電子契約と紙の契約の違いと電子契約のメリット

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電子契約とは、紙の契約書を使わず、電子化された契約書をシステム上で取り交わすことでおこなう契約のことです。ハンコ文化の根強い日本においては、紙を使わない契約に対する抵抗も強く、これまであまり普及がみられませんでした。しかし、新型コロナウイルス感染症拡大の影響とともにテレワークが広まり、注目が高まるようになりました。

また、2020年7月に閣議決定された規制改革実施計画において、これまで押印や書面の提出が求められたすべての行政手続きについて、見直しを検討することなどが明記されるなど、行政主導でも「脱ハンコ」の機運が高まっています。[※1] 今まさに、紙をもちいる契約から電子契約へ移行するタイミングが到来しているといえるでしょう。紙も印鑑も不要の電子契約について紹介します。

電子契約と紙の契約との違い

電子契約と通常の契約との間には、印鑑の有無をはじめいくつか違いがあります。順番に見ていきましょう。

印鑑の有無

紙の契約では、原本と写しにそれぞれ署名や捺印をおこない、さらに双方の間に割印をすることで、同一の契約の契約書であり、契約書を本人が作成したことを証明します。もし写しに印鑑がなければ、原本と同じ効力を持たないとみなされる場合もあります。

一方、電子契約では印鑑は使用せず、その代わり電子署名をもちいます。電子署名は、電子化された書面上に記載できる署名のことです。電子署名は、それ自体に情報が埋め込まれており、電子認証局という第三機関と照合することで本人性を証明できます。つまり、印鑑証明書に登録した印鑑と同じ効力をもつのです。

さらに、物理的な実体をもつ印鑑と異なり、無形のデータである電子署名は印鑑以上に偽装が難しく、安全な道具であるといえるでしょう。

印刷や郵送の有無

紙の契約では、通常PCで作成した雛形を印刷した上で、署名や捺印をおこないます。また、遠隔地にいる当事者間で契約が結ばれる場合は、契約書を郵送をすることが必要です。

電子契約はインターネット上で契約書の記入や取り交わしが完結するため、印刷はもちろん郵送することもありません。

電子契約導入のメリット

電子契約と通常の契約の間には以上の違いがありますが、ここからはその違いが生むメリットについて見ていきましょう。

セキュリティが向上する

契約を交わすうえでもっとも気をつけなくてはならないのが、契約書の偽造や改ざんです。契約書の内容が真実と異なる場合、重大なトラブルの原因になりかねません。しかし、それが偽物だと証明するためには相当な労力と費用がかかります。トラブルを避けるためには、偽造や改ざんが行われないように対策をすることが最も重要です。

電子契約書は、仮に内容を改ざんした場合、その証拠はデータとして残る特徴があります。また前述のように、電子契約書上の電子署名は、印鑑よりもさらに強力な証拠としての効力を持ちます。さらに、電子契約をおこなう上でもちいる電子契約システムでは、通常電子署名をする権限を持った人を、そのシステム上で管理することができます。つまり、印鑑のように本人ではない人が無許可で持ち出し、代理で押印するという事態が発生するリスクを抑えることができます。

改ざんや偽造のリスクが低い契約を結べるということは、契約上のトラブルや情報漏洩を防止できる可能性を高めます。さらに、コンプライアンス意識の高い企業として、信頼性の向上にもつながります。

経費と時間のコストカット

通常の契約では、紙が必要な分、紙代や印刷代、収入印紙代、郵送料、契約に関わる従業員の人件費などさまざまな経費がかかります。また、契約書の内容確認、製本、郵送でのやり取りなど契約締結までの間にも多くの時間を要します。契約書の内容に不備があった場合には、予想されていた時間の何倍もの時間がかかってしまうという事態もありえます。

電子契約では、契約書作成にかかる費用はシステムの維持費をのぞいて不要です。また契約締結までの時間も大幅に削減されるので、あらゆる面でのコストカットをすることができます。契約までのフローが短縮されることで、契約業務も簡略化でき、業務効率がアップするというメリットも得られるでしょう。

保管場所が不要になる

契約書は法律上、締結後には一定期間保管しておかなくてはなりません。しかしそれが紙の場合、保管場所を確保する必要があります。電子契約であれば、電子契約システムを運営する企業や団体のサーバーやデータセンターなどで保管できるので、自社内に保管場所は必要ありません。

保管スペースが不要になれば、これまで使っていたスペースを別の用途に使えたり、費用を削減することができます。

電子契約導入の注意点

一方で、電子契約の導入には注意点もあります。よく理解したうえで導入を検討しましょう。

導入コストがかかる

電子契約を導入するにためには、認定事業者やサービスを提供する会社と契約をしなければなりません。サービス提供会社によっては加入費用やサービス利用料がかかるところもあります。

これらの料金は会社ごとに異なり、送信件数やアカウント数で負担する金額が変わることもあるため、注意が必要です。

また、契約を結ぶ相手にもサービスに加入してもらわなければならない場合があるため、承諾に手間取ってしまうことが考えられます。[※2]

保管体制を整える必要がある

電子契約は、物理的に契約書を保管する必要がない代わりに、電子帳簿保存法に則って適切な管理をおこなわなければなりません。

電子帳簿保存法には、保存場所や保存期間、真実性要件を満たしていること、また検索機能や説明書の添付などにも細かい取り決めがあります。[※2] 自社の運用管理体制を整えるまでには相当の時間がかかるでしょう。

電子契約に関する法律

電子契約は比較的新しい制度であるため、それに関する法律も近年定められています。代表的な3つの法律をご紹介します。

IT書面一括法

IT書面一括法は、「書面の交付等に関する情報通信技術の利用のための関係法律の整備に関する法律」という正式名称で2001年に施行された法令です。

それまでは金融商品取引法や建設業法、旅行業法など50の法律で書面での交付や手続きが義務づけられていましたが、IT書面一括法により電子的方法での手続きが可能となりました。

電子署名法

IT書面一括法とほぼ同時に施行された電子署名法は、手書きの署名や捺印と電子署名が同等に通用することを法的に認めた法令です。この法令により、一定の要件を満たしている電子署名が用いられている電子文書は、作成者の意思に基づいて作られたと認められます。

さらに一定の基準を満たした認証業務は、法務大臣や総務大臣、経済産業大臣の認定が受けられるという制度も同時に導入されました。

電子帳簿保存法

正式名称が、「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法などの特例に関する法律」とされる電子帳簿保存法は、電子データでの帳簿保存が認められる法律です。

この法令が施行されるまでは、原則として国税に関する書類は紙の形で7年間保存することが義務づけられていました。そのため、企業は膨大な書類を保管する必要があり、デジタル社会に反して書類1つを探すのにも多くの時間を要するという非効率な業務実態がありました。

しかし電子帳簿保存法により真実性と見読性、検索性など保存に関する条件を満たしていれば、電子データでの保存が可能になり、保管や検索に関する業務効率を高めることができます。

電子契約の導入し安全に契約を締結しよう

電子契約はテレワークの実現のために必要であるとして、注目をあびはじめています。一方で、安全性の向上やコスト削減など、経営者にうれしいメリットがたくさんあります。ぜひ導入を検討してください。

[※1] 規制改革実施計画 令和2年7月17日 閣議決定
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/publication/keikaku/200717/keikaku.pdf
[※2] 参照:電子契約のメリット・デメリット|電子契約の比較|2020年版
https://keiyaku-hikaku.info/about/merit

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