オープンイノベーションの意味とは?重要性や成功事例をわかりやすく解説
目次
オープンイノベーションとは、自社を含めた外部の技術を導入して、商品開発や組織改革などを進めることです。
外部の企業や研究機関と連携を図ることで、新しい事業のアイデアを生み出すチャンスにつながります。
自社開発を進めるよりも、コストや開発期間を短縮しやすいメリットがあるでしょう。
オープンイノベーションの重要性や特徴、種類、企業の成功事例を解説します。
オープンイノベーションの定義
オープンイノベーションとは、自社を含めた外部の技術を導入して、商品開発や組織改革などを進めることです。
外部からの協力体制を得ることで、従来では実現できなかった新規事業や技術を生み出せます。
企業の事業活動を発展させるためにも、オープンイノベーションを活用して、新しい挑戦を続けていく姿勢が必要です。
オープンイノベーションの重要性
社会のグローバル化や情報技術の活用により、求められるニーズが変化し続けています。
時代の影響を受けて、プロダクト・ライフサイクル(市場に商品を導入して衰退するまでの期間)が短期化している背景もあげられます。
時代の流れに対応できる経営を進めるためにも、オープンイノベーションによる技術革新が重要視されているのです。
クローズドイノベーションとの違い
クローズドイノベーションとは、自社の技術のみを活用して、商品開発や組織改革などを図る方法です。
たとえば、開発にかかる費用や人材、アイデアなどについて、外部の力を借りるのではなく、基本的に自社内で完結させるという特徴があります。
一方、オープンイノベーションは、社外にアイデアを求めて協力体制を整える形で、イノベーションを起こすという違いがあります。
オープンイノベーションの日本と海外の現状
日本企業におけるオープンイノベーションの実施率は、海外に比べると低い傾向があります。
海外企業では、起業家やスタートアップ企業と協力体制を図る傾向が高いものの、日本企業では低い傾向があるのです。
また、日本においては、企業の総研究費に対する大学への拠出割合が低い傾向があるなど、海外と比べたときに普及できていない現状があります。[※1]
オープンイノベーションの特徴
オープンイノベーションにどのような特徴があるのか見ていきましょう。
人材
社内と社外のさまざまな優秀な人材と協力し合い、商品開発や組織改革の実現を目指します。
自社の事業活動とは違う業種、立場の人と働ける機会ができるため、社員にとっても刺激がもらえる機会につながるでしょう。
知的財産
社内の技術や特許に関わる知的財産について、交渉の取引や外部活用の目的で、オープンにしていくことが推奨されています。
自社で使われなくなった技術や特許を情報開示することで、新しいビジネスチャンスを掴めるなど、事業活動を発展させる機会にできるでしょう。
アイデア・マインド
外部からの新しいアイデアやマインドをとりいれて、商品開発や組織改革を進めていきます。
企業の事業内容に合わせて、調整やアレンジをしながら有効活用していく流れです。
研究
外部の研究機関に協力体制を求めることで、自社で研究開発するコストを削減できます。
市場のニーズに幅広く対応したいときにおすすめです。
市場
オープンイノベーションに対応できる市場を探すことで、新しい市場を開拓できます。
市場を開拓することで、従来では関わる機会がなかった企業との関係性を構築できるでしょう。
オープンイノベーションの種類
オープンイノベーションの種類について見ていきましょう。
インバウンド
自社に足りない技術面に対して、外部の技術を導入して商品開発や組織改革などを進めていきます。
例としては、他社の特許やノウハウを導入して、オープンイノベーションを実施する方法があります。
アウトバウンド
自社の技術をオープンにすることで、外部から新しい技術革新のアイデアを募る方法です。
自社の特許を外部と取引して、売却する方法などが当てはまります。
連携
インバウンドとアウトバンドを合わせて、イノベーションを実現させていく方法です。
自社と外部の両方の技術力を活用しながら、商品開発や組織改革などを実施していきます。
オープンイノベーションのメリット
企業がオープンイノベーションを導入するメリットを見ていきましょう。
コスト削減ができる
外部の技術やアイデアを借りることができると、開発やマーケティングにかかるコストを削減する効果が期待できます。
自社で人材を雇用して育成する手間を省けるため、短期間かつ最小限の労力で新規事業を展開できるでしょう。
事業のスピード感が高まる
自社にはない知識や技術を得られるため、自社だけで改善策を図るよりも、スピード感をもって事業改善を図りやすくなります。
市場のニーズの変化が激しい時代に合わせた経営を進められるでしょう。
スキル・技術の習得につながる
外部の企業や研究機関と連携することで、新しいスキルや技術を習得する機会につながります。
オープンイノベーション以外の場面でも、外部から習得した技術を活かして、今後の経営改善に活かす工夫にできるでしょう。
オープンイノベーションのデメリット
企業がオープンイノベーションを導入するデメリットを見ていきましょう。
利益が低下する恐れがある
外部の企業と協同開発を進めていくため、すべての利益を回収できない可能性があります。
金銭トラブルを避けるためにも、事前に契約を交わして、利益率を回収できる仕組みを整えておくことが重要です。
アイデア・技術の情報が漏れることがある
オープンイノベーションを図ることによって、外部に知られたくないアイデアや技術が漏れることがあります。
外部に情報漏洩させないためには、自社の知識や技術に関わる内容について、公開の範囲を決めて契約を交わしておくことが重要です。
開発力が低下する可能性がある
外部の技術力に依存してしまうと、自社の課題に向き合う機会が減ってしまい、自社の開発力が低下してしまう恐れがあります。
オープンイノベーションとクローズドイノベーションを戦略ごとにわけて活用することで、開発力や競争力を低下させない工夫にできるでしょう。
オープンイノベーションの課題
オープンイノベーションにどのような課題があるのかみていきましょう。
社外・社内との連携がとれていない
社外と社内の人材同士で連携できていないと、開発の目標期限までに完成することが難しくなり、オープンイノベーションの実現から遠ざかります。
また、社内の社員に向けて説明が不十分にならないように、事前に導入する意図を伝えておくことが大切です。
組織の構築・人材活用ができていない
オープンイノベーションを実現するために、人材を適切に配置して組織を構築していく必要があります。
開発に必要な技術をもつ人材を確保できているのか、導入前に検討してチームを組んでいくことが重要です。
目的が明確化できていない
オープンイノベーションの導入について、利益を優先して導入を進めてしまうと、目的や方向性を定められずに、失敗するリスクを抱えてしまいます。
外部の技術を借りながらも、目標や目的を明確にして、受け身でなく積極的な姿勢で開発に関わっていくことが重要です。
企業におけるオープンイノベーションの成功事例
オープンイノベーションの成功事例について、日本と海外の事例から見ていきましょう。
日本の事例
電気機器メーカーの事例では、大学やスタートアップ企業など、幅広い外部機関や人々と連携して、オープンイノベーションを実現させています。
自社の技術基盤と外部のノウハウを活かす形で、新しい価値を提供できている事例です。
海外の事例
消費財メーカーの事例では、業績悪化の改善策として、市場のニーズを満たす多くの商品開発を進めました。
具体的には、外部からのアイデア募集や共同開発をとりいれることで、オープンイノベーションを実現させた事例です。
オープンイノベーションは商品開発や組織改革に重要
オープンイノベーションを導入することで、外部から知識や技術を獲得できるチャンスが生まれます。
自社の資源と外部のノウハウを最大限に活用しながら、商品開発や組織改革を進めましょう。
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[※1]国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO):オープンイノベーション白書(第二版)の概要
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/sangyo_gijutsu/pdf/007_03_00.pdf