ピボットとは?ビジネスでの意味や重要性、成功事例を解説

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ピボットとは?ビジネスでの意味や重要性、成功事例を解説

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ビジネスチャットの「Chatwork」の機能はチャットだけではありません。誰でも簡単に使える様々な機能で、チームの生産性向上と業務効率化を実現し円滑なコミュニケーションをサポートします。

目次

顧客ニーズや社会情勢などの変化により、事業が立ちゆかなくなるケースは少なくありません。

既存の戦略を維持しながら起死回生を狙う方法もありますが、思い切って方向転換をはかることで道がひらける場合もあります。

苦境にある企業が方向転換をはかることを意味する「ピボット」について、意味や実践方法、成功事例などを紹介します。

ビジネスにおける「ピボット」の意味とは

ピボットは、企業経営の方向転換や路線変更を意味し、主にベンチャー企業が軌道修正をおこなったり、新規事業に乗り出したりする際に使われます。

ピボットにおいて、ターゲットや販路などを変更しても、企業のビジョンは残しておくことが原則です。

一般的な意味

もともとピボットとは、先端が円錐形になった回転軸を指します。

ピボット(回転軸)が取り入れられている代表的な道具には、計測器や時計などがあります。

また、Excelのピボットテーブル機能は、基本となるデータを多角的に分析できることから、名称に「ピボット」が含まれるとされています。

ピボットをおこなうメリットとリスク

ピボットにはメリットとリスクがあるため、慎重におこなう必要があります。

メリットとして挙げられるのは、事業戦略と市場ニーズとのズレが確認できる点です。

製品やサービスの売れ行きがふるわない理由として、「販売チャネルが合っていない」「機能が不足している」など、さまざまな要因が考えられます。

ピボットで事業戦略と市場ニーズが合致していたのかズレていたのかを明らかにし、ズレを解消することができれば事業は成功へ向かうでしょう。

一方、ピボットはあくまで軌道修正であるため、ピボットによって突き止めたズレに対して根本的な解決をおこなわない限り、同じ事態が繰り返される点がリスクといえます。

ピボットによって表面的な問題を回避するだけでは長期的な成長が望めないことを念頭に置いておきましょう。

ピボットの成功事例

ここからは、ピボットを取り入れて成功した企業の事例を紹介します。

事例(1):スマホゲーム会社の事例

スマホゲーム市場で成功したA社には、ピボットによる立て直しをおこなった過去があります。

創業時、インターネット求人広告をメイン事業としていたA社は、SNS事業で名前が知られるようになりました。

のちに、海外のSNSの日本進出を受けてSNS事業が低迷したタイミングでピボットをおこない、スマートフォン向けゲームのリリースを決定したところ、大ヒットを収めます。

ピボットによって「異なる事業を展開する」という選択をしたことで、経営を立て直すことができました。

事例(2):ゲーム会社の事例

B社はもともとトランプや花札の製造・販売をおこなっていました。

しかし、さらなる事業拡大を目指してピボットを取り入れ、家庭用・業務用コンピュータゲームの開発に着手します。

生み出されたゲームソフトは大ヒットし、国内のみならず海外でも大きな売上を得ました。

既存事業にこだわらないピボットが成功した結果、現在でもグローバル企業として不動の地位を築いています。

事例(3):EC構築サービス提供会社の事例

自社の課題解決をピボットのきっかけとした企業もあります。

C社は自社製品をインターネット上で販売するためのECストアを外注で作成・開設しましたが、使い勝手や機能面で満足のいくものではありませんでした。

そこで、自社でECサイトを構築できるシステムを開発したところ、注目を集めることとなり、そちらを主力事業とするピボットをおこないました。

現在のC社は、EC構築サービスによって多大な収益を挙げる企業となっています。

事例(4):SNSサービス運営会社の事例

D社は、現在地や写真を共有できる位置情報アプリをリリースしましたが、思ったほど世間のニーズをつかめませんでした。

そこでユーザーの利用目的を調べたところ、「写真を共有したい」という声が多いことに着目し、ピボットに踏み切りました。

主力製品を位置情報アプリから写真共有アプリへ切り替えたところ、若い世代を中心に利用が増加し、成功を収めることができました。

事例(5):アプリ会社の事例

ゲーム開発会社だったE社は、かつて業績が伸び悩み、従業員を解雇せざるをえない状況におちいっていました。

そこで、大がかりなピボットを決断し、ゲームの開発を円滑に進めるためのコラボレーションツール開発を実施した結果、順調に業績を回復することができました。

ピボットによって開発されたコラボレーションツールは、ゲームの開発以外のさまざまなビジネス場面でも使われるようになり、さらなる売上につながっています。

10個のピボットの型

ピボットには10個の型があります。

それぞれの名称と特徴を以下の表にまとめました。

特徴
Zoom-in pivot(ズームイン・ピボット) プロダクト機能の一部をメインプロダクトへ変更する方法
Zoom-out pivot(ズームアウト・ピボット) 顧客ニーズをふまえ、従来の機能を強化・拡大することで主要機能へ変更する方法
Customer need pivot(顧客ニーズ・ピボット) ターゲットそのものを見直し、サービスの課題を再検討する方法
Customer segment pivot(顧客セグメント・ピボット) 顧客のセグメントを変更し、販売戦略を再考する方法
Business architecture pivot(ビジネスモデル・ピボット) ビジネスモデルを薄利多売から高利小売、もしくはその反対へスイッチする方法
Platform pivot(プラットフォーム・ピボット) アプリケーションのプラットフォーム化、もしくはプラットフォーム自体の放棄をおこなう方法
Value capture pivot(収益モデル・ピボット) 広告収益や手数料、サブスクリプションなど、定期的な収入の発生源を変更する方法
Engine of growth pivot(成長エンジン・ピボット) 自社が採用する「スティッキー・エンジン(粘着型)」「バイラル・エンジン(ウイルス型)」「ペイド・エンジン(支出型)」の3つの成長エンジンのうち、いずれかを別のエンジンへ変更する方法
Channel pivot(チャネル・ピボット) 販売経路や流通経路を変更する方法
Technology pivot(テクノロジー・ピボット) 新しい技術を活用して既存の問題解決をおこなう方法

ピボットピラミッドとは

ピボットピラミッドとは、ピボットの対象領域を視覚的に表したものです。

アメリカのスタートアップ企業のCEOであるSelcuk Atli氏が提唱した概念です。

事業方針を転換するにあたり、何をピボットすべきかを検討する際に役立ちます。

ピボットピラミッドの階層

ピボットピラミッドは、5つの階層から成り立ちます。

最下層に位置するのが「顧客」です。

そして、「課題」「ソリューション」「テクノロジー」の順に上へ積み重なり、「グロース」が最上層に位置します。

ピボットピラミッドにおいて、一番下の階層を変更する場合は、上に位置する階層もすべて変えなければならないとされています。

以下、それぞれの階層について説明します。

顧客

「顧客」のピボットはターゲット層の変更を意味し、ターゲット層を変更するのであれば、そのほかの領域についても変更の検討が必要です。

顧客はピラミッドの最下段に位置することから、ほかの領域への影響がもっとも大きい階層といえます。

課題

「課題」のピボットは、下層に位置する「顧客」を変更せずに、解決を検討すべき課題そのものを見直すことを指します。

たとえば、製品やサービスのリリース後に利用実態を調査した結果、想定とは異なる使い方をされていたというケースもあるでしょう。

このように、「想定していたものとは異なる課題が存在していた」と判明した際に、課題のピボットを実施します。

なお、課題のピボットを行う際は、ピラミッドの上層に位置するソリューションやテクノロジー、グロースの見直しもおこなってください。

ソリューション

「ソリューション」のピボットでは、直下の層に位置する「課題」の解決方法を変更します。

同じタイミングで「顧客」や「課題」そのものの変更はおこないません。

たとえば、顧客のピボットによって製品やサービスの新規開発を決定し、その要件を決める際などにソリューションのピボットを実施します。

テクノロジー

「テクノロジー」のピボットでは、現状の問題・課題を解決するために技術面からアプローチすることを指します。

たとえば、システム開発に用いるプログラミング言語やサーバ、開発環境などの変更が挙げられるでしょう。

グロース

「グロースの」ピボットでは、成長戦略の変更をおこないます。

宣伝・販売に用いるチャネルのあり方を見直す際などに実施されるピボットで、キャンペーンの実施やPDCAサイクルの変更といった手法がとられます。

企業が成長し続けるためには、常にグロース戦略を練り続け、定期的にグロースのピボットをおこなう必要があります。

しかし、グロースのピボットを実施するほどコストがかさむリスクもあるため注意しましょう。

ビジネスでピボットする際の注意点

事業の行き詰まりを打破するにあたり、ピボットは有効な手段といえますが、実施する際には注意すべきポイントがあります。

タイミングを見極める

ピボットはいつおこなってもよいわけではなく、実施に適したタイミングがあります。

企業の成長段階には、創業期・成長期・安定・拡大期・衰退・再成長期があります。

各段階に見合わないタイミングで、不適切な事業へのピボットを実施すれば、さらなる成長の停滞を招く可能性もあります。

ピボットをおこなう際は、企業が位置する段階に見合った内容・タイミングを見極めたうえで実施することが重要です。

顧客視点を忘れない

ピボットによって顧客が不利益を被らないよう、顧客視点に立った配慮を忘れないことも必要です。

ピボットピラミッドにおいて「顧客」のピボットをおこなう場合は、顧客へのフォローを忘れないようにしましょう。

たとえば、売上が伸びないからといって既存製品の機能を大幅に変更すれば、その製品を愛用していた顧客が離れていってしまうリスクが考えられます。

製品の機能改善を実施するときなどはとくに、顧客視点を忘れないようにしてください。

企業の軸をぶれさせない

ピボットを実行する際、企業のビジョンやミッションは守るようにしてください。

企業の軸がぶれてしまうと、顧客だけではなく、ビジョンやミッションに共感していた従業員も離れていってしまうかもしれません。

企業の存在意義を失わないという意味でも、ピボットによって軸がぶれてしまうことのないように注意しましょう。

安易にピボットしない

戦略や運営、業績などの面で壁にぶつかったからといって、すぐにピボットを選択しないようにすることも重要です。

市場調査や顧客へのヒアリング、製品やサービスの見直しなど、ピボットの前段階となる施策を実施することで打開策が見つかるかもしれません。

十分な調査・分析・検証を経たうえでピボット以外の選択肢が見つからないという場合のみ、ピボットによる方向転換を検討するとよいでしょう。

社内コミュニケーションに「Chatwork」

「売上が上がらない」「顧客が獲得できない」など、経営上の悩みを解決する手段として、ピボットは有効です。

ただし、ピボットにはリスクが伴うため、最終手段だと考えたほうがよいでしょう。

ピボットを実行する前に、社内からアイデアを募り、課題解決をはかることをおすすめします。

Chatworkは社内コミュニケーションの活性化に役立つツールです。

大勢の前で発表しにくい意見や提案、気付きであっても、個人間のチャットやグループチャットを使えば、特定の人やチームメンバーなどに伝えることが可能です。

ピボットの実施に踏み切る前に、活発な意見交換をおこなうことによって現状の改善につながるケースも多いでしょう。

課題解決につなげるためにも、Chatworkの導入を検討してください。

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