるメンバー同士でチームワークを発揮するには、カルチャーフィットしていることが重要です。

メンバー同士の価値観や行動基準が一致するので、スムーズに意思疎通ができて業務効率化を図る効果が期待できます。

売り手市場の影響

厚生労働省の発表によると、日本の生産年齢人口は減少傾向にあることがわかっています。

また、近年は売り手市場の傾向があるため、求職者が企業を選択できる自由度が高まっています。

人材が競合他社に流れる状況を防ぐには、自社にカルチャーフィットする人材を見つけて、定着化を図れる体制を整えることが重要です。[※2]

カルチャーフィットによるメリット

カルチャーフィットにどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。

生産性の向上につながる

自社の文化と従業員の価値観が一致すると、事業活動の方向性に納得しながら仕事を進められます。

また、従業員同士の価値観が近く、人間関係の衝突を減らせるため、円滑にコミュニケーションをとりやすくなるでしょう。

仕事の意思疎通に無駄がなくなり、生産性の向上に期待できます。

離職率の低下につながる

カルチャーフィットする人材を採用できると、企業の文化や価値観に共感できるので、ミスマッチが減らせて早期離職を予防できます。

入社後に「企業の雰囲気と合わない」と感じる状況を減らせるため、離職率を低下させる効果が期待できるでしょう。

モチベーションの向上に期待できる

自社の文化や価値観に合う人材は、仕事の方向性に疑問を覚える機会が減ります。

職場環境に適応しやすくなるため、仕事に早く馴染めて、モチベーションを低下させることなく業務に集中できるでしょう。

カルチャーフィットしない場合のデメリット

カルチャーフィットしないデメリットについて詳細を見ていきましょう。

離職率が高まって採用コストが増える

企業が従業員を雇用するには、人材募集をかけるときの広告費や入社後の教育費など、多くのコストがかかります。

カルチャーフィットしないと、企業の文化に合わないことが多くなり、人材が定着しないリスクが高まるでしょう。

離職率が上がり、採用コストを無駄にする悪循環を招きやすくなります。

チームで連携できなくなる

カルチャーフィットしない人材が集まった場合、価値観の違いで人間関係の雰囲気が悪くなることがあります。

仕事の進め方や方向性に理解を示せないと、意思疎通を図るのが難しくなり、チームワークを発揮できなくなるでしょう。

多様性が失われる場合がある

カルチャーフィットで採用を進める弊害として、従業員同士の価値観が近いことがあげられます。

斬新なアイデアが生まれづらくなり、新しい視点や発想が失われてしまう懸念があるでしょう。

人材の多様性が失われてしまうと、企業の成長に必要なアイデアが出てこないリスクを抱えてしまうことがあります。

社内でカルチャーフィットを醸成する方法

社内でカルチャーフィットを醸成する方法について見ていきましょう。

カルチャーを言語化して社内に周知する

自社の文化という言葉だけでは、カルチャーフィットの概要をイメージしづらく、内容を理解できないことがあります。

従業員全体でカルチャーを共有するには、言葉にして周知する習慣づくりが重要です。

従業員にカードを配布する方法、朝礼で読み上げて意識を高める方法など、自社で実践しやすい方法から始めてみてください。

社内研修を実施する

カルチャーを浸透させる目的を理解してもらうには、従業員に向けて定期的な研修を実施することが重要です。

管理職が中心になって従業員に浸透することで、自社の行動規範や価値観を少しずつ認知してもらえる機会につながります。

カルチャーフィットする人材を面接で見極める方法

自社の文化に合う人材を見つけるためにも、どのような方法を使うとよいのでしょうか。

カルチャーフィットする人材を面接で見極める方法を見ていきましょう。

カルチャーの定義やペルソナを決める

まずは自社のカルチャーについて、言語化して明確にすることが重要です。

カルチャーの認識を共有しやすくなり、選考を進めるときの判断基準にできます。

また、自社のカルチャーに合うペルソナを設定しておくことで、より具体的にイメージを共有できるでしょう。

作成するときのコツとして、優秀な従業員を参考にすることで、具体的なペルソナを想定しやすくなります。

価値観の評価や適性検査を実施する

カルチャーの定義やペルソナを決めたあとは、実際に採用選考でカルチャーフィットする人材を評価していきます。

応募者の価値観を判断するために、過去の経験や価値基準に関する質問をしましょう。

適性検査はカルチャーフィットだけでなく、スキルフィットの両方を実施することで、デメリットを補うことが可能です。

イベント・ワークショップを活用する

自社のイベント・ワークショップを実施して、応募者の適性を判断していきます。

実際に仕事を体験してもらったり、先輩社員と話し合う機会を設けたりすることで、応募者の性格や価値観を知る機会にできるでしょう。

人事・現場の社員を含めて面談する

採用面接では、人事担当者だけでなく、現場で直属の上司になる社員を含めて行いましょう。

従業員によって応募者の見方が変わるため、さまざまな担当者の視点を入れることで、より自社にカルチャーフィットする人材を見極めやすくなります。

リファレンスチェックで応募者の経歴をさかのぼり、前職の企業に問い合わせて確認する方法もあるので、多角的な視点から探っていきましょう。

自社のカルチャーについて問う

カルチャーフィットするのか確かめたいときは、応募者に質問を投げかけます。

「弊社のカルチャー(企業理念)について、どのように感じていますか?」

「弊社のカルチャー(企業理念)について、知っていることがあればお聞かせください」

応募者がどのくらい自社の情報を理解しているのか、判断する材料にできます。

逆質問を投げかける

応募者の価値観を掘り下げたいときは「何か質問はありますか?」と、逆質問を投げかける方法が有効です。

企業にとって、入社したい熱意を確かめられるだけでなく、応募者がどのような価値観や考え方をしているのかを判断する材料になります。

STAR型面接を使う

STAR型面接は、応募者の働き方に対する価値観を掘り下げるときにおすすめです。

具体的には、下記の4項目を使って、過去の仕事に関する質問を投げかけます。

  • 当時の状況(Situation):前職の職場は、どのような状況がありましたか?
  • 当時の課題(Task):当時の課題について教えてください。
  • 課題解消に向けた行動(Action):課題をどのように解決しましたか?
  • 得られた結果(Results):具体的な成果を教えてください。

応募者の課題解決に向けた行動や価値観が知れるため、自社に入社したときのイメージをしやすくなり、カルチャーフィットを見極められます。

カルチャーフィットした人材採用の成功事例

スキルマーケット事業の事例では、採用選考において共感採用を実践しています。

共感採用とは、自社のビジョンなどに共感しているかを判断する方法です。

自社のカルチャーに合うかどうかを検討するために、独自の質問項目を設けて、創業者が最終面接を実施する流れです。

自社のカルチャーをまとめた冊子を作成して配布するなど、ミスマッチを防ぐための対策が整っています。

カルチャーフィットは人材の定着化に重要

カルチャーフィットする人材を採用することで、離職率を低下させる効果が期待できます。

カルチャーフィットを見極めるときは、現場の担当者を含めて面接をしたり、ワークショップで適性検査をしたりするなど、さまざまな方法を活用しましょう。

社内で採用に関わる情報共有をするときは、ビジネスチャット「Chatwork」を活用する方法がおすすめです。

人材に関わる情報をスムーズに共有できるので、情報の抜け漏れを防ぐ効果が期待できます。

カルチャーフィットの情報共有を効率化したいときは、Chatworkをご活用ください。

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[※1]出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況を公表します」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00004.html
[※2]出典:厚生労働省「日本の人口の推移」
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/shakaihoshou/dl/07.pdf
※本記事は、2022年7月時点の情報をもとに作成しています。


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Chatworkのお役立ちコラム編集部です。 ワークスタイルの変化にともなう、働き方の変化や組織のあり方をはじめ、ビジネスコミュニケーションの方法や業務効率化の手段について発信していきます。


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