テレワーク・デイズとは?テレワーク・デイズの成果と今後の課題
目次
働き方改革に向けた取り組みは進んでおり、2019年は働き方改革関連法も順次施行されるなど、働き方をめぐる状況は変わりつつあります。
中でもテレワークの促進は、働き方改革の中核を成す部分として、労働者と企業の双方からそのメリットが注目されています。
本記事では、リモートワークやモバイルワークなどさまざまな呼称についても、「テレワーク・デイズ」との関わりから、以下「テレワーク」と表記し、解説をしていきます。
テレワーク・デイズとは?
人々の働き方改革への関心の高さは、政府が旗振り役となって数年前に始まった「テレワーク・デイズ」の取り組みにも現れています。
このテレワーク・デイズの実施期間中、参加団体は定められた日数で(2019年は5日間以上)テレワークを実施することで、働き方改革を定着させていくという狙いがあります。
背景にあるのは、2020年の東京五輪により国内外からの観光客で交通混雑が予想されるため、その回避の切り札としてテレワークの普及が検討されたのです。
第1回目の2017年は950団体(6.3万人)、翌2018年は1,682団体(30.2万人)、そして2019年は2,887団体(約68万人)と、年を追うごとに規模が拡大していることからも、企業側の関心の高まりが伺えます。
また、2020年からの新型コロナウイルス感染症の感染対策や緊急事態宣言により、テレワークの導入はより求められており、東京五輪のためというだけでなく、新たな働き方のひとつとして定着や導入の必要性がより高まっています。
テレワーク・デイズの2019年の成果
テレワーク・デイズ3年目に当たる2019年の成果について、一部をピックアップして見てみましょう。[注]
業種・企業規模での取り組み傾向
やはり「PC一台あればこと足りる」という業種はテレワーク向きで、情報通信業とサービス業の2業種で参加団体の約半数を占めました。
参加団体の企業規模をみてみると、従業員数299人以下の企業・団体が全体の約61%、そのうち99人以下が約47%、100〜299人以下が約14%と、中・小規模企業の関心の高さが伺えます。
業務効率への影響
とくに注目すべきなのが、残業時間が約44.6%減少している点です。
特別協力団体向けのアンケート結果でも、60%以上が「業務生産性の向上」と「就労者の生活環境改善」を成果として挙げています。
この背景には、企業側の各種インフラ整備もさることながら、従業員側が優先順位と時間配分を決めて業務を進めた自主的な効率化の工夫、通勤がないことによるストレスの軽減、業務に集中しやすい静かな環境などが功を奏したと考えられます。
テレワーク・デイズの今後の課題
テレワーク・デイズでは、メリットだけでなく、従業員と企業の双方で課題が浮き彫りとなりました。[注]
通常のオフィスインフラが使えないことは、従業員にとって、リアルタイムでの情報共有やコミュニケーション不足が、業務進行の足かせとなります。
実際、「約4割の社員がチームメンバーとのコミュニケーションに問題を感じた」という参加団体のコメントもありました。
企業側にとっても、新たなインフラ整備は大きな負担です。
専用PCやモバイル端末、リモート会議用ツールの確保、ペーパーレス化の仕組みづくり、適切な情報セキュリティの担保、サテライトオフィスの整備など、対応すべき項目は多くあります。
労務管理の面でも、勤怠や稼働状況の管理、生産性の評価も含めて、可視化された効率的な仕組みがなければ、従業員と企業の双方に大きな負担となります。
さらに、全社挙げてテレワークへの理解が進んでいるか、という企業風土の醸成は、より根本的な問題です。
これらの部分の取り組みが不足していると、理解度や取り組み度で従業員間や部門・部署間のギャップが深まる一方、テレワーカー側は「サボっていると思われないか」などの心理的なストレスに葛藤し、せっかくのテレワーク導入の意味が失われることになるのです。
テレワークはICTを利用したインフラづくりが重要
では、課題が多いからといってテレワーク導入を諦めるべきかというと、そうではありません。
実際、深刻な人手不足や、自然災害の増加にともなう交通インフラの麻痺といった身近な出来事を見ても、企業にとってテレワーク導入は死活問題。遅かれ早かれ、本格導入に踏み切るしかないのです。
そして、こうした課題は、マンパワーでの対応には限界があるとしても、最新のICTを活用することで解消できるものも多いのです。
たとえば労務管理にしても、クラウド型ソフトやツールなどをうまく利用して業務の見える化を促進する方法もあります。
他にも、業務効率化やコミュニケーションの促進に役立つ各種ICTソリューションが開発・販売されていますので、そうしたサービスを利用するのも手です。
もちろん、単にソリューションを導入すれば即問題解消、というものでもなく、企業規模や抱える課題、予算などを考慮に入れた慎重な検討が必要になります。
テレワークに限らずビジネスコミュニケーションの効率化を強みとするChatworkでは、デジタル化やICTを取り入れた働き方改革に役立つさまざまなお手伝いが可能です。
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[注]出典:テレワーク・デイズ2019 実施結果|総務省
https://www.soumu.go.jp/main_content/000667934.pdf