フィジビリティとは?意味や使い方、フィジビリティスタディについて解説

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フィジビリティとは?意味や使い方、フィジビリティスタディについて解説

目次

フィジビリティとは「実現可能性」を表し、主にビジネスシーンで使われる用語のひとつです。

新規事業を企画・開発する際などに、実現可能性を調査することをフィジビリティスタディといいます。

フィジビリティをはじめとして、ビジネスシーンで使うカタカナ語の意味をしっかり把握しておくと、業務に役立つこともあるでしょう。

本記事では、フィジビリティの基本的な意味から、具体的な活用シーン、そしてフィジビリティスタディの進め方や成功事例について詳しく解説します。

フィジビリティの意味

フィジビリティ(feasibility)とは、「実現できる可能性」という意味を表す英単語で、プロジェクトや計画が実現可能かどうかを評価する概念のことを指します。

ビジネスシーンにおいては、主に以下のような意味で使われます。

  • 実現可能性
  • 実現見込み
  • 実行可能性

フィージビリティと呼ぶ場合もあります。

フィジビリティの活用シーンと例文

フィジビリティという言葉は、新しい商品やサービス、新規事業の企画・開発のシーンでよく使われます。

「企画・開発しているプロジェクトの実現可能性がどれくらいあるのか」などを議論するシーンで、よく使用されます。

フィジビリティを使った例文は以下のとおりです。

  • 先日、企画会議で提案された事業は大変魅力的ではあるが、フィジビリティにやや問題がある。
  • 新サービスについて複数の案が出たが、次回の会議ではそれぞれのフィジビリティについて検討しよう。
  • フィジビリティの高さを事前に十分議論していたため、新しい企画は現在のところスムーズに進行している。

フィジビリティスタディとは

フィジビリティスタディとは、フィジビリティすなわち実現可能性を調査することです。

日本語では「実現可能性調査」「実行可能性調査」と呼ばれています。

また「Feasibility Study」の頭文字をとって「FS」や「F/S」と表記されることもあります。

フィジビリティスタディをおこなう目的

フィジビリティスタディは、新しい商品やサービス、新規事業の企画・開発が失敗しないための調査や検討が目的です。

新しいプロジェクトの実行には、さまざまなリスクが想定されます。

技術的に実現可能なのか、経済面において採算がとれるプロジェクトなのかといった検討は欠かせません。

実現が可能な場合においても、事前にフィジビリティスタディをおこなっていると課題が明確になっているため、プロジェクトの進行に役立ちます。

フィジビリティスタディの歴史

フィジビリティスタディの起源は、1933年のアメリカにさかのぼります。

ルーズベルト大統領によるテネシー川流域開発公社(TVA)設立のプロジェクトが始まりといわれており、プロジェクトは32個のダム建設を中心とした大規模なもので、世界恐慌の対策として実施されたニューディール政策のひとつでした。

技術的な実現可能性はもちろん、経済面や政治面におけるフィジビリティスタディをおこない、プロジェクトの成功率上昇に役立ったとされています。

フィジビリティスタディにおける4つの要素

フィジビリティスタディには、以下の4つの要素があります。

  1. 財務的な要素
  2. 業界や市場での要素
  3. 技術的な要素
  4. 運用面での要素

ひとつずつくわしく解説します。

財務的な要素

フィジビリティスタディにおける財務的な要素とは、プロジェクトに必要な資金、財務面での実現可能性を指します。

新しいプロジェクトにかかる費用や採算性の検討は、フィジビリティをはかるうえで重要な要素です。

実際にかかる投資額からどの程度の利益を得るか予想する「投資収益率(ROI)」という指標が使われる場合もあります。

業界や市場での要素

業界の流行、市況感や競合の存在など業界の要素を捉えることも、フィジビリティスタディにおいて重要です。

また、業界や市場は政治や社会情勢、法規制の影響も受けるため、これらも含めてフィジビリティスタディをおこなうのがよいでしょう。

技術的な要素

フィジビリティスタディでは、新しい商品をつくる際に自社の技術力で生産できるのかという評価もおこないます。

具体的には、施設や設備は整っているか、技術をもった人材が足りているかに注目して技術的な要素を評価します。

運用面での要素

新商品やサービスの提供、新規事業の開発など、新プロジェクトの進行は長期間に及ぶ可能性もあります。

新プロジェクトが目的を達成するまでに必要な知識やノウハウはあるか、人員や部署は足りているかという運用面での要素もフィジビリティスタディにおいて重要です。

さらに、運用時に適用される法的要件の精査も必要となるでしょう。

フィジビリティスタディの進め方

フィジビリティスタディは、以下の5つのステップで進めます。

  • ステップ(1):課題の明確化
  • ステップ(2):解決に向けたプロセスの決定
  • ステップ(3):代替案の作成
  • ステップ(4):評価項目の設定
  • ステップ(5):フィジビリティスタディの結果を評価

それぞれのステップをくわしく見ていきましょう。

ステップ(1):課題の明確化

はじめにプロジェクトを進めるうえで、どのような課題や問題が想定されるのか明確化します。

フィジビリティスタディの4つの要素を意識しながらおこなうと、課題の明確化がスムーズとなります。

課題の明確化をおこなうときは、プロジェクトにかかわっていない人など誰でも理解できるレベルまでくわしく定義付けし明確にしておきましょう。

できるだけ詳細に分解することで、次のステップにつなげやすくなります。

ステップ(2):解決に向けたプロセスの決定

次のステップでは、課題解決のために必要なものを挙げていきます。

具体的には、新規で必要となる人員やチーム、設備投資、導入の必要があるシステムなどを検討します。

必要となるプロセスをリストアップして、課題解決に必要なプロセスやコストを決定しましょう。

ステップ(3):代替案の作成

続いて代替案を作成します。

なぜ代替案を作成するかというと、一つ前のステップで決定した解決方法ではうまくいかない可能性もあるからです。

解決に向けた方法がうまく機能しなかったときに取り得る代替案を複数作成することで、プロジェクトの成功確率を高められます。

ステップ(4):評価項目の設定

複数の解決策と代替案を作成できたら、評価項目の設定をおこないます。

評価項目の設定では、経営資源、競合に対する優位性の持続力などを明確にします。

評価項目を設定する際は、社会や市場の状況、法律面を考慮することが必要です。

社内だけではなく、社外の外部的なポイントも含めてフィジビリティの程度を検討しましょう。

ステップ(5):フィジビリティスタディの結果を評価

フィジビリティスタディをおこなったらそれで終わりというわけではありません。

どのような成果が得られたか、どのような問題が発生したかを記録して、フィジビリティスタディの結果評価をおこないます。

問題が発生しても、最終的に利益を得られたかどうかが評価のポイントです。

投資家や融資している企業など利害関係者には、評価の結果をまとめたレポートを作成して、十分な説明をおこないましょう。

フィジビリティスタディを活用した成功事例

フィジビリティスタディを活用し、実際の事業で成功した事例を二つ紹介します。

電力供給を目的としたフィジビリティスタディ

バングラディシュでは、小規模な電力供給を目的としたプロジェクトにおいて、フィジビリティスタディを実施した事例があります。

この事例では、電気を自由に使えない地域で太陽光発電と蓄電装置による電力供給を目指していました。

フィジビリティスタディを通して、対象地域の生活状況などを把握したことにより、フィジビリティの高いプロジェクト進行が可能になりました。

生産や販売事業の定着のためのフィジビリティスタディ

タンザニアで、干し芋の生産や販売事業を定着させるために、フィジビリティスタディをおこなった事例があります。

この事例では、芋の種類や価格の調査、小規模なテスト販売などを通して、フィジビリティスタディを実施しています。

具体的には、見本市への出店、現地の小売店でのテスト販売、簡易製造設備によるテスト生産などをおこない、現地での生産・販売の可能性を検討しました。

このフィジビリティスタディは、プロジェクトの成功に役立ったとされています。

プロジェクトの進行に「Chatwork」

フィジビリティとは、「実現可能性」「実行可能性」という意味の言葉です。

フィジビリティスタディをおこなうことで、新規事業の実行可能性を検証できます。

フィジビリティスタディを円滑におこなうためには、関係者間での円滑なコミュニケーションが必要です。

ビジネスチャット「Chatwork」は、グループを作成することで複数人に一斉に情報共有ができるため、プロジェクト進行に役立ちます。

また、「Chatwork」にはタスク管理機能があり、自分やメンバーに対して期限を設定したタスク付けをおこなうことも可能です。

>Chatworkのタスク管理機能についてはこちら

通常のテキストチャットのほか、音声通話、ビデオ通話などがあり、シーンに合わせた使い分けもできます。

>Chatworkの通話機能(ビデオ/音声通話機能)に関する記事はこちら

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