「集合知」とは?意味とビジネスにおけるメリット、集合知を活かすポイントを解説
目次
ビジネスシーンの問題解決に役立つ手法には、さまざまなものがありますが、改めて注目されている問題解決の手法のひとつが「集合知」です。
集合知とは、さまざまな知識を持った人が集まって情報を共有することで、新たなアイデアの創造や、問題解決をおこなうプロセスのことです。
本記事では、集合知の意味とメリットや活用するときに知っておきたい注意点など、わかりやすく紹介します。
さらに、混合されやすい「暗黙知」と「形式知」との違いも解説します。
「集合知」とは?
集合知とは、さまざまな知識を共有して、目標達成や課題解決を目指すプロセスのことであり「集団的知性」とも呼ばれています。
「多くの人が集まれば、だれか知っている」という考え方は集合知ではありません。
単に情報を集めるのではなく、集合知は「個人の枠を超えた知識の蓄積や活用」という点がポイントです。
多くの人が集まって、いろいろな知識や経験を組み合わせて新しい発想を生み出すプロセスが集合知です。
「集合知」と混同しやすい用語との違い
集合知と混同しやすい用語に「暗黙の知」「形式知」という言葉があります。
いずれもビジネスシーンで使われることのある用語ですが、集合知とは異なる言葉です。
それぞれの言葉の意味と集合知との違いを解説します。
「暗黙知」との違い
暗黙知とは、個人の経験や直感にもとづいた知識のことです。
暗黙知は言語化されていない主観的な知識や経験則であるという点が、集合知とは異なります。
たとえば、職人による技術などが暗黙知にあたります。
ビジネスシーンでも、長年経験してきた人しか理解できておらず、言語化されていない知識や技術などは暗黙知といえるでしょう。
「形式知」との違い
形式知とは、文章や図、数式や数値によって説明できる知識のことです。
形式知は暗黙知の逆にあたる概念で、明示知ともいわれています。
集合知が「多くの人が集まって、個人の知識を超えたナレッジを生み出すプロセス」であるのに対し、形式知は「説明書や報告書によって説明できる知識」を指すという点が違いといえるでしょう。
形式知には以下のようなものがあります。
- 説明書
- 料理のレシピ
- 業務フロー
- 研究報告書
- マニュアル
ビジネスにおける「集合知」のメリット
集合知の活用には以下のようなメリットがあります。
- 多様な観点からアイデアや意見が出せる
- 新しいアイデアやイノベーションが生まれやすくなる
- 効率的な問題解決につながる
- 社内コミュニケーション活性化につながる
ひとつずつくわしく解説します。
多様な観点からアイデアや意見が出せる
集合知では、さまざまな経験や専門的な知識を持った人が集まるため、多様なアイデアや意見が出ます。
それらを円滑にするためには、メンバー同士のコミュニケーションを活性化する取り組みも必要でしょう。
たとえば、ディスカッションの実施やチャットツールの活用により、新しい知識に触れる機会を増やすことで、多様な観点からのアイデアや意見が生まれやすくなります。
新しいアイデアやイノベーションが生まれやすくなる
会社の課題解決や目標達成のために、新しいアイデアやイノベーションが必要とされる場面も多いでしょう。
集合知では、メンバー同士の知識や経験のコラボレーションによって、新しいアイデアやイノベーションが得られやすくなります。
集合知によって、これまでなかなか解決しなかった課題がクリアされたり、困難だった目標が達成できたりといったメリットが期待できます。
効率的な問題解決につながる
集合知の活用によって、効率的な問題解決も可能です。
個人がひとりで考えていても得られなかったアイデアが、複数人が集まると生まれることがあります。
メンバー同士で知識やスキルを共有すれば、より複雑な課題解決や目標達成が可能になるでしょう。
社内コミュニケーション活性化につながる
集合知を活用するためには、多様な専門的な知識やスキル、バックグラウンドを持ったメンバーが必要です。
メンバー同士でディスカッションやコミュニケーションをとることで、社内コミュニケーションの活性化につながります。
集合知によってコミュニケーションが進み、新たなアイデアが生まれ、それがさらなるコミュニケーションにつながり、といった好循環が生まれます。
集合知を効率的に活用するための注意点
メリットの多い集合知ですが、効率的に活用するためには注意点も存在します。
せっかくの知識や経験をしっかりと活かせないともったいないので、意見やアイディアを募る際には以下の点に留意していきましょう。
情報やアイデアの取捨選択をする
新しい発想やさまざまな視点の情報を収集することは大切ですが、情報の取捨選択も必要です。
情報が多すぎると混乱するほか、情報の整理にも時間がかかってしまいます。
さらに、情報が多すぎると内容について詳細な検討がなされず、集合知の品質低下につながるおそれもあります。
集合知の活用にあたっては、情報やアイデアを取捨選択しましょう。
コミュニケーションルールを定める
集合知では複数の人が関わってコミュニケーションをとるため、コミュニケーションが複雑になったり、情報が多すぎたりとデメリットが想定されます。
コミュニケーションのルールを定めておくことによって、集合知を効果的に活用できます。
具体的には以下のようなルールを定めておくと、効率的な情報収集が可能です。
- 情報を共有するタイミングを統一する
- 使用するコミュニケーションツールを決める
- メンバー同士で快適にコミュニケーションをとるための言葉遣いや表現について定める
人数が多くなればなるほど、コミュニケーションが煩雑になりやすいため、最低限のルールを定めておくと良いでしょう。
社内の集合知を集める方法
社内の集合知を集める方法について紹介します。
具体的な方法は以下のとおりです。
- 他部署連携の機会をつくる
- 風通しの良い職場づくりをする
- ナレッジや知識を共有できる場をつくる
- コミュニケーションツールを最適化する
ひとつずつくわしく見ていきましょう。
他部署連携の機会をつくる
集合知は、多様なバックグラウンドを持ったメンバーが集まることで効果を発揮します。
さまざまな知識やスキルを持った人同士がかかわれるように、他部署の人とも連携できる機会をつくりましょう。
部署同士の連携ができると、これまで知らなかった知識をお互いに得られます。
また部署の違う人と一緒に団結して課題解決に取り組むことで、部署の壁を超えた仲間意識の共有にもつながります。
風通しの良い職場づくりをする
さまざまな人が集まったとしても、お互いに意見をいい合える関係でなければ、集合知は生まれません。
意見や考えをさえぎるものがない、風通しの良い職場づくりをすることが大切です。
同僚はもちろん、先輩と後輩、上司と部下など上下関係がある場合にも、率直な意見がいいやすい状態は集合知による効果も生まれやすいです。
職場全体として、フラットに意見がいいやすい環境をつくりましょう。
ナレッジや知識を共有できる場をつくる
社内の集合知を集めるためには、社内の人同士でナレッジや知識を共有できる場が必要です。
社内でナレッジや知識を共有できる場の具体例として、以下のようなものがあります。
- ミーティング
- 社内SNS
- 社内wiki
- チャットツール
- 共有フォルダ
ナレッジや知識を共有できる場をつくり、その存在を全体に周知して活用してもらいましょう。
コミュニケーションツールを最適化する
ナレッジや知識を共有する場をつくったら、各コミュニケーションツールの最適化をおこないます。
たとえば業務マニュアルをデータ化したものを共有したい場合、オンラインの共有フォルダなどを活用すると、時間や場所を選ばずに情報にアクセスできます。
情報によっては文章だけでは細かいニュアンスを伝えられないこともあります。
実際の動作や視覚的情報で伝えた方がいいものは、動画や音声にして社内SNSに流すのが効果的というケースもあるでしょう。
どのような情報を、どのようなコミュニケーションツールで共有するか、検討することが大切です。
社内コミュニケーション活性化に「Chatwork」
集合知とは、さまざまな知識やバックグラウンドを持った人が集まって情報を共有し、目標達成や課題解決を目指すプロセスのことです。
集合知を集めるためには、さまざまなツールの活用があります。
ビジネスチャット「Chatwork」では、複数のルームをつくることができるため、社内のナレッジ共有のためのルームをつくって集合知を集めることができます。
チャットに動画や音声の添付ファイルをつけて共有することも可能です。
そのほか音声やビデオ通話によるリアルタイムの情報共有もできるため、集合知の活用に役立つでしょう。
>Chatworkの通話機能(ビデオ/音声通話機能)に関する記事はこちら
社内のコミュニケーションを活性化し、集合知を集めるためのツールとして、ぜひビジネスチャット「Chatwork」をご活用ください。
Chatwork(チャットワーク)は多くの企業に導入いただいているビジネスチャットです。あらゆる業種・職種で働く方のコミュニケーション円滑化・業務の効率化をご支援しています。