テレワークを阻む印鑑・ハンコ問題とは?テレワークの印鑑問題の解決法

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テレワーク
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テレワークを阻む印鑑・ハンコ問題とは?テレワークの印鑑問題の解決法

目次

テレワークを取り入れたことで、これまで日本企業の文化として根強いものであった印鑑に起因する問題が表面化されてきました。

テレワークを推進している企業で印鑑を使う文化が根強く残っていると、テレワークを推進する企業で、押印のために出社しなければならない事態が発生しかねません。

テレワークを推進するにあたり印鑑がもたらす問題と、印鑑の持つ効力、印鑑問題をテレワークをおこなうためにどう解決すべきかについて紹介します。

テレワークにおける印鑑問題

テレワークだけではなく印鑑が必要なケースが多いと、業務効率が悪くなる傾向があります。

また、テレワークにおいては、印鑑が必要な状況を招くことは無駄につながり、業務が止まってしまう可能性が高まります。

テレワークを推進する環境における印鑑が引き起こす大きなふたつの問題について見ていきましょう。

押印のためだけに出社が必要になる

紙の文書を印刷し、承認者が押印するといった紙媒体のワークフローで仕事を進めている企業はまだ多いでしょう。

印鑑を押すことが慣例になっている企業では、押印のためだけ担当者が出社する必要があります。

これでは全社としてテレワークを実現したとはいえませんし、担当者の移動に時間やコストがかかるデメリットもあります。

契約が遅れる

印鑑そのものを手配するために時間がかかることも問題です。

印鑑は各承認者が管理している場合が多いですが、それを使って押印するためにはあらかじめ承認者のスケジュールを確保しなければなりません。

また、重要な書類になるほど重要な印鑑が必要になりますが、それらはスケジュールを押さえにくい役職の社員が持っている場合が多いです。

結果として印鑑の手配に時間がかかり、契約締結そのものが遅れてしまう、という事態が発生することもあるでしょう。

ビジネスで使われる印鑑の種類と効力

デメリットが多いようにも見える印鑑ですが、そもそも印鑑にはどのような種類があり、どのような効力があるのでしょうか。以下で説明します。

実印

実印とは、会社が設立時に法務局へ届け出ている印鑑のことです。「法人実印」や「会社実印」とも呼ばれます。

法務局で登録された印鑑であることから、法的効力はほかの印鑑の種類よりも高く、事実の証明度も高いです。

契約書など、重要性の高い書類への押印に使われることが多いです。

実印はどのような書類にも対応できます。

しかし、すべての書類に対して実印を押印することは現実的に不可能である場合が多いです。

なぜなら、重要な実印は紛失した場合の損失が大きく、都度持ち出すのはリスクが高すぎるため、実印ではない印鑑も使われています。

銀行印

銀行印とは、銀行口座開設にあたって銀行に届け出る印鑑のことです。

通常は、口座を開設した銀行とのやりとりで使われる印鑑で、手形や小切手の振り出しに利用されます。

実印と銀行印を同じ印鑑にもできますが、紛失時のリスクを考慮し、分けておくのが一般的です。

社印

社印は、日常的にビジネスではよく使われる会社の印鑑です。

実印が丸い形をしているのに対して、社印は四角い形をしていることが多いことから、角印ともいわれます。

契約書など重要度が高い書類で使われることはなく、通常は、請求書や領収書といった書類の押印に利用されます。

基本的には実印と同じ扱いをされますが、正式な印鑑として登録されているわけではないため、一部の書類では法的効力を発揮しません。

ゴム印

ゴム印は、法的効力がほとんどないとされる印鑑です。

社名だけではなく、会社の住所や電話番号などが彫り込まれたものである場合が多くあります。

ゴム印は、法人名や住所などの手書き作業を簡略化する目的で使われます。

ビジネスでの印鑑と契約の関係

実印をはじめ印鑑には法的効力が認められていますが、すべての場合において印鑑が必要というわけありません。

印鑑があってもなくても、法的効力があまり変わらない書類もあります。印鑑の有無が大きく影響しない書類のひとつが、契約書です。

契約は、たとえ口頭であっても、双方の合意があれば成立するとされています。

法律上は、契約書に記名押印することについて特に定めあるわけではなく、印鑑は双方の合意があったと確かめる方法のひとつに過ぎません。[※1]

それでは、なぜ契約書から印鑑がなくならないのでしょうか。

その理由は、一般的に印鑑が客観的な証拠を残す手段として強力であると考えられているからです。

しかし、物理的な印鑑が改ざんが難しいとされていた過去とは異なり、現在は技術が進歩し、改ざんをおこなったり、本来の持ち主ではない人が押印をする、ということが容易にできてしまいます。

そのため、客観的証拠を残す手段として印鑑を押すことの意味は薄れてきています。

テレワークでの印鑑問題を解決する手段

会社における印鑑の使用は慣習として深く根付いており、また双方に合意があったことを証拠として示す手段としてある程度は有効であることは否定はできません。

そのため、すぐになくしてしまうことは難しいと考えられます。

しかし、物理的な印鑑を使用する意味はなくなりつつあり、以下のツールを使うことが印鑑問題の解決策となり得ます。

電子印鑑を利用する

電子印鑑は、電子化した文書に押印できる印鑑です。

PC上で押印をするため、どこからでも押印をすることができます。

実印が必要とされる場合では使えませんが、電子印鑑なら、社印やゴム印を使っている文書を広くカバーできます。

電子印鑑により、押印作業のために出社をする必要はなくなり、テレワークを実現することができます。

また、離れた場所で同時に押印することも可能であるため、管理者のスケジュール調整のような作業も省略できます。

さらには、印鑑そのものを紛失してしまう心配もありません。

電子契約システムを利用する

電子契約システムとは、印鑑や書面そのものを電子化するだけではなく、その取り交わしもクラウド上で完結させることができるシステムです。

担当者間で印刷した書類を手渡ししたり郵送をおこなう必要はなくなります。

完全なテレワークを実現するためには、電子印鑑だけではなく、電子契約システムを導入するようにしましょう。

ただし、すべての契約で適用できるわけではない点や、取引先の同意がなければ利用が難しい点には注意が必要です。

テレワーク実現のために印鑑問題を解決しよう

印鑑の存在は、テレワークの推進を妨げる要因でもあり、テレワークでなくても手間や効率が悪い要素が強いものです。

印鑑問題を解決するためには、印鑑や書面を電子化することや電子契約システムを導入することが最も簡単な解決策です。

また、契約に関するやりとりには、ビジネスチャットツールであるChatworkの利用が効果的です。

契約に関するやりとりをチャット形式でスピーディーに進めることができるだけではなく、契約書の送付や保管にも使っていただけます。

印鑑問題だけではなく、テレワークの推進、ペーパーレス化の推進のためにぜひChatworkの導入を検討してください。

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[※1]出典:押印についてのQ&A 令和2年6月19日 内閣府/法務省/経済産業省
http://www.moj.go.jp/content/001322410.pdf


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